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第七章
禁書庫に隠された七年前の記憶 (4)
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アレフはマースとの会話のあと、エトナと別れて男性寮へと戻っていた。
柔らかな大きなベッドに仰向けで倒れると、片手に持っていたポラロイドカメラを持ち上げた。
「これもアーティファクトなのか」
アレフはぼそりと呟いた。
その言葉を聞いたのか、隣のベッドに座ってチョコレートを齧っていたリィンが反応を示した。
「へぇ、アーティファクトなんだそレ。ただのカメラにしか見えないけどナ」
リィンはアレフの持っているポラロイドカメラを興味深そうに見ていた。
「ほら、こっち向いてよ」
アレフはリィンの口の周りについているチョコレートに特に注意もせず、ポラロイドカメラをリィンに向けた。
リィンは右手でピースサインをしながら、細い目をさらに細めながらニコッと笑った。
「三、二、一……」
カシャ、という音とともに、一枚の写真がポラロイドカメラから印刷された。
写真にはチョコレートを片手にピースサインをしたリィンが写っていた。
アレフはそれを見ながら、リィンのだらけた姿に鼻で笑った。
「アレ?」
リィンが頓狂な声を上げると、不思議そうな表情をしながら、ベッドから跳ね上がるように立ち上がった。
「俺のチョコがなイ」
アレフは持っている写真と立ち上がったリィンを見比べた。
写真のリィンは、まだそこそこの量があるチョコレートを手に持っていたが、立ち上がったリィンにはそれがなかった。
ましてや、リィンの口の周りについていたチョコレートは跡形もなく消えていた。
「どういうこと?」
「どういうことも何も、そのアーティファクトのせいだろうヨ」
アレフはリィンに指摘され、手に持っていたポラロイドカメラを見回した。
ポラロイドカメラには特に変わった様子は無く、アレフは首を傾げた。
リィンはアレフの持っている写真を取り上げると、写っている自分の姿を見て眉をひそめた。
「なんか、随分とアホ面だナ」
「その姿を捉えて、リィンはチョコレートを食べちゃいけないって、カメラがチョコを取り上げたんだよ」
アレフは半笑いでリィンに対応した。
アレフはポラロイドカメラで撮ったものが消えるという現象に好奇心をくすぐられ、他の被写体を撮ってみようと考えた。
鉛筆や消しゴム、タンスにベッドと、部屋にあるものを手当たり次第に撮ってみるが、物が消えることはなく、ただ写真が一枚、また一枚と印刷されるだけだった。
「全然物が消えないんだけど」
「そんなことないだロ。だって、俺のチョコレートは消えたゼ。アーティファクトなんだから何かしらの詠唱は必要なんじゃないカ?ほらさっき、三、二、一って言ってただロ。それがアーティファクトを使う言葉じゃないのカ?」
リィンは長々と喋ると「ほらこれで試せよ」と言って、鼻をかんだティッシュをアレフの目の前に差し出した。
アレフは少し嫌な顔をするが、ポラロイドカメラを構えてゆっくりと「三……、二……、一……」と唱えた。
シャッター音が部屋の中で響いた。
ポラロイドカメラのシャッター音と共に、リィンの手にあったティッシュは跡形もなく消え去り、アレフは目を真ん丸にした。
「やっぱりそうダ。そのカメラのアーティファクトは、三、二、一と唱えてからシャッターを切ると、対象の物を消してくれるんダ。随分と便利なアーティファクトだナ」
リィンは感心するように、口角を上げた。
アレフもリィンの言葉に頷き、二人で目をキラキラとさせた。
二人がポラロイドカメラに関心を示している中、幽霊のキンブレーが音もたてずに(音をたてる身体はないが)、そろりと壁を通り抜け、部屋の中に入ってきた。
