現代兵器で異世界無双

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空編

85.陸海空軍合同ミーティング2

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KCIAの報告が終わると次に海軍情報部からの報告が始まった。
先ほどまで気絶して医務室にいたとは思えないほどの元気さで報告してくれていた。

まず、第3・4・6艦隊の編成を完了し、編成を完了した各艦隊は東と南と西方向に分かれて練習航海を始めたようで、
この各艦隊はこの後演習などを行い練度の向上をはかり、現在出撃中の第1・2・6艦隊と交代し実戦任務に就く予定だそうだ。

そして現在行動中の第一艦隊は、予定通り第一空母航空団所属の第一一戦闘攻撃飛行隊と第一二戦闘攻撃飛行隊を合同演習のために敵に気付かれないギリギリまで陸地に接近してから発艦させ、発艦させた後すぐに陸地から離れウルスとファルナをミサイルが届くギリギリの場所まで後退し、命令があればすぐに攻撃ができる状態にあるという。

次に第二艦隊だが、無事にキーレ港から南東に2000海里離れた位置で出雲国使節団の乗る船団と合流出来たそうだ。

ただ当初、この使節団と合流するのは非常に困難を極め(どこを航行しているか探すのが至難の業な為)、さらにこのために艦隊を出してもらってはそちらの戦力低下が見込まれるので迎えはいらないと出雲国側からコンダート王国の安全を考慮してくれた上で断って来ていた。
しかし、現在キーレ港の周辺海域の領海権は取れていて出雲国の艦隊が強く操艦が得意なことで有名とはいえ、木造帆船なのでそもそも遅いし(予定では4か月かかるとされている)もし万が一敵の航空戦力に出くわしてしまったら対空兵装なんてものはないに等しいのでひとたまりもない、そればかりか艦隊の中には国の威信にかけてでも護衛をしなければならない超重要人物が乗船しているということだったので、それを理由にこちらから一方的に合流し今回に至る。

こちらの世界の常識からいえば、確かに外洋に出た艦隊が場所を決めて合流するのは完全に不可能なことなので(百万隻出してしらみつぶせば見つかるだろうが)断ってくるというより忠告にも近かったのだろうが、こちらとしてはそれを覆せるだけの能力と装備があるので難しいとはいえ不可能ではない。
なぜならば、合流に向かった第二艦隊には空母がいてさらにそこには多数の艦載機を積み、空母周辺には数隻の高性能レーダーを積んだ護衛艦がいるからだ。
合流された側としては非常識で且つ突然のことに開いた口がふさがらなかったことだろう。
合流したときは強引なことをしてくれるなと怒られるかと第二艦隊司令長官は思っていたそうだが、ものすごく喜ばれた上に丁度食料の余裕がなくなってきたときだったので助かったといわれたらしい。

ともあれ無事合流した第二艦隊は出雲国から来た10隻の船を各艦艇の船尾とロープ等でつなぎ曳航してキーレ港に向かっているようだ、これもかなり強引でこちら側の都合だけを重視したかたちだが安全に且つ素早く到着できることだろう。

最後にエンペリア王国近海に派遣された第六艦隊は現在、エンペリア王国海軍の第一艦隊と合流し敵艦隊と交戦し勝利を収めたようだ。
その時の状況はバーグ沖同様こちら側の一方的な攻撃になっていて、エンペリア王国海軍と合流する前には遠距離から長門と陸奥の両戦艦から放たれた主砲弾やイージス駆逐艦から発射されたアスロックによってほぼ壊滅させていたらしい。

ここまでが現在の海軍の近況だ。

そして海軍の報告が終わってすぐに陸軍からウルス城攻略作戦の現状について報告があった。

 この報告をしてくれるのは先ほどの修羅場(カオス)にいたリディア中将はその時の自分の行動に反省している様子を少し見せながらも、しっかりと情報を伝えなくてはならないという気持ちが前に出ているためかいつもより声が大きいような気がする。

 現在、ウルス城近くの前哨基地にエンペリリア・ローザ王女殿下率いる“青の騎士団”とそれに随伴していた冒険者のステラというものが合流しレナ大佐の直接指揮下に加わったようだ。

