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神楽剣之助(かぐらけんのすけ) 29歳。大手プログラミング会社のエース。
佐々木文(ささきふみ) 27歳。神楽と同じ会社の総務課働く。
###
人の裏の顔とは全く予想できないものだ
と佐々木文は改めて感じた。
時は会社のお昼休み。
たまたま通った人通りの少ない休憩スペースで、
『あの』神楽剣之助はスマホとにらめっこしていた。
「う~あ~!!……なんで…なんでめぐたんの…ピッアップガチャが…最近バレンタインイベのランボでめぐたん来たばっかじゃん……」
(ふみたん…?えっ今の声…神楽さん!?『あの』神楽剣之助さんなの!?)
文がここまで驚いているのには理由がある。
なぜなら彼、神楽剣之助は華の営業1課で上司を差し置いてトップの実績を誇り言うことなしの容姿端麗な完璧なお人だからである。
上司や部下の信頼も得ており男女ともに彼を尊敬し憧れている。
どこにも文句のつけ所もない彼であった。が。
そのイメージは一瞬で崩れ去った。
(まって今のあの甘い声って…本物の神楽さんなの?)
物陰に隠れて自問自答する。
(いや、で、でもっ……なっ……あっ!きっと宴会の余興の練習だよね!?きっと!きっとそうよ!)
剣之助のイメージが崩れないように文は必死に合理化する。
「だれ?そこにいるの」
存在が剣之助にバレ、文は硬直する。
「…佐々木さん?」
「ご、ごめんなさい!!覗くつもりはなかったんです!」
「あの…」
「ごめんなさい!!皆さんには何も言わないので安心してください!!」
文は走ってその場から去ろうとする。
しかしその手は剣之助によって阻止された。
「君、総務部の佐々木文さんだよね?」
「え…?」
急に名前、フルネームで呼ばれ文はきょとんとする。
「総務部の佐々木文さんだよね?」
もう一度聞かれ、文はやっと頷く。
「そ、そうですか…」
「良かった…。あっ僕、営業課の神楽剣之助っていいます」
「存じております…」
このいたたまれない雰囲気から文は早く逃げ出したかった。
「あの、僕とお友達になっていただけませんか?」
「はいわかりました…あのっ誰にも言わないので命だけは……ん?…てぇぇぇぇ!?」
「よし。めぐた…違うっ!…佐々木さんとお友達になれて嬉しです。」
「なななっなんで私なんかと、おと、お友達に…」
「ずっとなりたかったんです」
不敵な笑みを浮かべている。
全く思考がついていかない。
「これ僕の連絡先です。もしよければ今夜にでも食事に行きませんか?では。」
そう言って1枚の紙を文に押し付け行ってしまった。
「えっ…ええぇぇ!?なんでこんなことに…」
強引すぎる。急すぎる。どうしたらいいの!?
文はその場にしばらく立ち尽くしていた。
佐々木文(ささきふみ) 27歳。神楽と同じ会社の総務課働く。
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人の裏の顔とは全く予想できないものだ
と佐々木文は改めて感じた。
時は会社のお昼休み。
たまたま通った人通りの少ない休憩スペースで、
『あの』神楽剣之助はスマホとにらめっこしていた。
「う~あ~!!……なんで…なんでめぐたんの…ピッアップガチャが…最近バレンタインイベのランボでめぐたん来たばっかじゃん……」
(ふみたん…?えっ今の声…神楽さん!?『あの』神楽剣之助さんなの!?)
文がここまで驚いているのには理由がある。
なぜなら彼、神楽剣之助は華の営業1課で上司を差し置いてトップの実績を誇り言うことなしの容姿端麗な完璧なお人だからである。
上司や部下の信頼も得ており男女ともに彼を尊敬し憧れている。
どこにも文句のつけ所もない彼であった。が。
そのイメージは一瞬で崩れ去った。
(まって今のあの甘い声って…本物の神楽さんなの?)
物陰に隠れて自問自答する。
(いや、で、でもっ……なっ……あっ!きっと宴会の余興の練習だよね!?きっと!きっとそうよ!)
剣之助のイメージが崩れないように文は必死に合理化する。
「だれ?そこにいるの」
存在が剣之助にバレ、文は硬直する。
「…佐々木さん?」
「ご、ごめんなさい!!覗くつもりはなかったんです!」
「あの…」
「ごめんなさい!!皆さんには何も言わないので安心してください!!」
文は走ってその場から去ろうとする。
しかしその手は剣之助によって阻止された。
「君、総務部の佐々木文さんだよね?」
「え…?」
急に名前、フルネームで呼ばれ文はきょとんとする。
「総務部の佐々木文さんだよね?」
もう一度聞かれ、文はやっと頷く。
「そ、そうですか…」
「良かった…。あっ僕、営業課の神楽剣之助っていいます」
「存じております…」
このいたたまれない雰囲気から文は早く逃げ出したかった。
「あの、僕とお友達になっていただけませんか?」
「はいわかりました…あのっ誰にも言わないので命だけは……ん?…てぇぇぇぇ!?」
「よし。めぐた…違うっ!…佐々木さんとお友達になれて嬉しです。」
「なななっなんで私なんかと、おと、お友達に…」
「ずっとなりたかったんです」
不敵な笑みを浮かべている。
全く思考がついていかない。
「これ僕の連絡先です。もしよければ今夜にでも食事に行きませんか?では。」
そう言って1枚の紙を文に押し付け行ってしまった。
「えっ…ええぇぇ!?なんでこんなことに…」
強引すぎる。急すぎる。どうしたらいいの!?
文はその場にしばらく立ち尽くしていた。
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