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海編
45.コンダート王国海軍
しおりを挟むコンダート王国海軍の海軍大臣ガンダルシア・ヴィアラは代々海軍の要職を務めてきている大貴族のガンダルシア家出身で、ガンダルシア家以外にも海軍系の貴族はいるがほとんどが最近名を連ね始めたばかりの家が多く、ガンダルシア家以上に古いところはないほどこの家は歴史のあるところだ。
ヴィアラは海軍士官学校に通いながら現場で一兵士として実戦経験を重ねていたため剣術や体術は並外れた能力を持ち、陸軍出身の名のある剣術指導者に対して圧倒的な差をつけて勝利するほどだ。海軍で多い実戦経験がなく上層部の評価ばかりを気にしがちな軍のエリート層や大貴族の子供の様に現場を一切知らない人たちとは違い、ヴィアラ本人は現場を重視し上層部の意見を時には無視することさえあった。
しかし、本音が出るのと強気な性格のせいで海軍の内部ではあまり好ましく思われていないようで大臣に就任する前にはさせないために色々と“工作”が行われていたようだ、逆に陸軍内部では叩き上げの軍人が多く現場主義のため高評価されているようだが本人は陸軍とあまり関わり合いがないのでそのことについては何も知らない。
そんなヴィアラは常に白い海軍の軍服と制帽を身に着けており、誰もが振り向くほどの美人ですらりと伸びる長躯に、腰まで伸びた薄い水色の髪、そして服からはみ出そうなぐらいの胸の持ち主で色気MAXだ。
ただ、今まで近寄ってきた男は数多いたがヴィアラのお眼鏡にかなうやつは一人もいなかったというよりヴィアラ自体がそういった男たちに向ける冷たい視線や態度によって拒絶していたからなのだろう。
王国海軍の中心部であるキーレの町は建国当初から栄える港町で周辺の海域では豊かな漁場があるため市場には毎朝新鮮な魚が並んでいる。
また、貿易港としても栄えており戦争が始まる前までは他の大陸から珍しい品物なども届き中にははるか東方からの輸入品も届きその品物も市場にならび大いににぎわせていた。
造船業もまた盛んでこの国で造られている船の実に70%もの船がこのキーレで造られていて、中型級の船については他国からも定評がよく船自体を輸出していた。
そしてその貿易港と造船所を守るため海軍基地もあり一大拠点となっていた
王国海軍は創設当初から風の力からによって航行する帆船を配備していて、沿岸及び近海での戦闘を考慮しており遠洋などを航行するための大型艦(50m以上)を保有していないための代わり中型艦(30m以上)やより小回りの利く小型艦艇を大量に保有し領海を警備していた。
しかし、対する帝国海軍は元々他大陸や近隣諸国の海に時たま出没し領海や貿易ルートを荒らしあわよくば金品を奪い去ってしまおうという野蛮な思想の元運用されており、その性格上遠洋にて長期間活動することもあり他の国の追随を許さないほどの大きな船を多数保有し、武装も両舷に50門もの砲を搭載し甲板には大型のバリスタも装備し非常に凶悪で最強である。
そんな凶悪な帝国海軍にちっこい船をかき集めたような王国海軍が太刀打ちできるわけもなく初戦から敗退し続けしまいには沿岸に好き勝手に上陸されるなど散々な状態であった。
そんな王国海軍の存亡をもかかってしまった今、海軍大臣のガンダルシア・ヴィアラとキーレ港司令兼中央艦隊司令長官であるキーレ・ミサ中将の二人はキーレにある海軍総司令部の大臣執務室でお互い頭を抱え唸っていた。
今一緒になって頭を抱えているキーレ・ミサ中将は海軍士官学校時代からヴィアラに仕えてきた右腕的な存在で、今やほとんどの会議や執務を一緒にするほどお互いが信頼しあえる間柄のようだ。
ミサの見た目は長い黒髪で前髪を赤い髪留めで止めてあり、見た目は真面目そうな印象で赤い縁の眼鏡をかけている。ミサは身長はそこまで高くなく、胸の大きさも控えめだ。
本来であればここは海軍参謀総長であるアルバ・リザや作戦本部長のジェミナ・フラウもいたはずなのだが他の方面での作戦で忙しくこの場には参加していなかった。
そこに一人取り残されるように俺は二人が頭を抱えているのを眺めながらコーヒーを飲みつつただ待つだけだった。
ちなみにこの時の俺は軍艦に乗って活動するため海上自衛隊の着ている将官用の服を着てきていた。
暫しの間その状況が続いていたが何を思い至ったのか、姿勢を戻しまるで今俺のことを気付いたかのように話しかけてきた。
「それでいて陛下、かの“召喚”のことについてですが一体どういったものを“召喚”なさるのでしょうか?」
「それについてだが、8隻の大型艦の召喚を予定している、その大型艦は簡単に説明するとまず、船体は鋼鉄で造られていて大きさは全て全長が200mを超える、動力は風ではなく自力で動力を発生させその力によってこの世界の船の数十倍もの速度を出し使い方によっては1週間もしないうちに近くの大陸へと渡ることも可能なほどの航行能力を持つ、武装については最近陸軍の一部が配備を進めている“銃”よりはるかに遠く尚且つ破壊力も桁違いの“大砲”を積み晴れていて条件も良ければ水平線の向こう側まで撃ち込むことも可能なほどだ、至近距離になれば各種艦砲や据え付けられた一度に大量の弾を発射することのできる“機関銃”によって応戦も可能な船だ……何か質問は?」
「質問も何も我々には非現実的すぎて想像ができないので説明をしていただいたところ申し訳ないのですがなんのことか……」
