闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第1226話 天凰祖魂

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黒袍の老者がそのような厳然たる言葉を放った瞬間、雷尊者の目に凶光が走り「あの黒袍の老者は天妖傀に任せる」と声を低くした。

蕭炎の双眸にも寒意が湧き上がり、最も厄介なのはその黒袍の老者だと悟っていた。

彼を制圧できれば他の者は問題ない。

その言葉が消えた直後、蕭炎は即座に複雑な印を作り、眉間から霊力が広がり始めた。

その霊力が拡散するにつれ、空高く十体の地妖傀が一斉に動き出し、瞬く間に大殿外で構築したとある陣法を再現させた。

この陣法は巧妙な仕掛けで、他の傀儡の力を陣眼にある傀儡に注ぎ込むことが可能だった。

幸い蕭炎がこれらの傀儡を制御する際にその奥義も掌握していたため、今や手忙ずからという様子はなかった。

「喝!」

蕭炎の口から一声が響き、天妖傀がその陣形の中に飛び込んだ瞬間、十体の傀儡から燦然と銀光が迸り出し、途絶えず天妖傀へと流れ込んでいった。

黒袍の老者がその動きを見た瞬間、顔色を一変させ「またこの奇異な陣法か」と叫び声を上げた。

雷尊者らも重々しく頷き、地面を蹴りながら祭壇めがけて光速で駆け出した。

たちまちその周囲は轟音と風切り音が響き渡った。

「あの物を奪うなら、まずこの老者の許を通せ」

熊戦の怒吼と共に大地が震え出す。

大地虎族の族長が冷笑し「龍熊の山崩れ能力は有名だが、今日は我が族長にその実力を試してもらおう」と虎啸りを響かせた。

熊戦の顔には獰猛な笑みが浮かび「一拳で貴様の頭蓋骨を粉砕するぞ!」

と巨拳を握り、大地虎族の族長との衝突が始まった。

その激突は瞬時に凄まじい風圧を生み出した。

「雷尊者は私が相手だ」

小医仙が雷光で駆け寄る雷尊者を見つめながら軽く喝破し、素早く身を翻して彼の前に立ち塞がった。

その指先から灰色の霧が四方八方に広がり始めた。

「銀月狼族の族長は私が相手だ。

蕭炎、天妖凰族の人間はお前の担当だ」

天火尊者が動くと同時に、銀月狼族の斗尊級戦士を阻み止めた。

その周囲に広がる圧倒的な気魄で敵の顔色を変えさせた。

激闘が瞬時に始まった視界を見ながら蕭炎は小さく頷き、白髪の男を見るや冷ややかな笑みを浮かべ「清」と前置きして黒袍の老者が鳳清兒に向き直った。



鳳清児の瞳孔が僅かに震えた。

微かな感覚を試みた瞬間、目に喜びの色が一瞬だけ浮かんだ。

すぐに頷きながら、『大丈夫です。

お任せください』と低い声で答える。

「さて、龍夙本源果を手に入れるかどうかは君次第だな」黒衣老者は頷き、大きく袖を振った。

その動きの速さは鵬鳥のごとく、五星斗尊の圧倒的な気魄が溢れ出す。

空気が震えるほどの異変が周囲に広がる。

「嗤!」

金色の光線が天妖傀の中に流れ込む。

そのエネルギーを吸収するたび、暗金色の色調はさらに深みを増す。

「吼!」

最後の一筋銀光が体内に入った瞬間、低く渙々とした唸り声が響いた。

空虚な瞳孔に金光が満ち、天妖傀は黒衣老者を見上げた。

足元を踏むと空間が無数の闇色の亀裂で破壊され、その後ろの十体の地妖傀は鉄灰色に戻り、エネルギーを全て放出した。

「ふん、些細な人形など…」

金光となって黒衣老者に迫る天妖傀を見ながら、老者は冷笑を浮かべた。

拳を握り、無駄のない一撃を放つ。

「受けろ!」

衝突が発生し、その音波は空気を震わせた。

斗宗級の強者たちが苦しげに咳き込み、顔に驚愕の色を浮かべる。

余波すら彼らには耐えられないほどの凄まじい戦闘だ。

老者の体が僅かに揺れた。

相手が二歩後退した瞬間、彼の目はさらに暗く沈んだ。

確かに制圧できているものの、その力の強さは驚異的だった。

人形とは思えないほどの実力を誇るのだ。

黒衣老者と天妖傀が壮絶な戦いを繰り広げる中、白髪の男が祭壇上空に現れた。

険しい目つきで蕭炎を見据えながら、「萧炎よ、今日こそお見せする。

天外有天人外有人とはこのことだ」と笑う。

「若い者どもはまだ頂点には立たない」

その声を聞いた瞬間、白髪の男が拳を握り締めた。

金色の光線が爆発し、数十丈にも及ぶ巨大な拳印が形成される。

祭壇にいる蕭炎へと猛スピードで迫る。

「天凰霸拳!」

その恐怖の拳印を見た瞬間、蕭炎は身を翻した。

掌に結ばれた印が光り輝き、同じく空中に浮かび上がる。

「覆地印!」

両者の技が衝突すると、凄まじい爆発音と共に烈風が四方八方に吹き荒れる。

「バチッ!」



風が烈しく広がり、蕭炎は肩を震わせただけでその力を受け止め、白髪の男を見上げながら淡々と言った。

「私はまだ統一者としての資格を持たない。

あなたもまた、その資格を失っている」

「ふん、待ってみろ。

今度こそ私が勝つ時だ!」

白髪の男は冷やかに笑い、目の中に凶光が走り、背中から一瞬で鳳翼が広がった。

羽ばたけば速度が倍増し、たちまち蕭炎の前に迫る。

その強烈な拳法は一切の手加減なしに放たれる。

白髪男の嵐のような攻撃に対し、蕭炎も目を鋭くして対応する。

体内で渦巻く斗気を駆動させ、紫褐色の炎が肌を覆うように燃え上がる。

相手の一撃ごとに直接受け止め、二星斗尊などという言葉はこの男には通用しないことを示す。

「轟!」

空に響き渡る衝撃音と共に、両者は激しく体当たりの戦いを繰り返す。

拳が肉とぶつかり合うたびに空間が崩壊し、鋭い破風音が連続する。

白髪男は徐々に顔色を変え始める。

天妖凰としての強靭な体を持つにもかかわらず、蕭炎との硬直戦闘で苦戦を強いられる。

逆に相手はますます激しくなり、「人間など」という言葉が口から出る。

その瞬間、蕭炎の視線が鳳清兒に向けられた。

彼女は指先を噛み切って淡紫色の血を滴らせ、空中で奇妙な紋様を描き出す。

その途端、遠くから鶴鳴のような声が響き、空気中に微かな光が広がる。

「血契を結び、祖魂を呼び覚ます」

鳳清兒は地面に跪きながら呪文を唱えると、紋様が輝き始める。

その光は赤い平原へと降り注ぎ、大地が震えた。

天凰の遺骨が動き出し、遠古からの重苦しい空気を放ち始めた。

「これは遠古の天夙の残滓だ」

その圧力に反応し、蕭炎らは戦場から離れて祭壇へと逃げる。

しかし次の瞬間、鳳清兒が金色の光を放ち、凄まじいエネルギーで彼らを襲う。

「天夙の祖魂か……」

その時、小さな影が現れた。

穏やかな声の中に驚異的な威圧感があった。

「だが私の太古虚龍の祖魂はそれよりさらに強大だ」

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