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二、優歌
4-1 天才は奇怪
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「は? アンタ誰やねん」
「話が違うじゃん」
坂野優歌に驚いたのは、まずその容姿だった。アクエクスだから、てっきり私と同じく少し暗めのアクアブルーの髪をしているのだと思ったら、まさか金色に染め上げられているとは。一つ括りにしてある。そして、潤んだ唇には煙草が咥えられている。スクールの制服は着崩しているし、私より二、三十センチ背が低いのに物凄い目つきで睨んでくるし。
そうか、この子は私と真逆だ。
どれだけ成績を落とそうとしても落とすことができない忌々しい才を持って生まれたアクエクス。「魂契」を必ず拒絶するため、〈黒犬〉を目指すしかなくなり、どんどんやる気がなくなってくる。これがスクール時代の私だった。しかし、優歌ちゃんは違う。彼女は反発しているのだ。この不条理な世界に。
優歌ちゃんと共に私を待っていたのは、セロッドの総司令かつ、スクール時代の大好きな同期の親友である俯業咲葉だった。四年間の地獄から救ってくれた──いや、その地獄を一緒に生き伸びた戦友だ。私も詳しい事情は知らないけど、血筋か何かの都合で六歳の頃からセロッドの司令をしていた。咲葉は何やら私に耳打ちしてきた。
「話が違うじゃん」
坂野優歌に驚いたのは、まずその容姿だった。アクエクスだから、てっきり私と同じく少し暗めのアクアブルーの髪をしているのだと思ったら、まさか金色に染め上げられているとは。一つ括りにしてある。そして、潤んだ唇には煙草が咥えられている。スクールの制服は着崩しているし、私より二、三十センチ背が低いのに物凄い目つきで睨んでくるし。
そうか、この子は私と真逆だ。
どれだけ成績を落とそうとしても落とすことができない忌々しい才を持って生まれたアクエクス。「魂契」を必ず拒絶するため、〈黒犬〉を目指すしかなくなり、どんどんやる気がなくなってくる。これがスクール時代の私だった。しかし、優歌ちゃんは違う。彼女は反発しているのだ。この不条理な世界に。
優歌ちゃんと共に私を待っていたのは、セロッドの総司令かつ、スクール時代の大好きな同期の親友である俯業咲葉だった。四年間の地獄から救ってくれた──いや、その地獄を一緒に生き伸びた戦友だ。私も詳しい事情は知らないけど、血筋か何かの都合で六歳の頃からセロッドの司令をしていた。咲葉は何やら私に耳打ちしてきた。
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