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プロローグ
02 捨てる神あれば拾う神あり
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参った、完全に孤立無援だ、頼れる相手も居ない、渡された金は1ヶ月は生活出来る程の金額だと云う話だが早急に収入を得る手段を探さなければいけない。
「とりあえず宿を探すか…」
城から追い出された俺はトボトボと街の方へ向かう、それにしても酷い話だ、人の都合も考えずに勝手に呼びだし使えないと判断したら追放する、トドメに「恨むなよ」だと?自分勝手も大概にしろ。
ドス黒い感情が芽生えそうになるのを必死に堪えた。
やがて城が遠くなり俺は城下町に辿り着いた、宿を探そう、今は何も考えずに眠ってしまいたい。
「これが宿屋か?」
一件の宿屋を見つけ中へと入る、店主らしき男が話しかけてきた。
「宿泊かい?ってエラく疲れた顔してるが大丈夫か?」
「えぇ、勝手に呼び出されたと思ったら『お前は要らん』と追い出されてしまいましてね、何もかも忘れて眠ってしまいたいんです、お金ならあります」
俺は店主に金の入った袋を渡す。
「これが有り金全部かい?職を無くしてこれっぽっちなら1週間の生活費にもならねぇぞ?取り敢えず1泊分貰っておくわ」
そう云うと袋から銀色のコインを5枚取り出し残りを俺に返して来た。
やりやがったなアイツら、手切れ金までケチりやがって。
「おい坊主、お前仕事を探してるのか?」
近くのテーブルで俺と店主の話を聞いていた男が話しかけてきた。
「はい、頼れる人も無いし職も無いんです、途方に暮れています」
「俺はエスァール王国から商売に来てるんだが良かったら帰りの荷物持ちの仕事をしないか?脚が悪くて力仕事は娘がやってくれてるんだが見るに忍びなくてな、当てもなくこの国にいるよりはマシだと思うが」
地獄に仏とはこの事だ、断る理由は無い。
「いいのか…いいんですか!?是非雇って下さい!」
「坊主を見ていると昔の自分を思い出してな、出発は明日の朝だ、宿代と飯代は俺が出しておく、今日はゆっくりと休め」
そう云うと男は俺に銀色のコインを5枚握らせる。
「俺はトビィだ、坊主は?」
「ヨーグです、よろしくお願いします」
「畏まらなくていい、こちらこそよろしくな」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌朝宿の受付でトビィさんと合流した俺は馬車を預けている場所へと向かった。
「おはよう、お父さん…ってそっちの人は誰?」
「あぁ、荷物持ちに雇ったんだ、ヨーグ、こいつは俺の娘のローラだ」
「はじめましてローラさん、ヨーグって言います、帰りの道中よろしくお願いします」
「敬語なんて使わなくていいわよ、見たところ歳も同じぐらいだし、よろしくね、早速で悪いけど荷物の積み込みを手伝ってもらえるかな?」
可愛い子だな、ブロンドの髪を肩まで伸ばし健康的な体つきをしている、こんな女の子と出会えるなんてやっと俺の異世界生活にも運が向いてきた様だ。
荷物を積み込み馬車が動き出す、城下町を出る時見張りの兵士がニヤニヤとこちらを馬鹿にする様に見ていたのが気になった。
「本当っに嫌な国!アイツらああやって魔力を持たない平民を見下すのよ、兵士になるには魔力が無いといけないからって、いざ魔物が攻めてきたら自分達は勇者様の後ろに隠れて何もしない癖に!」
「そう云えば昨日新たな勇者が召喚されたって発表があったな、可哀想に、また何も知らない人間を使い潰すつもりなんだろう…」
アンナちゃんの事だ、気になるが今の俺はこの世界で生きていく事で精一杯だ、それにアンナちゃんは歴代の勇者の中でも強力な魔力を持っている様だしあの連中もすぐに使い潰す様な事はしないだろう。
「お父さん…、そんな事より楽しい事を考えましょう、ヨーグはエスァールに着いたらどうするの?」
「それが全く当てがないんだ、トビィさんが声を掛けてくれなかったらまだあの城下町で途方に暮れていただろうね」
「良かったらしばらくウチの店で働かない?最近お客さんが増えて誰か雇おうと思ってたのよ、ヨーグは真面目そうだし行く当てがないなら丁度いいわ、お父さんはどう思う?」
「ヨーグさえ良ければ俺は構わんぞ、母さんも反対はしないだろう、仕事も真面目にやってくれそうだしな、但し…ローラには手を出すんじゃねぇぞ?」
殺気ぃですかねぇ…?一瞬トビィさんが鬼の顔になった気がした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
エスァールまでは馬車て3日程かかると云う話で途中で1泊キャンプをした俺達は国境の関所を目指し進んでいた、街道には魔物が近寄らない仕掛けをしているらしく旅は順調だ。
「エスァールに着いたらヨーグの身分証を発行しないとな、これからも国境を行き来する事もあるだろうがそのたびに高い金を取られてしまう、取り敢えず形だけ冒険者ギルドに登録するか?1番手っ取り早い」
「冒険者ギルドですか?俺みたいな奴でも大丈夫ですかね?」
「登録だけなら簡単よ、講習を受けるだけだもの、手数料もそんなに掛からないわ、私も持ってるのよ」
ほら、とローラが胸ポケットに入っていたカードを手渡してきた、F級冒険者と書かれているカードにはローラの名前も記載されていた、それにしても胸が大きいな、いかん、また殺気を感じた。
