道诡异仙

きりしまつかさ

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第0859話病

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李火旺は鉄格子を強く握り、外の放送室の病人たちを見つめていた。

彼らの奇妙な動きに注目しながら。

長い間考えた末、彼は震える声で自分自身に向かって言った。

「本当に皆幻覚だったのか？私がずっと精神疾患を持っていたのか？」

「ようやく気づいたのかよ！」

易東来の抑えた怒りの声が背後から響いてきた。

「それ以前に殺人、電網を這い上がる、自分の眼球を生々と引きちぎる行為も正常だったと思うのか？」

李火旺の表情は次第に険しくなり、鉄格子を握る手の指先が青筋立てていた。

「私はそれらのことをやった理由があるんだ！」

「精神疾患で殺人傷害をする場合、その理由は頭の中だけだよ。

現実世界では通用しないんだ！」

李火旺の我慢が限界を迎え、主治医易東来を振り返って鋭く睨みつけた。

「急かすな！今私は病気なんだ！急かすな！66！」

「急がないわけにはいかないのか？お前が出事になってから、私にとって何を意味すると思ってるんだ？」

易東来は立ち上がり、激昂して言った。

「それは論文が撤回され、昇進の道が閉ざされることだ。

そして同行者からの嘲笑も受けたこと。

それどころか以前テレビ取材で治療過程について語ったこともあったんだ！お前が回復しないなら私の人生は終わった！その結果を受け入れられないんだ！」

彼が深呼吸をして平静を取り戻すと、李火旺の独眼がすぐ目の前に迫っていた。

「貴様は何か言いたいのか？貴様は何かの影なのか？私の変化が貴様にどう影響するというのか？」

「あーっ！」

彼は拳をテーブルに叩きつけた。

易東来の平静は一瞬で崩れた。

「見てやれ！俺は顔を洗ってくる！」

易東来がドアを勢いよく閉めた直後、李火旺と看護婦が目線をぶつける。

李火旺はもう彼を見ない。

鉄格子とその隣に立つ高近雲の姿だけを凝視していた。

「本当に私は精神疾患なのか？それなのになぜこんなにも現実的なのか？確かに彼らは本当の存在なのか？私が見たものの中には何が真実で、何が幻覚なのだろうか？」

過去の記憶が彼の頭の中で不安定になっていく。

困惑した表情の李火旺はその場に立ち尽くし、問題を解き明かすことに没頭していた。

易東来が戻ってくるまでずっと。

冷水で何度も顔を洗った易東来が再び座り直すと、李火旺はきちんと膝を合わせて前に坐っていた。

「何をしているんだ？」

「私は精神疾患だからね。

貴方は私の主治医だろ？病気なら治療するものよ。

尹。

」

易東来は手のひらを支えに頬杖をつけて、眉根を寄せながら李火旺を見ていた。

彼が自分をよく知っていると思っていたが、実際には何も理解できていなかった。

しかし李火旺は特に何か企んでいなかった。

本当に治療したいだけだったのだ。

自分が病気なら当然治療すべきだと思ったからにせよ。

清旺来が自分を完全に放棄した以上、自分を救うのは自分だけだ。

精神病の治療さえ完了すれば外出可能で、その際には清旺来に司命大戦時の不在理由を問い質すつもりだった。

「本当に？今後も私の治療に協力するというのか」

「当然だよ。

早く治したいじゃないか」李火旺は自然な表情で答えた

易東来が軽く笑いながら首を横に振った。

「意外と気が付いてなかったね」

「げっ、易東来！どういう意味だ？早く治療しろ！前の方法なら良かったのに」

「急ぐ必要はないよ」易東来は椅子を前に引き寄せた。

「まず話を整理しよう。

君が私について『清旺来的投影』と言ったのは記憶しているのか」

「そうだね、以前話したはずだ。

もう一度説明してもらえるか？」

「いいやいいや」李火旺は首を横に振った。

「それより幻覚だけ治療してくれればいいんだ。

前の話は無視してくれても構わない」

易東来が眉根を寄せながら彼を見つめた。

「つまり君は幻覚の治療だけで十分だと考えているのか？そして清旺来やその他の投影も現実だと思っているのか？君はその可能性すら考慮していないのか、つまり清旺来も君の妄想の一部かもしれないという」

李火旺が五分間黙り込んだ後、ようやく易東来を見上げた。

「貴方の言う通り、最初から清旺来は私を騙していたのか？」

「いいや、私の言いたいのは清旺来も君の幻覚かもしれないということだ。

妄想とは理性に反し現実と矛盾するが確信を持った誤った信念のことだよ。

例えば私が治療した患者のように」

「ある患者は路上で若い女性が一瞬目を合わせただけで、彼女が好意を持っていると思い込み、罵倒されても殴られてもそれを『打てば愛し、骂れば慕う』と解釈していたんだ。

相手が泣きながら去りたいと言った時も『欲しがっているからこそ逃げている』と曲解した」

「君の場合はその患者よりさらに深刻だ。

幻覚まで抱えている上に、それらの会話を二重に歪めてしまう可能性がある」

「私は自分が築いた奇妙だが安定した世界観を確信しているんだよ」

「しかし貴方の世界観自体が極端な妄想なんだ。

患者のように他人の女性が好意を持つなどあり得ないし、彼は五十六歳で指三本欠け口も歪んでいるのに」

「いや！清旺来は確かに騙していたかもしれないが、彼らは全て現実だ！千真万確だ！」

「千真万確？誰か証明してくれるのか？貴方だけの主観ではどうするんだよ」

「ナナ！」

李火旺が突然顔を上げた。

「ナナは一緒にいたんだ！」

「つまり私が別の精神病患者に相談して、貴方の妄想を理解してもらうというのか？」

「もうやめてくれ！ナナさえも傷つけたじゃないか！」

李火旺が治療中の傍らで看護師が同僚に囁いていた。

「この男の前の医者は精神科に入院したって話だよ。

易大夫は次にその道場に入るんじゃないか？」

「私が言わせれば、易医師は最初から受け手を間違えたんだ。

上層部からの命令で治療効果に関係なく長期入院させられる運命なんだ」

「そうだろうとも！あの男が前回殺した人々の数を考えれば、早くも開放するのは危険すぎたんじゃないか？町中にそのような危険物を放置するとは……」

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