1 / 2
1
しおりを挟む
神楽剣之助(かぐらけんのすけ) 29歳。大手プログラミング会社のエース。
佐々木文(ささきふみ) 27歳。神楽と同じ会社の総務課働く。
###
人の裏の顔とは全く予想できないものだ
と佐々木文は改めて感じた。
時は会社のお昼休み。
たまたま通った人通りの少ない休憩スペースで、
『あの』神楽剣之助はスマホとにらめっこしていた。
「う~あ~!!……なんで…なんでめぐたんの…ピッアップガチャが…最近バレンタインイベのランボでめぐたん来たばっかじゃん……」
(ふみたん…?えっ今の声…神楽さん!?『あの』神楽剣之助さんなの!?)
文がここまで驚いているのには理由がある。
なぜなら彼、神楽剣之助は華の営業1課で上司を差し置いてトップの実績を誇り言うことなしの容姿端麗な完璧なお人だからである。
上司や部下の信頼も得ており男女ともに彼を尊敬し憧れている。
どこにも文句のつけ所もない彼であった。が。
そのイメージは一瞬で崩れ去った。
(まって今のあの甘い声って…本物の神楽さんなの?)
物陰に隠れて自問自答する。
(いや、で、でもっ……なっ……あっ!きっと宴会の余興の練習だよね!?きっと!きっとそうよ!)
剣之助のイメージが崩れないように文は必死に合理化する。
「だれ?そこにいるの」
存在が剣之助にバレ、文は硬直する。
「…佐々木さん?」
「ご、ごめんなさい!!覗くつもりはなかったんです!」
「あの…」
「ごめんなさい!!皆さんには何も言わないので安心してください!!」
文は走ってその場から去ろうとする。
しかしその手は剣之助によって阻止された。
「君、総務部の佐々木文さんだよね?」
「え…?」
急に名前、フルネームで呼ばれ文はきょとんとする。
「総務部の佐々木文さんだよね?」
もう一度聞かれ、文はやっと頷く。
「そ、そうですか…」
「良かった…。あっ僕、営業課の神楽剣之助っていいます」
「存じております…」
このいたたまれない雰囲気から文は早く逃げ出したかった。
「あの、僕とお友達になっていただけませんか?」
「はいわかりました…あのっ誰にも言わないので命だけは……ん?…てぇぇぇぇ!?」
「よし。めぐた…違うっ!…佐々木さんとお友達になれて嬉しです。」
「なななっなんで私なんかと、おと、お友達に…」
「ずっとなりたかったんです」
不敵な笑みを浮かべている。
全く思考がついていかない。
「これ僕の連絡先です。もしよければ今夜にでも食事に行きませんか?では。」
そう言って1枚の紙を文に押し付け行ってしまった。
「えっ…ええぇぇ!?なんでこんなことに…」
強引すぎる。急すぎる。どうしたらいいの!?
文はその場にしばらく立ち尽くしていた。
佐々木文(ささきふみ) 27歳。神楽と同じ会社の総務課働く。
###
人の裏の顔とは全く予想できないものだ
と佐々木文は改めて感じた。
時は会社のお昼休み。
たまたま通った人通りの少ない休憩スペースで、
『あの』神楽剣之助はスマホとにらめっこしていた。
「う~あ~!!……なんで…なんでめぐたんの…ピッアップガチャが…最近バレンタインイベのランボでめぐたん来たばっかじゃん……」
(ふみたん…?えっ今の声…神楽さん!?『あの』神楽剣之助さんなの!?)
文がここまで驚いているのには理由がある。
なぜなら彼、神楽剣之助は華の営業1課で上司を差し置いてトップの実績を誇り言うことなしの容姿端麗な完璧なお人だからである。
上司や部下の信頼も得ており男女ともに彼を尊敬し憧れている。
どこにも文句のつけ所もない彼であった。が。
そのイメージは一瞬で崩れ去った。
(まって今のあの甘い声って…本物の神楽さんなの?)
物陰に隠れて自問自答する。
(いや、で、でもっ……なっ……あっ!きっと宴会の余興の練習だよね!?きっと!きっとそうよ!)
剣之助のイメージが崩れないように文は必死に合理化する。
「だれ?そこにいるの」
存在が剣之助にバレ、文は硬直する。
「…佐々木さん?」
「ご、ごめんなさい!!覗くつもりはなかったんです!」
「あの…」
「ごめんなさい!!皆さんには何も言わないので安心してください!!」
文は走ってその場から去ろうとする。
しかしその手は剣之助によって阻止された。
「君、総務部の佐々木文さんだよね?」
「え…?」
急に名前、フルネームで呼ばれ文はきょとんとする。
「総務部の佐々木文さんだよね?」
もう一度聞かれ、文はやっと頷く。
「そ、そうですか…」
「良かった…。あっ僕、営業課の神楽剣之助っていいます」
「存じております…」
このいたたまれない雰囲気から文は早く逃げ出したかった。
「あの、僕とお友達になっていただけませんか?」
「はいわかりました…あのっ誰にも言わないので命だけは……ん?…てぇぇぇぇ!?」
「よし。めぐた…違うっ!…佐々木さんとお友達になれて嬉しです。」
「なななっなんで私なんかと、おと、お友達に…」
「ずっとなりたかったんです」
不敵な笑みを浮かべている。
全く思考がついていかない。
「これ僕の連絡先です。もしよければ今夜にでも食事に行きませんか?では。」
そう言って1枚の紙を文に押し付け行ってしまった。
「えっ…ええぇぇ!?なんでこんなことに…」
強引すぎる。急すぎる。どうしたらいいの!?
文はその場にしばらく立ち尽くしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる