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第2章
余裕綽々
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救護室で休んでる間に、魔力測定は終わったようですわ。
後から聞いた話しでは、水晶が暴発したのは、ガタがきていたせいとの事。ハンスの魔力の暴走とか、そういうのではないのね。何かのイベントかと思ったのに。
「お嬢様の時でなく、本当に良かったです」
私の手を取り、ホッとした声で呟くハンス。ほんと、貴方ってそういう所・・・・無自覚ですわね。そういうスキルは、何処で覚えてくるのかしら。ど・・・・ドキドキなんてしていませんわよ!これしきの事でトキメクような、お手軽ちょろ令嬢ではありませんもの!
「ハンス。貴方、もう大丈夫なの?」
「ええ。お嬢様が処置して下さいましたし」
へにゃっと顔を緩め、微笑むハンス。至近距離で微笑まないで頂戴!嬉しいけれど恥ずかしいですわ!顔が赤く染まらないよう、平常心を保つのって難しいのよ!?
「災難だったね。ハンス。」
わたわたする私の隣で、フィロスが言いますわ。仕切りのカーテンを開けて、会話を続けるフィロス。
「水晶が破裂だなんて・・・・そんな事あるんだねー。大惨事にならなくて本当に良かったね」
「ああ。Mrsシャーウッドが防壁魔法を掛けたから、右手だけで済んだよ。最悪失明する事もあったからな」
「水晶の破片が目に入ったら。取り除くのは難しいからねー。まぁ、転移魔法使えばいけるだろうけど」
ー失明。その言葉を聞いて、思わず胸がキュッと痛みましたわ。そうよね、下手したら失明の危険もあったのよね。ハンスが失明だなんてしたら・・・・いえ。それはあくまで仮定の話よ。今は何事もなかったのですから・・・・・・。
「ヴィーちゃんが、処置したんだ?」
「あっ、でも私は血液の流れを止めただけですわ。処置はMrsシャーウッドとレジーナ先生よ?」
フィロスが私に尋ねますわ。私、まだ治癒魔法や物質転移、除去などの魔法は使えませんの。
「へー。・・・・血液の流れを?」
「ええ。なんとかなってホッとしましたわ。緊急時にすぐ対応できるよう、早く色々な魔法を覚えないといけませんわね。何時も誰かに助けてもらえるわけでは、ないのだから」
「そうだね。いざという時に、使えると使えないとじゃ違ってくるからねー」
私の言葉に、フィロスも深く頷きますわ。そう。何時も先生方が傍にいる訳ではありませんもの。
「属性によって、使える魔法は限られてきますからね。相性の悪い魔法は、取得に時間がかかりますし。・・・・私の場合は、火属性の魔法は壊滅的に無理そうです」
フィロスと私の会話に、 ハンスが顎に手を添え言いますわ。風と土の複合属性のハンスは火と相性があまり良くないのよね。相性の悪い属性は、なかなか覚える事が難しい。逆に自分の属性に近い魔法は、取得しやすく伸び代も大きいのですわ。
「そうなのよね。私は、フィロスが羨ましいですわ。光魔法だなんて、滅多にない属性ですもの。極めれば死者の蘇生だってできるんじゃありません?」
火、水、風、土、雷の五大属性。その属性を元に、派生で生まれる氷、緑やその他属性。そしてその存在が非常に希な光と闇。
火>風>土>雷>水>火。光←→闇。
おおまかな関係性はこんな感じですわ。組み合わせで生まれる魔法が変わってきますの。治癒系の魔法は、水、風、土が基本になってきますわね。ただ、光は別格で死者の蘇生も行えるとまで言われていますわ。ええ、言われているだけで、実際にそのような事例などないのですけれど。
「えー?死者の蘇生だなんて無理でしょー。そんな魔法聞いた事もないよー」
フィロスがころころと笑いましたわ。
「それに・・・・制御できない力なら、そんなものない方がいいよ」
「フィロス?」
「あ。別に何でもないよー。うん。早く使いこなせるようにならなきゃなーって思ってさ。私も暴走してばっかりで全然なんだよねー。あはは」
あら?少し元気がないように感じたのですけれど・・・・気のせいでしたのね。いつもの笑顔を浮かべましたわ。そうですわね。使いこなせなければ、意味がありませんものね。使いこなせなくて、暴走してしまうなら、ない方がましですわ。周りを巻き込むのは・・・・私も嫌ですもの。
「ハンスはいいですわね。貴方、魔力が暴走する事なんてありませんもの」
思春期故の力の暴走。特に私達Dクラスは、毎日誰かしらが暴走していますわ。(※特にお馬鹿わんこが!)まだ暴走した事がないのはハンスの他には、いつも不機嫌そうに外を眺めている、背の高い男子生徒くらいね。
「ええ。私は大人ですからね」
私の言葉に、ハンスが事も無げに返しますわ。
ムカっ・・・・
その余裕な態度・・・・・・気に食わなくってよ・・・・
「いつか、余裕をなくして暴走する貴方を見てみたいですわね。その時は、盛大に笑って差し上げますわ」
オーホッホッホッホッホ!
「いや、お嬢様。何故今お笑いに?・・・・暴走してるのは、お嬢様の思考回路ですよね?」
「たしかに・・・・ヴィーちゃんって常に暴走してるよね。面白いからいーんだけどさー」
ー二人が残念そうに呟きましたわ。
暴走とか残念とか・・・・失礼過ぎですわよ!!貴方達!!
ハンス!フィロス!この雪辱はいつか倍返しにしてお返ししますわ!!覚えてらっしゃい!
後から聞いた話しでは、水晶が暴発したのは、ガタがきていたせいとの事。ハンスの魔力の暴走とか、そういうのではないのね。何かのイベントかと思ったのに。
「お嬢様の時でなく、本当に良かったです」
私の手を取り、ホッとした声で呟くハンス。ほんと、貴方ってそういう所・・・・無自覚ですわね。そういうスキルは、何処で覚えてくるのかしら。ど・・・・ドキドキなんてしていませんわよ!これしきの事でトキメクような、お手軽ちょろ令嬢ではありませんもの!
「ハンス。貴方、もう大丈夫なの?」
「ええ。お嬢様が処置して下さいましたし」
へにゃっと顔を緩め、微笑むハンス。至近距離で微笑まないで頂戴!嬉しいけれど恥ずかしいですわ!顔が赤く染まらないよう、平常心を保つのって難しいのよ!?
「災難だったね。ハンス。」
わたわたする私の隣で、フィロスが言いますわ。仕切りのカーテンを開けて、会話を続けるフィロス。
「水晶が破裂だなんて・・・・そんな事あるんだねー。大惨事にならなくて本当に良かったね」
「ああ。Mrsシャーウッドが防壁魔法を掛けたから、右手だけで済んだよ。最悪失明する事もあったからな」
「水晶の破片が目に入ったら。取り除くのは難しいからねー。まぁ、転移魔法使えばいけるだろうけど」
ー失明。その言葉を聞いて、思わず胸がキュッと痛みましたわ。そうよね、下手したら失明の危険もあったのよね。ハンスが失明だなんてしたら・・・・いえ。それはあくまで仮定の話よ。今は何事もなかったのですから・・・・・・。
「ヴィーちゃんが、処置したんだ?」
「あっ、でも私は血液の流れを止めただけですわ。処置はMrsシャーウッドとレジーナ先生よ?」
フィロスが私に尋ねますわ。私、まだ治癒魔法や物質転移、除去などの魔法は使えませんの。
「へー。・・・・血液の流れを?」
「ええ。なんとかなってホッとしましたわ。緊急時にすぐ対応できるよう、早く色々な魔法を覚えないといけませんわね。何時も誰かに助けてもらえるわけでは、ないのだから」
「そうだね。いざという時に、使えると使えないとじゃ違ってくるからねー」
私の言葉に、フィロスも深く頷きますわ。そう。何時も先生方が傍にいる訳ではありませんもの。
「属性によって、使える魔法は限られてきますからね。相性の悪い魔法は、取得に時間がかかりますし。・・・・私の場合は、火属性の魔法は壊滅的に無理そうです」
フィロスと私の会話に、 ハンスが顎に手を添え言いますわ。風と土の複合属性のハンスは火と相性があまり良くないのよね。相性の悪い属性は、なかなか覚える事が難しい。逆に自分の属性に近い魔法は、取得しやすく伸び代も大きいのですわ。
「そうなのよね。私は、フィロスが羨ましいですわ。光魔法だなんて、滅多にない属性ですもの。極めれば死者の蘇生だってできるんじゃありません?」
火、水、風、土、雷の五大属性。その属性を元に、派生で生まれる氷、緑やその他属性。そしてその存在が非常に希な光と闇。
火>風>土>雷>水>火。光←→闇。
おおまかな関係性はこんな感じですわ。組み合わせで生まれる魔法が変わってきますの。治癒系の魔法は、水、風、土が基本になってきますわね。ただ、光は別格で死者の蘇生も行えるとまで言われていますわ。ええ、言われているだけで、実際にそのような事例などないのですけれど。
「えー?死者の蘇生だなんて無理でしょー。そんな魔法聞いた事もないよー」
フィロスがころころと笑いましたわ。
「それに・・・・制御できない力なら、そんなものない方がいいよ」
「フィロス?」
「あ。別に何でもないよー。うん。早く使いこなせるようにならなきゃなーって思ってさ。私も暴走してばっかりで全然なんだよねー。あはは」
あら?少し元気がないように感じたのですけれど・・・・気のせいでしたのね。いつもの笑顔を浮かべましたわ。そうですわね。使いこなせなければ、意味がありませんものね。使いこなせなくて、暴走してしまうなら、ない方がましですわ。周りを巻き込むのは・・・・私も嫌ですもの。
「ハンスはいいですわね。貴方、魔力が暴走する事なんてありませんもの」
思春期故の力の暴走。特に私達Dクラスは、毎日誰かしらが暴走していますわ。(※特にお馬鹿わんこが!)まだ暴走した事がないのはハンスの他には、いつも不機嫌そうに外を眺めている、背の高い男子生徒くらいね。
「ええ。私は大人ですからね」
私の言葉に、ハンスが事も無げに返しますわ。
ムカっ・・・・
その余裕な態度・・・・・・気に食わなくってよ・・・・
「いつか、余裕をなくして暴走する貴方を見てみたいですわね。その時は、盛大に笑って差し上げますわ」
オーホッホッホッホッホ!
「いや、お嬢様。何故今お笑いに?・・・・暴走してるのは、お嬢様の思考回路ですよね?」
「たしかに・・・・ヴィーちゃんって常に暴走してるよね。面白いからいーんだけどさー」
ー二人が残念そうに呟きましたわ。
暴走とか残念とか・・・・失礼過ぎですわよ!!貴方達!!
ハンス!フィロス!この雪辱はいつか倍返しにしてお返ししますわ!!覚えてらっしゃい!
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