46 / 113
第2章
レクリエーション5/7
しおりを挟む
「ヴィクトリアさんは、孤児院出身者ってどう思う?」
どう思う?
いきなりの質問ですわね。
どう・・・・思うのかしら・・・・
トリフォリウムさんの質問に、私は頭を捻る。
「そうですわね。どう思うと言われても、どうも思わない。というのが私の答えかしら?」
「え?」
「思わない・・・・うーん。思えないというのが正しいですわね」
私の答えに、少し驚いたような様子を見せるトリフォリウムさん。嫌な思いをさせたかしら。
でも、仕方ないわよね。
「だって、私、孤児院の事を何も知らないんですもの」
ウキペディアの情報だけであれば、何らかの事情で親元を離れ、こども達が集団で暮らしているという事はわかりますわ。
でも、私は本当のところは何も知らない。何かを思う事すらできない。私は、知らな過ぎる。
「・・・・可哀想とか、汚らしいとか、そんなの思ったりしないの?」
「何故ですの?そういった場所ですの?孤児院は」
私の言葉に、トリフォリウムさんは慌てて首を振りましたわ。
「実際に目に出来れば良いのですが、私一人で孤児院を訪れるのはできませんの。だから、今まで知る機会がありませんでしたわ。こうやってトリフォリウムさんやハイドさんと出会えたのですから、教えて下さると嬉しいわ。」
アクヤック家令嬢として、行動には制限がかけられていましたわ。年齢的にも一人で何処かを訪れる事はできませんでしたし、何よりお兄様がとても過保護でしたから・・・・孤児院の存在は知っていましたけれど、援助などもするとなると家のお金。私自身で稼いだものでないとそんな事できませんから・・・・。
知らないから、何も言えない。可哀想と思うのも違う。だから今は何も思えませんわ。
「ヴィクトリアさんは、偏見の目を持たないんだねぇ」
「偏見ですか?」
「うん。大体の人は、孤児って聞くだけで普通【可哀想・汚らしい】のどっちかでしょう?ヴィクトリアさんにはそれがないから」
「あら、でも一週間以上お風呂に入らない。とかなら可哀想とか汚いって思いますわよ?」
「ええ?そこはちゃんと清潔にしてるよぉ」
あははと笑いながら、トリフォリウムさんは色々話を聞かせてくれましたわ。孤児院は、贅沢はできないもののしっかりとした施設であること。王家や教会からの支援がある事。職業訓練なるものがあり、そこで個々の適正によって才能を伸ばされていること。
「早くに才能を見い出された子は、貴族の方や教会に引き取られたりするんだよ。あと、オズワルド皇子やグレイ様も時々お忍びでいらっしゃってたなぁ」
「あら?オズワルド皇子とグレイ様が?」
「うん。魔法かなぁ?孤児院では違う外見だったけれど、ここに入学して二人をみてあー見た事あるなぁって・・・・僕、人の雰囲気というかオーラというか・・そういうのなんとなくわかるんだぁ」
「フィロスさんも、何処かであった事ある気がするんだけどなぁ」
オズワルド皇子ったら、ずるいですわ。いつも我が家に突撃してきておいて、そういった事には私を混ぜて下さらないなんて。ああ、でも誘われてもオズワルド皇子とご一緒する気はありませんわね。ええ。そういったイベントはヒロインの役目ですわ。下手な事をすれば、己の首を締めてしまいますわ!
「フィロスが、誰かに似ているの?」
「うん。あの子に似てるんだよ」
「あの子?」
「ほんの少しの間だけ、一緒に過ごした子・・・・でもやっぱり違うなぁ。あの子の色は黄色だったから。うん。似てるだけで違う」
こてんと小首を傾げながら話すトリフォリウムさん。フィロスが誰かに似ているって事ですのね。黄色?髪の色かしら?
「因みに、ヴィクトリアさんは桃色だよ。」
「はい?」
えっ?それって頭の中がって事ですの!?んん?脳内桃色!?わっ・・・・私、破恋知な事は自重してましてよ!?むしろそういった事の被害者ですわ!レオニダスが主な元凶ですけれど!
ーぐいっ!
んん!?急に変な方向へと、引っ張られますわ!
「おっ!なんかかかった!」
「は?」
「え?」
やだ!すっ・・・・スカートに何かが!?ええっ!?
「この感触・・・・大物だな!?絶対釣り上げてやる!!おりゃあ!!」
「きゃあ!!!」
レオニダスの声と共に、捲りあがる私のスカート!
