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第1章
犬も走れば、フラグにぶち当たりましてよ!
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ーコツコツコツコツ。
私は今、無言で大理石の廊下を歩いていますの。少しでも急いで、教室に戻らなくてはいけませんわ!
困りましたわ・・・・余計な事ばかり起こるので、HRに遅刻してしまっていますわ。
入学早々、遅刻、さぼりだなんて高潔淑女なヴィクトリア・アクヤックには、あり得ません事よ!?
私、品性方向な悪役令嬢でしてよ?
ほんと、嫌な攻略対象に絡まれるは、ハンスはヒロインとフラグを立てるは・・・・散々でしてよ!?
こうも、次々余計な事が起こるだなんて・・・・私、呪われているのかしら? 誰に? 運営に?
私が、運営に何をしたっていうのかしら!? ハンス攻略に勤しんでるだけじゃない!
攻略対象との絡みはいらないから、もっとハンスとのラブロマンスを寄越しなさい!
ああ・・・・本当に腹立たしいですわ!
「お嬢様、何をそんなに怒っていらっしゃるのですか?」
「煩くってよ。ハンス。黙って足を動かしなさい」
ハンスが、おろおろとしながら私に話かけてきますわ。
何を怒っているかですって?
決まってるでしょう?
先程起こった、貴方のイベントに関してでしてよ!
貴方が、うっかり・・・・ヒロインとフラグなんて立てるからですわ!私とのフラグはないのに!!
だから、私憤慨してますのよ!?
それもわからないなんて!本当にハンスは、鈍感な分からず屋ですわね!!
ーええ、私の勝手な嫉妬ですわよ。
まったく私に靡かない貴方が、人たらしなヒロインと接触してるだなんて・・・・気が気でなくってよ!
貴方・・・・私には、鉄壁ディフェンスを誇る癖に、よもやヒロインに絆されてなどいないでしょうね!?
ちょっと介抱されたから落ちるなんて……チョロンスすぎますわよ!相手によって攻略難易度が違うなんて…私納得いかなくってよ!!
しかも「可愛らしいご令嬢」ですって?
貴方……私の事、一度でも褒め讃えた事がありまして?
褒め讃えるどころか、残念と慈愛が満ちた瞳で私を見つめますわよね!?
この、美しく気高き高嶺な花なヴィクトリア・アクヤックを、そのような目で見るなんて、ハンス……貴方の目は節穴ですわ!!
そうね、その節穴……拡張すれば、私の事も良く見えまして?
ふふふ。この形状記憶型高性能ドリルで、拡張して差し上げても良くってよ!ハンス!!
「お嬢様」
「煩いわ。おだまり。チョロンス。ドリルるわよ!」
「チョロンス!? ドリルる!?」
ハンスが、びくつきましたわ。
ふん。私を不快にさせるのが悪いのですわ。
もっと私の事で、困ればいいのですわ。
……でも、あまり困らせるのもいけませんわよね。
完全な私の八つ当たりですもの。
何より、私がハンスよりお兄様を優先したのがいけなかったのですわ。
ハンスが、「私は大丈夫ですので、ブルーテス様の元に……」っと微笑んだのを鵜呑みにして。
ハンスの痩せ我慢に、気付けなかった私が一番悪い。
ちゃんと謝るべきだわ。
「ハンス、ごめんなさい。私の八つ当たりでしたわ……」
「……お嬢様」
立ち止まり、ハンスと向き合う。頭を下げますわ。悪い事をしたら、ちゃんとごめんなさい。精神誠意を持って謝らなくてはいけませんわ。
「わかってますよ。お嬢様」
ハンスの優しい声がしますわ。
私、やっぱり……この声が好きですわ。
くしゃりと、ハンスの大きな手が私の頭に触れるのを感じましたの。
「俺……私は、大人ですから。わかってますよ」
「…………なによそれ」
それって私が、こどもだって事ですわよね?
せっかく謝ったというのに……どうしてかしら。
またムカムカと腹立たしく感じてきましてよ……
「ハンス、貴方……私をこども扱いしてらして? 」
「え? あっ、いや……そういうわけじゃ……わけではないでますです」
「しどろもどろになってるじゃないですの! 目も盛大に泳いでいましてよ! 」
なんですの! 少しいい雰囲気になったかしら?っと思えばこれですわ! いつもいつもいつもいつも……いつになれば、ハンスは私をちゃんと見てくれるのかしら!?
頭にきましたわ! もう、ハンスなんてほっといてさっさと教室に戻りますわ!
早足で廊下を歩きますのよ!
ハンスなんて、この学園迷宮で迷子になってしまえばいいのですわ!
急ぐ私に向かって…………ドドドドと何かが近づいてくる音がしましたの……
「危ない! お嬢様!! 」
「え? 」
ードゴッ!!
「きゃあ!? 」
「んぎゃ!! 」
曲がり角で、オレンジ色の何かが飛び出してきましたわ!
