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衝撃
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「ーーという訳でね、何パターンかあるパッドエンドの中にはお兄様が死んじゃうのもあるんだ。」
「なんですって!?」
話しの最後にとんでもない事を口にしたルーカスは「う~ん」と首を傾げながら腕を組んで悩み出した。
「僕の推しはヒロインじゃなかったからさぁ、ヒロインが誰とくっつこうが興味が無かったんだよね。だからストーリー展開とかも結構うろ覚えっていうか……あ、でもね、お兄様はイケメンで割と好きだったから、推しを見たくてお兄様とヒロインのルートをよく選んで攻略してたんだよ。終わり方も色々あって、お兄様ルートでもハッピーエンドとバッドエンドが用意されてたかな。バッドエンドではお母様が雇った刺客にお兄様が刺されて殺されちゃうんだ。」
「なっ…………」
ショックのあまり上手く言葉が出てこない。
ルーカスの話す「ルート」とか「攻略」とかの意味はイマイチよく分からないけれど、お兄様が死ぬと言われて平然としていられる訳がない。
ましてやそれがお母様の所為でなんて…………。
「……ね、ねえルーカス。それって昨夜見た夢なんじゃ?……それとも勉強のし過ぎで……」
「お姉様。僕も最初は信じられなかったよ。だけどね……いくら夢なら覚めろと願っても、もうこれは僕の夢なんかじゃなくて現実で、実際に起きている出来事で…………っていや、まてよ……まだストーリーが始まっていないから起きてはいないのか?」
ルーカスがなんだか独り言のようにブツブツと呟き出す。
ーーああ、こんなにも可愛くて成績優秀な弟なのにブツブツと独り言を言っている今の姿は、誰が見ても頭の弱い子にしか見えないだろうと思うと残念でならない。
私が複雑な表情で見つめているのに気づいたルーカスは、慌てた様子で身を乗り出した。
「と、とにかく!この世界は僕が前世でしていたゲームの世界なんだよっ!!」
鼻息荒く必死に訴えるルーカスはゼェーゼェーと呼吸を乱しながら涙目で私を見据える。
ーーそうなのよね。ルーカスが冗談でこんな事を言うなんて考えられないし。かと言って話しをそのまま信じるにしても非現実的過ぎるしーー。
「お姉様が信じられない気持ちもよく分かるよ。僕もね、正直戸惑ってる。でも、このゲームの事を思い出して良かったとも思ってるんだ。どうやら今はまだゲームが始まる前の時間軸みたいだかね。」
「え?それはどういう……?」
私の頭にハテナマークが沢山飛んでいるのを見て、ルーカスがニヤリと笑った。
「ふふふ。僕はね、どっぷりハマっていた推しの姿を求めて、小説や漫画等々のゲーム関連モノを読み漁ったんだ。確かその中のサイドストーリーによれば、ヒロインとお兄様が出会う前にお兄様の婚約者であるオリビア様が亡くなっている筈なんだよね。」
「えっ!?」
私の顔からサッと血の気が引くのを感じた。
オリビア様は公爵家の一人娘で、ブロンドがとても良く似合う綺麗な人だ。確かお兄様と同い年だったはず。
正義感が強くハキハキとものを言う所為か周りからは少々キツい性格だと思われがちだが、とても優しく、私を小さい頃からそれはそれは可愛がってくれている。
つい先日もお城に来たオリビア様とお茶を楽しんだばかりなのに。
「なんでオリビア様が死ぬのよ!?」
私は思わずルーカスの両肩を掴みグイッと顔を近づけた。
ルーカスが目を見開き、私からサッと顔を逸らす。
「ちょっ、お姉様!顔が近いよっ!!」
「あ、ごめん……。」
顔を逸らしたまま何故か耳が赤いルーカスに言われて我に返った私はパッと手を離した。
ちょっと前までは「お姉様~」と言いながらルーカスの方から抱きついてきていたのに……思春期かしら。って違う違う。
今はそんな事より、オリビア様の事よ!
