68 / 113
第2章
ゲスの極みと乙女ですわ。
しおりを挟む
※ゲスな輩と乱暴な表現があります。苦手な方は読み飛ばし推奨。
ータッタッタッタッタッタッ。
息が苦しい。どれくらい走ったのかしら。薄暗くて、埃っぽくて、何処を曲がっても同じような場所。古びたレンガは所々ひび割れ、欠けていて、人の気配もない。暗さと静けさが不安を増幅させる。まるで迷路よ。自分がいったい何処にいるのかも分からない。逃げてる筈が、追い詰められてる。
でも・・・でも立ち止まる訳にはいかないわ。逃げないと。
レオニダスを探して、うっかり路地裏に迷い込んでしまいましたの。うろうろと彷徨っている所を、男二人に声かけられましたわ。見るからに怪しい二人でしたので、丁重にお断りしてその場を離れた筈なのに・・・・男達は、乱暴に私の腕を掴み路地裏の奥へと引き摺り込んだのですわ。隙をみて逃げ出し、今に至るのですけど・・・・。
落ち着いて。落ち着くのよ。私。捕まらなれけば大丈夫。例え捕まったとしても・・・・幼い頃から体術など嗜んできましたもの。二人くらいどうってことありませんわ。とにかく、慌てず落ち着いて。逃げる事を優先して。この曲がり角を抜ければきっと・・・・
ーっ!
「そんな・・・行き止まり・・・・」
路地裏なんかに入るべきではありませんでしたわ。このような危険性は予測できた筈なのに。いつもは・・・・いつもはハンスが傍に居てくれたから。危険な目になんて遭わなかった・・・・。ハンスが護ってくれていたから。
ー・・・・だめね。私、こんな風にいつもハンスを頼って。当たり前のように。ハンスが傍にいるのは、ハンスが私を護るのは・・・・それが仕事だからなのに・・・・。自分で考え、行動した結果なのよ?ちゃんと自分でなんとかしないと・・・・
目の前に立ち塞がる、薄汚れた壁。この道を引き返すしかないの?でも、今引き返したらきっと・・・・
「おい。お嬢ちゃん。なんで逃げるんだー。」
「迷子なんだろ?親切な俺らが送ってやろうって言ってるんだぜ?話も聞かずに逃げ出すこたぁねーだろぉ?」
ーやっぱり。追いつかれてしまいましたわ。私の事をずっと追いかけてきましたのね?狭い道を男二人が塞ぎ、じりじりと近寄ってくる。親切?どの口がおっしゃりますの?そのギラギラと血走った目。口角をあげ弱者を嫐ろうとニヤつく口元。
「結構ですわ。私、友人を探してますの。一人で平気ですから放っておいて頂戴。」
襲われた時の対処法は頭の中にある。大丈夫。大丈夫。掴まれたら、その腕を捻りあげ、膝を蹴る。可能であれば、急所を狙う。倒す事じゃない。逃げる隙を作る。大丈夫。私、強いのですわ。怖くありません。
「くくく。威勢がいーねー。お嬢ちゃんは」
「いいとこのお嬢様ってやつだな。この状況がわかってねーみたいだ。」
「拐かして、どっかに売っぱらっちまうのもいーかと思ってたが・・・・この気の強そうな顔を、ぐちゃぐちゃにして泣かすのもそそられるな。」
ーっ。
下衆ね。こんな下衆な輩に、指一本だって触れさせませんわ!
「おら。大人しくしてたら優しくしてやるからよ。こっちにきな」
グッ。腕を掴まれ引き寄せられる・・・・
「お離しなさい!」
ーガッ!!!
「ってぇ!!!」
男の脛目掛けて蹴りを!よし!うまくいきましたわ!私の華麗な足捌きに、ゲス夫も、地面に平伏し悶絶していますわ。実践は初めてでしたけど、流石私!流れるような動作で一人目を撃破ですわ!オーッホッホッホッホッホ!
「調子にのってんじゃねーぞ。お嬢ちゃん。俺らが大人の男だって分かってるか?そんなか弱い足や腕で抵抗したところで、酷い目に合うだけだぜ?」
そう言って、ゲス夫Bが懐から何かを取り出しましたわ。
ーギラりと鈍く光るソレ。
ナイフ?
