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第153話
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昨夜まで降り続いていた雨が嘘のような五月晴れの中、小鳥が賛美の歌を囀っている。
景虎は桃色のプライペートルーム専用羽織に身を包み、侍女に教えてもらった鈎編みで、襟巻を編んでいた。
子犬姿の雷電が、景虎の傍らで昏々と眠っている。寝息を立てる雷電の頭を優しく撫でながら、平和ってこういうことなのだろうと実感する。
「かわいい❤」
無邪気に前足で顔を掻く雷電を見て、ほくそ笑んでいると、廊下からドタバタと急ぎ気味の足音が聞こえ、パンと部屋の障子が勢いよく開いた。
「謙信様!なんですか、昼間からこの体たらくは!あ~あ、こんなに編んじゃって。三間(約5m50㎝)はあるじゃないですか!」
神五郎が部屋に入ってくるなり小言を放ち、眉間に皺を寄せて景虎の編んだ襟巻をつまみ上げた。
「今は、学問の時間じゃないのですか?」
神五郎はそう言って、目を細める。
「だってさぁ。勉強していると虎ちゃん、眠くなっちゃうんだもん」
景虎は口を尖らせて、伸びをする。
「また、そんな口の聴き方をして。自分のことを虎ちゃんって呼ばない!それに出家して、ご自分で謙信って名前変えたでしょ!」
景虎改め謙信は、憤慨する神五郎の鼻先に顔を近づけた。
「な・何ですか?」
家中に名高い越後随一と謳われる美貌が、鼻先に来られては堪らない。衆道の趣味の無い男どもでさえ、謙信の美しさに見とれるほどだった。謙信は十七歳という美の絶頂期。近習として長年仕えてきた神五郎とはいえ、さすがに照れる。
「強そうでしょ❤」
謙信が艶っぽい唇から白い歯を覗かせる。
景虎は桃色のプライペートルーム専用羽織に身を包み、侍女に教えてもらった鈎編みで、襟巻を編んでいた。
子犬姿の雷電が、景虎の傍らで昏々と眠っている。寝息を立てる雷電の頭を優しく撫でながら、平和ってこういうことなのだろうと実感する。
「かわいい❤」
無邪気に前足で顔を掻く雷電を見て、ほくそ笑んでいると、廊下からドタバタと急ぎ気味の足音が聞こえ、パンと部屋の障子が勢いよく開いた。
「謙信様!なんですか、昼間からこの体たらくは!あ~あ、こんなに編んじゃって。三間(約5m50㎝)はあるじゃないですか!」
神五郎が部屋に入ってくるなり小言を放ち、眉間に皺を寄せて景虎の編んだ襟巻をつまみ上げた。
「今は、学問の時間じゃないのですか?」
神五郎はそう言って、目を細める。
「だってさぁ。勉強していると虎ちゃん、眠くなっちゃうんだもん」
景虎は口を尖らせて、伸びをする。
「また、そんな口の聴き方をして。自分のことを虎ちゃんって呼ばない!それに出家して、ご自分で謙信って名前変えたでしょ!」
景虎改め謙信は、憤慨する神五郎の鼻先に顔を近づけた。
「な・何ですか?」
家中に名高い越後随一と謳われる美貌が、鼻先に来られては堪らない。衆道の趣味の無い男どもでさえ、謙信の美しさに見とれるほどだった。謙信は十七歳という美の絶頂期。近習として長年仕えてきた神五郎とはいえ、さすがに照れる。
「強そうでしょ❤」
謙信が艶っぽい唇から白い歯を覗かせる。
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