334 / 335
第7章:愚者の目覚めは月の始まり編
第334話:違和感
しおりを挟む
「単刀直入に言う。エル教会のガバリス大司教を引き渡せ」
先程までのほんわか?雰囲気を一転させて俺は腹に力を込めて目の前の玉座に座るハイスタード帝国の頂点たる皇帝を見て言う。
「た、単刀直入過ぎるじゃろ・・・」
横でアリシエーゼとラルファが狼狽えているが俺は別にそれで構わなかった。
無駄話もするつもりは無いし、人間同士の腹の探り合いや醜く黒い部分はもう見たく無いのだ。
元の世界で散々それらほ見て来たし結局一番怖いのは人間―――なんて話はもう辟易なのだ。
「ガバリス・・・?」
俺の言葉に皇帝は眉を顰める。
周りの者もザワ付くのだが、俺がエル教会とガバリス大司教の名を出したからでは無い―――
「―――貴様ッッ、皇帝陛下に何て口を聞く!!無礼であろう!!」
直衛の騎士が予想通り爆発し俺に詰め寄ろうとして来るが、それを皇帝が制す。
「止めろ、俺が話してる途中だ」
「ッ!?し、しかし――ッ」
「・・・・・・」
騎士は反論しようとするが、皇帝の刺す様な視線に気付き慌てて一歩下がる。
年齢の割に風格はあるなぁ
見た目は十代前半と言った所なのだが、言葉遣いと言いその言動は一国の主たる風格を感じさせるものだった。
「エル教会のガバリス――――うむ、聞いた名だな。確か我が帝国に教会を建設したいと申しておった筈だが、何故返せと言う言葉がお前から出て来るのかが理解出来ん」
皇帝はガバリス大司教は知っているが、返せと言われる理由が分からないと言う。
あの件に関して何も知らないのか・・・?
エル教会は主教の存在しない帝国に自ら売り込みを掛けており、その帝国方面の責任者がガバリス大司教だ。
どデカい教会を建設して帝国の主教となる様に働き掛け、短くは無い年月を掛けて国の中枢へも入り込む算段を付けてはいるのだろうが、兎に角そう言ったプロモーション活動等も行い、ガバリス大司教は帝国側とも懇意にしていた筈なのだ。
なので、皇帝と食事等をする親しい間柄では無かったにせよ、謁見くらいはした事はあるだろうし、皇帝で無くとも帝国の重鎮や重要人物とはコンタクトは取っている筈なのだ。
なのでガバリス大司教の名前を皇帝自ら知っていても可笑しくは無い。
だが、今回連合軍との戦争が再開され帝国は完全に虚をつかれてしまった形だった為、直接的な戦力の招集の他にも外交的な解決案等も恐らく急遽検討した筈だ。
その際に連合軍の中――と言うか、中枢に教会が居り見方に寄っては教会が中心となって動いている様にも見えるこの戦争再開だが、帝国は密偵等を使って教会が動いている情報等は入手していたに違い無い。
だからこそ帝国はガバリス大司教を交渉材料とすべく無理矢理、拉致に近い形で攫ったのだと思っていたのだが・・・
「惚けんなよ。教会暗部がホルスからガバリス大司教を拉致して、此処ザルドレイクに向かってるのは分かってんだ」
まぁ、もう到着しているかも知れないけどなと心の中で付け加える。
「・・・何故、それが分かる?それに何故我々が教会の大司教一人を攫わねばならんのだ」
「俺達がザルドレイクに来る途中で教会暗部と戦闘になったからだ。因みにここに居るコイツも拉致られてたから助けた。ガバリス大司教は生憎と助けられなかったんでな、直接大将に直談判に来たって訳だ。あと、帝国が何故大司教を拉致るのかについては、アンタらの方が知ってると思うけどこの戦争の交渉材料にでもしようとしたんだろ?」
俺の発言に周囲がザワつくのが分かる。
