大罪を極めし者〜天使の契約者〜

月読真琴

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第三十一話 副ギルドマスターダイアナ

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「ふ、副ギルドマスター?」

「うふん、そうよ、気軽にアナって呼んでね?」

ウィンクをされて暁は吐き気を堪えるのに必死だった。

「ごめんなさい、副ギルドマスター、うちのレッドが迷惑をかけました。」

ルシファーは素直に謝っていた。

「えっ?おれが悪いのか?」

暁は全く自分が悪いとは思っていないようだ。

「当たり前、あの男はまだ未遂だった、手を出してからじゃないとあれは防衛扱いにならない、しかもギルド内は揉め事禁止のはず。」

暁は唖然としていた、完全にルシファーが正しいと思ってしまったからだ。

「うふふ、ちゃんと自分の非を認められる子は大好きよぉ~、そういえばレッドとか言っていたわよね?」

「ん、私はルシ・ムーン、こっちは馬鹿夫のレッド・ムーン、そして今日冒険者登録予定のアリアン。」

「あ、アリアンです、よ、よろしくです!」

アリアンはまだびびっており、口調もおかしくなっていた。

「レッドにルシねぇ、………ああ!貴方たちが新しいSSランク冒険者だったのね。」

周りの冒険者たちはギョッとしていた、俺たちも内心驚いていた。

「俺たちのことを知っているのか?」

「もちろんよぉ~、レッド・ムーン、登録初日にAランク冒険者と決闘を行い、圧倒的な差を見せつけて勝利、守護者アイギスの二つ名をつけられる。」

「ルシ・ムーン、オリジナル魔法を使いこなす稀代の魔法師、その魔法は瀕死の重傷までをも癒す、二つ名は慈愛の女神ラートリー。」

「さらに、緊急クエストであるゴブリンエンペラーを討伐、両者共に最速でSSランク冒険者となる、このぐらいかしらぁ~。」

まさか、そこまで情報が出回っているとは思わなかった。

(マスター、絶対に自重してくださいね?これ以上目立ちたくないでしょう?)

確かに、もう十分目立っているのだ、これ以上の事を犯すのはまずい。

「もういい、俺たちが有名なのはわかった、今日はこいつの冒険者登録に来たんだよ、頼めるかな?」

そう言われて、ダイアナはアリアンをじっくりと見た、そして

「うん、才能はありそうねぇ~、磨けば光るわよ?この子。」

それを聞いてアリアンはパァっと顔を輝かせていた、おかしいな、ダイアナに恐怖心を抱いていたのではなかったのだろうか?

「ほ、本当ですか!私は強くなれますか!?」

「うふふ、なれるわよぉ~、そこにいるレッドちゃんとルシちゃんについていけば絶対にねぇ。」

ダイアナのお墨付きをもらったアリアンが振り向いた。

「お兄さん!私は足手まといにはならないくらいに強くなるから!」

「お、おう?頑張れよ。」

すごい気合いですねぇーアリアンさん。

「うふふ、じゃあ試験をしましょうか、おいで、アリアンちゃん。」

「はい!アナさん!」

ん?いやいや、ちょっと待てや。

「おい、試験ってのはランクアップの試験か?」

「そうよぉ~。」

「申請しないとできないんじゃないのか?」

「いいのよぉ~、副ギルドマスター権限を使うからぁ~。」

それは使い方を間違えているのではないだろうか?

そう疑問に思っているとアリアンとダイアナは訓練場に行ってしまった。

結果的に言うとアリアンはCランクスタートだった。

アリアンは魔法は身体能力強化ぐらいしか使えないがその身体能力強化に一点特化しているらしい。

ちなみにその強化倍率は素の俺のステータスの一割ぐらいだ。

ちなみに、何それ、本当に人間かよ?と言ったら、
私は獣人だよお兄さん、と真面目に返された。



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