闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0165話 闘師に昇格!

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山洞の中で薬炉を納戒から取り出し、目の前に軽く置いた。

護脈丹と氷心丹を作るための材料も全てそろえて並べた後、細かに確認した結果、ようやく安堵の息を吐いた。

薬老はゆらりと指輪から浮き上がり、巨石の上に降り立った。

両手を組み、笑顔で炎の息子を見つめる。

炎の息子が薬老の視線を一瞬だけ受け止めた後、目を閉じて意識を内側に向けた。

薬老から伝わった二つの薬方と火加減の詳細を再確認し、ゆっくりと目を開ける。

掌心で薬炉の口を撫でると、体中の気環中央にある紫炎が慎重に引き出される。

紫炎は斗気の流れに乗って経脈を通じ、掌から薬炉の中に流れ込んだ。

その瞬間、薬炉の中で「ポン」という音と共に紫炎が燃え上がった。

炎の息子は薬炉の表面を凝視し、内部で暴れる紫炎を見つめる。

薬炉の温度が徐々に上昇する中、彼は体から外れた霊力の感知力を手にかけて薬炉の中に浸透させた。

その結果、暴れん坊の紫炎が制御下に入った。

「始めるか?」

薬老は平静な表情で頷いた。

心の中で「この若者、霊力の扱い方が確実に上手くなってきたわ。

こんな短時間で火の温度を圧縮するなんて……」と感心した。

炎の息子が指先で碧緑の薬草──常青花を取り上げると、一瞬だけ視線を逸らした。

掌から薬炉の中に投げ入れたその葉は即座に紫炎に囲まれ、焦げ茶色に変化した。

炎の息子は再び霊力を伸ばし、紫炎の勢いを抑えながら、常青花を優しく焙じ始めた。

焙炙が続くうちに、枝葉から緑色の液体が滲み出てきた。

その液体が増えるにつれ、薬草の本体は急速に縮小し、最終的に灰燼となった。

「ん……良くやったわ。

この霊感知力なら、二品の煉丹師にも負けないわ」

炎の息子は笑みを浮かべ、掌で薬炉の中の緑色液体を吸い上げて玉瓶に移し出した。



常青花のエネルギー汁液を獲得した後で、蕭炎は再び3種類の異なる色の液体と、昙灵果を使って焼いた薄い青い粉を分別して凝縮した。

これらの薬粉を調合する際、初めてこの丹薬の材料が求める温度と分量を正確に把握できなかったため、蕭炎の優れた霊感にもかかわらず、12本の希少な薬草を破壊してしまった。