これは俺の皇帝に対する言葉遣いでなのか、それとも俺が語った内容になのかは定かでは無いが、口々に「有り得ん」だとか「たかが傭兵風情の戯言だ」とか色々と言っているのが聞こえた。
「教会が自らの教団の教えを全うする聖職者を拉致したと申すのか?」
「だからそう言ってんだろ?」
何度も同じ事言わせんなと態とらしく悪態を付く。
すぐ様その言葉に反応して近衛騎士の連中が殺気立つが、少し後ろに控えているラルファなんかは白地に動揺しているのを感じた。
アリシエーゼは・・・
つまらなそうだな・・・
直哉は腕を組んでウンウンと頷いているのだが、本当に話を分かっているのだろうか?と思うがとりあえずそれらを無視して話を続ける。
「ハッキリ言おう。お前が言った計画等知らないし、命令も出していない。我々は連合と交渉など行わない。だから大司教一人を攫うなどせん」
皇帝はハッキリと俺の言葉を、考えを否定する。
嘘を付いている様には見えないのだが、一国の頂点に立つ人間となれば自身の腹の中を隠して振る舞うなど呼吸をする様に自然に出来るだろうとも思った。
まぁ、この場で本音何て言わねぇか
俺は小さく鼻を鳴らす。
直哉の思い付きで実現したこの謁見だが、俺達には何も確証は無い。
強いて言えばラルファを攫った事は事実でそれが教会暗部の仕業だと言う事が分かっている。
後はもう一人荷物を運んでいてそれがガバリス大司教だろうと言う事くらいだ。
もう既にザルドレイクに到着しているのかしていないのか、本当にガバリス大司教が拉致されているのか、そうであるなら帝国と教会の繋がりはなど、分からない事だからけで、此方に相手を揺さぶる様な材料も無いのは確かだった。
せめて帝国と教会が誰を通して繋がっていたのか、後は計画の詳細位は持ち帰りたいもんだ・・・
そう思い、だった俺の能力を使い調べた方が早いだろうと思っているのだが、もしも俺の力かま何らかの理由で使えない、効かないと言う事があった場合、以前そんな事があった時の事を思い出すと、最悪気絶なんて事にもなりかねないので発動を躊躇していたりする。
まぁでも今はアリシエーゼも居るし大丈夫かな・・・?
戦力的には問題無いし、アリシエーゼもこう見えてやる時はやる女だと思っている。
たぶん・・・
「・・・別にアンタらが教会と繋がって様がこの戦争の裏の目的や意図などあったとしてそんな事俺にとってはどうでも良いんだけどよ、ガバリス大司教は俺達の依頼主なんだ。依頼主が居なくなったら誰が俺達に報酬払うんだよ?」
それじゃ食いっぱぐれちまうと嘯いて見せるが、目の前に大仰に座る皇帝は特に態度も表情も変化させない。
先程からかなり大それた事を言っているし、言葉遣いも本来なら絶対に許されない程度のものなのだが、睨まれてはいるものの特にお咎めは受けていない。
幾ら皇帝自らが許したと言っても中々有り得ない状況なのではと客観的に思うのだが一先ずそれは置いておこうとその自分の中に感じた違和感の様な物を無視する。
「そうか、お前らは傭兵だったな。なら俺が直接お前らを雇おう。大司教からの依頼よりも確実に実りの良い契約となるだろうし、帝国の為に色々手を貸してくれないか?」
「あぁ?」
なんだいきなり?
突然の皇帝の提案に俺は訝しむ。
話を逸らしているのか?とも思ったが何とも判断し難い。
「丁度、北方でも問題を抱えていてな。戦力を其方に回している余裕が無いと言うのは此処だけの話だが、そっちに回せる優秀な強い人材が欲しかった所だ」
ナオヤを救ったくらいだからお前達も相当強いんだろ?と皇帝は言う。
いや、何故急にそんな話しになった?