ハンスが私を抱き寄せてくれたので、間一髪ぶつからずにすんだけれど、危なかった!! 怖いですわ! えぇっ!?
何かしら!?
犬!?いのしし!?
突風のようにいきなりでしてよ!?
「ー良かった……お嬢様が無事で。ちゃんと周りを見て下さい。……俺が側にいたから良かったものの……」
「……ごめんなさい」
ドキドキと胸が音を立てていますわ。
あら? これってもしかして、ハンスとのフラグ? ラブロマ?
やっと私の願いが、運営様に届いたのね!! 感謝感激ですわ!!
「そこの君も大丈夫かい? 」
ソコのキミ?
あら、あのオレンジの塊は人でしたのね?
てっきり獣か何かかと思いましてよ?
「ーっ痛!………ってて! 」
パラパラと頭についた壁の粉を振り落とし、ソレがこちらに向き直りましたわ。
衝突した壁に、ヒビが入っていますわ。
恐ろしいですわ……ぶつかられたのが、もし私だったら……。
嫌ですわ! 私、断罪イベ前にご臨終だなんて笑えなくってよ!
「……大丈夫かしら」
「あー。大丈夫。俺、石頭だし。心配してくれてありがとな!ってむっちゃ美人!」
いえ、私が心配したのは壁の方なのですけど。
「無事そうで、何よりだ。廊下は走る場所ではないぞ? 気を付けろよ」
「あー悪ぃ。つい、焦って魔力がぼーそーしちまって」
はははと無邪気に笑うオレンジ頭………。何故かしら、妙に嫌な予感が胸の辺りでいたしますわ。
「俺、方向音痴でさ。式終わったあと、便所して戻ったら…教室の場所わかんなくなっちまって」
「探しまわってたら、焦ってつい魔力が暴走しちまったみたいだ」
「あんたも、危ない目ぇ合わせて悪かったな! 」
そう言って、オレンジが人懐っこい笑顔を浮かべ、こちらに手を差し出しますわ。
「俺は、レオニダス・フラム! 騎士を目指してる。属性は、風だ! 宜しくな! 」
キラッキラと笑顔を溢しながら、白い歯をニッと輝かせ、レオニダスが笑いかけてきますわ。
あーなるほど。そうくると思ってましてよ。ハンスラブロマで、すっかり騙されかけましたわ。運営が、悪役令嬢に優しい訳ないじゃありませんの!!
レオニダス・フラム……攻略対象ですわー。
おほほほほほほほほほほ。
3人目と遭遇。
運営は、鬼ね!!
私の感謝と感激を返して頂戴!
私は今、無言で大理石の廊下を歩いていますの。少しでも急いで、教室に戻らなくてはいけませんわ!
困りましたわ・・・・余計な事ばかり起こるので、HRに遅刻してしまっていますわ。
入学早々、遅刻、さぼりだなんて高潔淑女なヴィクトリア・アクヤックには、あり得ません事よ!?
私、品性方向な悪役令嬢でしてよ?
ほんと、嫌な攻略対象に絡まれるは、ハンスはヒロインとフラグを立てるは・・・・散々でしてよ!?
こうも、次々余計な事が起こるだなんて・・・・私、呪われているのかしら? 誰に? 運営に?
私が、運営に何をしたっていうのかしら!? ハンス攻略に勤しんでるだけじゃない!
攻略対象との絡みはいらないから、もっとハンスとのラブロマンスを寄越しなさい!
ああ・・・・本当に腹立たしいですわ!
「お嬢様、何をそんなに怒っていらっしゃるのですか?」
「煩くってよ。ハンス。黙って足を動かしなさい」
ハンスが、おろおろとしながら私に話かけてきますわ。
何を怒っているかですって?
決まってるでしょう?
先程起こった、貴方のイベントに関してでしてよ!
貴方が、うっかり・・・・ヒロインとフラグなんて立てるからですわ!私とのフラグはないのに!!
だから、私憤慨してますのよ!?
それもわからないなんて!本当にハンスは、鈍感な分からず屋ですわね!!
ーええ、私の勝手な嫉妬ですわよ。
まったく私に靡かない貴方が、人たらしなヒロインと接触してるだなんて・・・・気が気でなくってよ!
貴方・・・・私には、鉄壁ディフェンスを誇る癖に、よもやヒロインに絆されてなどいないでしょうね!?
ちょっと介抱されたから落ちるなんて……チョロンスすぎますわよ!相手によって攻略難易度が違うなんて…私納得いかなくってよ!!
しかも「可愛らしいご令嬢」ですって?
貴方……私の事、一度でも褒め讃えた事がありまして?
褒め讃えるどころか、残念と慈愛が満ちた瞳で私を見つめますわよね!?
この、美しく気高き高嶺な花なヴィクトリア・アクヤックを、そのような目で見るなんて、ハンス……貴方の目は節穴ですわ!!
そうね、その節穴……拡張すれば、私の事も良く見えまして?