「しかし陛下の話を聞く限り、それがわが軍に実戦配備されれば帝国海軍に一矢報いるどころか完全に叩きのめすことも出来そうですね」
ヴィアラとミサは俺の話に興味を持ったのか身を乗り出して話を聞いてくれていた、ただそれよりも海軍の存亡がかかっている今、藁をもすがる気持ちでいるであろう。
今回俺が行う召喚は旧大日本帝国海軍の保有していた戦艦たちを召喚しようと思った(やっぱり戦艦と言ったら日本のですよね)。
そこで選んだのが大和型(大和・武蔵)長門型(長門・陸奥)金剛型(金剛・比叡・榛名・霧島)の8隻だ、特に選んだ理由はないのだが大和型戦艦を選んだ理由を言うまでもないだろうがただのロマンです……ハイ
大和型戦艦は全長263.4m、最大幅38.9m、最大速度27ノット(約50㎞/h)、乗員約3,300名、主砲45口径46㎝三連装砲三基、副砲60口径15.5㎝三連装砲二基・40口径12.7㎝連装高角砲12基etc…(大和最終時)の戦艦で世界最強最大の軍艦として世界にその名をとどろかせている。
長門型戦艦は全長215.8m、最大幅28.96m、最大速度26.5ノット(約49㎞/h)乗員約1300名、主砲45口径41㎝連装砲4基、副砲50口径14㎝砲18門、40口径12.7㎝連装高角砲4基etc…(長門改装後時)の戦艦でこちらは完成時では世界最大の戦艦として建造され、連合艦隊旗艦も務めていた。
金剛型戦艦は全長222m(金剛(219.4m)を除く)、最大幅31.02m、最大速度30ノット(約54㎞/h)乗員約1300名、主砲45口径35.6㎝連装砲4基、副砲50口径15.2㎝砲8門12.7㎝連装高角砲6基etc…の戦艦で一番艦の金剛はイギリスで建造され(他二番艦以降は日本で建造)速力は改装後30ノットと高速でその高速力を生かして艦隊行動速度の速い空母機動艦隊に随伴していた。
特に大和型は特筆すべきは主砲である46㎝三連装砲であろう、この砲は後にも先にも実際装備されたものとして世界最大最強の戦艦主砲で敵艦に対してアウトレンジ射撃が可能な最大射程が40㎞をも超える(とはいえ40㎞先を超えた射撃となるとほぼ当てるのは奇跡に近い)。
ただ、この世界の船に対して戦うのであればどの性能もチート級の物にしかならないのでどれもあまり気にすることは無いのだが……
とりあえず、最初に召喚するのは人員の育成や補給整備の問題から戦艦大和と武蔵の二隻にしようと思う、そして次の軍艦(大型空母やイージスシステム艦)を召喚するまで人員育成や練度を上げておきたい。
「……にしてもこれをうまく運用するまでに少し時間がかかりそうだな」
「それについてはご心配無用!実は操作方法や修理方法等はこのLiSMの能力によってその使う人たちに付与することができるからその部分は大幅に短縮できる、あとは何回か訓練すれば実戦投入は可能かと?」
「本当か!?もしそれが本当ならうちの自慢の海兵たちがうまくやってくれるだろう、ただ我々に残された時間があまりない、さらに次の敵の大規模な攻勢ももうすでに始まりそうだ」
「では早急にキーレ港に人員を招集、早急に実戦配備するために準備を開始します」
「期間は一か月以内とする、そこまで形にはしておくように」
「御意!」
指示されたキーレ中将はすぐさま部屋を出ていき海軍総司令部に隣接された中央艦隊司令部へと向かっていった。
「それでいて陛下、ここまでして頂いているなか申し上げにくいのですが……」
「陸戦隊の銃器について……かい?もうすでに銃は選定を済ませてあるから量の調節と後は召喚して訓練を行えばいいのかな?」
「流石は陛下!そこまで進んでいるとは!……因みにどのような銃なのでしょうか?」
「基本的に陸軍と同じ装備になるね、もうすでに実戦投入されているから信用できるものだし……何か気になることがあるかい?」
「……その言いにくいことではあるのですが、私自身そのようなことは無いのですが海軍内部の上層部が陸軍と仲があまりよろしくなくさらに言うと対抗意識も持っているようなので“陸軍のおさがり”となってしまっては反感を買うかと思いまして……」
「そうか、そういうことなら別のもあるからそれにしよう」
現在陸軍通常部隊にはSIG516とSIG P226を標準装備として配備準備中なのでそれに合わせて海軍にも同様にSIG516を配備しようと考えていたが、そのような反発を考慮するのならば海軍の装備はHK416とHK VP9にしていこうと思う(一部は両方ともに混在している部隊もあるが)
HK VP9はHK416と同じHK社が開発したG17と同じストライカー方式の9×19㎜弾を使用する自動拳銃で
整備や補給のことを考えると少々厄介だが弾薬はどちらも同じ(SIG516・HK416ともに5.56×45㎜弾、SIG P226・HK VP9ともに9×19㎜弾)なのでそこは大きな問題にはならなそうだ。
「恐れ入ります」
「いや、大丈夫だよ、それより俺も港に行ってさっそく召喚を始めたいのだが」
「了解しました、ではご案内いたしますのですぐに参りましょう」
話が終わるとすぐに二人は部屋を出ていく。
その時ワタは気付いていなかったがヴィアラは小さくガッツポーズをしていた。
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