探偵はじめました。

砂糖有機

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プロローグ

そして出会う

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そして話は英二が約30分突っ立っていた所から始めよう。

「どうしたんだい?うちの事務所の前でボーッとして。」
後ろから急に声をかけられびっくりして振り向いたら、Yシャツ姿の背広な男性が立っていた。
「あ!もしかして君は依頼しにきたのかい!?」
歳は30歳くらいだろうか?少し痩せている人だ。
「ささっ、立ち話もなんだし中へどうぞ。」
「え!あっあの、ちょっと・・・」
ボーッとしていた英二は中にご丁寧に流されてしまった。

中はまるで喫茶店のようなほんわかな所だった。
おまけに天井にはファンがぐるぐる回っている。
ただ、奥に生活するらしき所がある。


「で、用件はなにかな?」
その男は椅子に座り、腕を組んでフレンドリーに話かけてきた。
「あの、その、え~と、ここって酒井探偵事務所ですよね?コーヒー店ではなくて?」
「ああ、そうだよ。失礼だナ~君、ここはちゃんとした探偵事務所だぞ」
こんな所に自分のおじがいるとは考えられない。
英二は真っ先にそう思った。
「あの、ここの所長さんって今いますか?」
そう聞くとその男はキョトンとしながら応えた。
「ここの所長は僕だけど?」
「えッ!じゃああなたが酒井浩一さんですか?」
「え、ああ、それは僕のことだけど?」

ここで、この物語の2人目の主人公を紹介しよう。
酒井浩一30歳、職業、私立探偵。
う~ん、彼のイメージとしては地味過ぎないし派手過ぎない。
背広姿の三十路入門者だと思っていただければいいだろう。
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