「アレフ、リィン。談話室でエトナとマーガレットが呼んでいましたよ。切羽詰まったような顔をしていましたし、すぐに行ってあげてくださいな」
キンブレーの言葉に、アレフとリィンは肩を跳ね上げ、キンブレーの方を見ると「分かった」と二人揃って返事をした。
アレフとリィンが談話室に降りると、エトナとマーガレットがソファーに座り会話をしていた。
マーガレットが「アレフたちなら……」と名前を口にしており、アレフはなんだか嫌なことが起こりそうだなと、直感していた。
アレフたちが談話室の階段に降りていると、それに気づいたのか、マーガレットを見ていたエトナが、顔を上げてアレフたちに注目した。
「アレフ、リィン。ちょっと相談が」
「なんだよ」
アレフは気だるい雰囲気を出し、リィンはきょとんとした顔で、エトナたちに合流をした。
「相談って何さ」
アレフがエトナとマーガレットに声をかけると、マーガレットは立ち上がった。
「透明の剣の文献を探してほしいの」
かしこまった様子でマーガレットは答えた。
「スリグリン先生に話をしたんじゃないのカ?」
リィンが質問をするが、マーガレットはその言葉に頭を横に振った。
「駄目だった。だから、二人にお願いしてるの」
「なに? 今度は俺らがスリグリン先生にお願いしてくればいいの?」
「違くて、その、大変申し訳ないんだけど……」
マーガレットはそわそわしながら言葉を続けた。
「禁書庫に入るの付き合って欲しいの。アレフとリィンにも」
「入るって正気カ? えっ、君は本当にあのマーガレットなのカ?」
リィンが驚きながらマーガレットに尋ねる。
もちろんアレフも驚いていた。
なぜなら、マーガレットは規則に厳しく、授業でも活発に手を上げ、先生からの問題に答える優等生その者だったからだ。
「本当にどうしたんだい?君がそんな行動に走るだなんて」
「やっぱり、どうしても知りたいのよ。知らなくちゃいけない気がするのよ。知ってないととても後悔するような気がして」
マーガレットは少し病的に早口で話すと、アレフとリィンに「お願い」と頼んだ。
マーガレットは続けて「三人には禁書庫に人が近づかないように監視役をして欲しいの。
禁書庫に入って探るのは私だけ」と話した。
「見てるだけでいいなら、俺は手伝おうかナ」
リィンはマーガレットの懇願する姿を見て、何を思ったのか、協力する意思を見せた。
そんなリィンを見てアレフは「見るだけなら」と返事をした。
「具体的にどうやって侵入するの?」
エトナがマーガレットに問いかけた。
「禁書庫の扉は鍵のアーティファクトが何重にも固く閉じられていて、三人が監視してくれている間に、鍵を外して中に入るつもりよ」
「簡単に言うけど、鍵開けなんてできるのか?」
アレフは不安がりながら、マーガレットに問い詰めた。
マーガレットは「大丈夫よ。鍵開け技術の本が図書室にあったもの」と、より不安をそそるような発言をした。
すると、リィンが突然そわそわしだした。
「なんだよ。そわそわして」
「アレフ……、俺たちに鍵開けの技術なんて要らないよナ?」
言葉の真意が読み取れず、アレフの頭の上にはクエスチョンマークが浮かんだ。
それはエトナたちも同じで、「どういうこと?」と疑問を口にした。
「カメラ型のアーティファクトのことだよ。あれで鍵のアーティファクトを撮るんだよ」
リィンに言われ、アレフは頭の上に浮かんでいたクエスチョンマークを取り除いた。
未だ状況を理解できないエトナとマーガレットにアレフは説明をした。
「今朝貰ったあのカメラのことさ。あのカメラはアーティファクトで、写真を撮ると物が消える仕組みになっているんだ。それを使えば、鍵のアーティファクトを取り除くことができるかもしれないんだ」
「カメラって、さっきエトナが教えてくれたものかしら」
「そう、それだよ」
アレフはマーガレットの言葉に過剰に反応を示した。
