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陸編
25.揺れ動く心
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リレイを含む辛うじて生き残った兵と共に、心身ともにボロボロの体でテントが元あった地へと引き返していた。
昨夜の戦闘はまるで地獄を生きているうちに見てしまったようであった。
リレイは、魔術化兵がシールドを展開し、斥候部隊や一次攻撃されたときの光の矢のようなものを普段から投石機で飛ばしてきた岩や矢を防ぎきれるものなので、正面全体に展開しておけば完全に防げると思っていた。
リレイは戦闘を見守っていた丘の上から伝令を出し、総員突撃の司令を発した。
しかし、おそらく伝令がついてからまもなく、こちらが突撃するかしないかぐらいのときに、空にいきなり太陽のように明るい光の球が現れ、今まで暗闇に目が慣れていた我々は、全員視力が一時的に失われてしまったので、その場で皆止まってしまった。同時に虎の子の魔法化部隊は目の前の現象に耐えきれずにシールド展開を中止してしまった。
それに驚いていると、さらに今度は爆発魔法のようなものが飛んできて部隊中心付近に当たった。そのあとも何発か飛んできて部隊前面にもあたった。そのあとの一瞬の間のあと、魔術化兵がシールド展開する前に今度はところどころの地面が噴火したんじゃないかと思われるほどの量の爆発が兵たちを襲った。
その爆発に巻き込まれた兵士たちは爆心地にあったものは文字通り消え失せ、直撃を逃れた者でも足や腕・首などがもがれ爆発によって生じた破片で負傷するものも多かった。
そんな爆発が一旦やむ時があった、その時に兵の半数近くがいなくなっていた、兵たちを何とか立て直そうとしたとき、さらに信じられないことが起きた。
遠くから魔物が吠えたかのような音がしたかと思えば、城の方角から今度は無数の光の矢のようなものが飛んできた。
それをまともに受けた兵たちは悲鳴や声を上げる暇なく全身を穴だらけにして倒れていった。その斃れ方まだいいように思えるようなことが近くで起こっていた。というのも穴が開くとか腕が千切れるようなことではなく、人一人丸ごと肉塊に変えてしまっていた。そんなむごたらしい光景が肉眼でも確認できるような距離で発生していた。
そんな今までにないことが起きてしまったことにリレイは、もはや自身だけで策を打つ手立てがなくなってしまっていた。
(何故二度にもわたってこのようなことが……ありえん!ありえん!!)
急ごしらえで建てたテントでリレイは複数の悩ましい問題があり、頭を抱えて唸っていた。
今の生き残りのリレイ直属の兵は500人余りと作戦開始当時にあった戦力4万の一割にも満たない、リレイ率いる先遣部隊は“殲滅”された状態になってしまっていた。
幸いにも、副官で今回の作戦の中心人物であるユリーシャは生還してきたのでそれだけが不幸中の幸いであった。
そんなユリーシャもこれまでにない敗れ方をしたため強いショックを受けていたが、完膚なきまで破ってきた敵に対して強い興味を持ち始めていた。負けてもなおこの体験を次へと活かそうとする考えは軍師だからなのだろうか。
しばらくの間、二人は同じ机の上で向き合いお互い黙っていたが、その空気に耐えられなくなったのかついにリレイは重い口を開く。
「ユリーシャ、こうなってしまってすまない」
「いいえ、閣下これは私の策の浅さと情報をしっかりと得ていなかったために起こったことです、私の力が及ばずこのようなことに」
「もうこうなってしまっては致し方のないことだ、敵は我らより二手三手先を読んでいたのであろう」
「しかし、閣下、何故あの戦力があの閉じこもっていたハミルトン城にあったのでしょうか?」
するとリレイはしばらく考え事をしたかと思うと、すぐに答えを出してきた。
「これはお前に伝えていなかったことで皇帝陛下との間での最高機密事項であったが……負けたこの際お前に冥土の土産として話してやろう」
