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第2章
一球入魂
しおりを挟むアルビジア
女子寮
シンボル うさぎ 大地 夕闇
精神「慈愛」「清廉」「陶治」
白を基調としたレンガ造りの建物。その周りには、コケモモの木が植樹されており、青々しい緑が目に安らぎを与えてくれる。清楚で暖かみのある雰囲気は、女子寮特有のものである。
全校生徒、約300名。
アルファフォリス学園では、その全員が寮に入っている。現在、その内の78名が女子。此処にはその78名が暮らしている。基本的に二人部屋で、入学時から卒業時まで、割り当てられた部屋が変わる事はない。上回生や大きな功績を認められた者であれば、申請すれば一人部屋を与えられる事もある。
女子生徒が、男子に比べ少ないのには理由がある。女子は魔法が発現しても、学園に入学しない事が多い為だ。学園に入学してしまうと四年間を拘束されてしまう。16で婚姻が可能な女子にとって、それが枷のひとつになっている。
また、女は家に入るもの。という考えが根強くあり、女性の幸せは結婚にある。と考える者が多いのが実情。
折角魔法を学んでも、女性の活躍できる場が少ない。
それが大きな要因だと、ヴィクトリアは考えている。
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「横暴ですわ!」
湯浴み(シャワー)を終え、髪をタオルで拭き上げながら私は不満をのべますわ。
ええ。横暴すぎましてよ!
あんな騙すような形で、勝手に私の入部するクラブを決めるだなんて。あの腹黒は、やる事が本当にえげつないですわ!
あれで乙女ゲームの攻略対象なのですから、昨今の純情乙女恋愛遊戯は、方向性を間違っていましてよ!?
「まぁまぁ。ヴィーちゃん。そんなに怒らないでよ。私はヴィーちゃんと一緒のクラブですっごく嬉しいよ?」
そのヒロインたるフィロスが、ベッドで寛ぎながら笑いかけてきますわ。そこ、私のベッドですわよ。おどきなさい。
「それにBMRは、なんでもできるクラブなんだよ?やりたいことは、なんでもできる。それこそヴィーちゃんのやりたがってた、魔法農業の研究や食物探求もどちらもできるんじゃないかな。掛け持ちができないからこそ、自由に動けるクラブに入るメリットは大きいと思うよ?」
「まあ、その分他のクラブとの連携もしていかなきゃいけないみたいだけど・・・・その辺は、あのグレイ先輩がなんとかするだろし」
「私達ウィッツは、気楽にやりたいことを楽しんでいけばいいとおもうよ?」
フィロスが笑いながらいいますわ。
そうね。ハンスもルビアナも一緒ですし・・・・活動内容自体に問題はありませんものね。
問題があるのは、その設立者があの山猿と悪魔って事ですわ。
何故貴方達は、私に関わってくるのです。
関係を断つ術があるなら、誰か教えて頂戴!
っと
「そうだわ、貴女。どなたか気になる方はいらして?」
ヒロインと攻略対象が、接触していますもの。そろそろ気になる殿方が・・・・。そうよ、貴女が誰を選ぶかで、私の今後も決まりますわ!
ええ、邪魔なんて致しませんわよ。特に悪魔!アレを引き受けて下さらないかしら?
ヒロインの光魔法で、存在ごと浄化していただけると嬉しいのですけれど。
「気になる人ー?いるよー?」
「ええ!?本当ですの!それはどなた!?」
まぁ!まぁまぁまぁ!恋バナですわー!女子トークですわね!うふふ。寝間着のまま、ひとつのベッドで女子トーク。これって私の憧れのシチュエーションじゃありませんの!
「それは、いったいどなた?知りたいわ。教えて下さらない?」
枕を抱きかかえ、フィロスの横に転がりますわ。さぁ、準備は万端ですわよ。お話になって。
「ヴィーちゃん」
「はい」
「私は、ヴィーちゃんが気になる人だよ?」
「はい?」
「うふふ。可愛いし、綺麗だし、面白いし…ヴィーちゃん以上に気になる人なんて、この学園にはいないかも」
私に顔を寄せ、フィロスがにっこり微笑みますわ。
はい?
貴女・・・・女の子ですわよね?
「貴女、私は女ですわよ」
「うん。中身はイケメンだよねー」
「いえ、淑女ですわ。それに貴女も女でしてよ?恋愛対象が女性ですの?」
「違うよ。私は、ノーマルだよー?」
「気になるのが私って・・・・・・そっちのけがあると聞こえてしまいますわ?」
「そっちのけはないけど、ヴィーちゃんは気に入ってるよ?」
ニコニコと至近距離で笑うフィロス。
これは、俗にいう【百合】というものでなくて?
「ヴィーちゃん。お風呂あがりで本当にいい匂いー。ねぇ。このまま一緒に寝てもいい?」
「・・・・・・っっ!?」
フィロスが私に抱きついてきますわ。
「駄目に決まってますわー!このお馬鹿ーー!!」
ーぼふん!
「んぎゃ!?」
私、人生で始めて枕を投げるという行為を致しましたわ。
枕投げって身を守る術でしたのね。
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