闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0372話 収穫!第0372話 収穫!

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銀色の巻子を手に取った。

そして奪われた。

その間は電光石火の速さだった。

すると、その男が嗤うように笑い声を上げた。

範凌は突然の出来事から意識を取り戻した。

顔色が急に暗くなり、ゆっくりと顔を上げ、樹皮に目を向けた。

その男の黒袍姿を見ると、一瞬で認識した。

すぐに冷たい声を出した。

「お前か?」

会場内に残る10数名の血衛は、まるで合図なしに四方八方に飛び散り、その男を包み込んだ。

そしてロ长老も厳しい表情になり、目の中には殺意が溢れていた。

この男が彼らの計画を知っている以上、絶対に生きて逃がさない。

「ふん。

範凌少宗主、また会ったね」黒袍の顔は清秀で、その口もとに笑みが浮かんだ。

蕭炎は銀色の巻子を手に取りながら、血衛たちが四方から囲むことに全く気付いていないように優雅に笑った。

「巻子を渡せば、お前は生きていられる」範凌の言葉は凍りつくほど冷たい。

血のような赤く鮮明な長刀が蕭炎を指す。

蕭炎は肩をすかわせて見向きもせず、掌に回っていた銀色の巻子をナ戒の中に収めた。

「いいや、いいや」

範凌の顔が急に引きつり、白い顔に鉄青が広がった。

続けて「好」の言葉が口から吐き出された。

範凌の言葉が終わる直前、血衛たちが囲んでいた形を崩し、一斉に叫び声と共に走り出した。

彼らの刀には血色の斗気が充満し、その男を包み込むように襲いかかった。

蕭炎は目で四方を見回した後、背後の黒袍の中から隠していた玄重尺の柄を手に取った。

視線を凝らすと、次第に迫り来る殺意を感じ取り、突然目を開き、体から雄渾な気魄が溢れ出し、その中心で巨大な黒い影が広がり始めた。

「ズィン、ズィン」

その黒い風輪が通り過ぎるごとに火花が飛び散り、血衛の刀は簡単に手を離れる。

強力な血衛でも虎口が裂けるほどに、武器を保持するのに苦労した。

彼らの足元が止まり、蕭炎は目の前の半メートル先で凶々しい顔をしている血衛を見やった。

その瞬間、彼は冷笑し、脚を踏み合わせて爆発音と共に体を弾き飛ばし、10数名の血衛の攻撃網の中を駆け抜けた。

「ドン!」

身を翻す度に低く響く衝突音が聞こえる。

そのうち一人の血衛は血を吐いて枝葉から落ち、地面に激しく打ち付けられた。

苦しげに動くこともできず、そのまま力尽きた。



半空の稲妻激戦を仰ぎ見る。

範零が普段は陰気な顔をしているが、今や突然平静になった。

足先で地面に立つ血染めの長刀を軽く浮かせ、手でその柄を握り取った。

衣服を簡単に引き裂き、ゆっくりと刀身の血痕を拭う。

淡々と言い放つ。

「四星大斗左右がこの我らの領域に侵入したとは、実力も勇気もない者たちだ」

「老羅、この男は私が相手にする。

万一逃げようとするなら、貴方で止めてくれ」

「少主|——承諾する」

隣に立つ老人が微かに頷くと、もう一人の韓長老を支えながら後退した。

先ほど蕭炎と血衛の戦闘から、その実力を見極めたようだ。

この黒衣男は力量や敏捷度で前回の黒骨墓の大斗師よりも上だが、結局大斗師に過ぎない。

範零は早々に真の強者である。

「ドン!」

半空に残る最後の血衛が地面に激しく落ちた。

その体には血が染み、目は閉じられていた。

最後の血衛が敗北した瞬間、蕭炎がゆっくりと降り始めた。

手中の重尺を斜め持ち、赤い血が滴り落ちる。

