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第0890話 凶魂凝結
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「オウ!」
巨大な狼の霊が天高く叫び、無形の波動が瞬時に四方八方に広がり、降り注ぐ血色の魂体をその影響範囲で完全に消滅させた。
一筋の魂も逃れることなく。
「ヨンラクシンエン?! 小やつは意外だな。
まさかここまで操れるとは……」
狼形炎霊が大規模殺戮を続ける中、暗赤色の雲層が激しく渦巻き始め、その中に驚愕と怒りを交えた叫び声が轟いた。
蕭炎は宣護法師の怒鳴りに反応せず、狼形炎霊を操るため心神を集めた。
これは「五輪離火法」の第一重炎霊で、彼の精神力なら凝縮にはそれほど苦労しなかったが、後の炎霊は一つずつ修練が困難だった。
しかし全てを完成させれば、その威力は想像を絶するものとなる。
言うまでもなく、この五輪離火法は天火尊者の名技であり、薬老以外では蕭炎が見た中で最も高度な制御術だ。
暗雲が層々と渦巻き、血色の光が滲み出てきた。
その様子は不気味さと陰惨さを帯びていた。
多くの魂力補給を失ったため、暗雲に纏わる圧迫感も次第に緩和し始めた。
渦巻く中から悲鳴が連続して響き渡り続けた。
「ハハ! 小やつはヨンラクシンエンの威力に驚いたようだな。
だが儚い期待だ。
この万魂噬霊陣を破るなど、無謀にも程がある」
暗雲の中から宣護法師の冷たい笑いが響き、次の瞬間血色の光が爆発的に増幅した。
その中で凄惨な叫び声と、ぞっとする咀嚼音が混ざり合った。
「あの男は全ての魂を互いに食らわせようとしている。
そうすれば凶霊も生まれるだろう」
蘇千が険しい表情で異様な黒赤雲層を見つめながら重々しく言った。
蕭炎は眉根を寄せ、印結を急速に変化させた。
虚ろな残像が次々と現れ、最後に手印が固まった瞬間、軽く喝破した。
「行け!」
その声と共に巨大狼形炎霊の双目に実質的な炎が浮かび上がり、丈余りにもなる無形の炎が爆発的に広がった。
「オウ!」
驚異的な熱量を放つ狼形炎霊が長く叫び、その巨体は一瞬で黒雲下に迫り、そのまま正面から突っ込んだ。
狼形炎霊が接近するにつれ、暗雲は驚きの如く縮小し始めた。
凄惨な叫び声も暫時中断された。
「フン!」
黒雲の奥から冷ややかな鼻息が響き渡り、その直後黒い霧が蠢くと、軒護法のぼんやりとした影が浮かび上がった。
掌を伸ばし狼形火霊に押し当てると、途端に膨大な黒い霧気が爆発的に噴き出し、狼形火霊の体表面で渦巻く無形の炎と衝突した。
その接触点から耳障りな「チッチ」という音が連続して響き渡る。
狼形火霊の動きを阻害されると同時に、彼と心神を通じている蕭炎の眉間がわずかに険しくなり手印が変化する。
眉心から稲妻のように奔流する雄大な魂魄波動は狼形火霊の体内へ突入し、その無形の炎をさらに十丈近く膨張させた。
灼熱の無形の炎は軒護法めがけて直撃した。
軒護法はその炎の中に宿る不気味な振動を感じ取ると眉根を寄せた。
落命心炎は魂魄に特殊な傷害効果があり、さらに蕭炎の高度な制御技術と組み合わされば威力が増幅される。
そのため彼も正面からの迎撃は避けたいと考えていた。
その瞬間軒護法の体から黒霧が急速拡散し、身を震わせると突然雲海の中に消えた。
次の瞬間「チッチ」という音と共に無形の炎柱が空に突き刺さり、その恐怖の熱量で漆黒の雲層を七丈にもわたる巨大な穴を開けた。
