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国王接待編
第27話 兄弟戦争
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フィルの離れの屋敷では戦争が勃発していた。
国の中枢をなす二人がいきなり消えたら問題になるのでは…となり、どちらが日本に行くかで争っている。
「やはり初めは国王である僕が行くべきだ。マイルスには国防と言う重大な任務があるじゃないか」
「俺には優秀な部下がいるから任せても問題ない!それよりも国王が何日も国を空ける事の方が不味いんじゃないか?」
「魔王討伐後の状況を確認する視察と言う体で数日空けても問題無いよ」
「視察なら現に俺がやっている事じゃないか!尚更丁度いい!今回は弟に譲るんだな!」
「うるさい!僕が行く!これは勅令だ!」
「何が勅令だよ!」
二人とも仲がいいこと…
このままだと何時間もやりあいそうだな…
ヒデとマナブは二人のやり取りを聞いてニヤニヤ笑っている。
オレはと言うと、この無意味な時間を利用して徳ポイントで開放されたスキルや新しいアイテムを確認していた。
今後のビジネスで役に立つアイテムがあればと思って確認したんだが有用なアイテムがいくつか見つかった。
スキルの方は1つしか開放されていなかったが、こいつも使えそうだ。
-鑑定プラス 1,500pt
-全てのアイテム、事象の鑑定、追跡が可能
通常の鑑定スキルはアイテムの鑑定や対象の基本ステータスが確認出来るスキルなのだが、追跡と言うのが気になるな…
ヒデとマナブのおかげでポイントもまだまだ余裕があるので、迷わず鑑定プラスのスキルを修得した。
「早速試してみるか…」
オレは目の前にあるテーブルを鑑定してみることにした。
鑑定スキルを使用すると、目の前のディスプレイにテーブルの詳細が表示された
-ダイニングテーブル
-オークウッド製のオーダーメイド品で……
-製作者 ギルホール・サンチェス
-販売者 ルーク・ガストン
-所有者 フィリーミ・ロア
通常の鑑定スキルはアイテム名と説明だけだったが、鑑定プラスは更に細かい情報が出ているな。
そして気になったのがオークウッドや人物の名前がネットのリンクの様に、文字に色がついている。
オレはオークウッドの文字をタップしたみた。
ディスプレイにはオークウッドの説明や主な自生地等が表示された。
更に自生地もまたリンクとなっていて、そこをタップすると、自生している周囲のマップが表示された。
マップ上には生息している生物のリストが表示され、そこもまたリンクとなっていて…
「インターネットだな…こりゃ…追跡とはこういう事か…」
どうやらこのテーブルに関連する物全てを掘り下げて調べる事が出来るみたいだ。
めちゃくちゃ良いスキルを手に入れたな。今後の仕事でも大活躍しそうだ。
さて…戦争中の二人はと言うと…まだ言い争っていた。
二人の戦いはドンドンとヒートアップしていき、口論から殴り合いに移行する直前にヒデが止めに入った
「はい!そこまでー!一旦ブレイク!これ以上はリアル戦争になりそうだから落ち着いて!」
二人は我を忘れていたのか、ハッとした表情で我々がいる事を思い出し、バツが悪そうにうつむき加減で椅子に腰掛けた。
「す、すまない…」
「3人とも悪かった…」
ヒデが後ろから二人の肩に腕を絡ませ、体を寄せ合わせた。初対面なのにアグレッシブすぎるだろ。
「シュウ~!何か良いアイデアはないの?」
「アイデアと言うか…別に二人で行けると思うぞ」
「え!?どうやって?」
「いつでもこの世界に戻って来れるんだから…例えば重要な会議があるから誰も部屋に通すなと命じて、必要な時に戻って来ればいいと思う」
「なるほど。でも何日もかかる会議なんてあるの?」
ヒデが疑問に思う事はもっともだ。何日も監禁の様な状態での会議は考えにくい。
「いや…それが無くはない…」
「兄貴は考え込むと何日も籠もって会議をするんだよ…重要な会議は特にな。俺なんて呼ばれたら最低3日は泊まり込みを覚悟してるよ…」
