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4章 港街騒乱
098 戦友
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海面が激しく揺れている、俺達は海竜様の頭に乗ってクレバスが閉じる様子をぼんやりと眺めていた。
「お疲れ様、ユイトくん、身体の調子はどう?痛い所があるならお姉ちゃんに教えて欲しいな」
「それが殆ど影響無いみたいなんだ、生命の指輪の効果かな?今までは気を失う位消耗する事もあったんだけど」
俺がこの世界に飛ばされた時に身につけていた装備品はガチャで咲夜を引けたらそのまま試し切りに行こうと四苦八苦しながら考えた物だ、生命の指輪もその中の1つ、鬼神化による消耗を抑える為に選んだ装備だった。
「ふふっ、私の憑代が役に立って良かったわ、サクヤちゃんも疲れてない?大丈夫?」
「私も大丈夫ですよ、ユイトさんの言った通り今までとは疲れ方が全然違います、メリッサさんのおかげですね」
「そろそろクレバスが完全に閉じる、其方らには世話になった、我だけでは海魔神を封じる事は出来なかっただろう」
海面が徐々に鎮まっていく、やがて波も穏やかになり先程までの荒れ方が嘘の様に静まり返った。
「海竜様の力があってこそですよ、俺は少しだけ力を貸しただけです」
「謙遜するな、しかし魔の者どもは海意外にも手を広げている様だ、我は海から離れる訳にはいかない、其方らに頼ってもいいだろうか?」
「えぇ、神様に言われてからそのつもりでいました」
先程回収していたネクロマンサーの杖をアイテムバッグから取り出しす、手に持っても力を感じない、瞬身のレイピアでも試したが何故か俺には元々装備していた物しか扱え無い様だ。
「これと同じ様な俺の世界の装備が魔族の手に渡ってしまった様なんです、それも回収して回らないといけない、中には恐ろしい力を持った物もあります」
「そうか…其方らには迷惑をかけるな、何かあれば我も其方の力になる為に駆けつけよう、我らは最早戦友である」
「ありがとうございます、海竜様が味方にいてくれて心強いです」
「其方らを港へと送り届けよう、我が姿を見せると無用な混乱を招くやもしれぬ、港の近くまでになるが許して欲しい」
俺達を乗せた海竜様は悠々と海を進む、2人の魔族と海魔神との戦いは誰1人被害者を出す事無く終わりを告げた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「離してください!アイツを、鬼をこの手で始末してやる!お願いですカイト様!」
「まぁまぁ落ちついてよ、鬼いさん達は海魔神も上手い事無力化したみたいだよ?今の君が逆立ちしても敵わないと思うけど」
薄暗い部屋で四肢を鎖でつながれた男を宥める様にフードを被った少年が話している、男は酷く興奮している様子だった。
「なっ!?海魔神までもが…あの偽核はやはり失敗作だったのか?」
「うーん、キミとジーの記録を見たけどいい線いってたと思うよ?ただ被験体がだめだ、幾ら強い力を持っていても意思を持ってない相手だと効果が薄いからね、それにしても良く海魔神なんてロートルを引っ張りだしたもんだ」
「…やはり私はこのまま始末されるのでしょうか?ジー様の仇も打てず…無念です…」
繋がれた男が力なく項垂れる、それを見た少年が悪戯っぽく微笑んだ。
「まさか?そんな勿体ない事はしないよ、今回の件で僕は素晴らしい成果を得られたと思っているんだ、君の事だよ、ゲイル」
微笑んだ少年の手には怪しく光る宝石の様な物が握られていた。
「お疲れ様、ユイトくん、身体の調子はどう?痛い所があるならお姉ちゃんに教えて欲しいな」
「それが殆ど影響無いみたいなんだ、生命の指輪の効果かな?今までは気を失う位消耗する事もあったんだけど」
俺がこの世界に飛ばされた時に身につけていた装備品はガチャで咲夜を引けたらそのまま試し切りに行こうと四苦八苦しながら考えた物だ、生命の指輪もその中の1つ、鬼神化による消耗を抑える為に選んだ装備だった。
「ふふっ、私の憑代が役に立って良かったわ、サクヤちゃんも疲れてない?大丈夫?」
「私も大丈夫ですよ、ユイトさんの言った通り今までとは疲れ方が全然違います、メリッサさんのおかげですね」
「そろそろクレバスが完全に閉じる、其方らには世話になった、我だけでは海魔神を封じる事は出来なかっただろう」
海面が徐々に鎮まっていく、やがて波も穏やかになり先程までの荒れ方が嘘の様に静まり返った。
「海竜様の力があってこそですよ、俺は少しだけ力を貸しただけです」
「謙遜するな、しかし魔の者どもは海意外にも手を広げている様だ、我は海から離れる訳にはいかない、其方らに頼ってもいいだろうか?」
「えぇ、神様に言われてからそのつもりでいました」
先程回収していたネクロマンサーの杖をアイテムバッグから取り出しす、手に持っても力を感じない、瞬身のレイピアでも試したが何故か俺には元々装備していた物しか扱え無い様だ。
「これと同じ様な俺の世界の装備が魔族の手に渡ってしまった様なんです、それも回収して回らないといけない、中には恐ろしい力を持った物もあります」
「そうか…其方らには迷惑をかけるな、何かあれば我も其方の力になる為に駆けつけよう、我らは最早戦友である」
「ありがとうございます、海竜様が味方にいてくれて心強いです」
「其方らを港へと送り届けよう、我が姿を見せると無用な混乱を招くやもしれぬ、港の近くまでになるが許して欲しい」
俺達を乗せた海竜様は悠々と海を進む、2人の魔族と海魔神との戦いは誰1人被害者を出す事無く終わりを告げた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「離してください!アイツを、鬼をこの手で始末してやる!お願いですカイト様!」
「まぁまぁ落ちついてよ、鬼いさん達は海魔神も上手い事無力化したみたいだよ?今の君が逆立ちしても敵わないと思うけど」
薄暗い部屋で四肢を鎖でつながれた男を宥める様にフードを被った少年が話している、男は酷く興奮している様子だった。
「なっ!?海魔神までもが…あの偽核はやはり失敗作だったのか?」
「うーん、キミとジーの記録を見たけどいい線いってたと思うよ?ただ被験体がだめだ、幾ら強い力を持っていても意思を持ってない相手だと効果が薄いからね、それにしても良く海魔神なんてロートルを引っ張りだしたもんだ」
「…やはり私はこのまま始末されるのでしょうか?ジー様の仇も打てず…無念です…」
繋がれた男が力なく項垂れる、それを見た少年が悪戯っぽく微笑んだ。
「まさか?そんな勿体ない事はしないよ、今回の件で僕は素晴らしい成果を得られたと思っているんだ、君の事だよ、ゲイル」
微笑んだ少年の手には怪しく光る宝石の様な物が握られていた。
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