エトナが「なら、オズボーンを撮ってしまおう」と恐ろしいことを淡々と述べていたが、アレフは聞き流すことにした。
柔らかな大きなベッドに仰向けで倒れると、片手に持っていたポラロイドカメラを持ち上げた。
「これもアーティファクトなのか」
アレフはぼそりと呟いた。
その言葉を聞いたのか、隣のベッドに座ってチョコレートを齧っていたリィンが反応を示した。
「へぇ、アーティファクトなんだそレ。ただのカメラにしか見えないけどナ」
リィンはアレフの持っているポラロイドカメラを興味深そうに見ていた。
「ほら、こっち向いてよ」
アレフはリィンの口の周りについているチョコレートに特に注意もせず、ポラロイドカメラをリィンに向けた。
リィンは右手でピースサインをしながら、細い目をさらに細めながらニコッと笑った。
「三、二、一……」
カシャ、という音とともに、一枚の写真がポラロイドカメラから印刷された。
写真にはチョコレートを片手にピースサインをしたリィンが写っていた。
アレフはそれを見ながら、リィンのだらけた姿に鼻で笑った。
「アレ?」
リィンが頓狂な声を上げると、不思議そうな表情をしながら、ベッドから跳ね上がるように立ち上がった。
「俺のチョコがなイ」
アレフは持っている写真と立ち上がったリィンを見比べた。
写真のリィンは、まだそこそこの量があるチョコレートを手に持っていたが、立ち上がったリィンにはそれがなかった。
ましてや、リィンの口の周りについていたチョコレートは跡形もなく消えていた。
「どういうこと?」
「どういうことも何も、そのアーティファクトのせいだろうヨ」
アレフはリィンに指摘され、手に持っていたポラロイドカメラを見回した。
ポラロイドカメラには特に変わった様子は無く、アレフは首を傾げた。
リィンはアレフの持っている写真を取り上げると、写っている自分の姿を見て眉をひそめた。
「なんか、随分とアホ面だナ」
「その姿を捉えて、リィンはチョコレートを食べちゃいけないって、カメラがチョコを取り上げたんだよ」
アレフは半笑いでリィンに対応した。
アレフはポラロイドカメラで撮ったものが消えるという現象に好奇心をくすぐられ、他の被写体を撮ってみようと考えた。
鉛筆や消しゴム、タンスにベッドと、部屋にあるものを手当たり次第に撮ってみるが、物が消えることはなく、ただ写真が一枚、また一枚と印刷されるだけだった。
「全然物が消えないんだけど」
「そんなことないだロ。だって、俺のチョコレートは消えたゼ。アーティファクトなんだから何かしらの詠唱は必要なんじゃないカ?ほらさっき、三、二、一って言ってただロ。それがアーティファクトを使う言葉じゃないのカ?」
リィンは長々と喋ると「ほらこれで試せよ」と言って、鼻をかんだティッシュをアレフの目の前に差し出した。
アレフは少し嫌な顔をするが、ポラロイドカメラを構えてゆっくりと「三……、二……、一……」と唱えた。
シャッター音が部屋の中で響いた。
ポラロイドカメラのシャッター音と共に、リィンの手にあったティッシュは跡形もなく消え去り、アレフは目を真ん丸にした。
「やっぱりそうダ。そのカメラのアーティファクトは、三、二、一と唱えてからシャッターを切ると、対象の物を消してくれるんダ。随分と便利なアーティファクトだナ」
リィンは感心するように、口角を上げた。
アレフもリィンの言葉に頷き、二人で目をキラキラとさせた。
二人がポラロイドカメラに関心を示している中、幽霊のキンブレーが音もたてずに(音をたてる身体はないが)、そろりと壁を通り抜け、部屋の中に入ってきた。
「アレフ、リィン。談話室でエトナとマーガレットが呼んでいましたよ。切羽詰まったような顔をしていましたし、すぐに行ってあげてくださいな」
キンブレーの言葉に、アレフとリィンは肩を跳ね上げ、キンブレーの方を見ると「分かった」と二人揃って返事をした。