「・・・俺達は依頼に対しては誠実に確実にがモットーでね。依頼を途中で投げ出す様な真似はポリシーに反する」
俺の言葉に真っ先に反応したのはアリシエーゼで「よく言うわ」と呆れた表情をしていたが、当然ながらその辺は全力で無視だ。
「そうか、だがそうなるともう話すことは無いな。大司教に関して俺は知らないしな」
皇帝の言葉に俺はお前は知らないかも知れないけどなと思いつつ、どうするか悩む。
もう面倒臭いので能力使ってしまうかなどと考えていると―――
「あー、ちょっといいか?」
突然直哉かも割り込んで来る。
「どうしたナオヤ?お前とはもう少し話したい事があるんだが―――」
「それそれ!やっぱこの機会だから聞いちまうかなぁ」
「・・・・・・」
皇帝の言葉を途中で遮り、直哉は先程までとは打って代わり丁寧な言葉遣いは止めてかなり砕けた言葉で喋りだした。
その様子に皇帝は黙り、周囲の騎士などは直哉の舐めた態度にご立腹な様子だった。
だが直哉はそんな事はお構い無しに続ける。
「何かすんげぇ違和感あるんだよ」
「・・・・・・」
「どう言う事だよ?」
直哉と皇帝のやり取りとなったのだが、直哉が言いたい事がよく分からず俺はつい口を出してしまう。
「いや、俺とかお前とかさ。アニアスカ、お前何時からそんな言葉遣いになった?」
「ッ!?」
「前はさ、何て言うかそりゃ生意気だったけど可愛げが有ったと言うかさ。俺がこの戦争に駆り出されるほんの少し前から妙な違和感があったんだよなぁ」
それって・・・
直哉の言う違和感と言うのはどうやら皇帝の言葉遣いにあるようだった。
自分の事を俺と言い、俺達の事をお前と呼ぶそこに何かしら思う事があった様だったが、先程やっぱりこの機会だから聞くと言っていた。
つまり直哉はその違和感の様なものの正体を知りたくてこの様な機会を作ったのか?と思うが、ガバリス大司教の事もあったからついでに纏めて片付ければ良いだろうと言う安易な考えだったんだろうなと考え直す。
それにしても、急に人格が変わったかの様だと言う直哉の言葉だが、果たしてその真意は如何に!?
なーんてな
そんなの決まってるだろ
先程までのほんわか?雰囲気を一転させて俺は腹に力を込めて目の前の玉座に座るハイスタード帝国の頂点たる皇帝を見て言う。
「た、単刀直入過ぎるじゃろ・・・」
横でアリシエーゼとラルファが狼狽えているが俺は別にそれで構わなかった。
無駄話もするつもりは無いし、人間同士の腹の探り合いや醜く黒い部分はもう見たく無いのだ。
元の世界で散々それらほ見て来たし結局一番怖いのは人間―――なんて話はもう辟易なのだ。
「ガバリス・・・?」
俺の言葉に皇帝は眉を顰める。
周りの者もザワ付くのだが、俺がエル教会とガバリス大司教の名を出したからでは無い―――
「―――貴様ッッ、皇帝陛下に何て口を聞く!!無礼であろう!!」
直衛の騎士が予想通り爆発し俺に詰め寄ろうとして来るが、それを皇帝が制す。
「止めろ、俺が話してる途中だ」
「ッ!?し、しかし――ッ」
「・・・・・・」
騎士は反論しようとするが、皇帝の刺す様な視線に気付き慌てて一歩下がる。
年齢の割に風格はあるなぁ
見た目は十代前半と言った所なのだが、言葉遣いと言いその言動は一国の主たる風格を感じさせるものだった。
「エル教会のガバリス――――うむ、聞いた名だな。確か我が帝国に教会を建設したいと申しておった筈だが、何故返せと言う言葉がお前から出て来るのかが理解出来ん」
皇帝はガバリス大司教は知っているが、返せと言われる理由が分からないと言う。
あの件に関して何も知らないのか・・・?
エル教会は主教の存在しない帝国に自ら売り込みを掛けており、その帝国方面の責任者がガバリス大司教だ。
どデカい教会を建設して帝国の主教となる様に働き掛け、短くは無い年月を掛けて国の中枢へも入り込む算段を付けてはいるのだろうが、兎に角そう言ったプロモーション活動等も行い、ガバリス大司教は帝国側とも懇意にしていた筈なのだ。
なので、皇帝と食事等をする親しい間柄では無かったにせよ、謁見くらいはした事はあるだろうし、皇帝で無くとも帝国の重鎮や重要人物とはコンタクトは取っている筈なのだ。
なのでガバリス大司教の名前を皇帝自ら知っていても可笑しくは無い。
だが、今回連合軍との戦争が再開され帝国は完全に虚をつかれてしまった形だった為、直接的な戦力の招集の他にも外交的な解決案等も恐らく急遽検討した筈だ。
その際に連合軍の中――と言うか、中枢に教会が居り見方に寄っては教会が中心となって動いている様にも見えるこの戦争再開だが、帝国は密偵等を使って教会が動いている情報等は入手していたに違い無い。
だからこそ帝国はガバリス大司教を交渉材料とすべく無理矢理、拉致に近い形で攫ったのだと思っていたのだが・・・
「惚けんなよ。教会暗部がホルスからガバリス大司教を拉致して、此処ザルドレイクに向かってるのは分かってんだ」
まぁ、もう到着しているかも知れないけどなと心の中で付け加える。
「・・・何故、それが分かる?それに何故我々が教会の大司教一人を攫わねばならんのだ」
「俺達がザルドレイクに来る途中で教会暗部と戦闘になったからだ。因みにここに居るコイツも拉致られてたから助けた。ガバリス大司教は生憎と助けられなかったんでな、直接大将に直談判に来たって訳だ。あと、帝国が何故大司教を拉致るのかについては、アンタらの方が知ってると思うけどこの戦争の交渉材料にでもしようとしたんだろ?」
俺の発言に周囲がザワつくのが分かる。
これは俺の皇帝に対する言葉遣いでなのか、それとも俺が語った内容になのかは定かでは無いが、口々に「有り得ん」だとか「たかが傭兵風情の戯言だ」とか色々と言っているのが聞こえた。
「教会が自らの教団の教えを全うする聖職者を拉致したと申すのか?」
「だからそう言ってんだろ?」
何度も同じ事言わせんなと態とらしく悪態を付く。
すぐ様その言葉に反応して近衛騎士の連中が殺気立つが、少し後ろに控えているラルファなんかは白地に動揺しているのを感じた。
アリシエーゼは・・・
つまらなそうだな・・・
直哉は腕を組んでウンウンと頷いているのだが、本当に話を分かっているのだろうか?と思うがとりあえずそれらを無視して話を続ける。
「ハッキリ言おう。お前が言った計画等知らないし、命令も出していない。我々は連合と交渉など行わない。だから大司教一人を攫うなどせん」
皇帝はハッキリと俺の言葉を、考えを否定する。
嘘を付いている様には見えないのだが、一国の頂点に立つ人間となれば自身の腹の中を隠して振る舞うなど呼吸をする様に自然に出来るだろうとも思った。
まぁ、この場で本音何て言わねぇか
俺は小さく鼻を鳴らす。
直哉の思い付きで実現したこの謁見だが、俺達には何も確証は無い。
強いて言えばラルファを攫った事は事実でそれが教会暗部の仕業だと言う事が分かっている。
後はもう一人荷物を運んでいてそれがガバリス大司教だろうと言う事くらいだ。
もう既にザルドレイクに到着しているのかしていないのか、本当にガバリス大司教が拉致されているのか、そうであるなら帝国と教会の繋がりはなど、分からない事だからけで、此方に相手を揺さぶる様な材料も無いのは確かだった。
せめて帝国と教会が誰を通して繋がっていたのか、後は計画の詳細位は持ち帰りたいもんだ・・・
そう思い、だった俺の能力を使い調べた方が早いだろうと思っているのだが、もしも俺の力かま何らかの理由で使えない、効かないと言う事があった場合、以前そんな事があった時の事を思い出すと、最悪気絶なんて事にもなりかねないので発動を躊躇していたりする。
まぁでも今はアリシエーゼも居るし大丈夫かな・・・?
