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第二十五話 黒田屋敷
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かつて広家初陣の折に縁があった、杉原家抱える外聞衆の一人佐田甚五郎。
杉原家は盛重死後にお家騒動、内通の嫌疑により取り潰されていた。
そして盛重三男の景保や、外聞衆の一部は吉川家が引き継ぎ、抱えていた。
現在甚五郎は吉川家で抱える外聞衆を束ねている。
その甚五郎を連れだった広家は天満にある黒田屋敷へ向かう。
日中の喧騒に隠れていた虫の声が耳につき、何処かで寝起きの梟が欠伸をする。
黒田屋敷に着いた頃、日は完全に落ちていた。
甚五郎が屋敷の門を叩く。
「御免。
夜分に御免なれ。
これに参るは毛利家家老、吉川出雲侍従広家なり。
黒田家御家老殿に大事の用なり」
門がゆっくりと開かれた。
篝火に照らされた広家の顔を見て、出迎えた大柄な男は驚いた表情をした。
「これは出雲侍従殿。
突然のご来訪、いかがされましたか」
「菅殿か。
夜分に御免なれ」
出迎えたのは黒田家重臣の菅忠利。
身の丈は六尺を越え、孝高の頃より仕えている。
当然九州征伐や文禄・慶長の役にも参戦しており、広家と面識もある。
「なんのなんの。
出雲侍従殿の来訪であれば、子の刻(午前零時頃)であっても歓迎いたしますぞ。
しかし奇遇でございます。
実は拙者も出雲侍従殿に用ありまして、明日出雲侍従殿のお屋敷に伺う心積もりでありました」
屋敷を案内されながらの会話、広家は怪訝な顔をした。
「はて、菅殿が儂に用とな」
豪勇揃いの黒田家中にありながら、赤備えを許される猛将は呵々と笑う。
「いやいや。
実は拙者も主君甲斐守様と共に会津に向かっておったのですが、殿より出雲侍従殿宛の書を預かりましてな。
今日の夕刻、この大坂に着いた所です」
この忠利は長政と歳が近い事もあって、今だ孝高の影響力が強い黒田家中においても、長政に近しい。
長政にとっては、言わば腹心と呼べる人物だった。
それ程の人物を遣いに寄越したという事は、何か大事の用なのであろう。
「それはご苦労されましたな」
灯明が灯る室内に通され、向き合って座ると忠利から話を切り出した。
「出雲侍従殿が参られたのは石田治部の件でありましょう。
しかし拙者が殿から使いを言い渡された時点では、石田治部の挙兵の報せは受けておりませんでした。
道中では得られる情報も少なく、畿内は如何なる情勢なのでありましょうか」
日中の酷暑が嘘のように、冷涼な夜風が二人の間を横切る。
「儂が知り得た話では宇喜多中納言、大谷刑部が治部に呼応する。
宇喜多中納言は血は繋がらずとも、大阪のご幼君のご一門。
治部がここ大坂に上坂し、ご幼君を奉るとすれば天下の大義は治部の元にあり、そう考える者は今後増えましょう」
薄明かりの中、忠利の眼光が鋭く光る。
「何と宇喜多中納言殿に大谷刑部殿が……
して出雲侍従殿のお考えは如何に。
治部に味方するという宇喜多中納言と言えば、出雲侍従殿の亡き奥方の弟に当たる御仁ですが……」
「菅殿」
広家は大きく頭を振る。
「それとこれは別。
儂ら武士の大義は主家の為。
その上で儂の考えは一つ。
毛利は内府にお味方する」
「確かでございますな」
忠利が念を押す。
「無論。
今夜、それを伝える為に参り申した」
黒田家が三成に味方する事は考えられなかった。
三成が蟄居する直前、大坂の石田屋敷が豊臣恩顧の七将に襲撃される事件が起きていた。
家康が仲裁し、三成が蟄居を落とし所として落ち着いたこの事件だが、その七将の中心となったのが長政本人でもあったのだ。
忠利は大きく息を吐き、安堵の表情を浮かべた。
「安心いたしました。