「あのコンダートでは最近あそこの第一王女が、とある“儀式”をしたらしくてな。なんでもその“儀式”と呼ばれるものによって、ある人物を召喚したようだ、そして今回あのハミルトン城にいるんじゃないかって話だ、もしその話が本当ならば、昨日のあの攻撃の正体がつかめてきそうじゃないか?」
「そうですね、そうなると合点が行きますね……ただしその相手の正体がつかめないと有効打は打てそうにないでしょうね……そうなるとやなりお手上げですね」
その言葉を聞いたリレイはもはやどうにでもよくなったとばかりに笑い始める
「ハハハッ!そうだな。もうこうなると何もしようがなくなってしまうな!さて今後はどうしようか?」
「そうですね……私としては閣下と共に最期までついて行くつもりですが、何かお考えはありますか?」
「それでは答えになってないぞ!まぁいい、私はこの後残った兵士を連れてけじめをつけようかと思うが……できれば最後に例の人物にあってみたいとは思うがな」
暫し、ユリーシャは考えると思っていたことを正直に話した
「話して頂いた後にこんなことを言うのはなんですが、私はこのままあちらに投降してもよいかと」
「な!正気か!貴様はまだ利用価値があるからいいにせよ、この私はいいとこ打ち首だぞ!」
さすがにこの言葉にリレイは憤りを感じた、短い間ではあったが今まで自分の下で忠実に働いていたユリーシャが最後の最後で裏切りともとれる発言をしてきたからだ。
「そう思われるかもしれませんが、ここは残った五百余りの兵を二度とあの惨い死に方をしないように投降した方がよいかと」
すると、もうあきらめがついていたのか、長い溜息をつきながら意を決したようにリレイはユリーシャに命じた
「そうなれば、明日明朝ここを経ち、再び城へと赴こうか」
「御意」
その言葉を発した二人は何処かすっきりしたような顔をして微笑んでいた
一方帝国軍の軍勢を退けるどころか一方的に“つぶした”ハミルトン側は、皆安心しきって深い眠りについていた。
そんな夜も何事もなく過ぎ、また新たな日が来ようとしていた
朝テントで起きた俺は、地面に直で寝ていたせいで腰痛に悩まされながらも、LiSMで召喚した缶コーヒーを飲みながら眠気を覚ましていた。
陛下と呼ばれる身でありながらも城内でなくこの テントで寝起きしていたのは疲れて城内まで行く気がしなかったからである。
この時はまだ、さすがの連戦で疲れたのかあの怪力を発揮していたキューレやギルドマスターのエレザでさえ寝息を立てていた。
そんな俺のところに、見慣れた顔がやってきた。
「おはようございます、陛下、起きた直後に申し訳ないのですが、エレシア閣下からお呼び出しがあるようなので、そのまま私にご同行願えますか?」
ローレンスは疲れていることをまるで感じさせないような、さわやかな笑顔で問いかけてくる。
「エレシアが?わかった、行くよ」
「丁度、朝食もご用意されているようなので」
そのまま、ローレンスはエレシアがいる一室の前まで案内してくれた。
「では私はここで失礼させて頂きます」
扉の前まで来てくれたローレンスは、深くお辞儀をしながら、俺の返事を聞かずに静かに去っていった
扉の前に一人取り残された俺は、そのまま立っているわけにもいかず、扉をノックし返事も聞かずそのまま部屋の中に入っていく。
「失礼するよ、場所はここであっているかな?」
「おはようございます陛下、わざわざここまでご足労願いありがとうございます。立ち話もなんですのでどうぞ席におかけください」
挨拶をしてきたエレシアは、白いモーニングコートを着ていて、昨日の恰好とはうって変わって部屋に差し込む朝日も手伝ってとても美しく見える。
部屋にはエレシアしかおらず、部屋の真ん中には小さな白いテーブルと二つの椅子がおいてあり、そこにはパンとサラダと紅茶のようなものが並べられていた。
そのまま俺はエレシアと向かいになっている椅子に座る、俺が座ると同じようにエレシアも座る
「いや、ちょうど朝ご飯も食べてなかったことだし、むしろ用意しておいてくれてありがとう」
するとエレシアは恥ずかしそうに顔を下に向け、何も言えなくなりそのままちょこんと椅子に座ってしまう
(ん?何かしたかな?)
