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第2章 学園編
第7話
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どうしてこうなった? トームスはアンジェリカと学園近くのカフェでお茶をしている。ダ眼鏡呼ばわりされたあのビン底メガネは、今はエドワルドがかけていた。
放課後、フィルミナとエレナの「悪役令嬢を考察する会」に誘われていたトームスは、教室から出ようとした時にエドワルドに呼び止められた。
「トームス、少し話がある。ともに手洗いに行こうではないか」
そして男子用手洗いに強引に連行される。
「話ってなんだ? 殿下もろくでもない考察会とやらに誘われているんだろう? 2人には言えないことなのか?」
「アンジェリカ嬢にお茶に行かないかと誘われた。今日助けてもらったお礼がしたいそうだ」
エドワルドはトームスの肩にぽんと手を置く。
「そこでだ。私の代わりにおまえが行ってこい」
「はい? 誘われたのは殿下だろう?」
エドワルドの影武者をしろと言われているのだ。これまでにも似たようなことがあったのでトームスはぴんときた。
「私はフィーとの約束を優先させたい。おまえは考察会には興味がないだろう?」
「いやいや。考察会には興味ないけど、あの店のパンケーキは食いたいんだ!」
エレナが予約した店は、普段は2時間待ちをしないと入れない人気店なのだ。一般客からの予約は受け付けない店なのだが、エレナは特別会員で個室の利用権を持っているため予約できた。
トームスは甘いものが好きだ。あの店は気になっていたが、男1人で入るのは気がひけるので、今まで行ったことがなかった。エレナに誘われた時、考察会には興味ないが、パンケーキは食べたかったので、実は楽しみにしていたのだ。
「また機会はある。次はおごってやるから今日は諦めてくれ」
エドワルドはビン底眼鏡をトームスから取り上げる。主の命は絶対だ。トームスはがっくりと項垂れた。
「嬉しいですわ。まさか王太子殿下とこうしてお茶をいただくことができるとは思いませんでした」
アンジェリカはトームスが偽物とは気づいていないようだ。影武者をしているうちに、さらに王太子のふりが上手くなった。見分けられるのはフィルミナくらいだろう。つむじで……。
(あああああ! パンケーキ食いたかったな)
心の中で泣いているトームスだが、表面上は王太子の仮面をかぶり、笑顔でアンジェリカの話を聴いている。
「私……令嬢方に囲まれた時はどうしたらいいのか分からなくて……殿下が助けてくださらなかったらと思うと……本当にありがとうございました」
アンジェリカは水色の瞳を潤ませて、口元に手をあてる。
(こういう場面はなんか最近体験したことがあるぞ)
エレナと初めて会った時のことがフラッシュバックする。エレナは初めからトームスが偽物と気づいて、演技していたに違いない。
(見かけはエレナと似たタイプだよな。 このアンジェリカって女も腹黒令嬢かもしれない。一応殿下に忠告しておくか)
「礼にはおよばぬ。当たり前のことをしたまでだ」
トームスはポケットからハンカチを取り出すと、アンジェリカに渡す。アンジェリカはハンカチを受け取ると微笑む。
「ありがとうございます。ハンカチは洗ってお返しいたしますね」
トームスがアンジェリカとお茶をしていた頃、エドワルドはフィルミナとエレナの話を笑顔で聴きながら、パンケーキを堪能していた。
「トームスは来られなくて残念でしたわね。パンケーキはこんなに美味ですのに(明日自慢してやりましょう)」
「そうだな。私が急な用事を言いつけてしまったからな。また来週同じ席を設けよう。エレナ嬢、手配をお願いできるか?」
エレナは「もちろんですわ」と快く引き受けてくれた。
「まあ! では来週はつむじについて語り合いましょう(トームスに『美しいつむじの見分け方』を貸しましょう)」
放課後、フィルミナとエレナの「悪役令嬢を考察する会」に誘われていたトームスは、教室から出ようとした時にエドワルドに呼び止められた。
「トームス、少し話がある。ともに手洗いに行こうではないか」
そして男子用手洗いに強引に連行される。
「話ってなんだ? 殿下もろくでもない考察会とやらに誘われているんだろう? 2人には言えないことなのか?」
「アンジェリカ嬢にお茶に行かないかと誘われた。今日助けてもらったお礼がしたいそうだ」
エドワルドはトームスの肩にぽんと手を置く。
「そこでだ。私の代わりにおまえが行ってこい」
「はい? 誘われたのは殿下だろう?」
エドワルドの影武者をしろと言われているのだ。これまでにも似たようなことがあったのでトームスはぴんときた。
「私はフィーとの約束を優先させたい。おまえは考察会には興味がないだろう?」
「いやいや。考察会には興味ないけど、あの店のパンケーキは食いたいんだ!」
エレナが予約した店は、普段は2時間待ちをしないと入れない人気店なのだ。一般客からの予約は受け付けない店なのだが、エレナは特別会員で個室の利用権を持っているため予約できた。
トームスは甘いものが好きだ。あの店は気になっていたが、男1人で入るのは気がひけるので、今まで行ったことがなかった。エレナに誘われた時、考察会には興味ないが、パンケーキは食べたかったので、実は楽しみにしていたのだ。
「また機会はある。次はおごってやるから今日は諦めてくれ」
エドワルドはビン底眼鏡をトームスから取り上げる。主の命は絶対だ。トームスはがっくりと項垂れた。
「嬉しいですわ。まさか王太子殿下とこうしてお茶をいただくことができるとは思いませんでした」
アンジェリカはトームスが偽物とは気づいていないようだ。影武者をしているうちに、さらに王太子のふりが上手くなった。見分けられるのはフィルミナくらいだろう。つむじで……。
(あああああ! パンケーキ食いたかったな)
心の中で泣いているトームスだが、表面上は王太子の仮面をかぶり、笑顔でアンジェリカの話を聴いている。
「私……令嬢方に囲まれた時はどうしたらいいのか分からなくて……殿下が助けてくださらなかったらと思うと……本当にありがとうございました」
アンジェリカは水色の瞳を潤ませて、口元に手をあてる。
(こういう場面はなんか最近体験したことがあるぞ)
エレナと初めて会った時のことがフラッシュバックする。エレナは初めからトームスが偽物と気づいて、演技していたに違いない。
(見かけはエレナと似たタイプだよな。 このアンジェリカって女も腹黒令嬢かもしれない。一応殿下に忠告しておくか)
「礼にはおよばぬ。当たり前のことをしたまでだ」
トームスはポケットからハンカチを取り出すと、アンジェリカに渡す。アンジェリカはハンカチを受け取ると微笑む。
「ありがとうございます。ハンカチは洗ってお返しいたしますね」
トームスがアンジェリカとお茶をしていた頃、エドワルドはフィルミナとエレナの話を笑顔で聴きながら、パンケーキを堪能していた。
「トームスは来られなくて残念でしたわね。パンケーキはこんなに美味ですのに(明日自慢してやりましょう)」
「そうだな。私が急な用事を言いつけてしまったからな。また来週同じ席を設けよう。エレナ嬢、手配をお願いできるか?」
エレナは「もちろんですわ」と快く引き受けてくれた。
「まあ! では来週はつむじについて語り合いましょう(トームスに『美しいつむじの見分け方』を貸しましょう)」
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