その隙間に目を向けた蕭炎らは息を呑んだ。
雲の中では密々と詰まった魂魄が狼のように互いを喰らい合い、それが最後に生き残るための惨酷な殺戮劇場のように見える。
そしてその無限の相互消費と共に、凶暴で狂暴な負の感情が雲層中に蔓延し始めた。
蕭炎らは不気味な予感を感じた。
ある凶魂がそこから急速に形成されようとしているのだ。
「爆けろ!」
蕭炎の顔に陰りが浮かび掌を強く握ると、雲の中に突き刺さった無形の炎柱が轟然と爆発した。
熱い火の波紋が四方八方に広がり、触れられた魂魄は瞬時に消滅した。
軒護法の黒雲が暗赤色を薄め始めたのは、蕭炎の一撃が相当な破壊力をもたらしたからだ。
その直後「この**は本護法が三年かけて収集したものだ。
生前は全て斗皇頂点の強者だったが死後も魂魄として強く、私はまだ手放したくなかった。
しかし……」と軒護法の冷たい声が雲を揺らした。
次の瞬間四つの異様に強い魂魄波動が雲層から現れ猛虎のように無数の魂魄の中に突入し始めた。
それは彼らが凶魂を形成するための餌食となるのだ。
四つの強烈な霊魂の吸収力は極めて恐ろしいものだった。
短時間で雲の中の霊魂を全て吸収し尽くした後、四道暴虐的な感情を持つ霊魂が互いに吸収し合う様子が始まった。
その間、濃厚な寒気と黒い霧が雲から降り注ぎ、炎狼形の陨落心炎を押し返す。
「岳はこの四つの霊魂体が最終的に吸収し合った時、邝凶魂も現れる…僕と小医仙で動くべきだ。
待機しているわけにはいかない」
空から重苦しい圧迫感を感じながら、蘇千は眉をひそめた。
「あなたたちが動けば韓枫や鷹山老人も手を出すだろう…私が行くわ」蕭炎は首を横に振ると右手で深青色の炎を手に取り、左手で空の陨落心炎を掴んだ。
するとその炎は急速に縮小し、無形の炎となって彼の前に残った。
一青一無形の二つの炎が蕭炎の前で浮かび、すぐに融合した。
火花が飛び散る中、瞬く間に碧緑色の蓮が完成した。
現在の蕭炎にとっては、この異火同体の佛怒火蓮を展開することは容易なことだった。
蓮が完成した直後、天火尊者の声が彼の心に響いた。
「待て、凶魂は破壊するな」
「曜老先生、その言葉の意味は?もし凶魂が完全に形成されれば、彼らの斗宗級戦士の数は我々を遥かに超える。
今のあなたは…」
「ふふふ、そんなものは私が取り込んでやるわ。
これだけ多くの暴虐的な感情を集めたなら、私にとっては大いなる補助になるわ。
もし私がそれを吸収し煉化できれば、斗宗級に戻れるかもしれないのよ」
蕭炎が眉を上げた瞬間、手首の筋肉がほんの少し緩んだ。
天火尊者が本当に斗宗級に復活するなら、それは後の彼にとって大きな助力になるだろう。
「曜老先生は確信があるのか?凶魂は無数の暴虐的な感情で構成されているわ。
それを吸収すると心身に影響が出るかもしれない」
「ええ、だからこそあなたにお願いしたいのよ。
私が凶魂を制圧したら、陨落心炎をお貸しになって」
蕭炎が安堵の息を吐きながら微笑んだ。
「それは構わないわ」
「萧炎、早く!凶魂が形に近づいてきたわ!」
蘇千は蕭炎が火蓮を作成した後も動かなかったことに焦りを感じて声を荒げた。
その言葉で我に返った蕭炎は軽く笑みながら天を見上げ、「大長老、心配しなさいません。
あの凶魂は大きな波紋は起こせないわ」と静かに言った。
彼の言葉が終わる直前、空を翻弄する雲が凄まじい悲鳴と共に凝固し、その中から暴虐的な気勢が降り注ぐ。