「どうしてオリビア様が?病気?でも先日お会いした時はとても元気だったわ。…………まさか……まさかね。」
「ううん、お姉様。残念だけど、そのまさかだよ。オリビア様は王家主催のお茶会に参加して毒殺されたんだ。小説にはお母様が首謀者だって書いてあったのを覚えてる。」
「……!!!」
叫びそうになった口を必死に両手で押さえてなんとか堪えだけれど、ショックを受け過ぎて気が遠のきそうだ。
「あの人、今まで王家に関心なんて全く無かったのになんで……。」
「ほら先日にお兄様が成人したでしょ?きっとそれで隣国かなんかが焦っちゃったんじゃないの?お母様ってお兄様を……っていうかこの国の王族を嫌ってるし、上手いこと言われて利用されてるんだよ。」
ーーなんてことだ。今まで無関心だったのなら、これからも私達に関わる事無くいてくれればいいのに。
沸々と怒りが込み上げる中、私はふと重要な事を思い出した。
「…………ねえ、5日後にお城でお茶会があるわよね?もしかして……それが?」
ルーカスの反応を確かめる為にジッと見つめると、視線に気づいたルーカスは不敵にニヤッと笑って私を見つめ返す。
「正解。つまりこのお茶会で起こる事件を阻止さえすれば、オリビア様を助けられるって事さ。」
ーー助けられる。
この時、不敵に笑ったままコクンと頷いたルーカスに、私は一筋の希望の光を見た気がした。
「なんですって!?」
話しの最後にとんでもない事を口にしたルーカスは「う~ん」と首を傾げながら腕を組んで悩み出した。
「僕の推しはヒロインじゃなかったからさぁ、ヒロインが誰とくっつこうが興味が無かったんだよね。だからストーリー展開とかも結構うろ覚えっていうか……あ、でもね、お兄様はイケメンで割と好きだったから、推しを見たくてお兄様とヒロインのルートをよく選んで攻略してたんだよ。終わり方も色々あって、お兄様ルートでもハッピーエンドとバッドエンドが用意されてたかな。バッドエンドではお母様が雇った刺客にお兄様が刺されて殺されちゃうんだ。」
「なっ…………」
ショックのあまり上手く言葉が出てこない。
ルーカスの話す「ルート」とか「攻略」とかの意味はイマイチよく分からないけれど、お兄様が死ぬと言われて平然としていられる訳がない。
ましてやそれがお母様の所為でなんて…………。
「……ね、ねえルーカス。それって昨夜見た夢なんじゃ?……それとも勉強のし過ぎで……」
「お姉様。僕も最初は信じられなかったよ。だけどね……いくら夢なら覚めろと願っても、もうこれは僕の夢なんかじゃなくて現実で、実際に起きている出来事で…………っていや、まてよ……まだストーリーが始まっていないから起きてはいないのか?」
ルーカスがなんだか独り言のようにブツブツと呟き出す。
ーーああ、こんなにも可愛くて成績優秀な弟なのにブツブツと独り言を言っている今の姿は、誰が見ても頭の弱い子にしか見えないだろうと思うと残念でならない。
私が複雑な表情で見つめているのに気づいたルーカスは、慌てた様子で身を乗り出した。
「と、とにかく!この世界は僕が前世でしていたゲームの世界なんだよっ!!」
鼻息荒く必死に訴えるルーカスはゼェーゼェーと呼吸を乱しながら涙目で私を見据える。
ーーそうなのよね。ルーカスが冗談でこんな事を言うなんて考えられないし。かと言って話しをそのまま信じるにしても非現実的過ぎるしーー。
「お姉様が信じられない気持ちもよく分かるよ。僕もね、正直戸惑ってる。でも、このゲームの事を思い出して良かったとも思ってるんだ。どうやら今はまだゲームが始まる前の時間軸みたいだかね。」
「え?それはどういう……?」
私の頭にハテナマークが沢山飛んでいるのを見て、ルーカスがニヤリと笑った。
「ふふふ。僕はね、どっぷりハマっていた推しの姿を求めて、小説や漫画等々のゲーム関連モノを読み漁ったんだ。確かその中のサイドストーリーによれば、ヒロインとお兄様が出会う前にお兄様の婚約者であるオリビア様が亡くなっている筈なんだよね。」
「えっ!?」
私の顔からサッと血の気が引くのを感じた。
オリビア様は公爵家の一人娘で、ブロンドがとても良く似合う綺麗な人だ。確かお兄様と同い年だったはず。
正義感が強くハキハキとものを言う所為か周りからは少々キツい性格だと思われがちだが、とても優しく、私を小さい頃からそれはそれは可愛がってくれている。
つい先日もお城に来たオリビア様とお茶を楽しんだばかりなのに。
「なんでオリビア様が死ぬのよ!?」
私は思わずルーカスの両肩を掴みグイッと顔を近づけた。
ルーカスが目を見開き、私からサッと顔を逸らす。
「ちょっ、お姉様!顔が近いよっ!!」
「あ、ごめん……。」
顔を逸らしたまま何故か耳が赤いルーカスに言われて我に返った私はパッと手を離した。
ちょっと前までは「お姉様~」と言いながらルーカスの方から抱きついてきていたのに……思春期かしら。って違う違う。
今はそんな事より、オリビア様の事よ!
「どうしてオリビア様が?病気?でも先日お会いした時はとても元気だったわ。…………まさか……まさかね。」
「ううん、お姉様。残念だけど、そのまさかだよ。オリビア様は王家主催のお茶会に参加して毒殺されたんだ。小説にはお母様が首謀者だって書いてあったのを覚えてる。」
「……!!!」
叫びそうになった口を必死に両手で押さえてなんとか堪えだけれど、ショックを受け過ぎて気が遠のきそうだ。
「あの人、今まで王家に関心なんて全く無かったのになんで……。」
「ほら先日にお兄様が成人したでしょ?きっとそれで隣国かなんかが焦っちゃったんじゃないの?お母様ってお兄様を……っていうかこの国の王族を嫌ってるし、上手いこと言われて利用されてるんだよ。」
ーーなんてことだ。今まで無関心だったのなら、これからも私達に関わる事無くいてくれればいいのに。
沸々と怒りが込み上げる中、私はふと重要な事を思い出した。
「…………ねえ、5日後にお城でお茶会があるわよね?もしかして……それが?」
ルーカスの反応を確かめる為にジッと見つめると、視線に気づいたルーカスは不敵にニヤッと笑って私を見つめ返す。
「正解。つまりこのお茶会で起こる事件を阻止さえすれば、オリビア様を助けられるって事さ。」
ーー助けられる。
この時、不敵に笑ったままコクンと頷いたルーカスに、私は一筋の希望の光を見た気がした。
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