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第2章
Exactly
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「もーいっそ、襲っちゃえば?ヴィクっちがー。」
口元に手を添え、糸目を更に細くしたルーファさんが言いますわ。
「あっ貴方・・・・何を!?」
仰ってるの!?ルーファさん!
「あれッ!急に目にゴミが入った!見えないぞッ [ヴィクっちがハンスを襲っても]よくわからないぞッ!! 見ていない オレは見てないぞ なあーんにも 見てないッ!だからお好きにどうぞ!!」
「しませんわよーーー!!」
私を痴女に仕立て上げようとなさらないで!そのような不埒な行動、致すわけないでしょう!!
「だってさ。ハンス。残念だネ。」
ウケケケとルーファさんの笑い声が響く。
「うるさい。黙れ。」
顔を顰めたハンスが、低い声で返す。あからさまに不機嫌になりましたわ。・・・・私から迫られるのは、そこまで嫌なのかしら。うん。プランBは、実行しない方が良さそうね。
「あー!思い出した!アレだよ!アレ!ハーンス、ルビちんが転けた時に手を取ってあげたよネ!ヴィクっち、多分そこを見たんじゃない!?」
唐突に叫ぶルーファさん。
「?そんな事あったか?」
「うん。あったヨ!オレが助けたかったのに、ハンスが流れるような動作で手を取るから!オレ悔しかったんだよネ!せっかくルビちんに触れるチャンスだったのに!」
・・・・情景が目に浮かびますわね。ハンスは、一級フラグ建築士ですもの。
流れる動作で乙女をフォロー。ズキュンと射止める乙女心!いつでもどこでもだれとでも。フラグを建築。ハンス工務店。
ルビアナ・・・・落ちてませんわよね?レオニダスのように、私の恋敵になりませんわよね?正直、ルビアナに勝てると思えませんわ。だって、殿方って小さくてふわふわしてて、癒し系がよいのですわよね?庇護欲をそそられるような愛らしい方が好きっていいますわ。ルビアナって小動物で天使ですもの!ああっ、私も癒し系になりたい!
「あー。多分、お嬢様が目にされたのは、ルーファの言う場面かもしれませんね。私がよく覚えてないので、はっきり申し上げられず申し訳ございません。・・・・どうしても気になるようでしたら、ルビアナ嬢にご確認ください。」
「う・・・・もう大丈夫ですわ。私の勘違いだったみたい。」
「では、執事を続けても?」
ハンスが、腰を曲げ私の顔を覗き込みますわ。はっ!そうでしたわ!ルビアナとハンスが思い合っているから、ハンスを辞めさそうとしていたのですわ!すっかり忘れてましたわ!
「ええ。構わないわ。」
良かった。嫉妬から、ルビアナに意地悪をしなくて済みそう。ハンスを無理矢理手篭めにだってしなくて・・・・って私、どうしてそっちに思考が流れてしまいますの!?ギャーーーーーーー!!私の頭の中が、一番破廉恥ですわーーーー!!!
「良かった。」
ハンスが、ホッとした声を漏らしますわ。
「この一週間・・・・避けられてて・・・・生きた心地がしなかった。」
ボソリと何かを呟きましたわ。
「え?どうかしましたの?ハンス?」
「いえ。何でもありません。これからもよろしくお願い致します。お嬢様。」
にっこりと微笑むハンスに、思わず頬が緩む。うっ・・・・私・・・・ハンスのこの顔にも弱いみたい。心臓が止まるから、至近距離でその顔はやめてくださる?
「良かった良かった~。誤解も解けて、仲直りも出来て~」
ぱちぱちと手を叩き、祝福するルーファさん。巻き込んでしまって申し訳ないですわ。
「・・・・元はと言えば、ルーファ・・・・お前が・・・・」
「ん?でもその条件に乗ったのは、紛れもなくハーンスでしョ?」
苦々しい表情で、ルーファさんを見るハンス。それを飄々と受け流し、笑うルーファさん。条件?なんの事かしら?
「もー、いーよネ?オレ、ルビちんにアタックしたいからいくョ?」
ふわっと浮き上がり、スーっと教室の出口へと向かうルーファさん。
「あー。ハーンス。」
「なんだ。」
「オレね、半端な奴っテすっごい嫌い。」
「・・・・。」
「応えれないなら優しくするナ。欲しいなら突き放すナ。」
「・・・・っテ思う。ネッ。ヴィクっち?」
「へ?ええ?はい。」
何のことかしら?小首を傾げながら頷く私に、ルーファさんは、手をヒラヒラ振り出ていきましたわ。
ーそうして、残されたのはハンスと私・・・・。
「・・・・」
「・・・・」
あら、気まずいわ・・・・。
これ、どうしましょう・・・・。
口元に手を添え、糸目を更に細くしたルーファさんが言いますわ。
「あっ貴方・・・・何を!?」
仰ってるの!?ルーファさん!