 ローザと行動を共にしていた冒険者の名前が今初めて公開されたことに俺は当然驚きを隠せなかった、それもそのはずで、以前俺がこの世界に来て間もないころ、セレデア周辺の森で助けたあのステラだというからだ。
 後で聞いた話だがステラはどうやらあの後俺の近くにいても足手まといにならないために為に強くなろうと思ったらしく、一人で色んな所で修業を積んでいたらしく最高難度のクエストにも一人で挑み見事これを達成したらしい、そしてその甲斐もあってかステラの冒険者ランクはLランクまで上がっていて、巷では一人でしかクエストをしないことも手伝って「一匹剣姫」と呼ばれるようになっていた。
そんな話を聞きつけたローザがぜひ自分の右腕としてついて来て欲しいととある日言ってきたらしいが、ステラはすぐに断った、しかし理由をステラがローザに聞くと一変、絶対ついていくと言ったらしい。
ちなみにその時ローザは「あなたという強力な右腕とともにワタの元に馳せ参じて、あの私の愛する人を窮地から救ってやるんだわ!」といったらしい。

 レナ大佐率いる陸軍特殊作戦軍第一連隊(通称メランオピス隊)は、ウルス城内の情報収集はほぼすべて終了し、準備も最終段階に入ったと報告を挙げてきている。
 ウルス城内は悲惨な状況になっていて、兵士はほぼすべて流行り病によって死に絶えたか今も苦しみ続けている状況だ、しかし、城内にはまだ生き残りが存在しているそうだ。

 次に東部侵略軍総司令官(王国側呼称)兼ウルス城占領軍司令のエレクサンドラ・ガンテ大将の情報についてだが。 
彼は帝国軍内でもかなりの実力者のようで、これまで前線に自ら出ていき戦った戦場では指揮官としての作戦指揮もさることながら強力な魔法や華麗な剣技によってすべて自軍を勝利に導いていたようだ、さらにその作戦指揮にも活かされる頭の良さを自身が持つ領地政策などでも発揮していたりと、そのほかにも様々なことに貢献してきているようだ。
 そして、今回こうして帝国軍南部侵略軍総司令官(帝国側呼称)に任命されたのもこれらの功績などが評価されたからであろう。
 しかしそんな彼には大きな弱点がある、それは女性に対する“欲”だ。
それは常時周辺に露出が多い服を着せた女性を多数侍らせていて、その女性たちと時間も場所も考えずかわるがわることにおよぶのでその時間帯はそれに熱中して何も考えられなくなり、さらにその部屋や周辺には護衛すら近寄らせないからだ。
しかもこの女性たちは皆強制的に連行されてきた所謂“奴隷”達のようで、中にはコンダート王国領土内で捕らえられたものや獣人やエルフ等といった種族も含まれるようだ。
 作戦開始時にも恐らく彼は護衛のいない無防備なところでことにおよんでいると思われるので、彼を殺害しやすいと報告書には書いてあるようだ。

 しかし、この報告を聞いた時俺は、そんな頭がいいはずの彼がこんな状況にも関わらずあんなことやこんなことをしていることに引っ掛かりを覚えた。
 何故なら、この状況にあったら普通の指揮官であってもなんとかこの兵士が流行り病で倒れ兵員が減少したとなればこれを解決させるために援軍を呼ぶなりしたはずだし、ずっとこの状況を放置するような愚策をとらないと思った、さらに言えばここまでの将軍になれば周辺の状況にも敏感にもなるだろうしここまでスパイを自由にさせないだろう。
 とは、思ったものの所詮は敵なのでこちらとしては好都合なのだが……。

 ここまで話が終わると同時にミーティングは終了した。
終わるとすぐに、参加していた関係者すべてが今度は滑走路わきに特設したテントに向かい始めた。
そしてこのミーティングと同時にほかの会議室では空海軍別々でパイロットたちのブリーフィングが行われているはずだ。

これからいよいよ海軍と空軍航空機による模擬戦が始まる。

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