道诡异仙

0600

第0622話 埋伏

「吴成！再来！」

「バキッ！」

音を立てて断ち切られた紫穗剑の剣身が黒曜石短刀と激しく衝突した。

火星の中、その短刀は切断された刃先を血染めの地面に回転させながら埋没する。

法教の巫祝は武器を握った手首を素早く捩り、紫穗剑との交戦を回避し断ち切られた短刀を李火旺の左胸へと突き立てた。

彼が一歩リードした瞬間、李火旺の胸から触手を持つ生物が這い出て自らの腹に潜入する。

「いやいやいや！」

その男は腹部の傷口を開き血糊まみれの中を必死に探す。

最後に聞いた言葉は「於……兒……」だった。

首が勝手に反り、脳髄まで触手が絡みつきながら溶けた。

身体はまだ立っていたが次の瞬間、武器を握ったまま李火旺の側で襲撃しようとする法教信者に向かって突進した。

その体は李歳によって完全に乗っ取られていた。

息を切らしながら李火旺は戦況を見やる。

老喇嘛は既に討ち果たされたが、まだ終わらない。

次なる敵は法教だ。

「佛玉炉があれば正德寺方丈の協力も得られるから何信来は勝機がある」

「しかし私は大梁を心配している。

小齊の法教と大梁の法教が短期間で連携したという事実が証明されたのだ。

本土の法教に加え、さらに小齊の法教が加われば……」

葛生貴は肩に白布を巻いたまま小齊巫臣に向かって叫んだ。

「泰山！急いで！今すぐ逃げろ！追ってくる兵家が来るぞ!!」

「了解」その返事と共に七週囚の惨重な法教信者は赤い目をしたまま円形の石を口に含み飲み込んだ。

血まみれになりながらも怯まず前衛に突進する。

「逃げるか！？李歳が追いかけるぞ！」

何信来は姜黄紙二枚を取り出血で画符し腿に貼り付け影を残して二人の後を追う。

他の者は囲まれていたが、何信来だけが大きな抵抗を受けている。

「本当に追ってくるのか」

「そうだ」泰山石は口角を下げながら答えた。

巨樹が次々と倒れ二人が逃げ、一人が追う。

視界が明るくなった先には枯葉の田畑が連なり遠方に白煙が立っていた。

「まだ逃げるか！？」

葛生貴は地面に皮一枚剥ぎ取るように切り裂き二人を投げた。



腐れ果てた皮膚が空中を回転し、意識のないままに於児神の背中に向かって飛び込んでいった。

葛生貴が何信来の皮膚で地面に覆われたその時仁、何信来は足を一蹴りで跳ね上がり紫穗剣を手にした。

地中から這い上がってくる蠕動する人間の皮膚に向かって鋭く刺し込んだ。

紫穗剣がその中身に突き刺さった瞬間、重たげな感触が何信来の心臓を鈍痛させた。

それは刃先が肉を貫く感覚だった。

次の瞬間土の中から布袋のような大きな手が伸びてきて葛生貴の足首を掴み地面外へ引っ張り出した。

「その奴は土遁を使えるのか!?」尤那の声が何信来の脳裏に響いた直後、自分の首から上半身が土の中に埋まっていくのがわかった。

さらに酷いのは胸と背中に激痛が走る感覚。

地中から何かが自分の中を這い上がってくるようだ。

李歳は触手で必死に阻んでいた。

何信来は歯を食いしばり独郎の目を見開いて叫んだ。

「彼は水中にいる！ 彼は水中にいる!! 私は息継ぎできない!!」

七週間分の土が体を締め付け完全に動けない状態で何信来は、