しばらく、何も反応がなかったのでそのまま置いてあった料理に遠慮なく手を付けた。
そのまま、俺が食べ続けても、エレシアは固まったまま動かなかった。
「……で何か、俺に用があったのかな?」
「そ、その、えと、い、一緒にご飯が食べれればと思いまして……お気に触られましたか?」
「いや?俺は美女と朝ご飯を一緒に食べれて光栄だね、この後メリアになに言われるかわからんけども……」
「あ、ありがとうございます」
エレシアは顔をリンゴのように真っ赤にさせながら、ゆっくりとパンを食べ始めた
しばらくすると落ち着いてきたのか、静かに話し始める。
「今回は本当にこの城をお救いくださり心より感謝しております。陛下が今頃ここに助けにいらしていなかったら、もうすでにこの城は敵の手に落ち、私はこの世に存在していなかったことでしょう。今のこの平穏な時間があるのも陛下のおかげです」
「そんな大層なことを俺はしていないよ、そもそもここに辿り付けたのは、エレザやシルヴィア達が付いて来てくれたお陰だから、それに今回の戦いだってここの人たちの助けがなかったらあんなにうまくいっていなかったかもしれないよ……しかも昨日だけでもこの手で数多の命を奪っていってしまったし」
この戦いで俺は、今まで日本という馬鹿みたいに平和な場所で育ってきた自分が馬鹿らしくなってきた。
もちろんその時も世界中で戦争が行われてきていたが自身の生活には何ら関係なかった、しかし、実際に自分の身に降りかかる死の恐怖を味わうと、人は自然にその環境も普通に思い、殺めるのもなんのためらいもなくできてしまうのだと思い知らされた。
そのまま二人に気まずい空気が流れてしまい、二人は食事を静かに済ませて終わった。
ただ、エレシアは俺が去っていくときも何も言わずに、笑顔で見送ってくれた。まるで何かに満足したかのように――
静かに部屋から出た俺は釈然としない気持ちのままテントへと戻っていった。
昨夜の戦闘はまるで地獄を生きているうちに見てしまったようであった。
リレイは、魔術化兵がシールドを展開し、斥候部隊や一次攻撃されたときの光の矢のようなものを普段から投石機で飛ばしてきた岩や矢を防ぎきれるものなので、正面全体に展開しておけば完全に防げると思っていた。
リレイは戦闘を見守っていた丘の上から伝令を出し、総員突撃の司令を発した。
しかし、おそらく伝令がついてからまもなく、こちらが突撃するかしないかぐらいのときに、空にいきなり太陽のように明るい光の球が現れ、今まで暗闇に目が慣れていた我々は、全員視力が一時的に失われてしまったので、その場で皆止まってしまった。同時に虎の子の魔法化部隊は目の前の現象に耐えきれずにシールド展開を中止してしまった。
それに驚いていると、さらに今度は爆発魔法のようなものが飛んできて部隊中心付近に当たった。そのあとも何発か飛んできて部隊前面にもあたった。そのあとの一瞬の間のあと、魔術化兵がシールド展開する前に今度はところどころの地面が噴火したんじゃないかと思われるほどの量の爆発が兵たちを襲った。
その爆発に巻き込まれた兵士たちは爆心地にあったものは文字通り消え失せ、直撃を逃れた者でも足や腕・首などがもがれ爆発によって生じた破片で負傷するものも多かった。
そんな爆発が一旦やむ時があった、その時に兵の半数近くがいなくなっていた、兵たちを何とか立て直そうとしたとき、さらに信じられないことが起きた。
遠くから魔物が吠えたかのような音がしたかと思えば、城の方角から今度は無数の光の矢のようなものが飛んできた。
それをまともに受けた兵たちは悲鳴や声を上げる暇なく全身を穴だらけにして倒れていった。その斃れ方まだいいように思えるようなことが近くで起こっていた。というのも穴が開くとか腕が千切れるようなことではなく、人一人丸ごと肉塊に変えてしまっていた。そんなむごたらしい光景が肉眼でも確認できるような距離で発生していた。
そんな今までにないことが起きてしまったことにリレイは、もはや自身だけで策を打つ手立てがなくなってしまっていた。
(何故二度にもわたってこのようなことが……ありえん!ありえん!!)
