吸血鬼を刺殺した

きりしま つかさ

文字の大きさ
113 / 251
0100

第0113話 淋漓尽致:顔に一発——その感覚は?

しおりを挟む
北沙王選投票まであと24時間。

最新世論調査では徐家と関家が僅差に。

周元は即座に大技を繰り出し、関家への最後の一撃を仕掛ける——

北沙王選環島マラソン大会!!!

しかし試合進行中。

阿梓の大叔が空高く打ち上げられた際に偶然発見した前方の黒服集団は、周元陣営の最終投票活動を破壊する意図があった。

当然、彼らは許さない。

積極的に敵に牙向けることに。

周元一行の第一撃が炸裂すると同時に、黒服たちが紙片のように空高く吹き飛ばされた。

その直後、周元一行は突進を止めた。

安全地帯外側に位置させたものの——

そこでも時折破片が飛び交う。

大叔は大爆発の光景を見て興奮気味に笑い出す。

「ははは、明らかに怪しい連中だぜ」

「他人の身分を尋ねるなんて、自己弁護めくもんなあ」

黄金聖闘士周元は黙っていた。

彼は冷静に爆発現場で公開ストレッチを始めた——

まさに挑癪な態度だった。

阿梓が隣で前方の狼狽する黒服たちを見つめていた。

「しかし——」

大叔は自分がこの大砲に狙われたことを思い出した。

恐怖を感じる彼は逆に黒服たちに同情心を抱く。

「アームストロング砲の威力って、ほんとにもう凄いんだよな?」

「ただ礼花弾を積み込んだだけだぜ」

「前装式火砲じゃないのか?」

「次元砲とかで偽造したんじゃないのか!?」

「うるさい!もう勘弁してよ!

『アームストロング砲』は人類が吸血鬼との最終戦闘で大活躍した名砲だぜ」

「お前は本気で信じてるのか?」

「そんな伝説、お前たちと何かしらの共謀で騙されたんじゃないのか?」

阿梓のツッコミと共に空を唸らせた第二発が到着。

まだ第一撃から回復していない黒服たちに「倒れろ!」

という叫び声が響くと同時に——

『ドン!』とまたもや爆発!

遠方に徐家漁師の大叔が砲を止めて周元陣営へ手を振っている。

しかし彼らはその動作を見ることはできない——

約束通り第二撃終了。

最後の総攻撃開始!

「全軍突撃!!!」

周元一行が最終突進に移る——

今回は大叔が先鋒だ。

ポケットに両手を突っ込んだまま突然引き抜いたのは——

拳銃だった!

西部劇風の射撃準備ポーズを取り、銃弾を回転させる——

相手側がようやく起き上がり混乱している間に、彼は——

玩具銃を持ってる!?

「あはははー」

「その連中見てごらんよ」

「玩具銃で戦うなんて、あはははー」

「笑死、もう我慢できないわ」

大叔の動きが奇効を奏した。

黒服たちが即座に笑いながら倒れ込んだ——

大叔「あはは、俺は天才だぜ!!」

周元「……」

阿梓「……」

残りの黒服たち——あの「倒れろ」を二度叫んだ男が率いる連中は、爆発で気絶した仲間たちを避けて反撃に転じた。

両軍が衝突寸前!

「斬りつけろ!」

残る黒服全員が声を揃えた。

「行け!」

周元も叫んだ。

銀色の甲冑の聖闘少女アヅキは一瞬で黒服たちに消えるように飛んでいく——

「バチッ、バチッ、バチッ」と連続した音が響く。

「あれは……?」

それは木棍で後頭部を叩く音だった。

白い光の通り道にはいたるところで黒服たちが目を白黴に見開いて気絶していた。

「!?」

周元も動き出した。

素手で黒服の群れに突っ込む——

すると連続的に黒服たちが宙を舞い、次々と地面に落ちる。

周元はまた『刈り払い』を披露した——真・北沙無双だ!

爽快!爽快!!

周元はアヅキよりも効率的だった。

なぜならおじさん(大叔)の最初のパフォーマンスが目立たしすぎたため、黒服たちに囲まれてしまったから。

「両手拳銃で——」

おじさんは元警察官(非常勤臨時職員)とはいえ、一応身を守る術はあった。

足払いで一人の黒服を倒すと——

「槍術:AB併用!」

囲んだ連中が困惑する間に——

頭の中では『AB併用』とは一体何事か強制的に補完される瞬間だった。

その隙におじさんは攻撃を開始した!

「あっ!?」

「わー!?」

「目が痛い!目が痛い!!」

中傷された黒服たちが目をこすりながら地面で這う。

「どうだ?」

「顔射られた——」

「唐辛子の感覚は?」

おじさんは喜々と銃を撫でながら——

実は増圧水鉄砲に唐辛子を入れたものだった。

「あはは、俺は天——」おじさんは満足げだ。

しかし背中が一瞬鈍痛を感じた。

倒れたおじさんに黒服の男が蹴りを放ち——

木棍が顔面に連続して叩きつけられる——

だが!

「ああ!?」

「辛いママ!」

逆撫でしたおじさんは唐辛子水をその男に浴びせた!

彼も目をこすりながら地面で這う。

二度目の敗北。

黄金聖闘士周元、光速の聖闘少女アヅキ、怪しげなおじさん——

三人は敵意すら感じさせないまま残る黒服たちを次々と粉砕していく。

既に砲撃で瓦礫同然だった連中は——

瞬時に全滅寸前まで追い詰められた。

反派たるものこれで諦めるわけがない!

……などとは誰も思わず、周元たちは勝利を確信していた。

残る黒服たちが逃げ出す前に——

「おーい!」

アヅキが叫んだ。

周元とおじさんが振り返ると、彼女は手を広げて笑っていた。

「また会いましょう!」

その瞬間、三人の背後で爆発音が響き、地面から黒服たちが這い上がってきた——

「待った!まだ終わってないぞ!」

おじさんが叫ぶと同時に、周元は拳を握りアヅキは甲冑を光らせた。

新たな戦闘が始まる。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

過労死した俺、異世界で最強農業チートに目覚める。神農具で荒野を楽園に変えたら、エルフや獣人が集まって最高の国ができました

黒崎隼人
ファンタジー
「君、死んじゃったから、異世界で国、作らない?」 ブラック企業で過労死した俺、相川大地。 女神様から授かったのは、一振りで大地を耕し、一瞬で作物を育てる**最強の『神農具』**だった!? 右も左もわからない荒野でのサバイバル。 だけど、腹ペコのエルフ美少女を助け、頼れるドワーフ、元気な猫耳娘、モフモフ神狼が仲間になって、開拓生活は一気に賑やかに! 美味しいご飯とチート農具で、荒野はあっという間に**「奇跡の村」**へ。 これは、ただの農民志望だった俺が、最高の仲間たちと世界を救い、種族の壁を越えた理想の国『アグリトピア』を築き上げる物語。 農業は、世界を救う! さあ、今日も元気に、畑、耕しますか!

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~

eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」 王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。 彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。 失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。 しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。 「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」 ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。 その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。 一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。 「ノエル! 戻ってきてくれ!」 「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」 これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...