戦力的には問題無いし、アリシエーゼもこう見えてやる時はやる女だと思っている。
たぶん・・・
「・・・別にアンタらが教会と繋がって様がこの戦争の裏の目的や意図などあったとしてそんな事俺にとってはどうでも良いんだけどよ、ガバリス大司教は俺達の依頼主なんだ。依頼主が居なくなったら誰が俺達に報酬払うんだよ?」
それじゃ食いっぱぐれちまうと嘯いて見せるが、目の前に大仰に座る皇帝は特に態度も表情も変化させない。
先程からかなり大それた事を言っているし、言葉遣いも本来なら絶対に許されない程度のものなのだが、睨まれてはいるものの特にお咎めは受けていない。
幾ら皇帝自らが許したと言っても中々有り得ない状況なのではと客観的に思うのだが一先ずそれは置いておこうとその自分の中に感じた違和感の様な物を無視する。
「そうか、お前らは傭兵だったな。なら俺が直接お前らを雇おう。大司教からの依頼よりも確実に実りの良い契約となるだろうし、帝国の為に色々手を貸してくれないか?」
「あぁ?」
なんだいきなり?
突然の皇帝の提案に俺は訝しむ。
話を逸らしているのか?とも思ったが何とも判断し難い。
「丁度、北方でも問題を抱えていてな。戦力を其方に回している余裕が無いと言うのは此処だけの話だが、そっちに回せる優秀な強い人材が欲しかった所だ」
ナオヤを救ったくらいだからお前達も相当強いんだろ?と皇帝は言う。
いや、何故急にそんな話しになった?
「・・・俺達は依頼に対しては誠実に確実にがモットーでね。依頼を途中で投げ出す様な真似はポリシーに反する」
俺の言葉に真っ先に反応したのはアリシエーゼで「よく言うわ」と呆れた表情をしていたが、当然ながらその辺は全力で無視だ。
「そうか、だがそうなるともう話すことは無いな。大司教に関して俺は知らないしな」
皇帝の言葉に俺はお前は知らないかも知れないけどなと思いつつ、どうするか悩む。
もう面倒臭いので能力使ってしまうかなどと考えていると―――
「あー、ちょっといいか?」
突然直哉かも割り込んで来る。
「どうしたナオヤ?お前とはもう少し話したい事があるんだが―――」
「それそれ!やっぱこの機会だから聞いちまうかなぁ」
「・・・・・・」
皇帝の言葉を途中で遮り、直哉は先程までとは打って代わり丁寧な言葉遣いは止めてかなり砕けた言葉で喋りだした。
その様子に皇帝は黙り、周囲の騎士などは直哉の舐めた態度にご立腹な様子だった。
だが直哉はそんな事はお構い無しに続ける。
「何かすんげぇ違和感あるんだよ」
「・・・・・・」
「どう言う事だよ?」
直哉と皇帝のやり取りとなったのだが、直哉が言いたい事がよく分からず俺はつい口を出してしまう。
「いや、俺とかお前とかさ。アニアスカ、お前何時からそんな言葉遣いになった?」
「ッ!?」
「前はさ、何て言うかそりゃ生意気だったけど可愛げが有ったと言うかさ。俺がこの戦争に駆り出されるほんの少し前から妙な違和感があったんだよなぁ」
それって・・・
直哉の言う違和感と言うのはどうやら皇帝の言葉遣いにあるようだった。
自分の事を俺と言い、俺達の事をお前と呼ぶそこに何かしら思う事があった様だったが、先程やっぱりこの機会だから聞くと言っていた。
つまり直哉はその違和感の様なものの正体を知りたくてこの様な機会を作ったのか?と思うが、ガバリス大司教の事もあったからついでに纏めて片付ければ良いだろうと言う安易な考えだったんだろうなと考え直す。
それにしても、急に人格が変わったかの様だと言う直哉の言葉だが、果たしてその真意は如何に!?
なーんてな
そんなの決まってるだろ
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
48
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる