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第1章
人には引けぬ戦いというものがあるのですわ!
しおりを挟む「メニューを告げて受け取りに行くんだよ。」
グレイ様が私達に、注文の仕方をレクチャー下さいますわ。
あら、給侍の者はいないのね。
「俺様も、最初はここのスタイルに苦労したな。」
「オズは、よくも悪くも皇子だからね。周りが勝手に動いちゃうから。」
「初めは戸惑うだろうが、自分でやるのは中々楽しいぞ。俺は今の生活が気に入っている。」
心から楽しんでいらっしゃるのね。オズワルド皇子のこういった素直な所は、好ましいと感じますわ。
「お勧めは?」
「日替わりランチでいいんじゃないかな?早く提供されるし。」
「俺様は、オムライスが食べたい。」
「俺は肉!肉がいい!」
「なら、俺とグレイは日替わり。オズワルドはオムライス。レオは焼き肉定食でいいな。お嬢様とルビアナ嬢は?」
「おい。ヴィクトリア!ルビアナ!お前等もさっさと決めろ。遅いぞ!」
「オズワルド皇子…貴方…ほんとレディの扱いがなってなくってよ。レディを急かすなんて、殿方の為さる事ではありませんわ。」
「レディ?何処にいるんだ?ああ、ルビアナの事か。そうだな。急かして悪かった。ルビアナ。」
「私にも謝りなさいよ!この山猿!」
「何故俺様が、お前に謝る必要がある!愚鈍な貴様が悪いのだろう!?」
「オズもアクヤック嬢も…落ち着いて。また魔力が暴走しちゃうよ?」
はっ!だめよ!こんな場所で魔力の暴走だなんて!!
水浸しだなんて洒落にならなくってよ!しかもオズワルド皇子の前でびしょ濡れ?
それは、ヒロインの役目ですわ!
乙女ゲームでありましたもの!
ヒロインが、私の意地悪でびしょ濡れに。オズワルド皇子がそれを目にするという、イベントが!!
濡れて透け透けになった制服。真っ赤になるオズワルド皇子。狼狽えるヒロインに、オズワルド皇子が自身の上着をソッとかけ、助けてくれますのよ?
私?私はごめんですわ。制服が濡れてスケスケな醜態なんて、二度とごめんでしてよ!
あ。私の場合、ハンスが助けてくれましたわ。
やはり、あれはイベントですわね。ハンスと私のフラグイベントですわ。ハンスが困ったような顔をしていたのが脳裏に焼き付いてますけど…。
おかしいわね。ラッキーすけべなイベントの筈が、ハンス困惑イベントになってなくて??
「私もランチかな。」
「ルビアナ嬢は、レディースセットだね。少なめで、デザートもついてるから良さそうだ。お嬢様もそうしますか?」
「あっ。ハンスさん、私…普通ので…」
「量多いけど、大丈夫?先に言えば減らしてもらえるよ。僕はいつも減らしてもらってる。」
「グレイは、普段スープしか頼まないだろ。そんなのだから、白くて細いんだよ。」
「…手軽に効率良く栄養を吸収できるんだ。それと魔法栄養剤でも取っておけば十分だよ。」
面倒くさそうに返しますわ。あら。グレイ様は、みため通り少食ですのね。食事に楽しみを持てないのは、残念ですわね。
「私は、クリームコロッケが食べたいですわ。」
「あー。お嬢様は、それさえ食べていたら静かですもんね。」
「ヴィーは、クリームコロッケが好きなの?」
「ええ。あのサクサクほこっとした食感と、トロッとした舌触り。嗜好で至高の食べ物ですわ!」
「ふん。子どもの好きそうな食べ物だな。」
「貴方に言われたくなくってよ!オズワルド皇子!」
「オズは、オムライスだしね。」
「な!オムライスを馬鹿にするな!あのふわふわっトロの食感!卵とケチャップの美しいハーモニー!オムライスこそ嗜好で至高な食べ物だ!!」
「いいえ!クリームコロッケでしてよ!」
「オムライスだ!」
「クリームコロッケよ!」
「肉だーーーー!!!!」
「肉以外認めない!」
「「黙(れ!(りなさい!)駄犬!!!」」
「駄犬!?」
「ちょっと…落ち着いて…落ち着いてよー。3人とも…。」
ヒートアップする私達に、ルビアナがオロオロと涙ぐみますわ。
ールビアナ。人には、退けない戦いというものがありますのよ。
そう、これは闘いなのですわ!!
私の威厳と存亡がかかっていますモノ!負けられませんわ!!
「なんだ…このカオスな状況は…」
「オズとアクヤック嬢。それにレオニダス…これでカオスにならない方がおかしいだろね。」
「グレイ…何故そこで、他人事のように… 」
「えっ?だって他人でしょ?」
「とにかく、席に着きませんか…その…周りの視線が…痛いです。」
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