喧嘩師の護法である元斗尊者の得意げな狂笑が耳に届いた。
「蕭炎、今日あなたが素直に捕まるなら、私は少し楽にしてあげようわ」
巨大な狼の霊が天高く叫び、無形の波動が瞬時に四方八方に広がり、降り注ぐ血色の魂体をその影響範囲で完全に消滅させた。
一筋の魂も逃れることなく。
「ヨンラクシンエン?! 小やつは意外だな。
まさかここまで操れるとは……」
狼形炎霊が大規模殺戮を続ける中、暗赤色の雲層が激しく渦巻き始め、その中に驚愕と怒りを交えた叫び声が轟いた。
蕭炎は宣護法師の怒鳴りに反応せず、狼形炎霊を操るため心神を集めた。
これは「五輪離火法」の第一重炎霊で、彼の精神力なら凝縮にはそれほど苦労しなかったが、後の炎霊は一つずつ修練が困難だった。
しかし全てを完成させれば、その威力は想像を絶するものとなる。
言うまでもなく、この五輪離火法は天火尊者の名技であり、薬老以外では蕭炎が見た中で最も高度な制御術だ。
暗雲が層々と渦巻き、血色の光が滲み出てきた。
その様子は不気味さと陰惨さを帯びていた。
多くの魂力補給を失ったため、暗雲に纏わる圧迫感も次第に緩和し始めた。
渦巻く中から悲鳴が連続して響き渡り続けた。
「ハハ! 小やつはヨンラクシンエンの威力に驚いたようだな。
だが儚い期待だ。
この万魂噬霊陣を破るなど、無謀にも程がある」
暗雲の中から宣護法師の冷たい笑いが響き、次の瞬間血色の光が爆発的に増幅した。
その中で凄惨な叫び声と、ぞっとする咀嚼音が混ざり合った。
「あの男は全ての魂を互いに食らわせようとしている。
そうすれば凶霊も生まれるだろう」
蘇千が険しい表情で異様な黒赤雲層を見つめながら重々しく言った。
蕭炎は眉根を寄せ、印結を急速に変化させた。
虚ろな残像が次々と現れ、最後に手印が固まった瞬間、軽く喝破した。
「行け!」
その声と共に巨大狼形炎霊の双目に実質的な炎が浮かび上がり、丈余りにもなる無形の炎が爆発的に広がった。
「オウ!」
驚異的な熱量を放つ狼形炎霊が長く叫び、その巨体は一瞬で黒雲下に迫り、そのまま正面から突っ込んだ。
狼形炎霊が接近するにつれ、暗雲は驚きの如く縮小し始めた。
凄惨な叫び声も暫時中断された。
「フン!」
黒雲の奥から冷ややかな鼻息が響き渡り、その直後黒い霧が蠢くと、軒護法のぼんやりとした影が浮かび上がった。
掌を伸ばし狼形火霊に押し当てると、途端に膨大な黒い霧気が爆発的に噴き出し、狼形火霊の体表面で渦巻く無形の炎と衝突した。
その接触点から耳障りな「チッチ」という音が連続して響き渡る。
狼形火霊の動きを阻害されると同時に、彼と心神を通じている蕭炎の眉間がわずかに険しくなり手印が変化する。
眉心から稲妻のように奔流する雄大な魂魄波動は狼形火霊の体内へ突入し、その無形の炎をさらに十丈近く膨張させた。
灼熱の無形の炎は軒護法めがけて直撃した。
軒護法はその炎の中に宿る不気味な振動を感じ取ると眉根を寄せた。
落命心炎は魂魄に特殊な傷害効果があり、さらに蕭炎の高度な制御技術と組み合わされば威力が増幅される。
そのため彼も正面からの迎撃は避けたいと考えていた。
その瞬間軒護法の体から黒霧が急速拡散し、身を震わせると突然雲海の中に消えた。
次の瞬間「チッチ」という音と共に無形の炎柱が空に突き刺さり、その恐怖の熱量で漆黒の雲層を七丈にもわたる巨大な穴を開けた。
その隙間に目を向けた蕭炎らは息を呑んだ。
雲の中では密々と詰まった魂魄が狼のように互いを喰らい合い、それが最後に生き残るための惨酷な殺戮劇場のように見える。
そしてその無限の相互消費と共に、凶暴で狂暴な負の感情が雲層中に蔓延し始めた。
蕭炎らは不気味な予感を感じた。
ある凶魂がそこから急速に形成されようとしているのだ。
「爆けろ!」
蕭炎の顔に陰りが浮かび掌を強く握ると、雲の中に突き刺さった無形の炎柱が轟然と爆発した。
熱い火の波紋が四方八方に広がり、触れられた魂魄は瞬時に消滅した。
軒護法の黒雲が暗赤色を薄め始めたのは、蕭炎の一撃が相当な破壊力をもたらしたからだ。
その直後「この**は本護法が三年かけて収集したものだ。
生前は全て斗皇頂点の強者だったが死後も魂魄として強く、私はまだ手放したくなかった。
しかし……」と軒護法の冷たい声が雲を揺らした。
次の瞬間四つの異様に強い魂魄波動が雲層から現れ猛虎のように無数の魂魄の中に突入し始めた。
それは彼らが凶魂を形成するための餌食となるのだ。
四つの強烈な霊魂の吸収力は極めて恐ろしいものだった。
短時間で雲の中の霊魂を全て吸収し尽くした後、四道暴虐的な感情を持つ霊魂が互いに吸収し合う様子が始まった。
その間、濃厚な寒気と黒い霧が雲から降り注ぎ、炎狼形の陨落心炎を押し返す。
「岳はこの四つの霊魂体が最終的に吸収し合った時、邝凶魂も現れる…僕と小医仙で動くべきだ。
待機しているわけにはいかない」
空から重苦しい圧迫感を感じながら、蘇千は眉をひそめた。
「あなたたちが動けば韓枫や鷹山老人も手を出すだろう…私が行くわ」蕭炎は首を横に振ると右手で深青色の炎を手に取り、左手で空の陨落心炎を掴んだ。
するとその炎は急速に縮小し、無形の炎となって彼の前に残った。
一青一無形の二つの炎が蕭炎の前で浮かび、すぐに融合した。
火花が飛び散る中、瞬く間に碧緑色の蓮が完成した。
現在の蕭炎にとっては、この異火同体の佛怒火蓮を展開することは容易なことだった。
蓮が完成した直後、天火尊者の声が彼の心に響いた。
「待て、凶魂は破壊するな」
「曜老先生、その言葉の意味は?もし凶魂が完全に形成されれば、彼らの斗宗級戦士の数は我々を遥かに超える。
今のあなたは…」
「ふふふ、そんなものは私が取り込んでやるわ。
これだけ多くの暴虐的な感情を集めたなら、私にとっては大いなる補助になるわ。
もし私がそれを吸収し煉化できれば、斗宗級に戻れるかもしれないのよ」
蕭炎が眉を上げた瞬間、手首の筋肉がほんの少し緩んだ。
天火尊者が本当に斗宗級に復活するなら、それは後の彼にとって大きな助力になるだろう。
「曜老先生は確信があるのか?凶魂は無数の暴虐的な感情で構成されているわ。
それを吸収すると心身に影響が出るかもしれない」
「ええ、だからこそあなたにお願いしたいのよ。
私が凶魂を制圧したら、陨落心炎をお貸しになって」
蕭炎が安堵の息を吐きながら微笑んだ。
「それは構わないわ」
「萧炎、早く!凶魂が形に近づいてきたわ!」
蘇千は蕭炎が火蓮を作成した後も動かなかったことに焦りを感じて声を荒げた。
その言葉で我に返った蕭炎は軽く笑みながら天を見上げ、「大長老、心配しなさいません。
あの凶魂は大きな波紋は起こせないわ」と静かに言った。
彼の言葉が終わる直前、空を翻弄する雲が凄まじい悲鳴と共に凝固し、その中から暴虐的な気勢が降り注ぐ。
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