47 / 113
第2章
レクリエーション6/7
しおりを挟む
「きゃあ!!」
フィロスの叫び声。急いでそちらへと向かいますわ。
【風を纏いて、虚空を舞う、速度上昇!】
【其は影、其は闇、不可視にて不可侵・・・・対象隠匿・・】
ガサガサと森の中を翔ながら詠唱する二人。
レオニダスが、風魔法で皆の身体能力をあげましたわ。ハイドさんの魔法は・・・・
(隠密魔法だ・・・・念の為姿を隠す。声をなるべくだすなよ。相手が認識してしまえば意味がない。)
その言葉に、私達はこくりと頷き先を急ぎますわ。
◆◆◆
鬱蒼と茂る草木。濡れた落ち葉。音を立てないように慎重に足を進める。そうして息を潜め、目的の場所に目を見遣る。
草むらに身を埋め、様子を伺う私達の目に飛び込んできたのは・・・・
ブルルルルルル。
(そんな・・・・あれは・・・・)
倒れ込むフィロスの前に、立つソレ。薄暗い森の中、木漏れ日の光を反射する白くしなやかな肢体。波打つ星屑。零れる鬣。他を寄せ付けない神々しい雰囲気。そして象徴的な額にある角。
(嘘だろ!?)
ーユニコーン。
「フィ・・・・フィロス?」
そして、ブルルルと鼻息を荒らげるユニコーンの足元で蹲るフィロス。
(ユニコーンの角に血が!?フィロス・インカのか!?)
(そんな、ユニコーンは乙女を傷つける事なんてない筈だよ)
「そんな事はどうでもいい!フィロスを助けるぞ!」
(馬鹿!男の俺達がでても、ユニコーンの怒りに油を注ぐだけだ!)
飛びだそうとするレオニダスの腕を、ハイドさんが掴み抑え付けますわ。何故?どうして?フィロスが倒れているの?早く、早く助けないと。
(ユニコーンの気が立っているみたい。どうしよう。これじゃ下手に近づけないよ。)
トリフォリウムさんの震えた声。
(強制離脱は!?魔法具で帰還ができる筈ですわよね!?)
(・・・・だめだ、魔法具の発動範囲からフィロス・インカの位置が遠過ぎる。)
「だから俺があいつを助けに!」
ガサっと音が立ちますわ。ピクッ。ユニコーンがこちらに視線を投げ、ブルルルッと低い唸り声をあげてきます。
(お前までやられたらどうする!俺達の実力でどうにかできる相手じゃない!)
(・・・・僕、先生を探してくる!このポイントを担当してる先生が近くにいる筈)
トリフォリウムさんが踵を返し走り出しますわ。
(危険だが、俺がユニコーンの注意を引く・・その間にレオニダス・・お前がフィロス・インカを助けろ。)
「わっわかった」
ハイドさんの提案に、レオニダスが頷く・・・・
「私が行きますわ」
「は?」
「・・・・ユニコーンは、乙女を傷つけない・・・・そうですわよね?」
確かにそう聞きましたわ。
決意を胸に、二人を見る。
「ばっ・・・・見てわからないのか!?すでにフィロス・インカが倒れてるんだぞ!?」
即座にハイドさんが止めてくる
「倒れているだけで、ユニコーンに傷つけられたかなんてわかりませんわ。それに、貴方達が出ていけば、ユニコーンは更に暴れますわよ?」
これ以上、被害が大きくなるのはダメですわ。それに、フィロスの状態を確認しないと・・・・なら、私が行くのが一番でなくて?
カサリ。ハイドさんの静止を振り切り、ゆっくりとユニコーンの側へ足を進めますわ。大丈夫。怖くありませんわ。大丈夫。
ーブルルルルルル。
「驚かせてすみません。お友達が心配ですの。側に行っても宜しいですか?」
ーブルルル・・・・。
「貴方に危害を加えるつもりはありませんの。信じて下さい」
ーブルル・・。
(ユニコーンの雰囲気が・・・・)
(お嬢・・・・)
じっと瞳を見つめゆっくりと話かける。・・・・ユニコーンから感じられていた怒気が、和らぐのを感じますわ。血走っていた瞳も・・・・大丈夫。落ち着いてきているみたい。・・・・これなら、フィロスに近づいても・・・・
膝をつき、フィロスの側に。そっと肩に手をかけると「・・・・ん」身じろぐフィロス。良かった。怪我もないみたい。気絶していただけですのね。
ーブルルル。
なら、ユニコーンの角の血は?