甲斐守様も、如水様も治部に味方する事は毛頭ないでしょう。
加えて何かある毎に『出雲殿、出雲殿』と、出雲侍従殿を気にされております故、敵として相対するのは望んでおりませぬ」
広家は鼻先を掻いた。
そしてその心中を隠す様に尋ねた。
「しかして、甲斐守殿から儂宛の書とは」
すると忠利の表情が再び険しくなった。
この者は書の内容と意味を知っている。
広家は直感した。
「暫しお待ちあれ」
そう言って忠利は室を出る際、再び室に入る採用、人の気配を探るように繰り返し周囲を見渡す。
その様子を見て広家の直感が確信へと変わる。
「余程の大事……でありますな」
忠利は黙って二人の間に灯明皿を置き、書状を差し出した。
広家は目を細めて照らされた文を読む。
文を読むにつれ、広家の眼は見開かれ、眉間に皺が寄る。
書状にかく記された。
会津を目前にした折、父如水より激励の書状が届きました。
しかしそこに、気になる選奨がありました。
曰く、
『会津は功を焦る事無く、内府を側にお支えせよ。
その頃には畿内において、天下を賑わす催しが起こるに違いない。
儂も九州達と共に見物に上がる由、そこで東国の戦利として脇差しの一振りでも見せなさい。
だがくれぐれも、儂が上方に上がるより先に催しを納める事のないように。
ゆるりゆるりと催しを愉しむように』
如水の事なので、天下を賑わす催しとは即ち騒乱の暗喩ではないかと気にしております。
特に蟄居しているとは言え、石田治部は近江佐和山にあり、よからぬ兆候を察知しているのかもしれませぬ。
しかしながら朝鮮の役より日もまだ浅く、領民は疲弊しております。
この騒乱は防げぬものか。
防げぬものなら、如水が言う様なゆるりと長引かせてはならぬもの、と考えております。
出雲侍従殿はどの様にお考えになりますでしょうか。
「甲斐守様は拙者を遣わす折、人払いをしてこう申されました。
如水様が何をお考えかはわからぬが、九州の民に限らず、日ノ本の民は長きに渡る戦乱に疲れておる。
天下に覇を唱える野望などなく、天下安寧なるならば黒田はその功臣とならん。
無益、無慈悲なる戦火は避けるべきである。
忠利一人にこの事を話し、出雲侍従殿に遣わすのは他の重臣には話せぬからだ。
一早い天下安寧の為ならば、如水様の意向は慮外に捨て去る、と」
広家は言葉を聞きながら、何度も書を読み返す。
書状に書かれた天下を“賑わす催し“は既に起きている。
それ即ち三成挙兵。
いや、如水はあるいはそれ以上の騒乱を予期しているのかもしれない。
そしてその長期化を望む理由を考えた時、広家は改めて三成に付く危険を確認するのだった。
「菅殿、よくぞ知らせてくれた。
甲斐守殿の心中は解しました。
しかしこの書が残れば、後々黒田家の騒動の種になるやも知れぬ。
儂の胸にしかと刻み、灰としましょう」
正忠を通じて伝えた長政の決意は、父如水との決別も辞さぬ覚悟でもあった。
家督こそ長政に譲られた黒田家だが、如水の影響力は今だ健在。
そして家臣団の力も非常に強い。
如水との決別の意思が明るみに出れば黒田家は二つに割れる事になりかねない。
だからこそ会津での戦いを目前にしながらも、自身に最も近く、信を置く腹心の正忠を使わしたのだろう。
広家は灯明皿に、細く丸めた書状を焚べた。
「出雲侍従殿、我ら黒田家は良くも悪しくも如水様の上げられた功が余りに大きく、伴って古参の家老衆の力も強うございます。
甲斐守様も気を強くしておられますが、出雲侍従殿からの文を読んでは励まされておられます。
何卒、今後ともよしなに」
そう言って正忠は深々と頭を下げた。
広家は恐縮して答える。
「それは儂とて同じ事。
毛利家は逆に黎明の家老衆が、特に黄梅院様が身罷られてから、かつての様な結束が弱まっている気がしておる。
