現代兵器で異世界無双

wyvern

文字の大きさ
49 / 93
海編

 49.王国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、総員一層奮励努力セヨ!

しおりを挟む
 敵を補足した王国海軍練習艦隊はすぐさまその方向に舵を切り敵の側面と並びすれ違う進み方で攻撃をする所謂「反航戦」の形をとる。
 気づけばマストにはZ旗と呼ばれる信号旗と呼ばれるものが上がっていた、これは他の船同士との意思疎通のためで、どうやらヴィアラがたまたま俺のしゃべったこの話の逸話を聞き事前にこのことが計画されていたようだ。

このを旗を掲揚した当時の日本はロシアとの海での決着をつけるため大博打ともいえるこの作戦をとり、見事日本海海戦で勝った。
 その日本海海戦の際、連合艦隊司令長官の東郷平八郎が乗っていた旗艦「三笠」に挙げられた旗で、「皇国(天皇の国の意)の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」の意味を持っている。
 今回それにあやかろうと「王国ノ興廃此ノ一戦ニ在リ、総員一層奮励努力セヨ!」の意味を持たせて掲揚したようだ

 
「航海長操艦、両舷微速、左90度回頭」
「頂きました、航海長、両舷微速、取ーりかーじいっぱーい」
「両舷微速、取りかーじいっぱーい」

 敵の速度が遅いため(あちらからすれば頑張って早くしているのであろうが)速度を微速(約6ノット)にまで落とし敵の横を過ぎ去っていかないように調整をかける。
 操舵員が舵を勢いよく左に回ると、艦もそれに合わせてゆっくりと左に傾いてきた。
 しばらくすると艦隊は敵の丁度真横に並んだ。
 
 「敵艦進行に変わりなし、敵速5ノット、方位90、距離20000」

 「合戦準備!右砲戦、90度、目標敵第三艦隊!今までたまっていた恨みここで晴らせ!」
「武蔵に合戦準備の合図を送れ!」
 
「測的よーし、主砲目標良し、方向よし、射撃用意よし」
 
 「弾種榴弾」
 「弾種榴弾よし」

 「撃ち方始め」
 「てっー!」

 ドドドドドッ!ドドドドドッ!

 大和・武蔵の主砲46㎝砲が一斉に敵艦隊に向け砲撃を加え始めた。
 初弾は多数の至近弾を出し敵艦隊周辺に大きな水柱を立てていた。
 
 「報告!初弾至近弾多数!」
「次弾から効力射に移る、各砲門自由射撃に以降!撃ちまくれ!」 
 
 砲撃の指揮を執っている砲術長だけでなくここにいるすべての人員に熱が入り、自然と声にも力が入ってくる。
 次々に46㎝砲が火を噴いていきついには敵艦隊に直撃弾を何度も送りこんでいく。
 敵は直撃弾が出たあたりからようやく回避行動を始めたが時はすでに遅く艦隊中央では火薬庫に引火か直撃して爆発がそこかしこで起こっていてまさに阿鼻叫喚の地獄絵図のようになっていた。
 そんな状態の中でも艦隊の中には勇猛な艦長もいるようで単騎でこちらに向かってくるような強者もいたがすぐに標的にされ海の藻屑となってゆく。
 
 「陛下!敵は次々に轟沈していきます!大戦果間違いなしです!」
 「奴らにようやく一泡吹かせてやれました!陛下万歳!」
「「「「陛下万歳!」」」」
 ヴィアラとエミリアはあまりにも興奮しすぎて今までの真剣な状態とはうって変わってお祭りに初めて行った少女のようにはしゃいでいる。
 しまいにはこの声を聴いたのか見たのか、艦内中がどこぞの時代の軍隊のように万歳三唱までやり始める始末だ。
 しかしこうなるのもそのはずで今まで相当な辛酸を飲まされてきたのだから当然だろう。
 ただ、この時のミサは冷静に戦局を見つめ何かを分析しているようであった。
 
 「そこまで!!まだ敵は完全に消え去ったわけじゃないだろう?直ちに接近し殲滅だ!」
 「し、失礼しました、直ちに追撃を開始します!航海長、最大戦速にて追撃」
 「最大戦速、面舵!右20度回頭」
 
 俺は浮かれている周りを怒号交じりに叫び、正気に戻させ追撃を命じる。
 するとその声に飛び上がるような反応を見せた皆は、今まで浮かれていて舞い上がり本来の目的を忘れかけていたことを思い出しすぐさま持ち場に戻る。

 この一瞬のスキをつき敵はすぐに隊列を組みなおし撤退し始めた。
 しかし、しょせんは帆船でさらには風の力で速力をコントロールするのでそもそもすぐにこちらからにげることはかなわず、追いすがるこちらの艦隊は内燃機関を使って最大戦速(24ノット)で航行するこちら側と差がありすぎた。
 30分後には肉眼でも艦隊がはっきりと視認できる距離まで詰めていた。

 「敵艦隊との距離5000、方位320、敵速2ノット」
 「両舷最微速、舵そのまま」
 「両舷最微速、舵そのまま、ヨーソロー」

 「左砲戦、左30度、目標変わらず」
 「主砲・副砲・高角砲撃ち方用意」
 「撃ちー方始め」

 距離も5000とだいぶ近づいてきたため主砲と副砲だけではなく対空目的で設置されている40口径12.7㎜高角砲も本来の目的ではない水平射撃にて砲撃に参加した。
 砲撃の量と精度が格段に増し次々に敵艦を沈めていった。
ここまでくると一方的で弱いものいじめのようになってきているが、この力にしか頼れないのが今の王国の実態ではある。
 先ほどより近いため爆発によって吹き飛ぶさまも生々しく伝わってくる。

 「撃ち方やめ!」
 「撃ち方やめ」

 何を思ってかミサは砲撃中止を命令していた。
 
 「ミサ司令、なぜ中止を?」
 「艦長、よく中心にいる船のマストを見てくれ」

 艦隊の旗艦と思しき中央にいるひときわ目立つ艦の上には戦闘時であれば掲げられているはずの旗が下ろされていた。
これが意味することは戦闘をもう継続する意思はないということで、つまりは降伏を意味する。
 当初は100隻を超える大艦隊だったのが今や敵の残存艦はたったの3隻しか残っていなかった。
 
 「敵艦隊の降伏を確認、敵残存艦3!我が方の大勝利です!」

 それを聞いた乗員の全員が大いに沸いた。
 先ほどの浮かれ具合とはまた違い、今度は感動とそして悲願達成の喜びなのだろうか涙する人が多かった。
 
「みんなよく頑張ってくれた、ありがとう、感動しているところ悪いのだが最後に敵の大将をひっとらえるぞ!」
「「「「了解」」」」
「前進半速!」
「前進半速ヨーソロー!」

 ミサは最後まで残った敵将の捕縛を下令し艦を向かわせる。
 この戦いは王国海軍史上帝国に対しての海戦で一方的な大勝利が“キーレ沖海戦”として残ることになる。

 ただこの後、誰も予想もできなかった出来事が起こってしまう――――
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」  ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

処理中です...