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第2章
魔力測定
しおりを挟む魔力測定器。ペンタゴンの土台に埋め込まれた水晶。その上に手を翳し、チカラを放出するのですわ。そうすると、水晶の中でチカラが形と色を纏い揺らめくのです。
形、色、大きさでその者のチカラや属性がわかるといった仕組みなのですが・・・・
「次ぃ!ヴィクトリア・アクヤック!貴様の魔力を測るぞ!」
Mrsシャーウッドに呼ばれ、測定器へと手を翳しますわ。うー・・緊張しますわね。あれよね。こういったイベント事だと、ヒロインが水晶に手を翳し魔力を解放した瞬間、水晶が破裂して・・・・。その場では、測定器の故障と言われるのですが、ヒロインの保有する魔力に耐えきれず・・・・という事実が後々明らかになる。といった展開に。
ファンタジー系乙女ゲームのお約束ですわ。まさか、私のチカラで水晶が砕け散ったりなんて・・・・・・
「よし。もういいぞ。ヴィクトリア。お前の属性は、やはり水だな」
ーしませんでしたわ。当たり前ですわね。ええ。私、悪役令嬢ですもの。ヒロインではありませんでしたわ。ざ・・・・残念だなんて少しも思っていませんわよ!溢れんばかりの魔力など、あっても面倒なだけですもの!
「次ぃ!フィロス・インカ!」
Mrsシャーウッドが、フィロスの名を呼びますわ。
「あの。Mrsシャーウッド先生。彼女は、体調がすぐれないので、救護室で休んでいます」
姿を現さないフィロスの代わりに、ルビアナが答えましたわ。フィロス、体調を崩していらしたの?さっきまで、とても元気そうにしていらしたのに。
「そうか。・・・・フィロスの測定資料は、既に提出されているようだな。うむ」
手元の資料を見て、Mrsシャーウッドが言われましたわ。フィロスは、既に測定を終えているのね?あら、魔力測定器を保有しているのは、学園だけでしたわよね?
水晶バーンなイベントがあるかと思って、少しドキドキしたのですけれど・・・・なんだか肩透かしでしたわ。
次はハンスの番ね、ハンスが水晶に手を翳し、チカラを込めていますわ。魔力測定の姿って、傍目から見るとこれぞファンタジー!っといった感じで幻想的ですわね。個々のチカラに呼応して、水晶が色と光を纏い、パァアアッと輝く。ハンスの光は深い緑。キラキラと輝きの中心にいるハンス。素敵ですわね。思わず見蕩れてしまいますわ。
ーピシッ
ーパリーーーーン!!!
「うわっ!?」
「なっ!?」
嫌な音と共に、ハンスが翳していた水晶が、破裂してしまいましたわ!うそ!何故ここで破裂したの!?
「大丈夫!?ハンス!!怪我は!?」
「だっ・・大丈夫です。お嬢様。近寄ってはダメです!」
慌てて駆け寄る私を、ハンスは強い声で制しますわ。
「むっ、咄嗟に防壁魔法をかけたが・・・・間に合わなかったようだ。レジーナ先生。治癒魔法を頼む」
「はい!ハンス君。さぁこちらへ」
救護担当のレジーナ先生が、ハンスの手首を押さえますわ。
その間も、ボタボタと流れる赤い血・・・・
・・・・やだ。ハンスの手からたくさんの血が・・・・。
「ハンス・・・。貴方・・・・怪我を」
「大丈夫です。擦り傷ですし、治癒魔法をかけてもらいますから。それよりも、水晶の破片が散らばっていますから、お嬢様は近寄らないで下さい」
ハンスは、にっこりと笑い、私を遠ざけようとしますわ。
「でも、治癒魔法をかける前に硝子片を取り除かないと!!」
魔法で傷は治癒できますわ。でも中に入り込んだ破片は、取り除かないと。それにたくさんの血がでていますわ。そのまま治癒をかける事なんてできるわけないじゃない!
ハンスに近づき、掴みますわ。
「お嬢様!」
「いいから見せて!」
「駄目です。淑女が見ていいものじゃない!!」
「そんな酷い状態なら、尚更よ!手を早く貸しなさい!」
「お嬢様の服も汚れます!!」
「そんなのどうだっていい!!」
「硝子を触っては、いけません!お嬢様が怪我をしたら」
「お黙りなさい!私は貴方の主人よ!言う事も聞けないの!?貴方が私の執事である事を望んだのよ!!ならば、黙って命令に従いなさい!!」
「ー・・・・お嬢様」
私の強い口調に、諦めたように目を伏せ、ハンスは右手を差し出す。
あまりの酷い状態に、言葉を失ってしまいましたわ。
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