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別荘暮らしってホント最高!!

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父様の気が変わらないうちに、私は早々と別荘に籠った。


マリアと湖まで散歩したり、水辺でクロと遊んだり。
庭では、お爺ちゃんが改良に改良を重ねて作ってくれた、安全性抜群のブレーキ付きキックボードを乗り回し。

お爺ちゃんと一緒に花を植えたり、庭の片隅ではちょっとした野菜やイチゴまで育てている。




「おじいちゃん、出来た?」

庭の片隅にあるお爺ちゃんの作業小屋をピョコッと覗けば、机に向かって黙々と作業しているお爺ちゃんが視界に入る。

お爺ちゃんは手を止め私を見ると、ニヤッと笑って頼んでおいた品物を差し出してくれた。

「バッチリですぞ。」

お爺ちゃんの顔の怖さは相変わらずで、ニヤッと笑われると、お爺ちゃんの顔を見慣れている私でさえちょっとドキッとしてしまう。

「ありがとう!」

お礼を言って差し出された物を受け取ると、それは注文した通りの見事な出来栄えだった。

「しかし、そんな物で一体何を作るんですかな?さっぱり見当が付かん。」

「うふふ~。これで、べっこう飴を作るの。」


そう!お爺ちゃんに頼んであったのは、べっこう飴の型。
別に型が無くたって出来るけど、やっぱりこういうのは見た目も肝心じゃない?

星とかハートとか色々な形のべっこう飴って可愛いよね。

お爺ちゃんに紙に形を描いてお願いしたら、特殊な柔らかい板?( シリコンみたいだけどこの世界にあるのかな )みたいな物で見事に作ってくれた。

……お爺ちゃん、もはや凄腕の職人さんだよ。庭師なんかやっていていいんですか。

「おじいちゃん、材料は持ってきたから、ここで作っていい?」

「勿論、いいですぞ。」

私が机に材料を置くのを、興味津々で見るお爺ちゃん。
でも、材料が小鍋と砂糖だけだったから目を丸くしている。

「ん?これだけですか?」

「そうだよー。おじいちゃん、このお砂糖の量の四分の一くらいのお水くれる?あと、これを煮たいから火をつけてほしいの。」

小屋の隅にある小さなキッチンコンロに火をお願いすると、お爺ちゃんは魔法でサッとつけてくれた。
鍋に準備した砂糖にも魔法で水を注いでくれる。

ここでは生活魔法が当たり前で、生活する上で必要な火や水は簡単に誰でも魔法で出せる。
お風呂とかトイレとか、使う量が多いものは川や湖から浄水して水を引いているけどね。


鍋で砂糖を煮て、色がキツネ色に変わってきたら鍋を少しクルッと回して色ムラを無くす。色が均一になったら出来上がり。
手早く型に流し入れて、爪楊枝くらいの長さにカットしてある棒を刺し、少し待ったら完成だ。

「おおっ、見事ですな!こんな簡単に飴が出来るとは!」


思った以上に上手く出来たべっこう飴を、お爺ちゃん、クロ、マリアと一緒に仲良く食べた。


んー!美味しい!!
とっても懐かしい味がする。


みんなにも、大好評でした。
やったね!!


兄様達が別荘に来たら、また沢山作って一緒に食べよう。
兄様達も気に入ってくれるといいな!



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