幸い山谷の中の薬草は豊富で、彼は薬材枯渇する前に全ての材料を集めた。

藥老は石に座り、静かに蕭炎の調合を見ていたが、材料全てが精製された後、僅かに頷いた。

途中にも薬草を破壊したが、初めてこの丹薬を作った彼にとっては、これくらいの失敗率は十分だった。

萧炎は深く息を吐いて一息ついた後、納戒から回気丹を取り出し口に入れた。

藥老はその様子を見て、首を横に振りながら「二品目でさえ体の斗気が消耗したのか」とため息をつくと、袖を軽く振って山洞中の白い霧を一掃した。

蕭炎は目を開き、藥老の諦め顔を見ると、ため息をつくだけだった。

彼が口に詰まらせた回気丹で体の斗気が回復した後、手を開いて真っ白で冷気を放つ二品目の氷属性魔核を薬鼎の中に弾き込んだ。

紫炎の温度は彼の霊感によって制御されていたが、氷属性魔核はその寒さを保ちつつ抵抗し続けた。

紫炎と氷霧が対立し、薬鼎から白い霧が漏れ出した。

山洞中に広がる白い霧を見ると、藥老は袖を軽く振ってその霧を一掃した。

蕭炎の全集中で紫炎が氷属性魔核の防衛を突破するのには、彼が回気丹を服用した後のことだった。

紫炎の攻撃が氷属性魔核の防衛を突破した瞬間、藥老は袖を軽く振って白い霧を一掃し、山洞内に静寂が戻った。



寒気の壁が崩れると、紫炎は興奮した翻動音を立て、天に覆い被さるように押し寄せてきた。

その勢いは氷属性魔核を包み込み、即座に鍛造が始まった。

長時間の炎焼練の末、堅牢な表面が細かい亀甲状になり、やがて清脆な「パチッ」という音と共に外殻が灰燼となって散り落ちた。

その瞬間、薬炉の中から漂浮するように白い粘質エネルギー塊が現れた。

蕭炎は緊張の解けた表情に笑みを浮かべ、紫炎で短く再焼練した後、玉瓶へと吸い取った。

その後、早めに準備していた素材を薬炉に投入し、紫色の炎がその全てを包んだ。

烈火による激しい鍛造が始まり、色の異なる材料は次第に融合し始め、液体と粉末が翻動しながら丹薬の原型を形成した。

その原型は表面に凹凸があり、形状も不整で光沢もない。

青や紫の斑点が散り、菱角のある古びた物体のように見える。

蕭炎はこの段階で重石が完全に下ろし、最後の凝丹工程へと進んだ。

魔核エネルギーを手に薬炉を見ると、藥老の微笑みを確認して深呼吸した。

瓶の中身を薬炉へ注ぎ込み、その粘質な白いエネルギーは原型の上を覆った。

紫炎の温度を制御し、丹薬を包むように徐々に焼練する。

凝丹工程が約30分続いた後、魔核のエネルギーが紫炎で吸収され、蕭炎は突然紫炎を解放した。

瞬間的に高温の炎が丹薬を包み込み、その後すぐに制御し直す。

静寂な薬炉の中には玉のような円形で光沢ある白い丹薬が現れた。

その美しい丸薬を見た蕭炎は笑みを浮かべ、薬炉から吸い取り玉瓶に収めると、紫炎は急速に消退し、静けさを取り戻した。



炎が瓶を揺らした。

蕭炎は薬の香りを嗅いで陶然とし、しばらくしてから薬老に笑みながら言った。

「護脈丹、成功だ!」

「うん、上手かったね。

途中でちょっと小差出があったけど、君の表現もなかなかだったよ」薬老が頷きながら地面を見やった。

そこには氷心丹を作るための薬草が散らばっていた。

「休んでいいよ。

次は氷心丹を作らないと。

今回は成功したから、次の時はもっと薬草を壊さないと思う」

うなずいて、蕭炎は護脈丹を慎重に納めた。

回気丹を取り出し飲み込み、目を閉じて体内の斗気が回復するのを待った。

半時間後、蕭炎は目を開けた。

今や彼は最高の状態に戻っていた。

薬炉を見つめながら深く息を吐き、両手を広げると再び煉丹が始まった。

薬老の言葉通り、護脈丹の成功が前例となり、今回は氷心丹も非常にスムーズに進行した。

最初は薬草の火候の違いで少しぎこちなかったが、その後は一気呵成だった。

これだけなら、厳しい薬老でも満足するほど上手かった。

煉丹が始まってから二時間後。

蕭炎の顔には疲労が滲んでいたが、それよりも興奮と喜びの方が強かった。

彼の手に握られているのは透明な玉瓶で、その中には白と青の丸薬が転がっていた。

これらは紫火を飲み込むために必要な護脈丹と氷心丹だった。

蕭炎の疲れた顔を見た薬老が外の暗い空を見やると、「煉丹の時間は予定通りだね。

昼間烈日で紫火が増幅するから、それを飲むのは今が最適だ。

どう? まだ続けられるか?」

「もちろん。

精神的には少し疲れたけど、一晩中続けることは問題ないよ」

「ほら、そうじゃないと」薬老は笑いながら頷いた。

「君の納戒に回気丹は残っている?」

「十八個だ」

「十分だ。

紫火を飲む時に不調を感じたらすぐに服薬して。

もし突然斗気が尽きれば大変だから」

重々しく頷く蕭炎。

自分の命に関わる問題だから、死ぬわけにはいかない。

「よし、始めるか。

本当は私も楽しみだ。

紫火が『焚決』をどれだけ進化させるか見てみたい」

「いや、直接跳ね上がるわけないさ」蕭炎は自覚的に返した。

「紫火の威力も確かだけど、異火と比べたら雲泥の差があるからな」

