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第1015話 弄焰決修得
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遥か天の涯てに二つの光が疾走する。
高速移動による風切り音は空を震わせ、その轟き声が遠くまで響き渡る。
「北域の端に来てるけど、自分で飛ぶなら三ヶ月はかかるだろう。
幸い近くに天楓城という街があって、そこから中州中心への空間虫穴がある。
そこを通れば時間半だ」
先導する林炎が速やかに言葉を続ける。
蕭炎は頷きながらも、半年前に小医仙たちと別れたことを思い出す。
「でも顔隠せたまえ。
雷山の件で有名度は鳳清と同じレベルだし、古凰血精という噂があるから追跡される可能性が高い。
仮面を被った方がいい」
林炎が注意を促す。
蕭炎は風尊者の言葉を思い出し、天妖凰族との衝突を避けようとする。
彼は納戒から革製の物を取り出し顔に塗る。
強者には効果ないが外見変更としては便利だ。
林炎は初対面時の平凡な姿に戻った蕭炎を見て笑み、遠くにある巨大な街の輪郭を指差す。
「行こう、すぐそこだ」
林炎が手を振ると二人は加速し、天楓城へ向かう。
二十分ほどでその街が視界に入る。
空から降りて街に入り、蕭炎は空間虫穴へ直行せず最大級のオークション会場を訪れる。
そこで三種類の獣火を購入する。
これらは魔物体内に存在し、強度は低いが最上級の場合は鳳清の黒炎にも匹敵する。
異火の力で抑えられるものの、天妖凰族の老害と戦う際には蕭炎も苦手とするだろう。
炎がそのような獣火を集めていることについて、林炎は驚きを隠せなかった。
しかし炎が口を開かなかったため、何も質問せずじまいだった。
必要なものを集め終わると、ようやく天機城の中心へと向かった。
広大な広場に立った炎は、約百丈にも及ぶ漆黒の空間虫洞を見上げて息を呑んだ。
こんな壮大なものを見るなら、中州以外にはあり得ないだろう。
「この天楓城の空間虫洞は二名の斗尊が共同で作ったものだ。
非常に頑丈で、これまで一度も空間嵐に遭わなかった。
そのため人通りも多い。
千里圏内では他都市を寄せ付けない」と炎の驚き顔を見て、林炎は笑みを浮かべて説明した。
「二名の斗尊か」その言葉にようやく納得した炎は、前数年で見たことのある屈指の強者たちと比較して、以前なら手も足も出なかった存在だと感じた。
最近雷山で見かけたあの一人が実例だ。
「行こう。
もう時間がない。
今日中に虫洞が閉じてしまう」林炎は手を振って石段に上がり、空間虫洞の警備者に二枚の高額な通行料を支払い、ようやく中に入った。
虫洞に入る前に林炎が納戒から取り出した掌サイズの簡素な銀色小船。
炎も見たことがあるもので、虫洞移動用の交通機関だ。
しかし林炎のは明らかに質が悪い。
非常にシンプルな造りだった。
「この空間船は超高額なんだよ。
こんなにも簡単そうでも二百万ゴールドを費やしたんだ。
そのために六段魔獣を二頭斃たうまで、命の危険を冒して」
炎の視線を感じて林炎は頬を染め、ため息混じりに語った。
「ふん、しかし運良く山洞の中に逃げ込んだんだ。
私が修練している身法術はそこで得たものだ。
見た目は醜く不格好でも、これは地級中位の術なんだ」
最後には眉を揚げながら話し始めた林炎。
あの時の奇遇が大きな収穫だったようだ。
「この身法術の名前は?」
炎も興味津々に尋ねた。
見た目は醜いが実用性が高いものだと知っていたからだ。
「フダカイビカイブツ」と林炎は頭をかすめた。
その名前もまた、使用時の印象と同様に地味なものだった。
「素晴らしい身法術だ。
この術を使えば六星斗皇相手でも勝てるだろう」炎は前方の列を見ながら頷いた。
「このフダカイビカイブツには連携する功法があるんだ。
火フダ功と呼ばれるもので、地級低位だが……」林炎は炎に近づいて得意げに語った。
「さて、焚決は地階低級のままなんだな……」炎が笑みを浮かべた。
斗皇なら十分だが、斗宗に昇り詰めた今は功法の質が課題だ。
化生火もあと一回しか使えない。
丹域へ向かう前に弄焰決を修練せねば。
「空間虫洞を抜けるには一ヶ月はかかるらしい。
その間、林炎に任せて休もうか?」
船首で操縦する林炎が声をかける。
炎は頷き、赤い巻物を取り出した。
地魔老鬼の改良版弄焰決だ。
三人編成不要で人体エネルギーも消費しない。
以前より遥かに優れた術だった。
「化生火はあと一回しか使えない……」炎が目を閉じた。