この様な事は他家に話すべき事ではないのだが、家中に不穏な動きを感じる事もあり、今夜参った。
甲斐守殿には、儂の方こそ頼りにしている、とお伝え願いたい」
杉原家は盛重死後にお家騒動、内通の嫌疑により取り潰されていた。
そして盛重三男の景保や、外聞衆の一部は吉川家が引き継ぎ、抱えていた。
現在甚五郎は吉川家で抱える外聞衆を束ねている。
その甚五郎を連れだった広家は天満にある黒田屋敷へ向かう。
日中の喧騒に隠れていた虫の声が耳につき、何処かで寝起きの梟が欠伸をする。
黒田屋敷に着いた頃、日は完全に落ちていた。
甚五郎が屋敷の門を叩く。
「御免。
夜分に御免なれ。
これに参るは毛利家家老、吉川出雲侍従広家なり。
黒田家御家老殿に大事の用なり」
門がゆっくりと開かれた。
篝火に照らされた広家の顔を見て、出迎えた大柄な男は驚いた表情をした。
「これは出雲侍従殿。
突然のご来訪、いかがされましたか」
「菅殿か。
夜分に御免なれ」
出迎えたのは黒田家重臣の菅忠利。
身の丈は六尺を越え、孝高の頃より仕えている。
当然九州征伐や文禄・慶長の役にも参戦しており、広家と面識もある。
「なんのなんの。
出雲侍従殿の来訪であれば、子の刻(午前零時頃)であっても歓迎いたしますぞ。
しかし奇遇でございます。
実は拙者も出雲侍従殿に用ありまして、明日出雲侍従殿のお屋敷に伺う心積もりでありました」
屋敷を案内されながらの会話、広家は怪訝な顔をした。
「はて、菅殿が儂に用とな」
豪勇揃いの黒田家中にありながら、赤備えを許される猛将は呵々と笑う。
「いやいや。
実は拙者も主君甲斐守様と共に会津に向かっておったのですが、殿より出雲侍従殿宛の書を預かりましてな。
今日の夕刻、この大坂に着いた所です」
この忠利は長政と歳が近い事もあって、今だ孝高の影響力が強い黒田家中においても、長政に近しい。
長政にとっては、言わば腹心と呼べる人物だった。
それ程の人物を遣いに寄越したという事は、何か大事の用なのであろう。
「それはご苦労されましたな」
灯明が灯る室内に通され、向き合って座ると忠利から話を切り出した。
「出雲侍従殿が参られたのは石田治部の件でありましょう。
しかし拙者が殿から使いを言い渡された時点では、石田治部の挙兵の報せは受けておりませんでした。
道中では得られる情報も少なく、畿内は如何なる情勢なのでありましょうか」
日中の酷暑が嘘のように、冷涼な夜風が二人の間を横切る。
「儂が知り得た話では宇喜多中納言、大谷刑部が治部に呼応する。
宇喜多中納言は血は繋がらずとも、大阪のご幼君のご一門。
治部がここ大坂に上坂し、ご幼君を奉るとすれば天下の大義は治部の元にあり、そう考える者は今後増えましょう」
薄明かりの中、忠利の眼光が鋭く光る。
「何と宇喜多中納言殿に大谷刑部殿が……
して出雲侍従殿のお考えは如何に。
治部に味方するという宇喜多中納言と言えば、出雲侍従殿の亡き奥方の弟に当たる御仁ですが……」
「菅殿」
広家は大きく頭を振る。
「それとこれは別。
儂ら武士の大義は主家の為。
その上で儂の考えは一つ。
毛利は内府にお味方する」
「確かでございますな」
忠利が念を押す。
「無論。
今夜、それを伝える為に参り申した」
黒田家が三成に味方する事は考えられなかった。
三成が蟄居する直前、大坂の石田屋敷が豊臣恩顧の七将に襲撃される事件が起きていた。
家康が仲裁し、三成が蟄居を落とし所として落ち着いたこの事件だが、その七将の中心となったのが長政本人でもあったのだ。
忠利は大きく息を吐き、安堵の表情を浮かべた。
「安心いたしました。
甲斐守様も、如水様も治部に味方する事は毛頭ないでしょう。
加えて何かある毎に『出雲殿、出雲殿』と、出雲侍従殿を気にされております故、敵として相対するのは望んでおりませぬ」