「自然、玄階には達せられない。

各段階の功法への飛躍は天と地の差がある。

紫火が焚決を進化させる可能性はあるが、クラスの向上は難しい」

目を回した薬老が笑いながら罵声を上げた。

苦く笑み、蕭炎は口を開かず。

瞑目して座り、短時間だけ静寂に浸った後、突然目を開き漆黒の瞳孔から光が走り、その輝きが消えた瞬間、蕭炎は薬老の方を偏って見やる。

「始めるか? 時も来た」

萧炎を見た時、藥老は笑みを浮かべて微かに頷いた。

重い首肯と共に、蕭炎の視線は眼前の二つの小玉瓶に注がれる。

再び目を閉じ、意識は体内へと潜り込む。

腹部にある気旋が高速で回転し始めると同時に、その内部の紫火が一束ごとに外に弾かれた。

突然外に出された紫火は困惑し、かつて共働していた相棒がなぜ自分を追い出すのか疑問を感じながら、気旋の外側に集まり、最終的に巨大な紫炎の塊となる。

その紫炎が無意識に気旋への衝突を準備する時、気旋内から急激に湧き出る淡黄色い斗気が周囲を覆い、蕭炎の心神操作下で焚決の経路を巡らし始める。

紫火はその包囲網に気づき、怒りと共に周囲の斗気エネルギーを焼き尽くそうとするが、新たな斗気が連続して供給され続けるため、逃れられない状態となる。

蕭炎はこの際、紫火への制御力を完全に失いながらも、その細長い炎を「焚決」の経路へと素早く導入する。

その瞬間、蕭炎の全身が突然震え、額から密やかな冷汗が流れ出し、山石の上に滴り落ちる。

紫火の痛みは斗気の保護があっても想像以上に激しく、彼は耐えることができなかった。

「護脈丹を服用せよ!」

薬老の喝破声と共に、蕭炎は即座に玉瓶から白い丹薔を口に放ち、その瞬間温かい流れが体内を駆け上がり、経路ごとに薄い白色膜を形成する。



この白いエネルギーの膜は非常に薄いが、その効果は極めて顕著だ。

護脈丹を服用した直後、蕭炎の緊張した筋肉はゆっくりと緩和され、歪んだ表情も次第に正常に戻った。

経絡から時々生じる灼熱感はあったものの、蕭炎の忍耐範囲内だった。

劇痛がやわらぐにつれ、萧炎は胸を撫でるように息を吐いた。

もし護脈丹がなければ、彼の経絡が今後どのように斗気を受け入れられるか疑問だ。

紫火が経絡を通った後に、自分が本当に無能な存在になるかもしれないという恐怖が頭をよぎる。

「やはり家に老人は宝物だ」と彼は心の中でつぶやいた。

薬老の地位は蕭炎の目には限りなく高くなり続けた。

護脈丹のおかげで、萧炎は少し楽になった。

紫火による消耗が激しいものの、回気丹を飲み続けることで均衡を保った。

体内の全てが緊張の中で秩序よく進行しているが、彼は依然として警戒していた。

薬老が言っていたように、経絡焼損の危険だけでなく、紫火に宿る暴走的な意欲が心を侵食する可能性があったからだ。

蕭炎は薬老の教えを肝に銜え、心神を固く守り続けた。

約半数の「焚決」修練経絡を斗氷で巡らせた時、彼の顔色は次第に暗くなり始めた。

消耗が進むにつれ、徐々に精神に煩わしさが滲んでくるのを感じたのだ。

その変化に気づき、蕭炎は慌てて冰心丹を取り出し口の中に放った。

喉を通る冷たい感覚が心神を撫でると、焦燥していた心は残雪のように消えた。

心神を護られたことで、萧炎は紫火を包む斗氷を経絡に猛スピードで巡らせた。

すると、先頭の斗氷と紫火が奇妙な融合を始めようとしていることに気付いた。

正確には、紫火が「焚決」の斗氷に次第に飲み込まれていく過程だった。

その光景を見て、蕭炎は驚きと共に喜びを感じた。

この「焚決」という功法が進化の効果を持つことが確実になったのだ。

淡黄色い斗氷と紫火が最終経絡を通過する直前、二者は完全に一体化し、その瞬間、淡黄色から紫色へと変じた。

表面には紫炎が浮かんだが、それはもう経絡を傷つけることはなかった。



胸中を満たすような喜びが湧き、蕭炎は斗気の変化を必死に観察していた。

その動きは次第に速まり、最終的に体内を循環した後、腹部に戻り来る。

紫の斗気が経絡から流れ出し、淡黄の気旋へと吸収され始めた。

紫焰を飲み込んだ斗気が増えるにつれ、気旋の色も徐々に薄黄から薄紫へと変化していった。

最後の一筋の紫が経絡を抜けると、気旋は完全に紫色となった。

その瞬間、蕭炎の目から紫光が半寸ほど飛び出し、すぐに消えた。

彼は薬老を見上げて笑みを浮かべた。

「成功したの?」

と尋ねる声が小さく響く。

「成功した!」

薬老は安堵の息を吐き、満足げに頷いた。

彼は蕭炎の体から溢れるほど強い斗気を感じていた。

薬老の肯定を受け、蕭炎は笑みを広げるが、突然目の前の光景に驚く。

周囲のエネルギーが急激に湧いてくるのを感じたのだ。

「老師、どうしたの?」

と首を傾げて尋ねる。

その突然の変化に薬老も驚き、彼は蕭炎の体に手を置いた。

瞬間、老人の顔から笑みが広がった。

「これは良いことだ。

斗師への進級だぞ!」



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