「この残破な地図のためか? あなたがずっと追ってきたのはそのためだろう」

範零は突然淡々と言い放つ。

手に持った布巾を投げ捨てると、その冷静な表情が一瞬で冷え込んだ。

重尺がわずかに震える。

「ふん、運が良かったと言えばそうだが、偶然とはいえ宝物を得たのは確かだ。

この地図も凡品ではないはず。

父上が調べれば、何か分かるかもしれない」

範零はその動きをずっと観察していた。

彼の平静な声と共に青い斗気があっという間に体全体に広がった。

「そうか? あなたのような宝物で理性を奪われた野郎は、黒角域にはいくらもいる。

だが彼らの結末は、良いものだとは言えない」

範零は眉を上げて陰湿な笑みを浮かべる。

血色の斗気がゆっくりと体から湧き出し、その空気中に血腥さが広がった。

背筋が若干曲がり、猛獣のように見えた。

瞳孔に血縁が広がり、野兽的な雰囲気が増す。

足を地面に深く突き刺し、突然の低鳴と共に範零が飛び出した。

血色の斗気で包まれた長刀を振るい、空気を切り裂く鋭い刃が蕭炎に迫り来る。

その瞬間、重尺から濃密な青い斗気が噴出。

両者の武器が激しく衝突し、「バチ!」

という爆発音が連続した。

巨大な黒尺が勢いよく上昇し、その先端の濃密な青色と範零の血色が空中で交差する。



金属と鉄の交差する音声。

一大きな火花が飛び散る中で響いた。

青と赤を混ぜたエネルギーの波紋が、刀と斧が接触した地点から広がり、二人の足元にあった地面を切り裂き、約5センチメートルの深さで削り飛ばした。

空に舞う土の粒子が四方八方に飛び散る。

蕭炎は黒い外衣の下で顔をわずかに変えていた。

「やはり斗霊級の強者だな」

彼の腕は麻痺しそうだったが、それでも彼の実力は斗師よりも上であることを感じていた。

しかし、この相手の気功には虚ろさを感じた。

なぜなら、蕭炎は気を使わずにでも、数回くらいはその強者と互角に戦えるはずなのに、実際の攻撃は予想外に弱かったからだ。

「この力は凄まじい」

刀と斧が接触した瞬間、範凌の脚が蕭炎の脚を蹴り返し、数歩後退った。

彼は自分の足元に残る微かな痛みを感じて驚いた。

「やはり父の言葉は虚偽だったか。

血法は確かに強力で速く進むが、外力に頼りすぎているから体内の気を凝縮できない。

そのため戦闘中に不利になるのだ」

範凌は突然武器を捨て、白い顔色が赤くなった。

その変化と同時に掌に血色が浮かび上がり、数呼吸で掌心まで浸透した。

瞬間、範凌の手には先ほど青長老を殺したと同じ血掌が出現した。

「お前は死ぬ運命だ」

範凌は顔を上げて笑みを見せ、足を踏んばりながら蕭炎に向かって突進した。

その血霧は空間全体に広がり、血掌の凶暴さが周囲の空気を凍えさせる。

「血掌(ちゅう)か」

場外の二名の血宗長老が驚きの目で見つめ合った。

「少宗主にもそんな秘術を教えたのか? あの黒服は自ら槍口に飛び込んだな」

「くそ、血宗の物を奪うなんて許せない」

韓老は陰険に笑みを浮かべた。

蕭炎の漆黒の目は血霧を見つめ、その中で血掌の危険性を正確に感知した。

「小僧、気を使わずにこの相手には勝てないぞ」

薬老の声が彼の心に響く。

「そうだろう」

彼は笑みを浮かべ、目を閉じた。

体中の気脈路で炎の粒子が噴出し、特殊な経路を通って体内を駆け上がった。

「お前も同じ運命だ」

突然、その炎の動きと共に、蕭炎は血霧に包まれた瞬間に目を開いた。

掌から爆発的に炎が噴出し、排山倒海の勢いで血霧を切り裂いた。

「天火三第一重:青蓮変(せいれんへん)」

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