嘘でしょう?か弱い婦女子相手にナイフで脅すだなんて。
「ー卑劣ね。女、子ども相手にそんなモノ持ちだして・・・・恥ずかしくないの?」
どうすべき?対処法はわかりますわ。頭にありますもの。軌道は、殴るそれと一緒ですわ。目で見て交わして、反撃する。それだけの事・・・・。
でも。
「言葉は威勢がいいが。怖いんだろ?いい所のお嬢ちゃん?」
ニヤニヤと笑い、距離を詰めてくる男。じりじりと後退する私にねちっこい視線を投げてくる。下から上へと・・・・舐めるように。
不快。不快ですわ。気持ち悪い。
「ほら、その綺麗な肌に傷を残したくなかったら言う事ききな。」
掴まれた腕から、ぞわりと虫が這うような気持ち悪さが。だめよ。毅然となさい。大丈夫。なんとかなる。なんとかしなきゃ。
「へへへ。可愛いなーお嬢ちゃん。怯えちゃって」
「・・怯えてなんていませんわ。貴方達に嫌悪してるだけですわ。」
「その虚勢。いつまで持つんだろなー?」
肩を掴まれ、痛みが走る。地面へと押され、男が上に伸し掛る。
「さぁ。お楽しみといこうか?お嬢ちゃん。」
ータッタッタッタッタッタッ。
息が苦しい。どれくらい走ったのかしら。薄暗くて、埃っぽくて、何処を曲がっても同じような場所。古びたレンガは所々ひび割れ、欠けていて、人の気配もない。暗さと静けさが不安を増幅させる。まるで迷路よ。自分がいったい何処にいるのかも分からない。逃げてる筈が、追い詰められてる。
でも・・・でも立ち止まる訳にはいかないわ。逃げないと。
レオニダスを探して、うっかり路地裏に迷い込んでしまいましたの。うろうろと彷徨っている所を、男二人に声かけられましたわ。見るからに怪しい二人でしたので、丁重にお断りしてその場を離れた筈なのに・・・・男達は、乱暴に私の腕を掴み路地裏の奥へと引き摺り込んだのですわ。隙をみて逃げ出し、今に至るのですけど・・・・。
落ち着いて。落ち着くのよ。私。捕まらなれけば大丈夫。例え捕まったとしても・・・・幼い頃から体術など嗜んできましたもの。二人くらいどうってことありませんわ。とにかく、慌てず落ち着いて。逃げる事を優先して。この曲がり角を抜ければきっと・・・・
ーっ!
「そんな・・・行き止まり・・・・」
路地裏なんかに入るべきではありませんでしたわ。このような危険性は予測できた筈なのに。いつもは・・・・いつもはハンスが傍に居てくれたから。危険な目になんて遭わなかった・・・・。ハンスが護ってくれていたから。
ー・・・・だめね。私、こんな風にいつもハンスを頼って。当たり前のように。ハンスが傍にいるのは、ハンスが私を護るのは・・・・それが仕事だからなのに・・・・。自分で考え、行動した結果なのよ?ちゃんと自分でなんとかしないと・・・・
目の前に立ち塞がる、薄汚れた壁。この道を引き返すしかないの?でも、今引き返したらきっと・・・・
「おい。お嬢ちゃん。なんで逃げるんだー。」
「迷子なんだろ?親切な俺らが送ってやろうって言ってるんだぜ?話も聞かずに逃げ出すこたぁねーだろぉ?」
ーやっぱり。追いつかれてしまいましたわ。私の事をずっと追いかけてきましたのね?狭い道を男二人が塞ぎ、じりじりと近寄ってくる。親切?どの口がおっしゃりますの?そのギラギラと血走った目。口角をあげ弱者を嫐ろうとニヤつく口元。
「結構ですわ。私、友人を探してますの。一人で平気ですから放っておいて頂戴。」
襲われた時の対処法は頭の中にある。大丈夫。大丈夫。掴まれたら、その腕を捻りあげ、膝を蹴る。可能であれば、急所を狙う。倒す事じゃない。逃げる隙を作る。大丈夫。私、強いのですわ。怖くありません。
「くくく。威勢がいーねー。お嬢ちゃんは」
「いいとこのお嬢様ってやつだな。この状況がわかってねーみたいだ。」
「拐かして、どっかに売っぱらっちまうのもいーかと思ってたが・・・・この気の強そうな顔を、ぐちゃぐちゃにして泣かすのもそそられるな。」
ーっ。
下衆ね。こんな下衆な輩に、指一本だって触れさせませんわ!
