a pair of fate

みか

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【第一部】

2

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『結婚しないか?』『結婚しないか?』『結婚しないか?』と脳内で木霊する『結婚しないか?』


「………………………は………?」


何秒、何十秒、または何分かためてやっと絞り出した声は酷く間抜けだった。

結婚…?結婚ってなんだっけ?


「…ちょ、っと何言ってるんですか、ね…」

「…………」


冗談か?と思ったが黒川さんの顔は至って真剣でとても冗談を言っているような顔ではなかった。


「…え?…結婚、…結婚…?…?」

「…俺と…結婚…しないか…?」


俺と黒川さんが揃いのタキシードを着てバージンロードを歩いて指輪交換をして誓いのキスとかケーキ入刀とか想像できない…。

あ、…黒川さん極道?だから盃?和装?あれ?指詰めたり?それは罰だっけ?どっちにしろ全然想像できない…。

てかまだ出会って数日だよな?それで高校生に求婚って普通に考えて結構ヤバくないか?
いやこの人色々ヤバいから今更だ。


「…華…」

「…、…えぇっ、と…」


じり…っと微妙に距離を縮めてくる黒川さんから距離を取る。

熱い視線で見詰められ思わず『不束者ですが宜しくお願い致します』なんて雰囲気に流されて言いそうになる。


「あっ!あの!」


それだけは絶対に駄目だ!
俺はまだ極道の姐さんになる覚悟は出来てない!指だって大切だ!と慌てて立ち上がると、ガタッと椅子が音を立てて倒れた。 


「おおおおれ帰ります!!」

「は?」


ポカンと口を開ける黒川さんから一歩ずつ離れ寝室を探す。

まずリビングから出た。

確か荷物は寝室って言ってたよな?寝室…寝室…どこだよ!!

失礼だがドアを順番に勝手に開け閉めする。寝室は中々見つからない。


「おい」

「っひ」


背後から地を這うような声が聞こえ振り向くと俺のバッグ二つ持った黒川さん。


「送ってく…」

「あ、ありがとうございます…」


スタスタ歩く黒川さんと、右手右足が同時に出そうになる俺はマンションを後にした。
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