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第三十話 作戦名はサーチアンドデストロイ
しおりを挟む「うっしゃぁ!到着ぅ!」
「ん、着いた。」
「うう、やっとですか?」
俺たちは、村を出てきて三日程で皇国エルドラドの首都、エルドラドまでやってきた。
「お兄さん、加減してくださいよぉ~、空の旅は楽しいはずなのに、速すぎて何も見えないし、気持ち悪くなりましたぁ。」
「いやいや、あれでも加減した方だぞ?本当ならあのスピードの軽く三倍はでるぞ。」
「お、お兄さん、嘘ですよね?」
「うん、嘘だよ、本当は五倍はでる。」
「えぇぇぇ!」
暁たちはいつも通りに天使の翼を出して飛んで移動していた。
だが、アリアンは飛べないので仕方なく暁がおんぶをして移動していた。
「まったく、お兄さんのヘタレ!普通はおんぶじゃなくてさ、お姫様抱っこの流れなんだよ?」
「いやいやいや、ヘタレじゃねぇよ、そもそもアリアンがルシに運んでもらうのを拒否したからだろうが!」
二人でギャアギャア言い争っていた。
「二人とも喧嘩は後にして、そろそろ門もあくよ?」
ルシファーに窘められてひとまず落ち着いた。
「まあ、それにしても、」
「ん、やっぱり、」
「うわぁー、」
「「「大きい(よなぁ)(ね)(なぁ)」」」
そこにはビルクの門とは比べ物にならない程の大きい門があった。
「おっ、開いたんじゃないか?」
「ん、そうだね。」
「さっそく、入ろ~!」
そうして門に近づいていった。
「止まれ!何か身分を証明するものはあるか?」
「ほらよ。」
暁はギルドカードを出した。
「感謝する、………………は?」
「どうした?問題無いだろ?」
「はっ!も、問題ありません!お返しします!」
ルシもギルドカードを出してまたまた驚かれていた。
「ああ、こいつはここで冒険者登録するから。」
「りょ、了解致しました!登録次第ギルドカードの提示をお願いします!」
「わかったよ、通っても良いよな?」
「はっ!大丈夫です!」
暁たちは問題なく入ることができた。
「よし、宿をとったら、冒険者ギルドに行くぞ。」
「ん、了解。」
「わかったよ、お兄さん。」
暁はまず宿を探しにいった。
冒険者ギルド
毎度のこと、暁たちの目の前には扉があった。
しかも今は昼時だ、朝だったはずなのに何故もう昼なのかその訳を簡潔に言うと。
アイリスのオススメの宿は冒険者ギルドから遠い。
遠いから長く歩く。
長く歩いていると周りに屋台が沢山。
屋台料理が大好きなルシに引っ張られて屋台巡り。
結果、もうお昼。
「面倒ごとは避けたいんだが、突っかかってくる間抜けがいないといいが。」
昼には冒険者が大勢いるだろう、面倒ごとが起きる確率は高かった。
バァァァァン!
いつも通りに扉を開けた、当然目立った。
「ん、暁は学習しない、と。」
(マスターは阿保何ですか?)
(あははは!それでこそご主人だよ!)
(ぶれないご主人様、素敵です。)
すごく叩かれている当人はどう思っているのかというと。
(……………やべぇー!いつもの癖でやっちまった!面倒ごとが来ませんように、面倒ごとが来ませんように。)
暁たちはズカズカと受付に向かっていった、だが、暁たちの前に男が立ちはだかった!
「おうおう、にいちゃんいい女を連れプギャア!」
暁は確実に面倒ごとを潰す方法を考えていた、それは、
(面倒ごとが起きる前に原因を潰せばいいんじゃね?)
面倒ごとは見つけ次第潰す作戦である。
ようは、面倒ごとは起こらなかったことにすれば良いのだ!
(ふっ、我ながら完璧な作戦だな。)
だが、暁は忘れていた、ここは冒険者ギルドであることを。
「んもう!ダメじゃないの!ギルドの中で喧嘩しちゃあ!」
暁たちに迫ってくる男?がいた。
その姿を見た瞬間に暁たちに怖気が走った。
「お、お前は男、なのか?」
暁は思わずそう聞いてしまった。
対して男?は、
「誰ぇが男だゴラァ!」
「ヒィィィ!」
完全にアリアンは怯えていた。
暁は間違えたことを瞬間的に悟り訂正した?
「す、すまないお姉さん。」
そう言うとさっきまでの鬼みたいな形相をやめた、
「んもう!わかればいいのよぉ。」
暁たちは戸惑っていた、オカマと言う人種に初めて会ったからだ。
「それで貴方は?」
「あら、言ってなかったわね、私はこのギルドの副ギルドマスターのダイアナよ。」
男のはずなのにダイアナ、しかもオカマであり、副ギルドマスター、かなりキャラの濃い人物に暁たちは出会ってしまった。
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