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第3章:雷速姫と迷宮街編
第88話:魔界攻略パーティ
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「聖女様!一体どう言う事ですか!?私の隊の兵士を勝手に連れ出すなど!」
「そ、それは・・・」
っと言う訳で俺は今、ドエインが所属する街道警備隊の大隊長が居る施設にクソ聖女ともに来ているのだが、大隊長は聖女を見るや否や大声でクソ聖女を詰めている。
「いくら聖女様とてこれは看過出来ませんぞ!」
「で、でもッ!異端者は教会として見過ごす事は出来ません!」
「・・・異端者とはこの若者の事ですかな?」
そう言って大隊長はクソ聖女の後ろに控える俺をチラリと見る。
「そ、そうよ!暗黒魔法で人心を惑わせていて、しかも本人は不死者よ!」
クソ聖女は取り囲む兵士が居なくなったからか、また尊大な態度に戻りつつそう叫んだ。
「・・・・・・本当かね、ドエイン」
大隊長はこの場に連れて来られたドエインに尋ねる。
ドエインは大隊長に報告をしに行き、その場に聖女も居た事から何だかんだ報告が嘘であるかの様にされてしまい拘束されていた様だ。
今目にしている聖女の感じを見る限り、きっとドエインが何を言っても否定されて、聖女の言う事と唯の一兵に過ぎないドエインではどちらの言い分が通るかなど、火を見るより明らかだったであろう事は想像に固くない。
因みに大隊長をチラ見した感じだと、大隊長はクソ聖女とドエインの報告を加味して、まずは俺達に話を聞きたいと言う事で兵士を宿屋に派遣して普通に出頭要請をする予定だった様だ。
それをクソ聖女が勝手に動き今に至る。
「いえッ!先程報告した通り、コボルト・ジェネラルの襲撃により我が小隊は壊滅、それをこの御仁率いる一団に助けて頂き再度のコボルト・ジェネラル襲撃の際も聖女様一行と協力して撃退。全ての功績はこの御仁率いる一団にあります」
「・・・だ、そうですが」
ドエインの報告を再度聞き、大隊長はクソ聖女に向き直る。
「・・・確かに通常種とは思えないコボルトに遭遇し戦闘状態にありました。ですが私達も必死に戦い、多くの犠牲を払いました!それを全てこの男の功績とは死んで行った者への侮辱も良い所です!それに!」
クソ聖女はそこまで一気に捲し立てると、一旦言葉を区切り、振り返って俺を睨み付けながら続けた。
「この男ととう一人の女は不死者かそれに連なる邪悪な存在です!身体の欠損は瞬時に治り、怪しげな術を使う!教会はこの存在を絶対に認めません!異端者認定は確実です!」
そこまで言ってクソ聖女はふーふーと鼻で荒く息をした。
「不死者とは・・・この男がヴァンパイアだとでも言いたいのかね?」
「そうです!」
「では何故、この男は昼間にこの様に平然としていられるのかね?」
「そ、それは・・・ヴァンパイアの始祖の中には陽の光をものともしない者も存在すると聞きます!」
「この男がヴァンパイアの始祖だと?」
「そ、そこまでは言ってません・・・ですが!この男だけでは有りません。この男の仲間の女の一人は異様な術を使います!それは魔力を使わない術です!神の教えに反する、在ってはならない力を使う!これもまた異端審問に掛けるべき案件なのは確実です!」
ついには明莉にまで矛先が向いた為に俺はここで口出しをする事にした。
「あー、いいかな。とりあえず、俺達はクソ聖女様御一行と魔界を目指すんで、そのパーティに入れて貰いたいんですよ」
「またクソって言ったわねッ!・・・って、何言ってるのアンタ!?」
俺の言葉を聞き、クソ聖女は混乱した表情を浮かべて宣うが、俺は続けた。
「自分で言うのも何ですが、コボルド・ジェネラルを撃破出来るだけの実力がある俺達が加われば確実に戦力が増しますし、断る理由何て無いと思いますよ?」
