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6章 集う力

314 声

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スクリーンに映る俺の身体が斬撃の嵐に飲み込まれていく。不思議な感覚だ、自分の身体が危険に晒されているのに何も感じる事が出来ない。

「はぁはぁ…これだけやれば流石に今のユイトだって無傷って事は無ぇだろう…少しやりすぎちまったか?」

シグマさんの斬撃によって硬い岩盤で出来た地面に無数の溝が出来上がった。俺の身体は…どうなってしまったんだ?

「中々びっくりさせてくれるな。最強の名は伊達じゃないみたいだ」

「やりすぎたと思ったが余計な心配だったみてぇだな…」

シグマさんの斬撃が集中していた中心地からもう1人の俺が姿を現す。あれだけの攻撃を受けたのに傷を負った様子もない。

「さて、次は俺の番だな。簡単に壊れるんじゃないぞ?俺を楽しませろ!!」

もう1人の俺が咲夜を抜くとシグマさんに斬りかかる。シグマさんは先程の攻撃で体力を使ってしまった様で動きが鈍い。このままでは…

「グァァァッ!!!」

「チッ…完全に腕を切り落としたつもりだったのによ。興が醒める事するんじゃねぇよこのクソ爺!オラッ!」

「グフッ…!」

シグマさんはもう1人の俺が振り下ろした一撃をなんとかギリギリで躱した。腕は切り落とされてないが傷は深い。悲鳴をあげうずくまるシグマさんへもう1人の俺は追い討ちを放つ。鳩尾へ拳を叩き込まれたシグマさんは力無くその場へ崩れ落ちてしまった。

「どうせ俺に壊されるんだから無駄な事するんじゃ無ぇっつーの…!?チッ、そう言えば他にもゴミ共もいるんだったな。先にそっちから片付けるか?」

オウルさんがシグマさんを救う為にミストルティンの矢を放つ。しかしその矢もあっさりと叩き落とされてしまった。

「シグマ!しっかりしろ!おい!お前のモンスター達にシグマを救い出す様に命令するんだ!」

「分かっています。彼が殺されれば次は私達。貴重な戦力をみすみす失う訳にはいきません。下僕共よ!その男をこちらへ連れて来なさい!」

あの男は確かカイトと一緒にいた魔族だ。それが何故オウルさんと共闘しているんだ?いや、今はそんな事はどうでも良い。頼む、これ以上俺の仲間を傷つけないでくれ…

「グァッ!頭が頭が痛ぇ…クソ、まだ俺の中に主人格サマが残ってやがるのか…おい!邪魔するんじゃ無ぇ!大人しくそのまま消えちまえ!」

俺の思いが通じたのか?突然もう1人の俺が頭を押さえ苦しみはじめた。どうやら今の俺にも出来る事はある様だ。

「…さん!ユイトさん!もうやめて下さい!元のユイトさんに戻って下さい!」


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