大罪を極めし者〜天使の契約者〜

第六話 声に呼ばれて

声が聞こえた。

俺の頭によく響く綺麗な声だ。

こっちに来て。こっちに来て。

早く私の元へ。





106階層

「ったく、声が頭に響いてきて、よく眠れなかったぜ。」

俺は105階層の安全エリアで休眠を取っていた。

ちなみに安全エリアとは、そこでは魔物は産まれず、また侵入することもできない。

（解、そのような声は聞こえなかったと進言します。）

「ってかお前もそのような機械的な喋り方どうにかならないのか？」

（解、固有名を付けていただければ可能です。）

「へー、んじゃお前今日から『アイリス』な。」

…確認しました。『サポート』から固有名『アイリス』へと変更しました。

「おい、どうなったんだ？」

（ありがとうございます。マスター。おかげさまで、かなり流暢に話せるようになりました。）

「お、おおそれは良かったな。」

（マスター、さっきの続きですが、本当に声が聞こえたのですか？）

「おお、こっちに来て、こっちに来てってな。」

（・・・・・）

「おい、アイリスどうした？」

（マスター、次に声が聞こえたらそれに従って動いてみてください。）

「分かったよ。」

その10分後

こっちだよ、こっちに来て、待ってるから。

声が聞こえた、なんとなく道が分かる気がした。

声の方に行ってみるとそこには白と黒の台座に刺ささった二振りの剣があった。

思わず見惚れてしまった。

ふらふらと近づくと、また声が聞こえてきた。

抜いて、抜いて、あなたをずっと待っていたよ。

何故か暁は一瞬の躊躇いもなく二振りの剣を抜いた。

そうすると、
（ありがと、ご主人。）

（ありがとうございます。ご主人さま。）

二振りの剣から声が聞こえた。

咄嗟に鑑定をかけた。


原初の神剣オリジン（神話級）
・攻撃力5000耐久∞
・剣自体に意思のある、インテリジェンスウェポン。原初を司る神剣。この剣は2本で1本である。

「地形操作」「水分操作」「熱操作」「風操作」「時空操作」「実体化」「比翼」


終焉の神剣ラグナロク（神話級）
・攻撃力5000耐久∞
・剣自体に意思のあるインテリジェンスウェポン。終焉を司る神剣。この剣は2本で1本である。

「黒炎」「生命強奪」「絶剣」「神殺し」「覚醒」「実体化」「比翼」


・地形操作…地形を自由に操ることができる。

・水流操作…自由に水を操ることができる。

・熱操作…自由に熱に関わるものを操ることができる。

・風操作…自由に風を操ることができる。

・時空操作…空間や時に関係することを自由に操ることができる。

・黒炎…剣に黒炎を纏わせることができる。温度は摂氏3000度。

・生命強奪…切りつけた相手の与えたダメージの1割、自身のHPを回復させる。

・絶剣…この剣に切れないものはない、幽体でさえ切り裂くことができる。

・神殺し…不死や神に連なるものにダメージを与えることができる。

・覚醒…この剣の使用者の潜在能力を解放する。

・実体化…肉体を実体化させられる。

・比翼…この剣は二振り同時に使うことで効果が上昇する。



「………………チートじゃねぇか！」