a pair of fate

みか

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【第一部】

3

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「…許可しないわけが無いだろう。」


じっとテーブルの木目を見つめていると、父親の静かな声が降ってくる。

俺が顔を上げると同時に父親は席を立ち、そしてそのままリビングを出て行った。


「ちょっと、どこ行くのよ」

「酒を買ってくる!!!」


追いかけた母親と父親の声がドア越しに聞こえてきた。

…これは…一応、許可してもらえたって事か?

すぐに戻ってきた母親は、機嫌がよさそうに笑っている。


「少し遠くのスーパーに行ってくるって。あの人が帰ってくるまで華と居たら?二階に上がって一番左の部屋よ」

「はい」


まぁいいか。

許可は貰えたようだし、父親もきっと色々混乱しているはずだから。

それより早く華を抱き締めてチャージしたい。
昨日は砂で残念になっていた髪も、今日はサラサラで指通りが良いだろう。そそて、二人きりで抱き締めた時にどんな反応をしてくれるかも見たい。


二階には三つの部屋。

その一番左の部屋のドアをノックする。


「…あ、黒川さん、どうでしたか?」


すぐに出てきた華は、昨日と同じ様に不安そうな顔をしていた。


「とりあえず入っていい?」


俺の何も無い部屋とは違い、男子高校生らしい部屋。

ベッドとローテーブルと本棚。
壁には最近テレビでよく見るバンドのポスターが貼ってある。


このバンドが好きなのか?

でも華の事だから、清水からオススメとか言って押し付けられたやつをそのまま貼ったりしてそうだ。

どっちにしても可愛い。
また華の事を一つ知れた。


「で、どうでしたか?」


未だに不安そうな顔をしている華が振り向く。


「ごめん」

「?、んぃ!」


そのまま後頭部を引き寄せて顔をぶつけるようなキスをした。
相変わらず急だと目を閉じるのを忘れるらしい。

少しの間だけ唇を押し付けて離す。


「会いたかった…」

「唇痛い…、30分前じゃん…」


ぶつぶつ文句を言う華。
折れるんじゃないかというくらい抱き締めて、胸いっぱいに匂いを吸い込む。

文句を言いながらも俺を突き飛ばさず、背中に手を回してくる所が可愛くて仕方がない。


「上手くいった気がする」

「よかった…父さん愛想悪くなかったですか?すみません」

「全然。華とよく似てたよ」


似てません!と言いながらふいっと横を向く華。

やっぱり父親によく似てる。


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