「おら。大人しくしてたら優しくしてやるからよ。こっちにきな」
グッ。腕を掴まれ引き寄せられる・・・・
「お離しなさい!」
ーガッ!!!
「ってぇ!!!」
男の脛目掛けて蹴りを!よし!うまくいきましたわ!私の華麗な足捌きに、ゲス夫も、地面に平伏し悶絶していますわ。実践は初めてでしたけど、流石私!流れるような動作で一人目を撃破ですわ!オーッホッホッホッホッホ!
「調子にのってんじゃねーぞ。お嬢ちゃん。俺らが大人の男だって分かってるか?そんなか弱い足や腕で抵抗したところで、酷い目に合うだけだぜ?」
そう言って、ゲス夫Bが懐から何かを取り出しましたわ。
ーギラりと鈍く光るソレ。
ナイフ?
嘘でしょう?か弱い婦女子相手にナイフで脅すだなんて。
「ー卑劣ね。女、子ども相手にそんなモノ持ちだして・・・・恥ずかしくないの?」
どうすべき?対処法はわかりますわ。頭にありますもの。軌道は、殴るそれと一緒ですわ。目で見て交わして、反撃する。それだけの事・・・・。
でも。
「言葉は威勢がいいが。怖いんだろ?いい所のお嬢ちゃん?」
ニヤニヤと笑い、距離を詰めてくる男。じりじりと後退する私にねちっこい視線を投げてくる。下から上へと・・・・舐めるように。
不快。不快ですわ。気持ち悪い。
「ほら、その綺麗な肌に傷を残したくなかったら言う事ききな。」
掴まれた腕から、ぞわりと虫が這うような気持ち悪さが。だめよ。毅然となさい。大丈夫。なんとかなる。なんとかしなきゃ。
「へへへ。可愛いなーお嬢ちゃん。怯えちゃって」
「・・怯えてなんていませんわ。貴方達に嫌悪してるだけですわ。」
「その虚勢。いつまで持つんだろなー?」
肩を掴まれ、痛みが走る。地面へと押され、男が上に伸し掛る。
「さぁ。お楽しみといこうか?お嬢ちゃん。」
0
あなたにおすすめの小説
【長編版】悪役令嬢は乙女ゲームの強制力から逃れたい
椰子ふみの
恋愛
ヴィオラは『聖女は愛に囚われる』という乙女ゲームの世界に転生した。よりによって悪役令嬢だ。断罪を避けるため、色々、頑張ってきたけど、とうとうゲームの舞台、ハーモニー学園に入学することになった。
ヒロインや攻略対象者には近づかないぞ!
そう思うヴィオラだったが、ヒロインは見当たらない。攻略対象者との距離はどんどん近くなる。
ゲームの強制力?
何だか、変な方向に進んでいる気がするんだけど。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
転生ヒロインは悪役令嬢(♂)を攻略したい!!
弥生 真由
恋愛
何事にも全力投球!猪突猛進であだ名は“うり坊”の女子高生、交通事故で死んだと思ったら、ドはまりしていた乙女ゲームのヒロインになっちゃった!
せっかく購入から二日で全クリしちゃうくらい大好きな乙女ゲームの世界に来たんだから、ゲーム内で唯一攻略出来なかった悪役令嬢の親友を目指します!!
……しかしなんと言うことでしょう、彼女が攻略したがっている悪役令嬢は本当は男だったのです!
※と、言うわけで百合じゃなくNLの完全コメディです!ご容赦ください^^;
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
人見知りと悪役令嬢がフェードアウトしたら
渡里あずま
恋愛
転生先は、乙女ゲーの「悪役」ポジション!?
このまま、謀殺とか絶対に嫌なので、絶望中のルームメイト(魂)連れて、修道院へ遁走!!
前世(現代)の智慧で、快適生活目指します♡
「この娘は、私が幸せにしなくちゃ!!」
※※※
現代の知識を持つ主人公と、異世界の幼女がルームシェア状態で生きていく話です。ざまぁなし。
今年、ダウンロード販売を考えているのでタイトル変更しました!(旧題:人見知りな私が、悪役令嬢? しかも気づかずフェードアウトしたら、今度は聖女と呼ばれています!)そして、第三章開始しました!
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる