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おやつの時間
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「んー何作ろう……」
食堂に着き、さっそくエプロンをして料理を考える。
「ラグトさん食べたいものありますか?」
「俺はね……って俺の分も作ってくれるの?!」
ありえない、みたいな顔をされてちょっと心外だ。ついて来てもらって自分のだけ作るような人じゃない。
「そのつもりだったんですけど……お腹空いてないですか?」
「い、いや!めっちゃ空いてる!甘いのがいいかな、俺」
頭を何度も縦に振るラグトさんは驚きながらも嬉しそう。嫌な訳じゃなくて良かった。
「わかりました!じゃあさっそく作ってきますね!」
「俺も手伝うよ?」
「荷物運んでくださったお礼も兼ねているのでラグトさんは座ってて下さい」
渋々頷いたラグトさんはキッチンの扉に一番近い席に座った。
甘いもの……パンケーキにしようかな。
生地を混ぜて、焼いてる間にソースを作って……。
完成したものを食堂へ持っていくとミスカさんも一緒に座っていた。
「あ、サキちゃん!先輩も来ちゃったけど……追い出す?」
馬鹿、とミスカさんが頭を小突きラグトさんが大袈裟に痛がっていて、思わず笑ってしまう。
「多めに作ったので三人分ありますよ、どうぞ」
ミスカさんとラグトさんの前にパンケーキを出し、紅茶を淹れる。
二人が横に並んで座っているので私は反対側に向かい合う形で座った。
「これパンケーキだよね?こんなにフワフワなの初めて見た!」
「美味い……なんで分厚くなるんだ?」
「卵白を泡立てて混ぜるとボリュームが出てふわふわになるんです」
私も二人と一緒に食べる。
ん~美味しい!
この世界にもハンドミキサーがあって助かった。
「ごちそうさま」
「ほんと美味かった!」
あっという間に食べ終えて、私のお腹もいい感じに満たされた。
二人とも喜んでくれて良かった。
「サキ、顔に生クリームついてる」
「えっ、ほんとですか」
ミスカさんに言われて頬のあたりを触るがよく分からない。
「もうちょっと左だよ」
「いや反対から見たら右だろ」
二人が色々言うものだから余計に分からなくなってしまった。
「もう、そんなに言うなら取ってくださいよ」
私が冗談でムッとした顔をしてそう言うと、二人は急に後ろで顔を寄せ合い私に聞こえない声で話し始めた。
「拗ねてる顔も可愛いっすね」
「ああ、じゃあ俺が取ろう」
「いやいや、俺のほうが近いっすから。俺がやります」
何故かジャンケンが始まって、ラグトさんが勝ったらしくガッツポーズをしている。
あれ、自分で拭きに行こうと思ってたんだけど……というかジャンケンこの世界でも同じなんだ。
本当に取ってもらうことになってしまって慌てるが、あまりに真剣な表情でジャンケンをしていた二人に冗談ですとは言いづらかった。
「じゃあちょっと失礼……」
「お、お願いします」
ラグトさんが手を伸ばしてきたので、私は目を閉じ彼に顔を近づける。
下唇と頬の表面をなぞるように親指で拭われ、くすぐったくて少し声が出てしまった。
恥ずかしいなーなんて思っていたけどラグトさんの手が顔から離れる気配がない。
「ラグトさん?」
私が目を開け声を出すのと、ミスカさんがラグトさんの首根っこを掴むのが同時だった。
「いでででっ!」
「ラグト……」
「先輩だってどうせ同じ……痛っ!」
よくわかんないけど、生クリーム取れたならいっか。
二人が揉めてる間にお皿を片付け布巾を持ってくる。
「ラグトさんありがとうございます、これで拭いてください」
「うん、どういたしまして。……顔触っちゃってごめんね」
「ふふ、なんで謝るんですか。ちょっとドキドキしましたけど」
「っ……」
そのまましばらく彼と見つめ合っていると、ミスカさんの咳払いが聞こえた。
「俺たちは戻るとするか。あいつらをずっと走らせとくのも悪いからな」
「鍛錬の内容テキトー過ぎでしょ!?やけに来るの早いと思ったらそんな……ちょ、髪引っ張んないでくださいよ!」
二人はこちらに手を振って仲良く帰って行った。
食堂に着き、さっそくエプロンをして料理を考える。
「ラグトさん食べたいものありますか?」
「俺はね……って俺の分も作ってくれるの?!」
ありえない、みたいな顔をされてちょっと心外だ。ついて来てもらって自分のだけ作るような人じゃない。
「そのつもりだったんですけど……お腹空いてないですか?」
「い、いや!めっちゃ空いてる!甘いのがいいかな、俺」
頭を何度も縦に振るラグトさんは驚きながらも嬉しそう。嫌な訳じゃなくて良かった。
「わかりました!じゃあさっそく作ってきますね!」
「俺も手伝うよ?」
「荷物運んでくださったお礼も兼ねているのでラグトさんは座ってて下さい」
渋々頷いたラグトさんはキッチンの扉に一番近い席に座った。
甘いもの……パンケーキにしようかな。
生地を混ぜて、焼いてる間にソースを作って……。
完成したものを食堂へ持っていくとミスカさんも一緒に座っていた。
「あ、サキちゃん!先輩も来ちゃったけど……追い出す?」
馬鹿、とミスカさんが頭を小突きラグトさんが大袈裟に痛がっていて、思わず笑ってしまう。
「多めに作ったので三人分ありますよ、どうぞ」
ミスカさんとラグトさんの前にパンケーキを出し、紅茶を淹れる。
二人が横に並んで座っているので私は反対側に向かい合う形で座った。
「これパンケーキだよね?こんなにフワフワなの初めて見た!」
「美味い……なんで分厚くなるんだ?」
「卵白を泡立てて混ぜるとボリュームが出てふわふわになるんです」
私も二人と一緒に食べる。
ん~美味しい!
この世界にもハンドミキサーがあって助かった。
「ごちそうさま」
「ほんと美味かった!」
あっという間に食べ終えて、私のお腹もいい感じに満たされた。
二人とも喜んでくれて良かった。
「サキ、顔に生クリームついてる」
「えっ、ほんとですか」
ミスカさんに言われて頬のあたりを触るがよく分からない。
「もうちょっと左だよ」
「いや反対から見たら右だろ」
二人が色々言うものだから余計に分からなくなってしまった。
「もう、そんなに言うなら取ってくださいよ」
私が冗談でムッとした顔をしてそう言うと、二人は急に後ろで顔を寄せ合い私に聞こえない声で話し始めた。
「拗ねてる顔も可愛いっすね」
「ああ、じゃあ俺が取ろう」
「いやいや、俺のほうが近いっすから。俺がやります」
何故かジャンケンが始まって、ラグトさんが勝ったらしくガッツポーズをしている。
あれ、自分で拭きに行こうと思ってたんだけど……というかジャンケンこの世界でも同じなんだ。
本当に取ってもらうことになってしまって慌てるが、あまりに真剣な表情でジャンケンをしていた二人に冗談ですとは言いづらかった。
「じゃあちょっと失礼……」
「お、お願いします」
ラグトさんが手を伸ばしてきたので、私は目を閉じ彼に顔を近づける。
下唇と頬の表面をなぞるように親指で拭われ、くすぐったくて少し声が出てしまった。
恥ずかしいなーなんて思っていたけどラグトさんの手が顔から離れる気配がない。
「ラグトさん?」
私が目を開け声を出すのと、ミスカさんがラグトさんの首根っこを掴むのが同時だった。
「いでででっ!」
「ラグト……」
「先輩だってどうせ同じ……痛っ!」
よくわかんないけど、生クリーム取れたならいっか。
二人が揉めてる間にお皿を片付け布巾を持ってくる。
「ラグトさんありがとうございます、これで拭いてください」
「うん、どういたしまして。……顔触っちゃってごめんね」
「ふふ、なんで謝るんですか。ちょっとドキドキしましたけど」
「っ……」
そのまましばらく彼と見つめ合っていると、ミスカさんの咳払いが聞こえた。
「俺たちは戻るとするか。あいつらをずっと走らせとくのも悪いからな」
「鍛錬の内容テキトー過ぎでしょ!?やけに来るの早いと思ったらそんな……ちょ、髪引っ張んないでくださいよ!」
二人はこちらに手を振って仲良く帰って行った。
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