転生悪役令嬢の前途多難な没落計画

一花八華

文字の大きさ
17 / 113
第1章

お残しは、ゆるさなくってよ!

しおりを挟む

 私・・・・舐めてましたわ。

 学食って、量が半端無いのですわね。


 付け合せのサラダや添えられていたパスタ。バケットとスープで、お腹が既にはちきれそうでしてよ・・・・。

少なめにしていただいてましたけど、もっと減らすべきでしたわ。

「ヴィー大丈夫?」
「お嬢様。無理はなされないで下さい」
「ふふ。大丈夫よ。お残しなんてしないわ。そんな事をすれば、作ってくれた方や、私の為に命を散らした食材達に申し訳なくってよ」

そうよ。私、絶対お残しなんて致しませんわ。絶対に完食しましてよ。最後にクリームコロッケを残していますもの。

 最後に好きな物を食べて終わる。そのモチベーションさえあれば、私、頑張れますわ!

「ヴィクトリア。食べ切れないのか。仕方のない奴だな」

ーひょい。ぱく。

「え?」
「俺様が手伝ってやる。感謝しろ」

もくもくと口を動かすオズワルド俺様・・・・
私のお皿から消えたクリームコロッケ至宝

「何をなさいますのーーー!!この馬鹿皇子ーーー!!!」
「はっ!?誰が馬鹿だ!!お前っ!!」
「貴方の事がでしてよ!!なんて事をしますの!?私の・・・・私の・・・・私の最後のクリームコロッケが・・・・」
「腹がいっぱいだとか言うから、手伝ってやったんだろうが」
「あれは、最後の楽しみに取っておいたのですわ!」


酷い・・・・酷いですわ。オズワルド皇子貴方・・・・私に何の恨みがあって?

「どうせ食べるなら僕の野菜を食べてよ。オズ」

うんざりした顔で、腹黒が一向に減っていないサラダをつつきますわ。

「グレイ。一口も食べてないじゃないか」
「・・・・。」
「野菜嫌いなのかー?」
「別に。今はそんな気分じゃないだけ」

ハンスとレオニダスの言葉に、腹黒はしれっと返していますわ。
その割りに、ほんっとうに嫌そうな顔をしますわね。

「ご馳走様」
「グレイ?お前残すのかよ?」
「・・・・お金はちゃんと払ってるんだ。残そうがどうしようが僕の勝手だろ」

まぁ!貴方!だめよお残しなんて!

「ダメです!残すなんて!」

そうよ!

「食材にも、作ってくれた方にも失礼です!」

そう!感謝の心が足りなくってよ!腹黒!食べられる事が当たり前では、ないのですわ!

「嫌いな物も食べれないと。ほら、グレイ先輩。口を開けて下さい!」

「・・・・」

「先輩」

「わかったよ。ルビアナ嬢」

ーぱく。シャムシャム・・・・んぐ。

「うげっ。やっぱり生臭い」

口元を歪め思いっきり顔を顰めてますわ。

「ほら、ちゃんと食べれるじゃないですか。残りも頑張りましょう」

ルビアナ天使が、優しく微笑んでいますわ。ルビアナ・・・・悪魔を甘やかしてはだめよ。善意をどんな仇で返されるかわからないわ。

「ーん。じゃ。ルビアナ嬢食べさせて」
「へ?」
「え?だって今、食べさせてくれたじゃない。1度したなら、2度も3度も一緒だろ?」
「はひ?」

にこーっと腹黒が笑いながら、ルビアナの腕をガシッと捕まえましたわ。


ほら見なさい!やっぱり悪魔は悪魔ですわ!!

「ほら。食べさせてよ。あーん」

 顔を真っ赤にさせ目を回すルビアナを、悪魔は愉しそうに見つめていますわ!ほんっっとうに性格が悪すぎでしてよー!!!

「ほらグレイ。食え。俺様が直々に食わせてやる。ありがたいだろ」
「ちょっと。オズ。なんで君が」
「食事に時間がかかりすぎなんだよ。お前、これじゃ何時までたっても見回れないだろ」

 ぐぐぐと無理矢理に、悪魔の口をこじ開けますわ。グッジョブ!グッジョブでしてよ!オズワルド皇子!!


「男に食べさせられても、嬉しくないんだけど」
「でしたら、私が突っ込んで差し上げましょうか?」

オホホ。私も追い討ちをかけて差し上げてよ?


 うふふ。嫌がるグレイ様のお顔。あら、こうして見るとイケメンも割と悪くないわね。
嫌がる顔この顔は、嫌いでなくてよ?
オーッホッホッホッホッホ!!

「アクヤック嬢・・・・なぜこんな時に限って、僕の顔を頬を染めて見つめるんだい?」
「私、初めてグレイ様の顔が好ましく感じましたわ」
「へー。あまり嬉しく感じないのは何故だろう」

「なっ!?ヴィクトリア!お前までグレイの顔が好きなのか!お前もやっぱり美人美系がいいのか!?」

「いえ、私イケメン美系には、興味ありませんわよ?」

私が興味あるのは、ソコメンのハンスだけですわ。

「ああ。顔で靡くようなら、とっくに俺様に屈服してるか・・・・」
「自惚れもそこまでいくと、敬服に値しますわね」

「褒めるな。何もでんぞ」

褒めてませんわ。

そんな事より

「さぁ。グレイ様。お口をお開けになって。私自ら運んで差し上げますわ。ほら。あーん」

さぁ、もっと嫌がるお顔を私にお見せになって?

「嫌、ヴィクトリア!お前はしなくていい!これは、俺様の役目だ!」

くっ!オズワルド皇子!貴方もこの嫌がらせをやりたいのですわね!?取り合いですわ!負けませんわよ!!

「うーん。アクヤック嬢か。欲しい反応じゃないのがなー・・・・」
「あーでも」

 チラッと、ハンスとオズワルド皇子に目を向け、腹黒はふふっと笑いましたわ。

ナニを考えてらして?

「うん。アクヤック嬢食べさせてくれる?オズより君の方がいいや。あーん」

「グレイ!お前!!」

「そうですね。お嬢様。グレイ様に食べさせて差し上げましょう。まずは、私がお手本をお見せしますね」
「え?ハンス?ちょっと待って?君がまさかそんなはんの・・・・むっむぐぐぐっ」



ハンスの活躍で、無事お残しもなく皆が完食できましたわ。




 ああ。正直この面子で食事は、二度とごめんでしてよ。
しおりを挟む
感想 91

あなたにおすすめの小説

【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい

椰子ふみの
恋愛
 ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。  ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!  そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。  ゲームの強制力?  何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。

悪役令嬢の心変わり

ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。 7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。 そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス! カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!

転生ヒロインは悪役令嬢(♂)を攻略したい!!

弥生 真由
恋愛
 何事にも全力投球!猪突猛進であだ名は“うり坊”の女子高生、交通事故で死んだと思ったら、ドはまりしていた乙女ゲームのヒロインになっちゃった! せっかく購入から二日で全クリしちゃうくらい大好きな乙女ゲームの世界に来たんだから、ゲーム内で唯一攻略出来なかった悪役令嬢の親友を目指します!!  ……しかしなんと言うことでしょう、彼女が攻略したがっている悪役令嬢は本当は男だったのです! ※と、言うわけで百合じゃなくNLの完全コメディです!ご容赦ください^^;

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。 色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。 バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。 ※全4話。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら

渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!? このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!! 前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡ 「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」 ※※※ 現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。 今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました! ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

処理中です...