急ごしらえで建てたテントでリレイは複数の悩ましい問題があり、頭を抱えて唸っていた。
今の生き残りのリレイ直属の兵は500人余りと作戦開始当時にあった戦力4万の一割にも満たない、リレイ率いる先遣部隊は“殲滅”された状態になってしまっていた。
幸いにも、副官で今回の作戦の中心人物であるユリーシャは生還してきたのでそれだけが不幸中の幸いであった。
そんなユリーシャもこれまでにない敗れ方をしたため強いショックを受けていたが、完膚なきまで破ってきた敵に対して強い興味を持ち始めていた。負けてもなおこの体験を次へと活かそうとする考えは軍師だからなのだろうか。
しばらくの間、二人は同じ机の上で向き合いお互い黙っていたが、その空気に耐えられなくなったのかついにリレイは重い口を開く。
「ユリーシャ、こうなってしまってすまない」
「いいえ、閣下これは私の策の浅さと情報をしっかりと得ていなかったために起こったことです、私の力が及ばずこのようなことに」
「もうこうなってしまっては致し方のないことだ、敵は我らより二手三手先を読んでいたのであろう」
「しかし、閣下、何故あの戦力があの閉じこもっていたハミルトン城にあったのでしょうか?」
するとリレイはしばらく考え事をしたかと思うと、すぐに答えを出してきた。
「これはお前に伝えていなかったことで皇帝陛下との間での最高機密事項であったが……負けたこの際お前に冥土の土産として話してやろう」
「あのコンダートでは最近あそこの第一王女が、とある“儀式”をしたらしくてな。なんでもその“儀式”と呼ばれるものによって、ある人物を召喚したようだ、そして今回あのハミルトン城にいるんじゃないかって話だ、もしその話が本当ならば、昨日のあの攻撃の正体がつかめてきそうじゃないか?」
「そうですね、そうなると合点が行きますね……ただしその相手の正体がつかめないと有効打は打てそうにないでしょうね……そうなるとやなりお手上げですね」
その言葉を聞いたリレイはもはやどうにでもよくなったとばかりに笑い始める
「ハハハッ!そうだな。もうこうなると何もしようがなくなってしまうな!さて今後はどうしようか?」
「そうですね……私としては閣下と共に最期までついて行くつもりですが、何かお考えはありますか?」
「それでは答えになってないぞ!まぁいい、私はこの後残った兵士を連れてけじめをつけようかと思うが……できれば最後に例の人物にあってみたいとは思うがな」
暫し、ユリーシャは考えると思っていたことを正直に話した
「話して頂いた後にこんなことを言うのはなんですが、私はこのままあちらに投降してもよいかと」
「な!正気か!貴様はまだ利用価値があるからいいにせよ、この私はいいとこ打ち首だぞ!」
さすがにこの言葉にリレイは憤りを感じた、短い間ではあったが今まで自分の下で忠実に働いていたユリーシャが最後の最後で裏切りともとれる発言をしてきたからだ。
「そう思われるかもしれませんが、ここは残った五百余りの兵を二度とあの惨い死に方をしないように投降した方がよいかと」
すると、もうあきらめがついていたのか、長い溜息をつきながら意を決したようにリレイはユリーシャに命じた
「そうなれば、明日明朝ここを経ち、再び城へと赴こうか」
「御意」
その言葉を発した二人は何処かすっきりしたような顔をして微笑んでいた
一方帝国軍の軍勢を退けるどころか一方的に“つぶした”ハミルトン側は、皆安心しきって深い眠りについていた。
そんな夜も何事もなく過ぎ、また新たな日が来ようとしていた
朝テントで起きた俺は、地面に直で寝ていたせいで腰痛に悩まされながらも、LiSMで召喚した缶コーヒーを飲みながら眠気を覚ましていた。
陛下と呼ばれる身でありながらも城内でなくこの テントで寝起きしていたのは疲れて城内まで行く気がしなかったからである。
この時はまだ、さすがの連戦で疲れたのかあの怪力を発揮していたキューレやギルドマスターのエレザでさえ寝息を立てていた。
そんな俺のところに、見慣れた顔がやってきた。
「おはようございます、陛下、起きた直後に申し訳ないのですが、エレシア閣下からお呼び出しがあるようなので、そのまま私にご同行願えますか?」
ローレンスは疲れていることをまるで感じさせないような、さわやかな笑顔で問いかけてくる。
「エレシアが?わかった、行くよ」
「丁度、朝食もご用意されているようなので」
そのまま、ローレンスはエレシアがいる一室の前まで案内してくれた。
「では私はここで失礼させて頂きます」
扉の前まで来てくれたローレンスは、深くお辞儀をしながら、俺の返事を聞かずに静かに去っていった
扉の前に一人取り残された俺は、そのまま立っているわけにもいかず、扉をノックし返事も聞かずそのまま部屋の中に入っていく。
「失礼するよ、場所はここであっているかな?」
「おはようございます陛下、わざわざここまでご足労願いありがとうございます。立ち話もなんですのでどうぞ席におかけください」
挨拶をしてきたエレシアは、白いモーニングコートを着ていて、昨日の恰好とはうって変わって部屋に差し込む朝日も手伝ってとても美しく見える。
部屋にはエレシアしかおらず、部屋の真ん中には小さな白いテーブルと二つの椅子がおいてあり、そこにはパンとサラダと紅茶のようなものが並べられていた。
そのまま俺はエレシアと向かいになっている椅子に座る、俺が座ると同じようにエレシアも座る
「いや、ちょうど朝ご飯も食べてなかったことだし、むしろ用意しておいてくれてありがとう」
するとエレシアは恥ずかしそうに顔を下に向け、何も言えなくなりそのままちょこんと椅子に座ってしまう
(ん?何かしたかな?)
しばらく、何も反応がなかったのでそのまま置いてあった料理に遠慮なく手を付けた。
そのまま、俺が食べ続けても、エレシアは固まったまま動かなかった。
「……で何か、俺に用があったのかな?」
「そ、その、えと、い、一緒にご飯が食べれればと思いまして……お気に触られましたか?」
「いや?俺は美女と朝ご飯を一緒に食べれて光栄だね、この後メリアになに言われるかわからんけども……」
「あ、ありがとうございます」
エレシアは顔をリンゴのように真っ赤にさせながら、ゆっくりとパンを食べ始めた
しばらくすると落ち着いてきたのか、静かに話し始める。
「今回は本当にこの城をお救いくださり心より感謝しております。陛下が今頃ここに助けにいらしていなかったら、もうすでにこの城は敵の手に落ち、私はこの世に存在していなかったことでしょう。今のこの平穏な時間があるのも陛下のおかげです」
「そんな大層なことを俺はしていないよ、そもそもここに辿り付けたのは、エレザやシルヴィア達が付いて来てくれたお陰だから、それに今回の戦いだってここの人たちの助けがなかったらあんなにうまくいっていなかったかもしれないよ……しかも昨日だけでもこの手で数多の命を奪っていってしまったし」
この戦いで俺は、今まで日本という馬鹿みたいに平和な場所で育ってきた自分が馬鹿らしくなってきた。
もちろんその時も世界中で戦争が行われてきていたが自身の生活には何ら関係なかった、しかし、実際に自分の身に降りかかる死の恐怖を味わうと、人は自然にその環境も普通に思い、殺めるのもなんのためらいもなくできてしまうのだと思い知らされた。
そのまま二人に気まずい空気が流れてしまい、二人は食事を静かに済ませて終わった。
ただ、エレシアは俺が去っていくときも何も言わずに、笑顔で見送ってくれた。まるで何かに満足したかのように――
静かに部屋から出た俺は釈然としない気持ちのままテントへと戻っていった。
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