広家は鼻先を掻いた。
そしてその心中を隠す様に尋ねた。
「しかして、甲斐守殿から儂宛の書とは」
すると忠利の表情が再び険しくなった。
この者は書の内容と意味を知っている。
広家は直感した。
「暫しお待ちあれ」
そう言って忠利は室を出る際、再び室に入る採用、人の気配を探るように繰り返し周囲を見渡す。
その様子を見て広家の直感が確信へと変わる。
「余程の大事……でありますな」
忠利は黙って二人の間に灯明皿を置き、書状を差し出した。
広家は目を細めて照らされた文を読む。
文を読むにつれ、広家の眼は見開かれ、眉間に皺が寄る。
書状にかく記された。
会津を目前にした折、父如水より激励の書状が届きました。
しかしそこに、気になる選奨がありました。
曰く、
『会津は功を焦る事無く、内府を側にお支えせよ。
その頃には畿内において、天下を賑わす催しが起こるに違いない。
儂も九州達と共に見物に上がる由、そこで東国の戦利として脇差しの一振りでも見せなさい。
だがくれぐれも、儂が上方に上がるより先に催しを納める事のないように。
ゆるりゆるりと催しを愉しむように』
如水の事なので、天下を賑わす催しとは即ち騒乱の暗喩ではないかと気にしております。
特に蟄居しているとは言え、石田治部は近江佐和山にあり、よからぬ兆候を察知しているのかもしれませぬ。
しかしながら朝鮮の役より日もまだ浅く、領民は疲弊しております。
この騒乱は防げぬものか。
防げぬものなら、如水が言う様なゆるりと長引かせてはならぬもの、と考えております。
出雲侍従殿はどの様にお考えになりますでしょうか。
「甲斐守様は拙者を遣わす折、人払いをしてこう申されました。
如水様が何をお考えかはわからぬが、九州の民に限らず、日ノ本の民は長きに渡る戦乱に疲れておる。
天下に覇を唱える野望などなく、天下安寧なるならば黒田はその功臣とならん。
無益、無慈悲なる戦火は避けるべきである。
忠利一人にこの事を話し、出雲侍従殿に遣わすのは他の重臣には話せぬからだ。
一早い天下安寧の為ならば、如水様の意向は慮外に捨て去る、と」
広家は言葉を聞きながら、何度も書を読み返す。
書状に書かれた天下を“賑わす催し“は既に起きている。
それ即ち三成挙兵。
いや、如水はあるいはそれ以上の騒乱を予期しているのかもしれない。
そしてその長期化を望む理由を考えた時、広家は改めて三成に付く危険を確認するのだった。
「菅殿、よくぞ知らせてくれた。
甲斐守殿の心中は解しました。
しかしこの書が残れば、後々黒田家の騒動の種になるやも知れぬ。
儂の胸にしかと刻み、灰としましょう」
正忠を通じて伝えた長政の決意は、父如水との決別も辞さぬ覚悟でもあった。
家督こそ長政に譲られた黒田家だが、如水の影響力は今だ健在。
そして家臣団の力も非常に強い。
如水との決別の意思が明るみに出れば黒田家は二つに割れる事になりかねない。
だからこそ会津での戦いを目前にしながらも、自身に最も近く、信を置く腹心の正忠を使わしたのだろう。
広家は灯明皿に、細く丸めた書状を焚べた。
「出雲侍従殿、我ら黒田家は良くも悪しくも如水様の上げられた功が余りに大きく、伴って古参の家老衆の力も強うございます。
甲斐守様も気を強くしておられますが、出雲侍従殿からの文を読んでは励まされておられます。
何卒、今後ともよしなに」
そう言って正忠は深々と頭を下げた。
広家は恐縮して答える。
「それは儂とて同じ事。
毛利家は逆に黎明の家老衆が、特に黄梅院様が身罷られてから、かつての様な結束が弱まっている気がしておる。
この様な事は他家に話すべき事ではないのだが、家中に不穏な動きを感じる事もあり、今夜参った。
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