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第一章 ウェーブ編
第九話
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ミラ「行くぞ!」
騎士達は剣を手にウェーブへと立ち向かう。
シア「レックス!」
シアが人喰い狼を剣で貫いている。俺を呼ぶ声に合わせて人喰い狼の首を切り落とす。
シア「デスウルフが到着するまでに時間はまだあるってのに、そもそも人喰い狼が厄介だな。」
レックス「そうだな。速くて攻撃がなかなか当たらない。」
今はポツポツとやってくる人喰い狼を倒しながら前線で待機中だ。
マリック「シア、変わるよ。後ろで休んどきな。」
シア「ありがとう。狼の牙には気を付けてな。」
マリック「大丈夫。魔法筋肉で弾き返すよ。」
シア「食うまでもなく骨をしゃぶれそうだな。」
マリック「早く休め。」
ちょっとした掛け合いをしてからシアは少し後方に下がる。
体力の温存も兼ねて交代しながら人喰い狼を倒していく。
少し鉄の剣を振り回しているからか、疲労を感じている。風のように走る狼を目で追うのも少しずつ負担になっている。
シア「レックス。お前も休んどけ。」
レックス「ありがとう。少ししたら戻ってくるよ。」
休憩に入り、指定の場所へ向かう。
存在感のある大岩にはミアが座っていた。目を閉じているが、寝ていると言うか、瞑想でもしているのかな。
レックス「これは…隣にでも?」
ミア「もちろん。レックスもお疲れみたいね。」
ミアは目を開けて穏やかな顔で答える。
レックス「コアとの戦いで、ミアの活躍を期待しても良いんだよな。」
ミア「過度に期待しなければ。」
レックス「…やっぱり俺等、死ぬのかな。」
心臓の音を明確に感じる。その音に安心感と不安を同時に覚えた。
ミア「少なくとも生きる保障は出来ないわね。あんたの活躍も、誰も語ってくれないかもしれないね。」
レックス「そりゃ悲しいな。…ミアは怖かったりするのか?」
ミア「たとえ怖くても、体が震えちゃったら魔法もまともに使えない。やるしか無いだけよ。」
レックス「確かに。でも期待してるよ。秘蔵のあれはね。」
ミア「褒美について考えるならもう少し後にしましょう。」
いつもより力を感じる口調だが、それでもミアの声は少しだけ震えている。
レックス「そうだね。」
ミアと一緒に立ち上がる。身を刺す様な、異質な空気。
体が恐怖を知らせている。
マリック「よりにもよってここに来るか。クソッそりゃ楽はさせねぇか。」
シア「腹ぁ括るぞ!」
目の前に居る化け物の作る影は、四人を覆いつくす勢いだ。
風が止んだ。この空間を支配する化け物の足音。
化け物は濁った赤い目と巨大な爪でこちらを威圧している。
全てが決まる筈のこの戦い、諦めるわけにもいかない。きっと多くの笑顔を守る事と信じて。
静かな空間は、咆哮一つで戦場へと引き戻る。
騎士達は剣を手にウェーブへと立ち向かう。
シア「レックス!」
シアが人喰い狼を剣で貫いている。俺を呼ぶ声に合わせて人喰い狼の首を切り落とす。
シア「デスウルフが到着するまでに時間はまだあるってのに、そもそも人喰い狼が厄介だな。」
レックス「そうだな。速くて攻撃がなかなか当たらない。」
今はポツポツとやってくる人喰い狼を倒しながら前線で待機中だ。
マリック「シア、変わるよ。後ろで休んどきな。」
シア「ありがとう。狼の牙には気を付けてな。」
マリック「大丈夫。魔法筋肉で弾き返すよ。」
シア「食うまでもなく骨をしゃぶれそうだな。」
マリック「早く休め。」
ちょっとした掛け合いをしてからシアは少し後方に下がる。
体力の温存も兼ねて交代しながら人喰い狼を倒していく。
少し鉄の剣を振り回しているからか、疲労を感じている。風のように走る狼を目で追うのも少しずつ負担になっている。
シア「レックス。お前も休んどけ。」
レックス「ありがとう。少ししたら戻ってくるよ。」
休憩に入り、指定の場所へ向かう。
存在感のある大岩にはミアが座っていた。目を閉じているが、寝ていると言うか、瞑想でもしているのかな。
レックス「これは…隣にでも?」
ミア「もちろん。レックスもお疲れみたいね。」
ミアは目を開けて穏やかな顔で答える。
レックス「コアとの戦いで、ミアの活躍を期待しても良いんだよな。」
ミア「過度に期待しなければ。」
レックス「…やっぱり俺等、死ぬのかな。」
心臓の音を明確に感じる。その音に安心感と不安を同時に覚えた。
ミア「少なくとも生きる保障は出来ないわね。あんたの活躍も、誰も語ってくれないかもしれないね。」
レックス「そりゃ悲しいな。…ミアは怖かったりするのか?」
ミア「たとえ怖くても、体が震えちゃったら魔法もまともに使えない。やるしか無いだけよ。」
レックス「確かに。でも期待してるよ。秘蔵のあれはね。」
ミア「褒美について考えるならもう少し後にしましょう。」
いつもより力を感じる口調だが、それでもミアの声は少しだけ震えている。
レックス「そうだね。」
ミアと一緒に立ち上がる。身を刺す様な、異質な空気。
体が恐怖を知らせている。
マリック「よりにもよってここに来るか。クソッそりゃ楽はさせねぇか。」
シア「腹ぁ括るぞ!」
目の前に居る化け物の作る影は、四人を覆いつくす勢いだ。
風が止んだ。この空間を支配する化け物の足音。
化け物は濁った赤い目と巨大な爪でこちらを威圧している。
全てが決まる筈のこの戦い、諦めるわけにもいかない。きっと多くの笑顔を守る事と信じて。
静かな空間は、咆哮一つで戦場へと引き戻る。
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