転生悪役令嬢の前途多難な没落計画

一花八華

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第1章

いただきますわ!

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 心踊るきつね色。ジュージューカラッとまぁるいフォルム。カリッと揚がったパン粉から・・・・漂う魅惑の油の香り。

うふふ。眼福ですわー!

ああ!私の愛しのクリームコロッケ!
料理長のカランが、私が食べ過ぎるから。っとなかなか作ってくれない幻のクリームコロッケ!
落ち込んだ時と、お祝い事の時にしか出てこないクリームコロッケを、ここで食べれるなんて!

ああ、これだけでアルファフォリスここに入学して良かったと思えますわ!

「お嬢様。好きだからといって、毎日クリームコロッケこれは、ダメですよ」

ーギクッ

「料理長に言われてますから。ちゃんと栄養バランスを考えて食べさせるようにと。何しろお嬢様は、気を抜くとブクブクと太りやすい体質なんですから・・・・」
「うっ・・・・うるさくってよ!ハンス!それくらいわかってましてよ!」

「なんだ。お前太りやすいのか。まあ、俺はお前が太ろうが痩せようが関係無いがな」
「私だって、貴方が太ろうが痩せようが、どちらでも宜しくってよ!」

「そうか。お前は、俺の見目だけで判断しないんだな。そうだよな。うん。そうだろうな。お前は・・・・」

いえ、本当に興味がないだけですわ。嫌味に嫌味で返した筈ですのに・・・・何故オズワルド皇子は、嬉しそうにされますの?

「ーぷっ。くくく」

そして、腹黒。貴方は、何が可笑しいのかしら?さっきから能面が取れてしまってますわよ?

化けの皮剥がれてきてますけど、宜しいの?

「皆揃ったな!よし!食べようぜ!俺もー待ちきれない!」

 円卓を囲んで、顔を合わせながらの食事ですわ。
私の横には、ハンスとルビアナ。ハンスの横にレオニダス。そして、私の正面にオズワルド皇子。ルビアナの横にグレイ様。


「食材と作ってくれた人に、心からの感謝を込めて」

ハンスの声に、皆が手を合わせ目を閉じますわ。

「「「いただきます」」」



「うまっ!やっぱ肉は、最高だな!」
「サーモンのムニエルも、香草がよく効いていて美味しいな。うん。サラダに使われているバジルドレッシングも美味い」

ガツガツと肉を口いっぱいに頬張るレオニダス。その横で優雅に食事をするハンス。・・・・ハンスが美食家を気取っていますわ。

「ふん。オムライスはいつでも至高で最高だ」

お子ちゃまが何かおっしゃってますわね。

「…さいっっこうですわー。このふわっトロな食感。まったりと口の中で絡みつく、濃厚なホワイトソース。ああ。いっそソースの海に溺れてしまいたいですわ!」

うふふ。白く濃厚なソースに溺れたい。

「ホワイトソースに溺れたら・・・・ベトベトしてて気持ち悪いだろね」

グレイ様腹黒。人がせっかく至福な妄想に浸っているというのに・・・・余計な突っ込みを入れないで頂けるかしら?

「ルビアナ嬢。大丈夫かい?結構な量があるが・・・・」

 ハンスがルビアナに話かけますわ。そうね。学生食堂なだけあって、量が多いわね。小柄なルビアナは、食べ切れるのかしら?

チラリと見ると、ルビアナはその小さな口にモクモクとご飯を入れて、嬉しそうに食べていますわ。

ほっぺいっぱいに詰め込んで、にこにこ美味しそうに・・・・。
やだわ。リス・・・・リスがいるわ!
食べる姿まで愛らしいだなんて!!何この子!私、お持ち帰り希望ですわー!!

「ルビアナ嬢。幸せそうだな。邪魔すると悪い。話かけないでおくよ」

ハンスが苦笑しますわ。聞こえてないみたいね。

 ルビアナったら、頭の中・・・・ご飯でいっぱいなのね。それしか見えてないみたいだわ。

「食べるのが好きなんだね。ルビアナ嬢。僕のもどーぞ」

腹黒が自分のムニエルを切り分け、ルビアナの口元に運びますわ。え?それって・・・・

ぱく。

「おいしい?」
「はひ?」

「グレイ!お前っ!何を!?」
「何をって・・・・僕、あまり食べれないし。ルビアナ嬢は、食べる事好きみたいだからさ。僕の分も食べてもらおうかと思ったんだけど、オズ、そんなに声を荒らげて・・・・何か問題でも?」

「問題なら大ありだ!お前っそれじゃ間接キッ!!」
「ー間接キスくらいで騒いで・・・・オズはお子様だな。これくらい平気だよね?ルビアナ嬢?」

ニコッとルビアナの顔を覗き込むグレイ様腹黒。平気?大丈夫?ルビアナ?大丈夫ですの??

ーって、やっぱり息をしていませんわー!!!

「グレイ様!貴方、ルビアナになんの恨みがあって!?この子貴方が苦手でしてよ!あまりちょっかいかけないで下さるかしら!?」

「え?恨み?恨みかー。そうだね。いて言うなら、土壁の恨み?いや、単純に反応が面白いなーって」

「・・・・ルビアナは、貴方の玩具ではなくってよ!?」

「なら、君がなってくれる?アクヤック嬢。僕は君でもいいんだけれど?」

長い睫毛を瞬かせながら、灰紺の瞳でじっと見つめてきますわ。
 
ゾゾゾ。悪寒が走りましてよ!

「私だって、お断りですわー!!」

貴方の玩具でしたら、ヒロインがお勧めでしてよ!本当にヒロインったら!何処にいらっしゃるの!早くこの悪魔を引き取って頂戴!!

「グレイ!ヴィクトリアはダメだと前に言っただろ!!」
「そうだな。お嬢様だときっと手に余るだろう。玩具としては欠陥だらけだ・・・・返品交換もきかないし」

ハンス。聞き捨てならないわ。
欠陥品ってどういう事かしら。
あと、返品くらいは受け付けなさいよ!対応悪すぎですわよ!?

「すみません。つい口が滑りました。以後気を付けます」
「ハンス、思っていても・・・・口にしたら不味い事はあるぞ」
「へー。オズの口からそんな言葉がでるなんてね。オズもちゃんと成長してるんだね」

「間接キスくらいで騒いで。どうしたんだ?そんな事より、さっさと食べようぜ。他にも色々見て回りたいし」

食べおわったレオニダスが、ごちそーさん!っと手を合わせ、さっさと食器を片付けにいきますわ。

「はっ!私は・・・・いったい!?」

ルビアナも息を吹き返しましたわね。



 食事をするだけで、こんなに疲れるだなんて・・・・本当に攻略対象イケメンと関わると、禄な事がありませんわ。
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