俺は大隊長に向けてアピールをした。
「な、何言ってるのよッ!?断る理由なんてアンタ達が異端者ってだけで十分よ!!」
「・・・この男が異端者とは認定されていないし、審問の要請すらさらていない現状でそう断罪する純分な証拠は聖女様から一切提示されていませんが?」
「わ、私が異端者と言ったら異端者でしょう!!教会本部にそう私が進言すれば教会も必ず認めるわッ!私にはそれだけの権力があるし、聖女が言っているのよ!?貴方もそれくらい分かるでしょう!?」
大隊長はクソ聖女の言い分を認めない発言をしているが、それはクソ聖女としては納得し難い事であり、今迄そんな事は一切無かっただけにクソ聖女は焦って反論する。
「いいえ、分かりませんな」
「ぁ、え?」
「貴女の言っている事がまったく理解出来ません。自らの命を救って貰った御恩人に何故その様な振る舞いが出来るのですか?」
「え?な、何?え・・・?」
突然の大隊長の完全否定にクソ聖女は目を丸くし、頭の処理が追い付かない様子で完全にパニクっていた。
それを見て俺はくつくつと笑いが盛れ出してしまう。
そんな様子をクソ聖女は目端で捕らえ、今度は俺に向かって吠える。
「ア、アンタッ!!!またやったでしょう!?」
「だから何を?」
「洗脳の魔法なの!?」
「何の事だか分からないんだが?」
「誤魔化さないで!アンタがやったのは分かってるのよッ!!」
俺はここで大きな溜息を吐く。
「はぁぁ、だからさ例えばお前の言ってる事が正しかったとしてさ。それをやったから何だってんだ?」
「はぁ!?やって良い事と悪い事くらい分かるでしょ!自分の思い通りにならないからって他人を洗脳するなんて凡そ普通の人間の思考じゃないし、卑怯よ!!」
バカじゃねぇの此奴
「権力を振りかざして無実の人間を貶める奴に言われたか無いね」
俺はフンッと鼻を鳴らして言った。
「アンタらは無実じゃないでしょう!!」
「もういいよ。でも一つ言っておくぞ」
「な、何よ」
「あんま舐めた事言ってるとテメェも衆人の前で盛大にクソ漏らす事になるぜ」
「ッ!?」
俺がそう言うとクソ聖女はそれ以上何か言う事は無かった。
漸く静かになったと俺は改めて大隊長に話し掛ける。
「そんな訳で、今言った様にしてくれ」
「了解した。では、キミ達は聖女一団の魔界攻略に参戦する傭兵として今後は聖女様と行動を共にしてくれ」
「はいよ」
「ちょ、ちょっと!?勝手に決めないでよッ」
「何か不都合でも有りますかな?」
「不都合も何も・・・」
そう言い掛けてクソ聖女はチラリと俺を見る。
俺は表情を変えず、感情を表に出さずに唯、クソ聖女を見詰めた。
「・・・軍事やそれに関する事はダグラスに一任しています。ダグラスが参加者リストにこの男の名を載せるとは到底思えません」
どうやら、魔界攻略に参加するにはそのリストに名前を載せて貰わないといけない様であった。
クソ聖女の記憶をちょいと覗いてみると、元々最初から参加する者はリストに載っていて、途中で有志を募る活動もしつつ魔界に向かっている聖女に途中から参加すると言う傭兵も後を絶たない。
そこで聖女の護衛であるダリス中央方面軍教会派遣団聖女付き騎士団としては、参加する者の所属している傭兵団や名前をリスト化して、随時騎士団本部に早馬で送り、それを教会に提出して許可を得る様な仕組みの様だった。
何故そもそも名前等が必要なのかと言えば、聖女の魔界攻略の結果は毎回決まってほぼ全滅だからだ。
何人かは生き残るにしても、犠牲になった者を把握する為である様で、攻略失敗後のアフターケアとして、教会と騎士団としては遺族や所属していた傭兵団などに少なくとも通知を出すと言う事はしているらしい。
後は事前のセキュリティチェックの様な物も兼ねているらしいが、偽名なんていくらでも使えるだろうから無駄だなと思った。