空間船は銀白い障壁を通り抜け、無限の闇へと進む。
中州中心部への旅が始まった。
高速移動による風切り音は空を震わせ、その轟き声が遠くまで響き渡る。
「北域の端に来てるけど、自分で飛ぶなら三ヶ月はかかるだろう。
幸い近くに天楓城という街があって、そこから中州中心への空間虫穴がある。
そこを通れば時間半だ」
先導する林炎が速やかに言葉を続ける。
蕭炎は頷きながらも、半年前に小医仙たちと別れたことを思い出す。
「でも顔隠せたまえ。
雷山の件で有名度は鳳清と同じレベルだし、古凰血精という噂があるから追跡される可能性が高い。
仮面を被った方がいい」
林炎が注意を促す。
蕭炎は風尊者の言葉を思い出し、天妖凰族との衝突を避けようとする。
彼は納戒から革製の物を取り出し顔に塗る。
強者には効果ないが外見変更としては便利だ。
林炎は初対面時の平凡な姿に戻った蕭炎を見て笑み、遠くにある巨大な街の輪郭を指差す。
「行こう、すぐそこだ」
林炎が手を振ると二人は加速し、天楓城へ向かう。
二十分ほどでその街が視界に入る。
空から降りて街に入り、蕭炎は空間虫穴へ直行せず最大級のオークション会場を訪れる。
そこで三種類の獣火を購入する。
これらは魔物体内に存在し、強度は低いが最上級の場合は鳳清の黒炎にも匹敵する。
異火の力で抑えられるものの、天妖凰族の老害と戦う際には蕭炎も苦手とするだろう。
炎がそのような獣火を集めていることについて、林炎は驚きを隠せなかった。
しかし炎が口を開かなかったため、何も質問せずじまいだった。
必要なものを集め終わると、ようやく天機城の中心へと向かった。
広大な広場に立った炎は、約百丈にも及ぶ漆黒の空間虫洞を見上げて息を呑んだ。
こんな壮大なものを見るなら、中州以外にはあり得ないだろう。
「この天楓城の空間虫洞は二名の斗尊が共同で作ったものだ。
非常に頑丈で、これまで一度も空間嵐に遭わなかった。
そのため人通りも多い。
千里圏内では他都市を寄せ付けない」と炎の驚き顔を見て、林炎は笑みを浮かべて説明した。
「二名の斗尊か」その言葉にようやく納得した炎は、前数年で見たことのある屈指の強者たちと比較して、以前なら手も足も出なかった存在だと感じた。
最近雷山で見かけたあの一人が実例だ。
「行こう。
もう時間がない。
今日中に虫洞が閉じてしまう」林炎は手を振って石段に上がり、空間虫洞の警備者に二枚の高額な通行料を支払い、ようやく中に入った。
虫洞に入る前に林炎が納戒から取り出した掌サイズの簡素な銀色小船。
炎も見たことがあるもので、虫洞移動用の交通機関だ。
しかし林炎のは明らかに質が悪い。
非常にシンプルな造りだった。
「この空間船は超高額なんだよ。
こんなにも簡単そうでも二百万ゴールドを費やしたんだ。
そのために六段魔獣を二頭斃たうまで、命の危険を冒して」
炎の視線を感じて林炎は頬を染め、ため息混じりに語った。
「ふん、しかし運良く山洞の中に逃げ込んだんだ。
私が修練している身法術はそこで得たものだ。
見た目は醜く不格好でも、これは地級中位の術なんだ」
最後には眉を揚げながら話し始めた林炎。
あの時の奇遇が大きな収穫だったようだ。
「この身法術の名前は?」
炎も興味津々に尋ねた。
見た目は醜いが実用性が高いものだと知っていたからだ。
「フダカイビカイブツ」と林炎は頭をかすめた。
その名前もまた、使用時の印象と同様に地味なものだった。
「素晴らしい身法術だ。
この術を使えば六星斗皇相手でも勝てるだろう」炎は前方の列を見ながら頷いた。
「このフダカイビカイブツには連携する功法があるんだ。
火フダ功と呼ばれるもので、地級低位だが……」林炎は炎に近づいて得意げに語った。
「さて、焚決は地階低級のままなんだな……」炎が笑みを浮かべた。
斗皇なら十分だが、斗宗に昇り詰めた今は功法の質が課題だ。
化生火もあと一回しか使えない。
丹域へ向かう前に弄焰決を修練せねば。
「空間虫洞を抜けるには一ヶ月はかかるらしい。
その間、林炎に任せて休もうか?」
船首で操縦する林炎が声をかける。
炎は頷き、赤い巻物を取り出した。
地魔老鬼の改良版弄焰決だ。
三人編成不要で人体エネルギーも消費しない。
以前より遥かに優れた術だった。
「化生火はあと一回しか使えない……」炎が目を閉じた。
空間船は銀白い障壁を通り抜け、無限の闇へと進む。
中州中心部への旅が始まった。
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