アレフとリィンが談話室に降りると、エトナとマーガレットがソファーに座り会話をしていた。
マーガレットが「アレフたちなら……」と名前を口にしており、アレフはなんだか嫌なことが起こりそうだなと、直感していた。
アレフたちが談話室の階段に降りていると、それに気づいたのか、マーガレットを見ていたエトナが、顔を上げてアレフたちに注目した。
「アレフ、リィン。ちょっと相談が」
「なんだよ」
アレフは気だるい雰囲気を出し、リィンはきょとんとした顔で、エトナたちに合流をした。
「相談って何さ」
アレフがエトナとマーガレットに声をかけると、マーガレットは立ち上がった。
「透明の剣の文献を探してほしいの」
かしこまった様子でマーガレットは答えた。
「スリグリン先生に話をしたんじゃないのカ?」
リィンが質問をするが、マーガレットはその言葉に頭を横に振った。
「駄目だった。だから、二人にお願いしてるの」
「なに? 今度は俺らがスリグリン先生にお願いしてくればいいの?」
「違くて、その、大変申し訳ないんだけど……」
マーガレットはそわそわしながら言葉を続けた。
「禁書庫に入るの付き合って欲しいの。アレフとリィンにも」
「入るって正気カ? えっ、君は本当にあのマーガレットなのカ?」
リィンが驚きながらマーガレットに尋ねる。
もちろんアレフも驚いていた。
なぜなら、マーガレットは規則に厳しく、授業でも活発に手を上げ、先生からの問題に答える優等生その者だったからだ。
「本当にどうしたんだい?君がそんな行動に走るだなんて」
「やっぱり、どうしても知りたいのよ。知らなくちゃいけない気がするのよ。知ってないととても後悔するような気がして」
マーガレットは少し病的に早口で話すと、アレフとリィンに「お願い」と頼んだ。
マーガレットは続けて「三人には禁書庫に人が近づかないように監視役をして欲しいの。
禁書庫に入って探るのは私だけ」と話した。
「見てるだけでいいなら、俺は手伝おうかナ」
リィンはマーガレットの懇願する姿を見て、何を思ったのか、協力する意思を見せた。
そんなリィンを見てアレフは「見るだけなら」と返事をした。
「具体的にどうやって侵入するの?」
エトナがマーガレットに問いかけた。
「禁書庫の扉は鍵のアーティファクトが何重にも固く閉じられていて、三人が監視してくれている間に、鍵を外して中に入るつもりよ」
「簡単に言うけど、鍵開けなんてできるのか?」
アレフは不安がりながら、マーガレットに問い詰めた。
マーガレットは「大丈夫よ。鍵開け技術の本が図書室にあったもの」と、より不安をそそるような発言をした。
すると、リィンが突然そわそわしだした。
「なんだよ。そわそわして」
「アレフ……、俺たちに鍵開けの技術なんて要らないよナ?」
言葉の真意が読み取れず、アレフの頭の上にはクエスチョンマークが浮かんだ。
それはエトナたちも同じで、「どういうこと?」と疑問を口にした。
「カメラ型のアーティファクトのことだよ。あれで鍵のアーティファクトを撮るんだよ」
リィンに言われ、アレフは頭の上に浮かんでいたクエスチョンマークを取り除いた。
未だ状況を理解できないエトナとマーガレットにアレフは説明をした。
「今朝貰ったあのカメラのことさ。あのカメラはアーティファクトで、写真を撮ると物が消える仕組みになっているんだ。それを使えば、鍵のアーティファクトを取り除くことができるかもしれないんだ」
「カメラって、さっきエトナが教えてくれたものかしら」
「そう、それだよ」
アレフはマーガレットの言葉に過剰に反応を示した。
エトナが「なら、オズボーンを撮ってしまおう」と恐ろしいことを淡々と述べていたが、アレフは聞き流すことにした。
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