「別に今すぐそのリストに載せなくてもいいだろ。この後もどうせ集めて回るんだろうし、次のリスト更新の時に名前を載せておいて貰えればいい。って言うか寧ろ載せなくていい」
「はぁ!?ダメに決まってるでしょ!リストに載っていない者は魔界に入る前の検査で弾かれるに決まってるでしょ!」
「そんなの俺ならどうとでもなるって事分かるだろ?」
俺はそう言ってニヤリと笑いクソ聖女を見た。
「・・・・・・兎に角、ダグラスが許可する訳無いわ」
「じゃあ、直接本人に聞けばいい」
「ダ、ダグラスはまだアンタの洗脳が解けていないわ!」
はいはい
俺はクソ聖女を無視して大隊長を見る。
すると大隊長が近くの兵に命じて、ダグラスをこの部屋に連れて来る様に言った。
「なッ!?そんな!ダグラスはまだ―――アンタッ!またやったわね!!」
激おこなクソ聖女を嗤いながら躱してドエインの元へと歩いて行く。
「ドエイン、とりあえず俺に全部任せておけ」
「あ、あぁ、もう俺は話に全然付いていけねぇよ・・・」
ドエインは何が何やらと困惑した表情で俺に返した。
暫くすると部屋の入口がノックされ、外から兵士の声がした。
「ダリス中央方面軍教会派遣団聖女付き騎士団、団長ダグラス様をお連れしました!」
「入れ」
大隊長は短くそう返事をした。
それにしても、ダリス中央方面軍教会派遣団聖女付き騎士団とな長いよ!
ダサいし!
入口が開けられ、ダグラスが入って来るのが分かった。
ダグラスは入口で立ち止まり、大隊長に向けて言った。
「先程はすまなかった。どうにも体調が優れず―――」
そこまで言ってダグラスは大隊長の近くに居るクソ聖女を見て、その後で俺とドエインの姿を確認して固まる。
「ダ、ダグラス・・・?」
ダグラスの様子がおかしいと直ぐに気付いたクソ聖女が声を掛けるが、ダグラスはそれには反応せずに俺を見て目を離さずに身体を震わせる。
そしてーーー
「あ、ああ、ああぁぁぁぁぁぁッッ!!??悪魔ぁぁぁッ!!」
その場で腰を抜かして泣き叫び始めたダグラスであった。
しまった・・・
解除し忘れた
いや、ホント態とじゃ無いんだ・・・
「そ、それは・・・」
っと言う訳で俺は今、ドエインが所属する街道警備隊の大隊長が居る施設にクソ聖女ともに来ているのだが、大隊長は聖女を見るや否や大声でクソ聖女を詰めている。
「いくら聖女様とてこれは看過出来ませんぞ!」
「で、でもッ!異端者は教会として見過ごす事は出来ません!」
「・・・異端者とはこの若者の事ですかな?」
そう言って大隊長はクソ聖女の後ろに控える俺をチラリと見る。
「そ、そうよ!暗黒魔法で人心を惑わせていて、しかも本人は不死者よ!」
クソ聖女は取り囲む兵士が居なくなったからか、また尊大な態度に戻りつつそう叫んだ。
「・・・・・・本当かね、ドエイン」
大隊長はこの場に連れて来られたドエインに尋ねる。
ドエインは大隊長に報告をしに行き、その場に聖女も居た事から何だかんだ報告が嘘であるかの様にされてしまい拘束されていた様だ。
今目にしている聖女の感じを見る限り、きっとドエインが何を言っても否定されて、聖女の言う事と唯の一兵に過ぎないドエインではどちらの言い分が通るかなど、火を見るより明らかだったであろう事は想像に固くない。
因みに大隊長をチラ見した感じだと、大隊長はクソ聖女とドエインの報告を加味して、まずは俺達に話を聞きたいと言う事で兵士を宿屋に派遣して普通に出頭要請をする予定だった様だ。
それをクソ聖女が勝手に動き今に至る。
「いえッ!先程報告した通り、コボルト・ジェネラルの襲撃により我が小隊は壊滅、それをこの御仁率いる一団に助けて頂き再度のコボルト・ジェネラル襲撃の際も聖女様一行と協力して撃退。全ての功績はこの御仁率いる一団にあります」
「・・・だ、そうですが」
ドエインの報告を再度聞き、大隊長はクソ聖女に向き直る。
「・・・確かに通常種とは思えないコボルトに遭遇し戦闘状態にありました。ですが私達も必死に戦い、多くの犠牲を払いました!それを全てこの男の功績とは死んで行った者への侮辱も良い所です!それに!」
クソ聖女はそこまで一気に捲し立てると、一旦言葉を区切り、振り返って俺を睨み付けながら続けた。
「この男ととう一人の女は不死者かそれに連なる邪悪な存在です!身体の欠損は瞬時に治り、怪しげな術を使う!教会はこの存在を絶対に認めません!異端者認定は確実です!」
そこまで言ってクソ聖女はふーふーと鼻で荒く息をした。
「不死者とは・・・この男がヴァンパイアだとでも言いたいのかね?」
「そうです!」
「では何故、この男は昼間にこの様に平然としていられるのかね?」
「そ、それは・・・ヴァンパイアの始祖の中には陽の光をものともしない者も存在すると聞きます!」
「この男がヴァンパイアの始祖だと?」
「そ、そこまでは言ってません・・・ですが!この男だけでは有りません。この男の仲間の女の一人は異様な術を使います!それは魔力を使わない術です!神の教えに反する、在ってはならない力を使う!これもまた異端審問に掛けるべき案件なのは確実です!」
ついには明莉にまで矛先が向いた為に俺はここで口出しをする事にした。
「あー、いいかな。とりあえず、俺達はクソ聖女様御一行と魔界を目指すんで、そのパーティに入れて貰いたいんですよ」
「またクソって言ったわねッ!・・・って、何言ってるのアンタ!?」
俺の言葉を聞き、クソ聖女は混乱した表情を浮かべて宣うが、俺は続けた。
「自分で言うのも何ですが、コボルド・ジェネラルを撃破出来るだけの実力がある俺達が加われば確実に戦力が増しますし、断る理由何て無いと思いますよ?」
俺は大隊長に向けてアピールをした。
「な、何言ってるのよッ!?断る理由なんてアンタ達が異端者ってだけで十分よ!!」
「・・・この男が異端者とは認定されていないし、審問の要請すらさらていない現状でそう断罪する純分な証拠は聖女様から一切提示されていませんが?」
「わ、私が異端者と言ったら異端者でしょう!!教会本部にそう私が進言すれば教会も必ず認めるわッ!私にはそれだけの権力があるし、聖女が言っているのよ!?貴方もそれくらい分かるでしょう!?」
大隊長はクソ聖女の言い分を認めない発言をしているが、それはクソ聖女としては納得し難い事であり、今迄そんな事は一切無かっただけにクソ聖女は焦って反論する。
「いいえ、分かりませんな」
「ぁ、え?」
「貴女の言っている事がまったく理解出来ません。自らの命を救って貰った御恩人に何故その様な振る舞いが出来るのですか?」
「え?な、何?え・・・?」
突然の大隊長の完全否定にクソ聖女は目を丸くし、頭の処理が追い付かない様子で完全にパニクっていた。
それを見て俺はくつくつと笑いが盛れ出してしまう。
そんな様子をクソ聖女は目端で捕らえ、今度は俺に向かって吠える。
「ア、アンタッ!!!またやったでしょう!?」
「だから何を?」
「洗脳の魔法なの!?」
「何の事だか分からないんだが?」
「誤魔化さないで!アンタがやったのは分かってるのよッ!!」
俺はここで大きな溜息を吐く。
「はぁぁ、だからさ例えばお前の言ってる事が正しかったとしてさ。それをやったから何だってんだ?」
「はぁ!?やって良い事と悪い事くらい分かるでしょ!自分の思い通りにならないからって他人を洗脳するなんて凡そ普通の人間の思考じゃないし、卑怯よ!!」
バカじゃねぇの此奴
「権力を振りかざして無実の人間を貶める奴に言われたか無いね」
俺はフンッと鼻を鳴らして言った。
「アンタらは無実じゃないでしょう!!」
「もういいよ。でも一つ言っておくぞ」
「な、何よ」
「あんま舐めた事言ってるとテメェも衆人の前で盛大にクソ漏らす事になるぜ」
「ッ!?」
俺がそう言うとクソ聖女はそれ以上何か言う事は無かった。
漸く静かになったと俺は改めて大隊長に話し掛ける。
「そんな訳で、今言った様にしてくれ」
「了解した。では、キミ達は聖女一団の魔界攻略に参戦する傭兵として今後は聖女様と行動を共にしてくれ」
「はいよ」
「ちょ、ちょっと!?勝手に決めないでよッ」
「何か不都合でも有りますかな?」
「不都合も何も・・・」
そう言い掛けてクソ聖女はチラリと俺を見る。
俺は表情を変えず、感情を表に出さずに唯、クソ聖女を見詰めた。
「・・・軍事やそれに関する事はダグラスに一任しています。ダグラスが参加者リストにこの男の名を載せるとは到底思えません」
どうやら、魔界攻略に参加するにはそのリストに名前を載せて貰わないといけない様であった。
クソ聖女の記憶をちょいと覗いてみると、元々最初から参加する者はリストに載っていて、途中で有志を募る活動もしつつ魔界に向かっている聖女に途中から参加すると言う傭兵も後を絶たない。
そこで聖女の護衛であるダリス中央方面軍教会派遣団聖女付き騎士団としては、参加する者の所属している傭兵団や名前をリスト化して、随時騎士団本部に早馬で送り、それを教会に提出して許可を得る様な仕組みの様だった。
何故そもそも名前等が必要なのかと言えば、聖女の魔界攻略の結果は毎回決まってほぼ全滅だからだ。
何人かは生き残るにしても、犠牲になった者を把握する為である様で、攻略失敗後のアフターケアとして、教会と騎士団としては遺族や所属していた傭兵団などに少なくとも通知を出すと言う事はしているらしい。
後は事前のセキュリティチェックの様な物も兼ねているらしいが、偽名なんていくらでも使えるだろうから無駄だなと思った。
「別に今すぐそのリストに載せなくてもいいだろ。この後もどうせ集めて回るんだろうし、次のリスト更新の時に名前を載せておいて貰えればいい。って言うか寧ろ載せなくていい」
「はぁ!?ダメに決まってるでしょ!リストに載っていない者は魔界に入る前の検査で弾かれるに決まってるでしょ!」
「そんなの俺ならどうとでもなるって事分かるだろ?」
俺はそう言ってニヤリと笑いクソ聖女を見た。
「・・・・・・兎に角、ダグラスが許可する訳無いわ」
「じゃあ、直接本人に聞けばいい」
「ダ、ダグラスはまだアンタの洗脳が解けていないわ!」
はいはい
俺はクソ聖女を無視して大隊長を見る。
すると大隊長が近くの兵に命じて、ダグラスをこの部屋に連れて来る様に言った。
「なッ!?そんな!ダグラスはまだ―――アンタッ!またやったわね!!」
激おこなクソ聖女を嗤いながら躱してドエインの元へと歩いて行く。
「ドエイン、とりあえず俺に全部任せておけ」
「あ、あぁ、もう俺は話に全然付いていけねぇよ・・・」
ドエインは何が何やらと困惑した表情で俺に返した。
暫くすると部屋の入口がノックされ、外から兵士の声がした。
「ダリス中央方面軍教会派遣団聖女付き騎士団、団長ダグラス様をお連れしました!」
「入れ」
大隊長は短くそう返事をした。
それにしても、ダリス中央方面軍教会派遣団聖女付き騎士団とな長いよ!
ダサいし!
入口が開けられ、ダグラスが入って来るのが分かった。
ダグラスは入口で立ち止まり、大隊長に向けて言った。
「先程はすまなかった。どうにも体調が優れず―――」
そこまで言ってダグラスは大隊長の近くに居るクソ聖女を見て、その後で俺とドエインの姿を確認して固まる。
「ダ、ダグラス・・・?」
ダグラスの様子がおかしいと直ぐに気付いたクソ聖女が声を掛けるが、ダグラスはそれには反応せずに俺を見て目を離さずに身体を震わせる。
そしてーーー
「あ、ああ、ああぁぁぁぁぁぁッッ!!??悪魔ぁぁぁッ!!」
その場で腰を抜かして泣き叫び始めたダグラスであった。
しまった・・・
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