ふふふ。この形状記憶型高性能ドリルで、拡張して差し上げても良くってよ!ハンス!!
「お嬢様」
「煩いわ。おだまり。チョロンス。ドリルるわよ!」
「チョロンス!? ドリルる!?」
ハンスが、びくつきましたわ。
ふん。私を不快にさせるのが悪いのですわ。
もっと私の事で、困ればいいのですわ。
……でも、あまり困らせるのもいけませんわよね。
完全な私の八つ当たりですもの。
何より、私がハンスよりお兄様を優先したのがいけなかったのですわ。
ハンスが、「私は大丈夫ですので、ブルーテス様の元に……」っと微笑んだのを鵜呑みにして。
ハンスの痩せ我慢に、気付けなかった私が一番悪い。
ちゃんと謝るべきだわ。
「ハンス、ごめんなさい。私の八つ当たりでしたわ……」
「……お嬢様」
立ち止まり、ハンスと向き合う。頭を下げますわ。悪い事をしたら、ちゃんとごめんなさい。精神誠意を持って謝らなくてはいけませんわ。
「わかってますよ。お嬢様」
ハンスの優しい声がしますわ。
私、やっぱり……この声が好きですわ。
くしゃりと、ハンスの大きな手が私の頭に触れるのを感じましたの。
「俺……私は、大人ですから。わかってますよ」
「…………なによそれ」
それって私が、こどもだって事ですわよね?
せっかく謝ったというのに……どうしてかしら。
またムカムカと腹立たしく感じてきましてよ……
「ハンス、貴方……私をこども扱いしてらして? 」
「え? あっ、いや……そういうわけじゃ……わけではないでますです」
「しどろもどろになってるじゃないですの! 目も盛大に泳いでいましてよ! 」
なんですの! 少しいい雰囲気になったかしら?っと思えばこれですわ! いつもいつもいつもいつも……いつになれば、ハンスは私をちゃんと見てくれるのかしら!?
頭にきましたわ! もう、ハンスなんてほっといてさっさと教室に戻りますわ!
早足で廊下を歩きますのよ!
ハンスなんて、この学園迷宮で迷子になってしまえばいいのですわ!
急ぐ私に向かって…………ドドドドと何かが近づいてくる音がしましたの……
「危ない! お嬢様!! 」
「え? 」
ードゴッ!!
「きゃあ!? 」
「んぎゃ!! 」
曲がり角で、オレンジ色の何かが飛び出してきましたわ!
ハンスが私を抱き寄せてくれたので、間一髪ぶつからずにすんだけれど、危なかった!! 怖いですわ! えぇっ!?
何かしら!?
犬!?いのしし!?
突風のようにいきなりでしてよ!?
「ー良かった……お嬢様が無事で。ちゃんと周りを見て下さい。……俺が側にいたから良かったものの……」
「……ごめんなさい」
ドキドキと胸が音を立てていますわ。
あら? これってもしかして、ハンスとのフラグ? ラブロマ?
やっと私の願いが、運営様に届いたのね!! 感謝感激ですわ!!
「そこの君も大丈夫かい? 」
ソコのキミ?
あら、あのオレンジの塊は人でしたのね?
てっきり獣か何かかと思いましてよ?
「ーっ痛!………ってて! 」
パラパラと頭についた壁の粉を振り落とし、ソレがこちらに向き直りましたわ。
衝突した壁に、ヒビが入っていますわ。
恐ろしいですわ……ぶつかられたのが、もし私だったら……。
嫌ですわ! 私、断罪イベ前にご臨終だなんて笑えなくってよ!
「……大丈夫かしら」
「あー。大丈夫。俺、石頭だし。心配してくれてありがとな!ってむっちゃ美人!」
いえ、私が心配したのは壁の方なのですけど。
「無事そうで、何よりだ。廊下は走る場所ではないぞ? 気を付けろよ」
「あー悪ぃ。つい、焦って魔力がぼーそーしちまって」
はははと無邪気に笑うオレンジ頭………。何故かしら、妙に嫌な予感が胸の辺りでいたしますわ。
「俺、方向音痴でさ。式終わったあと、便所して戻ったら…教室の場所わかんなくなっちまって」
「探しまわってたら、焦ってつい魔力が暴走しちまったみたいだ」
「あんたも、危ない目ぇ合わせて悪かったな! 」
そう言って、オレンジが人懐っこい笑顔を浮かべ、こちらに手を差し出しますわ。
「俺は、レオニダス・フラム! 騎士を目指してる。属性は、風だ! 宜しくな! 」
キラッキラと笑顔を溢しながら、白い歯をニッと輝かせ、レオニダスが笑いかけてきますわ。
あーなるほど。そうくると思ってましてよ。ハンスラブロマで、すっかり騙されかけましたわ。運営が、悪役令嬢に優しい訳ないじゃありませんの!!
レオニダス・フラム……攻略対象ですわー。
おほほほほほほほほほほ。
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