「なら話は早いな。オレ達で国の将来に関わる重要な話し合いをしている事にすれば…」
「ああ…時間が作れる」
フィルが大きく頷いた。しかしマイルスは
「ただな…厄介なのが1日3回の食事の配膳だな…」
「そうだね。面会謝絶にしても食事の配膳係だけはどうしても入れてしまうね…」
「秘密を守れて信用出来る人物を見張りに置いて配膳係を追い払うか…」
ここで今まで黙って聞いていたマナブが提案を持ちかけた。
「だったら俺が残って見張り番をするよ」
「マナブが!?」
「ああ…フィルのお墨付きがあれば、俺でも問題ないだろ?せっかく異世界に来たんだ…1日2日じゃ日本には帰りたくないよ」
フィルが笑顔で答える
「マナブが良ければ是非お願いしたいよ。僕のお墨付きは勿論だし、勇者の古い友人と説明すれば完璧だね」
話を聞いていたヒデも
「だったら俺も残るよ!二人いれば交代で見張り番が出来るし、非番時には町中の見学も出来るしね!」
「見学は俺もしたいな…ヒデ頼むぜ!」
「話はまとまったな!それで出発はいつにする?」
「見張りをするにあたって最低4日は準備の期間が欲しい」
「4日…準備って何をするんだ?」
「まずは城周辺を出来るだけ把握しておきたい。後は今の俺達のレベルだと心もとないから…」
「なるほどな。パワーレベリングか…」
「ああ、少なくともこの街で1番にはなっておきたいな」
マイルスは不思議そうな顔をして聞いてきた
「パワーレベリング?」
「いや!気にしないでくれ!修行をして強くなりたいって意味だよ」
本当は修行とは全くかけ離れているけどね
「そのパワーレベリングの修行で4日必要なんだね?」
「ああ。それにシュウもツアープランを考えといた方がいいだろ?」
「確かにな…二人には満喫してもらいたいからな!それで二人は4日後で問題ないか?」
「ああ、僕とマイルスは4日あれば準備できるよ」
「おうよ!それまでは周りの街の巡回でもしてるよ」
「わかった。出来れば夜は毎日この離れに戻って来てほしい。どんな旅にしたいかをヒアリングしたいからな」
「わかった!なら巡回はやめて酒場で飲んだくれてるよ」
「んじゃあ4日後に出発で!」
「「了解!!!」」
こうしてフィルとマイルスの日本旅行は4日後に出発する事が決まったのだった
国の中枢をなす二人がいきなり消えたら問題になるのでは…となり、どちらが日本に行くかで争っている。
「やはり初めは国王である僕が行くべきだ。マイルスには国防と言う重大な任務があるじゃないか」
「俺には優秀な部下がいるから任せても問題ない!それよりも国王が何日も国を空ける事の方が不味いんじゃないか?」
「魔王討伐後の状況を確認する視察と言う体で数日空けても問題無いよ」
「視察なら現に俺がやっている事じゃないか!尚更丁度いい!今回は弟に譲るんだな!」
「うるさい!僕が行く!これは勅令だ!」
「何が勅令だよ!」
二人とも仲がいいこと…
このままだと何時間もやりあいそうだな…
ヒデとマナブは二人のやり取りを聞いてニヤニヤ笑っている。
オレはと言うと、この無意味な時間を利用して徳ポイントで開放されたスキルや新しいアイテムを確認していた。
今後のビジネスで役に立つアイテムがあればと思って確認したんだが有用なアイテムがいくつか見つかった。
スキルの方は1つしか開放されていなかったが、こいつも使えそうだ。
-鑑定プラス 1,500pt
-全てのアイテム、事象の鑑定、追跡が可能
通常の鑑定スキルはアイテムの鑑定や対象の基本ステータスが確認出来るスキルなのだが、追跡と言うのが気になるな…
ヒデとマナブのおかげでポイントもまだまだ余裕があるので、迷わず鑑定プラスのスキルを修得した。
「早速試してみるか…」
オレは目の前にあるテーブルを鑑定してみることにした。
鑑定スキルを使用すると、目の前のディスプレイにテーブルの詳細が表示された
-ダイニングテーブル
-オークウッド製のオーダーメイド品で……
-製作者 ギルホール・サンチェス
-販売者 ルーク・ガストン
-所有者 フィリーミ・ロア
通常の鑑定スキルはアイテム名と説明だけだったが、鑑定プラスは更に細かい情報が出ているな。
