戦国姫 (せんごくき)

メマリー

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第129話

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「終わったか」

短いため息をついて、段蔵が安堵していると

「これしきの火薬で、神が殺せるとでも思っているのか?」

大量の黒煙の中から、秀忠が無傷で現われた。

「くちゃ、くちゃ、ぺっ!死ね!!」

秀忠は口から何かを吐き出すと、横たわる段蔵に牙を剥いた。

ガシ!!

段蔵の頭部まであと数㎜というとこで、秀忠の牙がピタリと停止した。

「段蔵さんは殺させない」

鬼斬り丸の刃先で牙を食い止め、景虎が秀忠を睨みつける。

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