闘破蒼穹(とうはそうきゅう)

きりしま つかさ

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第1414話 星界大戦

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天冥老妖は薬老の表情の変化をずっと観察していたが、後者の顔に現れた決意を見た瞬間、今や星陨閣が屈服するわけにはいかないことを悟った。

その場でさらに険しい笑みを浮かべ、「今日こそこの星陨閣は血まみれになる運命だ……」と低く語り始めた。

「ふむ、ここに強者が集まるから、些細な魂でも持ち帰れるかもしれない」と骨幽が怪しげに笑った。

その言葉には星陨閣を軽視するニュアンスが含まれており、彼ら側には上級半聖2名と準半聖1名という圧倒的な戦力を誇るからこそ、今日の戦いは星陨閣が中州から完全に消滅する運命だと確信していた。

薬老は空を仰ぎながら骨幽らしき人物たちを見つめ、「天冥老妖と骨幽は私が相手にする。

残りの準半聖、彩鳞・青鳞・小医仙の三人でその男を止めなさい」と静かに指示した。

半聖には上下級があり、小さなランク差にも大きな力の違いが存在する。

魂殿の準半聖は最近突破したばかりで、まだ力量を完全に掌握できていないはずだ。

彩鳞たち3人による連携では勝てないかもしれないが、少なくとも時間を稼ぐことは可能だろう。

「薬老……」と彩鳞たちは顔色を変えた。

薬老は上級半聖とはいえ、天冥老妖や骨幽のいずれか一人でも薬老を下回る存在ではない。

もし二人で協力すれば、薬老は完全に不利になる。

薬老が手を振ると、「今はそういう状況だ」と前置きした。

「半聖クラスの強者がこの戦いに介入すれば絶対的優位を得られる。

もし魂殿の2名が星陨閣の他の強者たちに襲いかかれば、一方的な虐殺になるだろう。

その結果は星陨閣の完全崩壊だ。

だから何があっても半聖クラスを止めなければならない」

「了解した」薬老の言葉に従って彩鳞たちは頷いた。

すると薬老が身を翻すと、瞬時に骨幽らしき人物たちの前に現れた。

その周囲には天を覆うような闘気(斗气)が広がり、二人の敵を圧倒する気迫で包み込んだ。

「ははは、薬塵よ、お前も大それたことを言うものだな。

一人で我々ふたりに立ち向かろうと言うのか?」

天冥老妖と骨幽は嘲讽的な笑い声を上げた。

その皮肉の声には反応せず、薬老は険しい表情で周囲に恐怖の闘気(斗气)を発散させ続けた。

空間が歪み始めたのはその闘気(斗气)の圧力によるものだった。

「始めるぞ。

降伏すれば殺さないが、抵抗するなら容赦なく斬り捨てる」薬老の言葉は重々しく響き渡った。

天冥老妖が冷酷な笑みを浮かべ、「お前も同じく頑として抗うのか?」

と低い声で挑発した。

その瞬間、冥河盟の強者たちの目には殺意が宿り、彼らは一斉に闘気(斗气)を解放し始めた。

一方星陨閣側も反撃の態勢を取り、冥河盟の連中を見つめる厳しい表情で臨戦態勢に入った。

「討ち取れ!」

天冥老妖が一声叫んだ瞬間、両陣営から同時に殺伐な叫び声が響き渡った。



ふと、対峙が続いた。

その間もなくどっとの怒鳴り声が響き渡り、冥河盟の強者が瞬時に光化し、次々と広場へと駆け込んでいった。

一方星陨閣の戦士たちは遅れることなく暴走し、空中で冥河盟勢に激突した。

たちまち驚天動地の爆発音が響き、星界を揺るわせる。

その凄惨な戦いを見た人々は慌てて遠ざかり、巻き込まれまいと必死だった。

「ふふふ、骨幽老兄よ、このおやじめんも手玉に取ってみようか」大戦が瞬時に始まったのを見て、天冥老妖は笑い声を上げた。

骨幽を見つめて続けた。

「うむ」

その言葉に骨幽は陰々と頷いた。

二年前から星陨閣を踏破したいと思っていたが、一族の計画で我慢していたのだ。

今は全てが解決し、新進気鋭の三天尊と共に天冥老妖へと駆けつけていた。

魂殿という超大勢力が助力を示したことで冥河盟は喜び、早速人員を整備して今日の戦いに臨んでいた。

「ははは、何年ぶりかしら。

手も足も出ないわよ」天冥老妖は笑みを浮かべ、天空を一蹴りで踏ん張った。

白い手が鷲のごとく伸びて薬老の喉元に迫る。

「ふん!」

その凄まじい攻撃に対し薬老は鼻息を荒げ、防御もせずに拳を振り上げた。

相手の頭部へと向かうその一撃は死闘を予感させるほどだった。

「くすくす、お前の命より貴重なのは老夫の身分よ」

天冥老妖が顔色を変えながら冷笑し、完全優位に立つ彼らは決して無謀な戦いにはならなかった。

爪撲を引き返し瞬時に後退した。

一撃が空を刺すと同時に黒い霧が薬老へと迫り、その中から悲鳴と共に鎖の音が響く。

空間自体が震え、漆黒の亀裂が生じた。

「放せ!」

薬老は顔を引き攣らせ、手を虚空に伸ばすと霧の中から鎖を弾き飛ばした。

同時にその身を躍らせて霧の中に突入し、掌でどこかを叩いた。

「ドン!」

という低音と共に骨幽の体が霧から飛び出した。

三人は全て上位半聖だが、薬老には彼らにない強みがあった。

それは圧倒的な霊力だ。

同レベル戦闘ではその優位性が顕著だった。

「同時に攻めよう」

骨幽が薬老に震退させられたのを見て、天冥老妖の目にも驚異の色が一瞬だけ浮かんだ。

すぐに重い声で叫ぶ。

「うむ」

骨幽は険しい表情で頷き、二人同時に爆発的に飛び出した。

その滴天斗気が天際を駆ける怒龍のように薬老に押し寄せた。

広大な空間が恐怖の交戦で崩壊していく。

薬老が骨幽と天冥老妖を引き留めている間に、魂殿の三天尊は下方の混乱した戦場を見やった。

その手の動きが止まる前に、七彩の雷電が空から猛威をふりかざして降り注いだ。

「哼」

突然の攻撃に三天尊の目が冷たくなった。

袖を一振りでその雷電を粉砕し、発生源を見やると、千丈規模の七彩巨蟒が虚空を這っているのが見えた。

異様な威圧感が降り注ぐ。

「七彩吞天蟒か」

その巨蟒を見て三天尊の目にも奇妙な色が走った。

手を伸ばす前に、丈許の灰褐色の匹練が暴走してきた。

その劇毒の気配に眉根が寄せられ、掌で空間を凝固させた瞬間、その斗気は散り散りになった。

「嘶咕」

劇毒の斗気を粉砕した直後、前方から奇妙な音が響いた。

三天尊が視線を向けた先には、緑色の衣装の女性が浮かんでいるのが見えた。

彼女の背後に九つの頭を持つ蛇形虚影がうっすらと存在していた。

「遠古天蛇……」

その巨大な蛇形虚影を見てようやく表情に重みが乗った。

この三女はいずれも斗尊の頂点だが、一人が七彩吞天蟒を、一人が危険を感じさせる劇毒を持つ、もう一人が遠古天蛇という異質な存在を持っている。

その組み合わせは彼にも圧迫感を与えた。

まだ半聖に昇りたてたばかりだとはいえ。

目元がわずかに揺らぐと同時に、三天尊の表情は凍り付いた。

彼は本物の斗聖者であることを誇示するように、体内の斗気を火山噴火のように爆発させた。

星界での激戦が続く中、後山では静寂が続いていた。

巨大な石門は無動に下ろされていた。

「カラン」

その静寂が数分続いた時、石門周辺の山体から細かい亀裂が広がり始めた。

それらは数百丈にも及ぶ深いもので、山体内部から滲み出たように見えた……。

その亀裂が現れた瞬間、山体の奥深くに何かがゆっくりと目覚めかけていた。



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