「ボチボチ関所が見えて来るぞ、コレでしばらくはゼファール帝国にこなくて済むな、…?なんだ?関所から煙が上がっている?」
「とりあえず宿を探すか…」
城から追い出された俺はトボトボと街の方へ向かう、それにしても酷い話だ、人の都合も考えずに勝手に呼びだし使えないと判断したら追放する、トドメに「恨むなよ」だと?自分勝手も大概にしろ。
ドス黒い感情が芽生えそうになるのを必死に堪えた。
やがて城が遠くなり俺は城下町に辿り着いた、宿を探そう、今は何も考えずに眠ってしまいたい。
「これが宿屋か?」
一件の宿屋を見つけ中へと入る、店主らしき男が話しかけてきた。
「宿泊かい?ってエラく疲れた顔してるが大丈夫か?」
「えぇ、勝手に呼び出されたと思ったら『お前は要らん』と追い出されてしまいましてね、何もかも忘れて眠ってしまいたいんです、お金ならあります」
俺は店主に金の入った袋を渡す。
「これが有り金全部かい?職を無くしてこれっぽっちなら1週間の生活費にもならねぇぞ?取り敢えず1泊分貰っておくわ」
そう云うと袋から銀色のコインを5枚取り出し残りを俺に返して来た。
やりやがったなアイツら、手切れ金までケチりやがって。
「おい坊主、お前仕事を探してるのか?」
近くのテーブルで俺と店主の話を聞いていた男が話しかけてきた。
「はい、頼れる人も無いし職も無いんです、途方に暮れています」
「俺はエスァール王国から商売に来てるんだが良かったら帰りの荷物持ちの仕事をしないか?脚が悪くて力仕事は娘がやってくれてるんだが見るに忍びなくてな、当てもなくこの国にいるよりはマシだと思うが」
地獄に仏とはこの事だ、断る理由は無い。
「いいのか…いいんですか!?是非雇って下さい!」
「坊主を見ていると昔の自分を思い出してな、出発は明日の朝だ、宿代と飯代は俺が出しておく、今日はゆっくりと休め」
そう云うと男は俺に銀色のコインを5枚握らせる。
「俺はトビィだ、坊主は?」
「ヨーグです、よろしくお願いします」
「畏まらなくていい、こちらこそよろしくな」
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翌朝宿の受付でトビィさんと合流した俺は馬車を預けている場所へと向かった。
「おはよう、お父さん…ってそっちの人は誰?」
「あぁ、荷物持ちに雇ったんだ、ヨーグ、こいつは俺の娘のローラだ」
「はじめましてローラさん、ヨーグって言います、帰りの道中よろしくお願いします」
「敬語なんて使わなくていいわよ、見たところ歳も同じぐらいだし、よろしくね、早速で悪いけど荷物の積み込みを手伝ってもらえるかな?」
可愛い子だな、ブロンドの髪を肩まで伸ばし健康的な体つきをしている、こんな女の子と出会えるなんてやっと俺の異世界生活にも運が向いてきた様だ。
荷物を積み込み馬車が動き出す、城下町を出る時見張りの兵士がニヤニヤとこちらを馬鹿にする様に見ていたのが気になった。
「本当っに嫌な国!アイツらああやって魔力を持たない平民を見下すのよ、兵士になるには魔力が無いといけないからって、いざ魔物が攻めてきたら自分達は勇者様の後ろに隠れて何もしない癖に!」
「そう云えば昨日新たな勇者が召喚されたって発表があったな、可哀想に、また何も知らない人間を使い潰すつもりなんだろう…」
アンナちゃんの事だ、気になるが今の俺はこの世界で生きていく事で精一杯だ、それにアンナちゃんは歴代の勇者の中でも強力な魔力を持っている様だしあの連中もすぐに使い潰す様な事はしないだろう。
「お父さん…、そんな事より楽しい事を考えましょう、ヨーグはエスァールに着いたらどうするの?」
「それが全く当てがないんだ、トビィさんが声を掛けてくれなかったらまだあの城下町で途方に暮れていただろうね」
「良かったらしばらくウチの店で働かない?最近お客さんが増えて誰か雇おうと思ってたのよ、ヨーグは真面目そうだし行く当てがないなら丁度いいわ、お父さんはどう思う?」
「ヨーグさえ良ければ俺は構わんぞ、母さんも反対はしないだろう、仕事も真面目にやってくれそうだしな、但し…ローラには手を出すんじゃねぇぞ?」
殺気ぃですかねぇ…?一瞬トビィさんが鬼の顔になった気がした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
エスァールまでは馬車て3日程かかると云う話で途中で1泊キャンプをした俺達は国境の関所を目指し進んでいた、街道には魔物が近寄らない仕掛けをしているらしく旅は順調だ。
「エスァールに着いたらヨーグの身分証を発行しないとな、これからも国境を行き来する事もあるだろうがそのたびに高い金を取られてしまう、取り敢えず形だけ冒険者ギルドに登録するか?1番手っ取り早い」
「冒険者ギルドですか?俺みたいな奴でも大丈夫ですかね?」
「登録だけなら簡単よ、講習を受けるだけだもの、手数料もそんなに掛からないわ、私も持ってるのよ」
ほら、とローラが胸ポケットに入っていたカードを手渡してきた、F級冒険者と書かれているカードにはローラの名前も記載されていた、それにしても胸が大きいな、いかん、また殺気を感じた。
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