そして気になったのがオークウッドや人物の名前がネットのリンクの様に、文字に色がついている。
オレはオークウッドの文字をタップしたみた。
ディスプレイにはオークウッドの説明や主な自生地等が表示された。
更に自生地もまたリンクとなっていて、そこをタップすると、自生している周囲のマップが表示された。
マップ上には生息している生物のリストが表示され、そこもまたリンクとなっていて…
「インターネットだな…こりゃ…追跡とはこういう事か…」
どうやらこのテーブルに関連する物全てを掘り下げて調べる事が出来るみたいだ。
めちゃくちゃ良いスキルを手に入れたな。今後の仕事でも大活躍しそうだ。
さて…戦争中の二人はと言うと…まだ言い争っていた。
二人の戦いはドンドンとヒートアップしていき、口論から殴り合いに移行する直前にヒデが止めに入った
「はい!そこまでー!一旦ブレイク!これ以上はリアル戦争になりそうだから落ち着いて!」
二人は我を忘れていたのか、ハッとした表情で我々がいる事を思い出し、バツが悪そうにうつむき加減で椅子に腰掛けた。
「す、すまない…」
「3人とも悪かった…」
ヒデが後ろから二人の肩に腕を絡ませ、体を寄せ合わせた。初対面なのにアグレッシブすぎるだろ。
「シュウ~!何か良いアイデアはないの?」
「アイデアと言うか…別に二人で行けると思うぞ」
「え!?どうやって?」
「いつでもこの世界に戻って来れるんだから…例えば重要な会議があるから誰も部屋に通すなと命じて、必要な時に戻って来ればいいと思う」
「なるほど。でも何日もかかる会議なんてあるの?」
ヒデが疑問に思う事はもっともだ。何日も監禁の様な状態での会議は考えにくい。
「いや…それが無くはない…」
「兄貴は考え込むと何日も籠もって会議をするんだよ…重要な会議は特にな。俺なんて呼ばれたら最低3日は泊まり込みを覚悟してるよ…」
「なら話は早いな。オレ達で国の将来に関わる重要な話し合いをしている事にすれば…」
「ああ…時間が作れる」
フィルが大きく頷いた。しかしマイルスは
「ただな…厄介なのが1日3回の食事の配膳だな…」
「そうだね。面会謝絶にしても食事の配膳係だけはどうしても入れてしまうね…」
「秘密を守れて信用出来る人物を見張りに置いて配膳係を追い払うか…」
ここで今まで黙って聞いていたマナブが提案を持ちかけた。
「だったら俺が残って見張り番をするよ」
「マナブが!?」
「ああ…フィルのお墨付きがあれば、俺でも問題ないだろ?せっかく異世界に来たんだ…1日2日じゃ日本には帰りたくないよ」
フィルが笑顔で答える
「マナブが良ければ是非お願いしたいよ。僕のお墨付きは勿論だし、勇者の古い友人と説明すれば完璧だね」
話を聞いていたヒデも
「だったら俺も残るよ!二人いれば交代で見張り番が出来るし、非番時には町中の見学も出来るしね!」
「見学は俺もしたいな…ヒデ頼むぜ!」
「話はまとまったな!それで出発はいつにする?」
「見張りをするにあたって最低4日は準備の期間が欲しい」
「4日…準備って何をするんだ?」
「まずは城周辺を出来るだけ把握しておきたい。後は今の俺達のレベルだと心もとないから…」
「なるほどな。パワーレベリングか…」
「ああ、少なくともこの街で1番にはなっておきたいな」
マイルスは不思議そうな顔をして聞いてきた
「パワーレベリング?」
「いや!気にしないでくれ!修行をして強くなりたいって意味だよ」
本当は修行とは全くかけ離れているけどね
「そのパワーレベリングの修行で4日必要なんだね?」
「ああ。それにシュウもツアープランを考えといた方がいいだろ?」
「確かにな…二人には満喫してもらいたいからな!それで二人は4日後で問題ないか?」
「ああ、僕とマイルスは4日あれば準備できるよ」
「おうよ!それまでは周りの街の巡回でもしてるよ」
「わかった。出来れば夜は毎日この離れに戻って来てほしい。どんな旅にしたいかをヒアリングしたいからな」
「わかった!なら巡回はやめて酒場で飲んだくれてるよ」
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