「レオニダス!私のスカートに針が!!!」
「んん?へ?あれ?お嬢が釣れた!?」
「外しなさい!早く!いいから早く外しなさい!!!」
「わわわわわっっごめっっ僕見るつもりなんてっっ」
顔を真っ赤にして慌てるトリフォリウムさん。貴方が謝る必要はありませんわ!謝るのは、このボケナスの方ですのよ!
「わっはっはっ、お嬢、悪ぃ!」
「謝ってすむと思ったら大間違いですのよ!今日という今日は許しませんわー!!」
バシバシと扇子ではたいても、まったく効いてませんわ!下手に頑丈過ぎですわよ!この筋肉お馬鹿!!
「おい。お前等・・・・あまり騒ぐとユニコーンどころか、他の魔獣も現れないぞ」
遠くでハイドさんの呆れた声が・・・・
そう言われても、私の腹の虫は収まりませんわ!
「レオニダス!今日という今日は!!許しませんわよ!!」
「ててて!お嬢!悪かったって!ほら、静かにしないと周りの音が聴こえないぜ!抑えて抑えて!」
「周りの音って、特に気にする音など聴こえてきませんわよ!」
ユニコーンも出そうにありませんわ。ほら、静かな風の音しかしませんわよ。
耳を澄ませてみると、遠くの方で嘶きとバキッという大きな音が・・・・えっ?
「きゃあ!!」
それに、鈴の音のような高い叫び声が遅れて聴こえてくる。
「え?」
「今の声・・・・フィロスさん?」
「フィロスは、キノコを採取に・・」
「ちっ!急いで駆けつけるぞ!」
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
偏見の目では見ませんが、攻略対象はドドメ色のフィルターを通して見ています・・というか目に入れないようにしています。ええ。ヴィーは聖人君子ではありませんので・・・・。オズワルドとグレイ、残念!
どう思う?
いきなりの質問ですわね。
どう・・・・思うのかしら・・・・
トリフォリウムさんの質問に、私は頭を捻る。
「そうですわね。どう思うと言われても、どうも思わない。というのが私の答えかしら?」
「え?」
「思わない・・・・うーん。思えないというのが正しいですわね」
私の答えに、少し驚いたような様子を見せるトリフォリウムさん。嫌な思いをさせたかしら。
でも、仕方ないわよね。
「だって、私、孤児院の事を何も知らないんですもの」
ウキペディアの情報だけであれば、何らかの事情で親元を離れ、こども達が集団で暮らしているという事はわかりますわ。
でも、私は本当のところは何も知らない。何かを思う事すらできない。私は、知らな過ぎる。
「・・・・可哀想とか、汚らしいとか、そんなの思ったりしないの?」
「何故ですの?そういった場所ですの?孤児院は」
私の言葉に、トリフォリウムさんは慌てて首を振りましたわ。
「実際に目に出来れば良いのですが、私一人で孤児院を訪れるのはできませんの。だから、今まで知る機会がありませんでしたわ。こうやってトリフォリウムさんやハイドさんと出会えたのですから、教えて下さると嬉しいわ。」
アクヤック家令嬢として、行動には制限がかけられていましたわ。年齢的にも一人で何処かを訪れる事はできませんでしたし、何よりお兄様がとても過保護でしたから・・・・孤児院の存在は知っていましたけれど、援助などもするとなると家のお金。私自身で稼いだものでないとそんな事できませんから・・・・。
知らないから、何も言えない。可哀想と思うのも違う。だから今は何も思えませんわ。
「ヴィクトリアさんは、偏見の目を持たないんだねぇ」
「偏見ですか?」
「うん。大体の人は、孤児って聞くだけで普通【可哀想・汚らしい】のどっちかでしょう?ヴィクトリアさんにはそれがないから」
「あら、でも一週間以上お風呂に入らない。とかなら可哀想とか汚いって思いますわよ?」
「ええ?そこはちゃんと清潔にしてるよぉ」
あははと笑いながら、トリフォリウムさんは色々話を聞かせてくれましたわ。孤児院は、贅沢はできないもののしっかりとした施設であること。王家や教会からの支援がある事。職業訓練なるものがあり、そこで個々の適正によって才能を伸ばされていること。
「早くに才能を見い出された子は、貴族の方や教会に引き取られたりするんだよ。あと、オズワルド皇子やグレイ様も時々お忍びでいらっしゃってたなぁ」
「あら?オズワルド皇子とグレイ様が?」
「うん。魔法かなぁ?孤児院では違う外見だったけれど、ここに入学して二人をみてあー見た事あるなぁって・・・・僕、人の雰囲気というかオーラというか・・そういうのなんとなくわかるんだぁ」
「フィロスさんも、何処かであった事ある気がするんだけどなぁ」
オズワルド皇子ったら、ずるいですわ。いつも我が家に突撃してきておいて、そういった事には私を混ぜて下さらないなんて。ああ、でも誘われてもオズワルド皇子とご一緒する気はありませんわね。ええ。そういったイベントはヒロインの役目ですわ。下手な事をすれば、己の首を締めてしまいますわ!