「貴方・・・・もしかして・・・・怪我を?」
フィロスの叫び声。急いでそちらへと向かいますわ。
【風を纏いて、虚空を舞う、速度上昇!】
【其は影、其は闇、不可視にて不可侵・・・・対象隠匿・・】
ガサガサと森の中を翔ながら詠唱する二人。
レオニダスが、風魔法で皆の身体能力をあげましたわ。ハイドさんの魔法は・・・・
(隠密魔法だ・・・・念の為姿を隠す。声をなるべくだすなよ。相手が認識してしまえば意味がない。)
その言葉に、私達はこくりと頷き先を急ぎますわ。
◆◆◆
鬱蒼と茂る草木。濡れた落ち葉。音を立てないように慎重に足を進める。そうして息を潜め、目的の場所に目を見遣る。
草むらに身を埋め、様子を伺う私達の目に飛び込んできたのは・・・・
ブルルルルルル。
(そんな・・・・あれは・・・・)
倒れ込むフィロスの前に、立つソレ。薄暗い森の中、木漏れ日の光を反射する白くしなやかな肢体。波打つ星屑。零れる鬣。他を寄せ付けない神々しい雰囲気。そして象徴的な額にある角。
(嘘だろ!?)
ーユニコーン。
「フィ・・・・フィロス?」
そして、ブルルルと鼻息を荒らげるユニコーンの足元で蹲るフィロス。
(ユニコーンの角に血が!?フィロス・インカのか!?)
(そんな、ユニコーンは乙女を傷つける事なんてない筈だよ)
「そんな事はどうでもいい!フィロスを助けるぞ!」
(馬鹿!男の俺達がでても、ユニコーンの怒りに油を注ぐだけだ!)
飛びだそうとするレオニダスの腕を、ハイドさんが掴み抑え付けますわ。何故?どうして?フィロスが倒れているの?早く、早く助けないと。
(ユニコーンの気が立っているみたい。どうしよう。これじゃ下手に近づけないよ。)
トリフォリウムさんの震えた声。
(強制離脱は!?魔法具で帰還ができる筈ですわよね!?)
(・・・・だめだ、魔法具の発動範囲からフィロス・インカの位置が遠過ぎる。)
「だから俺があいつを助けに!」
ガサっと音が立ちますわ。ピクッ。ユニコーンがこちらに視線を投げ、ブルルルッと低い唸り声をあげてきます。
(お前までやられたらどうする!俺達の実力でどうにかできる相手じゃない!)
(・・・・僕、先生を探してくる!このポイントを担当してる先生が近くにいる筈)
トリフォリウムさんが踵を返し走り出しますわ。
(危険だが、俺がユニコーンの注意を引く・・その間にレオニダス・・お前がフィロス・インカを助けろ。)
「わっわかった」
ハイドさんの提案に、レオニダスが頷く・・・・
「私が行きますわ」
「は?」
「・・・・ユニコーンは、乙女を傷つけない・・・・そうですわよね?」
確かにそう聞きましたわ。
決意を胸に、二人を見る。
「ばっ・・・・見てわからないのか!?すでにフィロス・インカが倒れてるんだぞ!?」
即座にハイドさんが止めてくる
「倒れているだけで、ユニコーンに傷つけられたかなんてわかりませんわ。それに、貴方達が出ていけば、ユニコーンは更に暴れますわよ?」
これ以上、被害が大きくなるのはダメですわ。それに、フィロスの状態を確認しないと・・・・なら、私が行くのが一番でなくて?
カサリ。ハイドさんの静止を振り切り、ゆっくりとユニコーンの側へ足を進めますわ。大丈夫。怖くありませんわ。大丈夫。
ーブルルルルルル。
「驚かせてすみません。お友達が心配ですの。側に行っても宜しいですか?」
ーブルルル・・・・。
「貴方に危害を加えるつもりはありませんの。信じて下さい」
ーブルル・・。
(ユニコーンの雰囲気が・・・・)
(お嬢・・・・)
じっと瞳を見つめゆっくりと話かける。・・・・ユニコーンから感じられていた怒気が、和らぐのを感じますわ。血走っていた瞳も・・・・大丈夫。落ち着いてきているみたい。・・・・これなら、フィロスに近づいても・・・・
膝をつき、フィロスの側に。そっと肩に手をかけると「・・・・ん」身じろぐフィロス。良かった。怪我もないみたい。気絶していただけですのね。
ーブルルル。
なら、ユニコーンの角の血は?
「貴方・・・・もしかして・・・・怪我を?」
0
あなたにおすすめの小説
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
転生ヒロインは悪役令嬢(♂)を攻略したい!!
弥生 真由
恋愛
何事にも全力投球!猪突猛進であだ名は“うり坊”の女子高生、交通事故で死んだと思ったら、ドはまりしていた乙女ゲームのヒロインになっちゃった!
せっかく購入から二日で全クリしちゃうくらい大好きな乙女ゲームの世界に来たんだから、ゲーム内で唯一攻略出来なかった悪役令嬢の親友を目指します!!
……しかしなんと言うことでしょう、彼女が攻略したがっている悪役令嬢は本当は男だったのです!
※と、言うわけで百合じゃなくNLの完全コメディです!ご容赦ください^^;
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら
渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!?
このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!!
前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡
「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」
※※※
現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。
今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました!
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる