道诡异仙

きりしまつかさ

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第0286話　選択

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暗い檀の香りが漂う寺院の中で、李火旺は三体の土偶像の前で「声は現実なのか虚構なのか」という疑問を抱きながら考えていた。

この村に入った直後から坐忘道の姿を見かけず、むしろ自分が混乱させられてしまった。

その時、外からドアが開かれた。

白髪の寺子屋の男が提灯を持って半身を覗かせた。

暗い蝋燭の光で寺院全体が照らされた。

彼は特に梁に重点を置いて見回したが、誰もいない。

「珍しいことだな、盗賊がいないのに鍵が壊れているなんて」疑り深い男は麻縄で虎頭の戸締まりを固く結び直し、そのまま部屋に戻って布団を敷いて寺院の外に寝そべった。

「これなら盗賊には遭わないだろう」

その間も李火旺は寺院内に閉じ込められることなく、既に隣の屋根に上がり下から男の動きを見守っていた。

しかし異変は最初の声以外ではなかった。

「信紙に坐忘道の痕跡があると書かれていたが、本当に普通の村だと思っていた」李火旺は歩きながら眉をさらに寄せて考えた。

「もし前に通り過ぎていても気づかなかっただろう」

その時、背後から何かを感じ取った李火旺は泥塀に背中を預け、前の角へとゆっくり近づいた。

消えた状態の彼は動きが速いのに静かだった。

手は剣の柄を握り締め、いつでも切り落とす準備ができていた。

近づくにつれ心拍も早くなり、角を曲がる瞬間、李火旺は深呼吸して唇を噛みしめて剣を抜こうとしたが、目の前に黄土色の塀が立ちはだかった。

その壁を見た瞬間、握った拳で綿を握っているような不快感に襲われた。

李火旺が身を翻すと、鉄のように固い手が彼を動かせないほど強く掴んでいた。

「どうしてだろう！今だって私は隠れているのに！彼はなぜ私を見つけたのか？」

リホワンがその疑問を口にした直後、背後の暗闇から低い声が響いた。

「しーっ……動かないで！彼らをもう少し引きつけるんだ……もっと遠くまで……」

その極度の低音が耳に届いた瞬間、リホワンの心は一瞬で胸に飛び上がった。

指示通りに原地待機しながら、目の前の人物の正体を探り始めた。

「あーあ、運が悪いわね、また逃げられた……」

腕から力が抜けたと同時に、彼は即座に振り返って声の主を見やった。

周囲を点々と光る蛍の微弱な明かりで照らされた人物は盲目だった。

痩せこけた老人の盲目は黒い大紋を着て布製の下駄を履き、背中に担ぎ籠を背負っている。

手にした黄色がかった竹杖だけが彼の最後の所有物だ。

白髪の目元には黒い瓜帽が乗せられ、口ひげは山羊のような薄いものだった。

その姿は決して仙風道骨ではなく、むしろ卑猥さを増していた。

リホワンは相手がなぜ簡単に自分の存在に気づいたのか理解した——盲目だからこそだ。

リホワンが相手を観察する間も、相手は鼻で彼を探っていた。

やがて老人は言った。

「血の匂いが強いね。

君は兵家から来た者か？私は陳姓、友人は『陳盲子』と呼ぶ。

監天司の壬卒だ」

リホワンも同じ形の鉄札を手にした。

「いいえ、後輩は袄景教の修練者、耳玖です。

職位は癸卒。

陳先輩にお目にかかれて光栄です」

その言葉に相手が頬を緩めた。

「あー、あの連中か。

君が来たなら、まさに私が求めた援軍だね」

竹杖を地面に突きつつ歩く老人の背中に、リホワンは笑みを浮かべて追従した。

「陳先輩、この村の状況はどうなっているのか？さっきおっしゃった『それら』とは何ですか？」

「分からないよ。

それが分からなければ探しているんだもの。

彼らが土の中に移動できるのは知ってる。

今朝は君を見つけて襲いかけるつもりだったんだ」

「そうか……今回の邪気は厄介だね」

「当たり前さ、地中を這うような邪気なら姿も分からないだろう。

だからこそ報酬があるのさ」

「そうだな、陳先輩。

あなたが司内から派された援軍だとすれば、何か特別な能力は？」

「冗談じゃないよ。

若い連中は大げさに言うけど、私はただの監天司の壬卒だ。

君も同じく修練者だろう？」

リホワンが答えながら相手の目を凝視した。

「ふふ、その通りだよ。

あなたたち袄景教の連中は手強いことは知ってるさ。

ただ毎回必要な引子が見つからないのが問題なんだね。

あんたは一人で来たのか？」

「ええ、私も一人で来ました。

陳さんも一人ですか？」

「ああ、私も同じだよ。

ふふ。

」陳盲子がそう言い終わると、二人は再び黙り込んだまま村外へと進んだ。

村の外に出たところでようやくまた会話が始まった。

「つまり陳さんはまだ彼らに対処法がないってことですか？」

青苔で覆われた石に座る陳盲子がため息をついた。

「誰が予想したか、陳盲子も救兵を呼ぶ日が来るとはね。

お前も知ってるさ、俺は盲目だ。

あの泥鬼子は泥鳅のように掴みどころがないんだよ。

つかまったとしても一条だけしか取れない」

「ああ、そうだな。

耳くん、こういう状況に対処する方法はないのか？」

ここで陳盲子の口調が自信に満ちたものになった。

「彼らを全員引きずり出す手立てさえ考えればいいんだよ。

俺は盲目だとはいえ、鉦と鉦、太鼓と太鼓で対決させたら、陳盲子はまだ怯まないさ！」

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