「フィロスが、誰かに似ているの?」
「うん。あの子に似てるんだよ」
「あの子?」
「ほんの少しの間だけ、一緒に過ごした子・・・・でもやっぱり違うなぁ。あの子の色は黄色だったから。うん。似てるだけで違う」
こてんと小首を傾げながら話すトリフォリウムさん。フィロスが誰かに似ているって事ですのね。黄色?髪の色かしら?
「因みに、ヴィクトリアさんは桃色だよ。」
「はい?」
えっ?それって頭の中がって事ですの!?んん?脳内桃色!?わっ・・・・私、破恋知な事は自重してましてよ!?むしろそういった事の被害者ですわ!レオニダスが主な元凶ですけれど!
ーぐいっ!
んん!?急に変な方向へと、引っ張られますわ!
「おっ!なんかかかった!」
「は?」
「え?」
やだ!すっ・・・・スカートに何かが!?ええっ!?
「この感触・・・・大物だな!?絶対釣り上げてやる!!おりゃあ!!」
「きゃあ!!!」
レオニダスの声と共に、捲りあがる私のスカート!
「レオニダス!私のスカートに針が!!!」
「んん?へ?あれ?お嬢が釣れた!?」
「外しなさい!早く!いいから早く外しなさい!!!」
「わわわわわっっごめっっ僕見るつもりなんてっっ」
顔を真っ赤にして慌てるトリフォリウムさん。貴方が謝る必要はありませんわ!謝るのは、このボケナスの方ですのよ!
「わっはっはっ、お嬢、悪ぃ!」
「謝ってすむと思ったら大間違いですのよ!今日という今日は許しませんわー!!」
バシバシと扇子ではたいても、まったく効いてませんわ!下手に頑丈過ぎですわよ!この筋肉お馬鹿!!
「おい。お前等・・・・あまり騒ぐとユニコーンどころか、他の魔獣も現れないぞ」
遠くでハイドさんの呆れた声が・・・・
そう言われても、私の腹の虫は収まりませんわ!
「レオニダス!今日という今日は!!許しませんわよ!!」
「ててて!お嬢!悪かったって!ほら、静かにしないと周りの音が聴こえないぜ!抑えて抑えて!」
「周りの音って、特に気にする音など聴こえてきませんわよ!」
ユニコーンも出そうにありませんわ。ほら、静かな風の音しかしませんわよ。
耳を澄ませてみると、遠くの方で嘶きとバキッという大きな音が・・・・えっ?
「きゃあ!!」
それに、鈴の音のような高い叫び声が遅れて聴こえてくる。
「え?」
「今の声・・・・フィロスさん?」
「フィロスは、キノコを採取に・・」
「ちっ!急いで駆けつけるぞ!」
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
偏見の目では見ませんが、攻略対象はドドメ色のフィルターを通して見ています・・というか目に入れないようにしています。ええ。ヴィーは聖人君子ではありませんので・・・・。オズワルドとグレイ、残念!
0
あなたにおすすめの小説
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
転生ヒロインは悪役令嬢(♂)を攻略したい!!
弥生 真由
恋愛
何事にも全力投球!猪突猛進であだ名は“うり坊”の女子高生、交通事故で死んだと思ったら、ドはまりしていた乙女ゲームのヒロインになっちゃった!
せっかく購入から二日で全クリしちゃうくらい大好きな乙女ゲームの世界に来たんだから、ゲーム内で唯一攻略出来なかった悪役令嬢の親友を目指します!!
……しかしなんと言うことでしょう、彼女が攻略したがっている悪役令嬢は本当は男だったのです!
※と、言うわけで百合じゃなくNLの完全コメディです!ご容赦ください^^;
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら
渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!?
このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!!
前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡
「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」
※※※
現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。
今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました!
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる