闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第0550話 大裂岩と焰分噬浪尺の激突!

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地動天驚の爆発音が、無数の驚愕の視線の中で、広大な広場から雷鳴のごとく響き渡った。

灼熱の温度を帯びた破壊的な烈風が、場中で炎蓮が爆散した地点から四方八方に嵐のように拡散し始めた。

その嵐が通り過ぎる度に、地面は亀裂となり、腕輪ほどの幅を持つ蜘蛛網のような亀裂が瞬く間に全体を覆い尽くす。

それまで頑丈とされていた戦場は、極めて短時間で瓦礫の山となった。

観客席では、呆然とした視線が破壊された惨状の広場を見つめ続けている。

彼らの頭脳は回転することができず、先ほどまで曖昧にしか見えなかった青紫の光塊が、これほどの破壊力を生み出すとは思いもよらなかったのだ。

しばらく経った後、ようやく人々が呆気に取られていた状態から解放され、全員の視線は蒼白な顔をした黒衣の青年へと向けられた。

その目には驚愕と畏怖が溢れていた。

蕭炎が発動させた雷鳴のような凄まじい攻撃は、彼らをあまりにも震撼させすぎていた。

高台では柳菲が惨憺たる状況を見つめながら、手で口を押さえ、目を驚愕に見開いていた。

蕭炎の突然の恐怖的な反撃は、彼女を栄誉の頂点から地獄へと引きずり落とした。

彼女は思いもよらなかったが、ずっと憎悪していた蕭炎が、柳擎に匹敵するほどの実力を秘めているとは。

柳菲の隣では姚盛の口が次第に開き、しばらくしてようやく驚愕と安堵の表情を浮かべた。

もし昨日の戦闘時にこの男がこの技を使っていたら、姚盛は全力でもこの凄まじい一撃で重傷を負っただろう。

「フィル、心配しなくていい。

リーダーは蕭炎よりずっと強いんだ。

彼が今発動させたこの強力な術技にしても、リーダーはまだ全力を使わずにいる」

姚盛の言葉で柳菲の顔色が少し和らいだものの、依然として恐れと不安を隠せない。

美目が煙塵の中から冷峻な表情を見つめる黒衣青年へと移り変わる。

なぜかその視線には忌恨は減り、代わりに不安とわずかな畏怖が混ざっていた。

柳菲の最大の頼みだった柳擎も、蕭炎が見せたこの戦闘力でほぼ匹敵する存在となれば、その頼みはほとんど機能しなかった。

そしてその最大の頼みを失った彼女は、蕭炎に対してあのほどの高慢さを示す資格さえなくなっていた。

「私も聞いたことがあるが、蕭炎が掌握している炎蓮術技は強力だが、この程度の破壊力とは聞いていなかったぞ」炎蓮爆散した惨状を見つめながら厳浩が囁いた。



「当時の蕭炎はただの大斗師だったが、今や斗霊にまで上り詰めた。

その実力が向上した以上、この火蓮の威力も当然それに伴って増している」

林修崖は笑みを浮かべたが、その目にはほのかな緊張が滲んでいた。

先程の炎蓮の一撃は、油断していたら彼自身すら重傷を負うところだったのだ。

万卷書庫で柳擎の動向を探る間も、焦げた肌に刻まれた裂傷がその狼藉ぶりを物語っていた。

「柳擎はどうなった? まさか…」韓月は場中を見回す視線を速やかに引き戻した。

濃い塵の中から人影を探すことは不可能だった。

林修崖の目が細まる。

短時間で首を横に振ると、低い声で囁いた。

「確かにこの炎蓮の凄まじさは認めざるを得ないが、それで柳擎を完全に打ち破れるとは思えぬ。

彼の防御は私の上位だ」

その言葉に頷く厳浩らの視線が再び場中へと向けられる。

全員の注目が再び戦場に戻った瞬間、微風が突然塵を巻き上げた。

その途端、灰煙が一気に消え去り、崩壊した広場の一隅に、槍のような鋭い気配を放つ巨大な人影が現れた。

その荒廃した姿はかつての堂々たる風貌とは無関係だった。

破れた衣装と焦げた肌には傷跡が散らばり、先ほどの高貴な佇まいは完全に崩壊していた。

しかし、その狼藉な姿は観客席から低く歓声を引き起こした。

柳擎の槍のような人影を見つめる冷たい視線。

一瞬遅れて、蕭炎が目を凝らすと、彼の手には背負っていた漆黒の重槍が握られていた。

槍を持つことで、その男はさらに鋭い気配を放ち始めた。

「やはり炎蓮の爆発で耐えられたのは、底力を見せたからか」蕭炎は内心ほっと息を吐いた。

柳擎の目には先程の一撃への重圧と畏敬が滲んでいた。

この誇り高き男がようやく蕭炎を同等の敵として認めた瞬間だった。

柳擎の槍がゆっくりと蕭炎へ向けられる。

その低い声は会場全体に響き渡った。

「お前には裂山槍を使う資格がある」

その言葉は蕭炎への賛辞であり、先程の凄まじい攻撃を経て誰もが疑問を持たない。

一時的に会場は沈黙となり、二人の対立する姿だけが注目を集めた。



蕭炎は拳をゆっくりと握りしめた。

指節骨から清々しい爆発音が響く。

柳擎の鋭い気勢は確かに圧倒的だ。

彼の現在の実力は極限まで引き出されている。

次の攻撃は先ほどよりもさらに猛威的なものになるだろう。

「柳擎が裂山槍を使うぞ」高台で林修崖は柳擎の手に握られた漆黒の重槍を見つめ、ため息をつく。

「この地獄のような試合で蕭炎が敗れたとしても、それは栄誉ある敗北だ」

隣で厳浩が頷いた。

内院では林修崖と紫研の蛮力王以外に柳擎をここまで追い詰める資格を持つ者はいない。

その事実を骨子に染み込ませた厳浩の誇りも、この点では認めざるを得ない。

「しかし蕭炎は前十名への執着が強く……」韓月は眉をひそめながら囁く。

「彼は簡単には諦めないだろう」

林修崖は笑った。

「もし蕭炎に火蓮斗技以上の秘技があれば別だが、そうでなければこの試合の勝者は柳擎だ。

残念なことだが…」

場中を見やると、柳擎は冷たい目でこちらを睨んでいた。

林修崖はその目に光るものを感じた。

この意外性のある男がまた奇跡を見せてくれるかもしれない。

「一撃!」

柳擎の裂山槍が砕けた岩に突き刺さり、突然蕭炎に向かって叫んだ。

眉根を寄せながらも蕭炎は柳擎の気勢がさらに鋭いことに気づいた。

柳擎の顔には頬ひげがわずかに震えるほどの自信があった。

「最後の一撃で勝負を決める」柳擎の険しい表情に笑みが浮かんだ。

裂山槍は空を斜めに斬り、虚ろな空間に金色の痕跡を残した。

「これは林修崖への秘技だが……現状ではまず君に試してやる」

柳擎の言葉に観客席から首が伸びた。

人々は両者の動きを見逃さないようにと目を凝らす。

柳擎の頬ひげが笑みで震える。

蕭炎はその確信めいた笑顔を見て、次の一撃が勝負を分けることを悟った。

息を吸い込むと彼は深く拳を握り、観客席に向かって礼儀正しく頭を下げた。

「萧炎领教!」

前十名への執着心は彼の前に立ちはだかるどんな障害も粉砕する力だった。

柳擎の目が鋭い光を放ち、「好い男だ」と叫びながら槍を構えた。

寒みを感じるほどに槍先は冷たいまま、遠くで蕭炎を見据えていた。



異様な圧迫感が蕭炎を包み込むが、その中に沸騰するような戦意は胸の奥で激しく渦巻き、身体が自然と硬直した。

清々しい笑い声と共に先ほどの緊張が一掃され、「柳擎学長、どうぞお構いなく。

この十位の席を私が取らせていただきます!」

と宣言する。

その爽やかな笑いは会場中に響き渡り、その圧倒的な気概に観客席からも熱気が沸騰した。

笑い声が消えた瞬間、蕭炎がゆっくりと前へ一歩進み出る。

掌を突き出すと同時に、瓦礫の一部から漆黒の玄重尺が引き寄せられ、彼の手に収まった。

「柳擎学長、ご覧あれ。

負けるのは誰か」

重厚な玄重尺が鋭い刃のように対面の柳擎を指すと同時に、蕭炎の声が会場を包んだ。

その瞬間、周囲の天地エネルギーが暴走し、審判席の長老たちまで顔色を変えさせた。



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