道诡异仙

きりしまつかさ

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第0190話　兵法家

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兵家

李火旺が剣を抜くと、殺気で会場全体が包まれた。

土匪たちの目は戦場に立つ者同士のように鋭い光を放ち始めた。

三度の抜刀の音が連続して響き、四方八方に武器を持った土匪たちが次々と押し寄せてきた。

しかし彼らの顔には明らかに怯えが滲み出ていた。

剣が鞘に戻ると瞬時に静寂が戻ってきた。

三人組は酒を飲み肉を食べながら李火旺を見詰めていた。

その時、正面の秃頭男が油揚げを口に入れた。

「真人さん、落ち着いてくださいよ。

何かあったら話し合いましょう。

出会った縁ですから一杯どうですか？」

と笑顔で仲裁する太面男が現れた。

李火旺は臆せず、そのまま座り込んだ。

仲裁役の太面男は彼の隣に寄り添い、扇子で優しく風を送る。

すると大金龍（たいきんりゅう）と下山虎（げさんとら）が名乗り出た。

最後の席には囚字を額に刻んだ凶悪な男がいた。

三人とも異常に大きな骨格を持ち、他の土匪とは比べ物にならないほど巨大だった。

「柳項（りゅうこう）です。

この扇子で真人さんをおもてなしします」と太面男は名乗った。

「呂家班はまだ生きていますか？何人亡くなりましたか？」

虎皮大衣の男が何か言いかけたが、大金龍の視線で止まった。

するとすぐに呂家班のメンバーが連れて来られた。

李火旺と土匪頭領たちが同じ席にいるのを見て呂状元は即座に膝をついた。

「小道爺！助けてください!!」

李火旺は舌で歯垢を拭きながら彼らの顔を見回し、立ち上がろうとした。

その瞬間、囚字男が横槍を入れた。

「止まれよ。

呂家班の件は後回しにしようぜ。

貴方と四喜右家（しきうけ）には何の関係があるんだ？」

**

「四右衛門の家？」

李火旺が首を傾げると、その男は笑いながら毛豆を口に運び酒を呷った。

「ごまかすな、お前の剣は右雄一郎のだろう？　無理やり譲るわけないだろ」

男が背後の刀を見つめると、李火旺はようやく気付いたように目を丸めた。

その剣には何か不穏なものがあった。

三人組の顔を交互に見回した後、李火旺は違和感を感じた。

確かに山賊の大当家と見えるが、この男は相手に丁寧さも示さない。

「お前は誰だ？　三番手か？」

「くそったれの三番手！　老子は王得助だ！」

男が突然暴発し、李火旺の胸ぐらを掴んで放ち飛ばした。

その力は尋常でなく、彼は完全に空中に投げ出された。

隣に立つ巨漢・高智堅が駆け寄り、広い手で受け止めた。

苦しげに胸を押さえながら李火旺は怒りのあまり剣を抜き、男に向かって突進した。

王得助は驚いたように立ち尽くし、迫る李火旺を見つめていた。

「この野郎、一撃で心臓が潰れてないのか？　何か凄いものがあるようだ」

「ふざけたやつめ！　八仙テーブルを蹴飛ばして狼牙棒を構えた大金龍が突進してきた。

すると周囲の山賊たちも一斉に襲いかかった。

明らかに力の差がありそうだが、実際にはそんなことはなかった。

高智堅が怒鳴りながら棍で三人を弾き飛ばすと、両手ナイフを持つ山賊が後ろから近づこうとしたが、黒い爪が彼らの首を刺し抜いた。

遠くに立つ山賊たちは弓矢を構えたが、春小満は『大千録』を開き、剣で指先ごと爪を切り落とした。

その瞬間、惨烈な悲鳴と共に爪は飛び上がり、矢を射る連中全員の首が飛んだ。

李火旺は後ろを見ないまま、目の前の三人に集中していた。

彼らこそが山賊の核心だったのだ。

「ゴン！」

下山虎の大振り刀と李火旺の剣が激しく衝突し、彼を押し戻した。

しかしすぐに終わりだ。

鋭い音と共に李火旺の剣は相手の刀を切り裂き、顔面へ斬りつけた。

「お前めえ！」

大金龍が駆け寄ろうとしたが、王得助が先に突進した。

墨黒い直刀で彼の握る剣を叩き割った。

「ドン！」

金属音と共に直刀は欠けるほど損傷を受けた。

李火旺は後退し新たな標的に移動した。

この三人は明らかに李火旺より腕利かったが、武器では致命的な弱点があった。

数撃ちで全員の武器は折れ果てた。

ふと三人は牽制を主眼にし、李火旺との正面衝突を避け始めた。

やがて圧力が緩んだ瞬間、赤い蓋頭の女性が現れ大金龍を助けてくれた。

「ドン！ドン！ドン！！鞭一打鼓就響く、鼓一鳴けば神に祈る、神に祈れば内仙を先に鎮めよ。

三重狼爺三重坎…」

赤い蓋頭が突然三つの狼の頭を生み出し、大金龍の首筋を噛みついた。

その瞬間大金龍は狼牙棒を振りかざし、激しく蓋頭下の狼頭に殴りつけた。

狼頭は即座に潰れかけたが、たちまち再構成され再び凶猛に襲いかかった。

その衝撃で大金龍の骨が折れる音が響き、飛び散った血が赤い蓋頭をさらに染め上げた。

その隙に李火旺は二当家を斬り落とし、王德裘を見詰めた。

彼は叫んだ。

「言うまでもなく緑林にも規範はあるが、実際には屁みたいなものだ。

規範とは手にした剣そのものさ！」

絶体絶命の状況下で王德裘は笑みを浮かべた。

「確かに規範はあるが、それは相手次第だ。

蜀の人間と四騎右家（しきうじょう）の連中とは約束しないからな」

「どういう意味だ？」

「四騎右家は兵家だ。

彼らがどれだけ多くの蜀人を殺したか知っているだろう？貴様が無事に通り抜けられるなど甘い考えだ」

「ふん、いつになったら土匪も国家の情誼を持てるようになるんだ？そんなことを言うなら、貴様こそ逆賊ではないのか？」

李火旺の冷ややかな視線を前に王德裘は黙り込んだ。

李火旺がその笑顔を見つめると、表情が次第に険しくなった。

突然彼の気付いたのは——

「待て！貴様らは匪ではない！兵だ！」

「ふーん、匪と兵、そんな区別必要なのか？結局殺すだけの連中さ」

「おや、貴様らが兵であることを認められたようだな」

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