「あれッ!急に目にゴミが入った!見えないぞッ [ヴィクっちがハンスを襲っても]よくわからないぞッ!! 見ていない オレは見てないぞ なあーんにも 見てないッ!だからお好きにどうぞ!!」
「しませんわよーーー!!」
私を痴女に仕立て上げようとなさらないで!そのような不埒な行動、致すわけないでしょう!!
「だってさ。ハンス。残念だネ。」
ウケケケとルーファさんの笑い声が響く。
「うるさい。黙れ。」
顔を顰めたハンスが、低い声で返す。あからさまに不機嫌になりましたわ。・・・・私から迫られるのは、そこまで嫌なのかしら。うん。プランBは、実行しない方が良さそうね。
「あー!思い出した!アレだよ!アレ!ハーンス、ルビちんが転けた時に手を取ってあげたよネ!ヴィクっち、多分そこを見たんじゃない!?」
唐突に叫ぶルーファさん。
「?そんな事あったか?」
「うん。あったヨ!オレが助けたかったのに、ハンスが流れるような動作で手を取るから!オレ悔しかったんだよネ!せっかくルビちんに触れるチャンスだったのに!」
・・・・情景が目に浮かびますわね。ハンスは、一級フラグ建築士ですもの。
流れる動作で乙女をフォロー。ズキュンと射止める乙女心!いつでもどこでもだれとでも。フラグを建築。ハンス工務店。
ルビアナ・・・・落ちてませんわよね?レオニダスのように、私の恋敵になりませんわよね?正直、ルビアナに勝てると思えませんわ。だって、殿方って小さくてふわふわしてて、癒し系がよいのですわよね?庇護欲をそそられるような愛らしい方が好きっていいますわ。ルビアナって小動物で天使ですもの!ああっ、私も癒し系になりたい!
「あー。多分、お嬢様が目にされたのは、ルーファの言う場面かもしれませんね。私がよく覚えてないので、はっきり申し上げられず申し訳ございません。・・・・どうしても気になるようでしたら、ルビアナ嬢にご確認ください。」
「う・・・・もう大丈夫ですわ。私の勘違いだったみたい。」
「では、執事を続けても?」
ハンスが、腰を曲げ私の顔を覗き込みますわ。はっ!そうでしたわ!ルビアナとハンスが思い合っているから、ハンスを辞めさそうとしていたのですわ!すっかり忘れてましたわ!
「ええ。構わないわ。」
良かった。嫉妬から、ルビアナに意地悪をしなくて済みそう。ハンスを無理矢理手篭めにだってしなくて・・・・って私、どうしてそっちに思考が流れてしまいますの!?ギャーーーーーーー!!私の頭の中が、一番破廉恥ですわーーーー!!!
「良かった。」
ハンスが、ホッとした声を漏らしますわ。
「この一週間・・・・避けられてて・・・・生きた心地がしなかった。」
ボソリと何かを呟きましたわ。
「え?どうかしましたの?ハンス?」
「いえ。何でもありません。これからもよろしくお願い致します。お嬢様。」
にっこりと微笑むハンスに、思わず頬が緩む。うっ・・・・私・・・・ハンスのこの顔にも弱いみたい。心臓が止まるから、至近距離でその顔はやめてくださる?
「良かった良かった~。誤解も解けて、仲直りも出来て~」
ぱちぱちと手を叩き、祝福するルーファさん。巻き込んでしまって申し訳ないですわ。
「・・・・元はと言えば、ルーファ・・・・お前が・・・・」
「ん?でもその条件に乗ったのは、紛れもなくハーンスでしョ?」
苦々しい表情で、ルーファさんを見るハンス。それを飄々と受け流し、笑うルーファさん。条件?なんの事かしら?
「もー、いーよネ?オレ、ルビちんにアタックしたいからいくョ?」
ふわっと浮き上がり、スーっと教室の出口へと向かうルーファさん。
「あー。ハーンス。」
「なんだ。」
「オレね、半端な奴っテすっごい嫌い。」
「・・・・。」
「応えれないなら優しくするナ。欲しいなら突き放すナ。」
「・・・・っテ思う。ネッ。ヴィクっち?」
「へ?ええ?はい。」
何のことかしら?小首を傾げながら頷く私に、ルーファさんは、手をヒラヒラ振り出ていきましたわ。
ーそうして、残されたのはハンスと私・・・・。
「・・・・」
「・・・・」
あら、気まずいわ・・・・。
これ、どうしましょう・・・・。
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